目 次
1 基本編
病理標本の見方
はじめに
a)生検の目的
b)生検の限界と特殊性
A 顕微鏡の取り扱い
1.顕微鏡の構造
2.顕微鏡の準備
a)レンズ
b)光源
c)目幅と視度調節
d)コンデンサー(集光器)
e)光学フィルター
3.観察方法
a)焦点の合わせ方
b)倍率を変えた観察
コラム 光学顕微鏡の倍率
B 生検組織標本の取り扱い
1.検体の採取
2.標本作製
3.染色法
a)ヘマトキシリン−エオシン染色
b)PAS−Alcian blue染色法
c)線維染色
d)内分泌顆粒の染色
e)悪性リンパ腫の診断
f)その他の染色法
4.標本の特殊な切り出し法
a)深切り標本
b)連続切片
C 消化管の組織像
1.食道
a)肉眼解剖
b)食道壁の構造
c)粘膜の組織像
2.胃
a)肉眼解剖
b)胃壁の構造
c)粘膜の組織像
3.十二指腸・小腸
a)肉眼的解剖
b)小腸壁の構造
c)粘膜の組織像
4.大腸
a)肉眼的解剖
b)大腸壁の構造
c)粘膜の組織像
D 病理組織学的診断の記載
1.胃生検組織診断分類
2.大腸癌診断のための生検組織判定基準―生検グループ分類―
2 入門編
消化管生検の見方
A 入門編; 病変の見方概説
1.顕微鏡の見え方
2.標本の見方,染まり方
3.生検標本に何が見えるか
4.正常構造とそれからのかけ離れ
5.低倍率から高倍率へ,各倍率で見ておくべきもの
a)低倍率(40倍)にて見ること
b)中倍率(100倍・200倍)にて見るもの
c)高倍率(400倍)にて見ておくこと
6.それ以後の操作
B 構造から―形から入る
1.細胞異型
2.構造異型
C 鑑別診断へ
1.臨床医にとってどういう鑑別診断が最も必要か
2.分化度,異型度,悪性度について
3.分化癌と未分化癌
4.悪性度について
D 各論
1.腺癌
a)分化癌
b)未分化癌
2.その他の主な悪性腫瘍
a)扁平上皮癌
b)腺扁平上皮癌
c)癌肉腫
d)粘表皮癌(食道)
e)腺様嚢胞癌(食道)
3.カルチノイド腫瘍
4.リンパ腫および悪性リンパ腫
a)第1目標について
b)第2目標について
c)第3目標について
5.間質性腫瘍
E 悪性腫瘍と鑑別を要する疾患
1.悪性腫瘍との鑑別を要する病変
a)再生異型
b)過形成
c)化生
d)変性
e)腺腫
f)異所性組織
g)異形成
h)潰瘍底の壊死性肉芽組織と癌
2.間葉系腫瘍についての問題点
3.炎症論(胃炎,Crohn病)
F まとめ
3 実際編
I 食道 〈下山省二〉
A 扁平上皮癌
1.高分化扁平上皮癌
2.中分化扁平上皮癌
3.低分化扁平上皮癌
B 異型上皮
C 食道炎
D 顆粒細胞腫
コラム 消化管癌における用語の違い
E Barrett食道
F その他
1.Leukoplakia
2.Papilloma
II 胃〈下山省二〉
A 胃癌
1.乳頭状腺癌
2.高分化管状腺癌
3.中分化管状腺癌
4.低分化腺癌
5.印環細胞癌
6.膠様腺癌
7.低分化腺癌や印環細胞癌と鑑別を要する細胞や病変
8.印環細胞癌と鑑別を要する場合
B 胃の異型上皮巣
C 慢性胃炎
1.萎縮(過形成)性胃炎
2.化生性胃炎
3.疣状胃炎
D ポリープ
E 胃潰瘍,びらん
F 悪性リンパ腫
G MALT lymphoma
H GIST
1.平滑筋腫
2.平滑筋肉腫
3.神経鞘腫
4.異所性胃粘膜
5.異所性膵
I カルチノイド
J その他
1.形質細胞の免疫グロブリン
2.ヘリコバクターピロリ
III 十二指腸〈下山省二〉
A Brunner腺過形成
B 異所性胃粘膜
C リンパ濾胞過形成
D 腺腫,癌
IV 小腸〈大原毅 赤羽久昌〉
V 大腸疾患〈大原毅 赤羽久昌〉
A 大腸疾患総論
B 大腸腫瘍
1.大腸腫瘍総論
2.大腸癌
a)大腸癌総論
コラム1
b)大腸癌各論・組織型
コラム2 細胞異型(=核異型)の3点セット
コラム3 低分化腺癌と未分化癌
3.大腸の良性腫瘍
a)大腸の良性腫瘍総論
b)大腸腺腫総論
コラム4 ポリープ
c)大腸腺腫(adenoma)各論
コラム5 severe dysplasiaという言葉について
コラム6 ジャーゴン jargon
コラム7
d)腺腫以外の良性ポリープ
コラム8 いわゆる化生性ポリープ metaplastic polypおよび過誤腫性ポリープ hamartomatous polyp
コラム9
C まとめ
1.大腸の上皮性腫瘍のまとめ,結局は表現型の違いだけ
2.大腸腫瘍の生検診断のまとめ
コラム10 basal cell hyperplasia
VI 消化管の炎症性疾患〈大原毅 赤羽久昌〉
A 総論
1.消化管における炎症論―消化管における炎症とは何か―
炎症の定義
2.下部消化管(大腸・小腸)の炎症性疾患の特徴と分類
a)特徴
b)分類
3.組織像の特徴
B 各論―大腸における代表的炎症
1.急性炎症
a)急性大腸炎
b)虚血性腸炎
c)アメーバ赤痢
d)薬剤性大腸炎
2.慢性炎症
a)潰瘍性大腸炎
b)Crohn病
c)分類不能な慢性腸炎
d)孤立性直腸潰瘍症候群
e)特殊性炎
f)子宮内膜症(エンドメトリオーシス)の腸管播種(転移)
g)炎症と癌について
4 私の主張
A 再生の意義
B 胃の再生上皮と腸上皮化生
C 胃生検のグループ分類(胃生検組織診断基準)を見直そう―臨床医の目から―
1.Group I・IIについて
2.Group IIIについて
3.Group IV・Vについて
4.実地臨床面から
D 大腸腺腫の発生(腺腫発生一元論)
E 腺腫の悪性ポテンシャル,hyperplastic polypとadenomatous polyp
F 大腸癌組織発生論から20年
索引