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書籍詳細

臨床のための脳局所解剖学

臨床のための脳局所解剖学

宜保浩彦 他編著

AB判 220頁

定価22,000円(本体20,000円 + 税)

ISBN978-4-498-02948-4

2000年05月発行

在庫なし(増刷・改訂見込みなし)

雑誌「CLINICAL NEUROSCIENCE」に106回にわたって連載された「臨床に必要な局所解剖学」を内容別に再編成し,加筆した待望の書.
1項目を見開き2頁にまとめ,明快なカラーイラストにより局所解剖の知識を簡明に解説している.
神経系の日常臨床に,また手術時の局所解剖の知識を得るための必携の書である.


 神経学,特に臨床神経学を学ぶ,あるいは専門とする臨床医にとって中枢神経系の解剖,すなわち脳の局所解剖学は,病巣の診断および治療のため必要不可欠です.しかし,臨床神経解剖学の大御所の一人であるJohanes Lang 教授(University of W殲zburg,Germany)が“Anatomy is extremely necessary,but not at all easy.”と述べておられるように,神経系の解剖学は複雑で,理解,記憶するのが困難です.
 また昨今,中枢神経系の画像診断の進歩,脳神経外科における手術用顕微鏡下手術および血管内手術の普及などにより,従来の巨視的な肉眼解剖と異なり,より詳細な解剖学的知識,特に,詳細,精緻な局所解剖が臨床の現場で必要となってきました.
 本書の特徴は,今までの神経解剖の成書では余り詳しく記載されていない臨床に必要な解剖学的事柄について,イラストを活用して簡潔明瞭にまとめ,理解しやすい内容になるように心がけた点です.特に脳血管,脳神経あるいは頭蓋内の構造物について歴史的に広く認められている解剖学的記述をreview し,一部,著者らのデータを付け加え,図や表を多くして視覚的に理解しやすいように配慮しました.例えば,1 mm 以下の穿通枝動脈 perforating artery の親血管からの発生部位や分布,穿通枝動脈の脳実質への入口部にあたる有孔質について,あるいは海綿静脈洞の壁についてのイラストなどに,本書の特徴が出ていると思います.
 本書は,1991年3月から1999年12月まで合計106回に渡り,雑誌「CLINICAL NEUROSCIENCE」(中外医学社)に連載した内容を,刊行に際してすべてを再検討し,一部修正または手直しを加え,一冊にまとめたものです.主に3名(宜保,外間,大沢)で執筆しており,全体にわたって可能な限り統一性および完璧を期したつもりですが,誤りがあれば著者らの責任であり,ご一報いただければ訂正したいと存じます.
 本書が,中外医学社よりすでに刊行され好評を得ている『臨床のための神経機能解剖学』(後藤文男,天野隆弘 著)と同様に,中枢神経系に関係する分野の研修医,レジデントを含む臨床医(脳神経外科,神経内科,神経放射線など)あるいは神経学に興味のある学生諸君に有益であり,幅広い支持を得られるならば幸いです.
 最後に,御多忙にもかかわらず,この本の出版に御援助,御尽力いただいた中外医学社「CLINICAL NEUROSCIENCE」編集部中田久夫氏,および担当各位,素晴らしいイラストを書いていただいたイラストレーターの大熊 伸氏に深謝の意を表します.

2000年4月
宜保浩彦
外間政信
大沢道彦

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目 次

WILLIS動脈輪前半部の動脈
 内頸動脈の分類とその分枝
 後交通動脈
 後交通動脈の穿通枝
 前脈絡叢動脈
 内頸動脈の穿通枝
 中大脳動脈(M1)の穿通枝
 中大脳動脈皮質枝
 前大脳動脈(A1)とその穿通枝
 前交通動脈とその穿通枝
 Recurrent artery of HEUBNERとその灌流域
 前大脳動脈皮質枝

WILLIS動脈輪後半部の動脈
 後大脳動脈近位部(P1)の中心枝
 後大脳動脈遠位部の中心枝
 後大脳動脈皮質枝
 上小脳動脈近位部および中心枝
 上小脳動脈遠位部
 前下小脳動脈
 後下小脳動脈
 脳底動脈の中心枝(穿通枝)とその灌流域
 椎骨動脈の穿通枝とその灌流域
 前脊髄動脈
 後脊髄動脈

有孔質の解剖
 前有孔質 anterior perforated substance
 Lateral perforated substance
 後有孔質 posterior perforated substance
 有孔質のまとめ

眼窩およびその近傍の解剖
 内頸動脈窩
 眼動脈の分枝(眼窩内眼動脈)
 眼動脈の起始と走行
 眼窩およびその近傍の静脈
 上眼静脈の走行

脳下垂体に分布する血管
 Supraclinoid portion内頸動脈
 海綿静脈洞部内頸動脈
 脳下垂体に分布する血管のまとめ

静脈洞
 上矢状静脈洞
 下矢状静脈洞
 直静脈洞
 蝶形頭頂静脈洞 sphenoparietal sinus
 静脈洞交会
 横静脈洞
 S状静脈洞
 上および下錐体静脈洞
 後頭静脈洞

海綿静脈洞
 海綿静脈洞と蝶形骨洞との関係
 海綿静脈洞部内頸動脈
 静脈路とその疾患
 海綿静脈洞と脳神経との関係
 海綿静脈洞外壁
 海綿静脈洞上壁
 海綿静脈洞後壁

後頭蓋窩の静脈
 その名称およびtentorial sinus
 上部またはGALEN静脈還流群
 前部または錐体静脈還流群
 後部または天幕静脈洞還流群と後頭蓋窩底部の静脈洞
 後頭蓋窩の静脈のまとめ

主な静脈
 導出静脈
 LABBE脈
 TROLARD静脈
 GALEN静脈
 脳底静脈(basal vein of ROSENTHAL)
 Superficial middle cerebral vein(superficial sylvian vein)
 Septal vein
 Thalamostriate vein
 静脈角 venous angle
 内大脳静脈 internal cerebral vein

表在性皮質静脈
 前頭葉の静脈
 頭頂葉の静脈
 側頭葉の静脈
 後頭葉の静脈
 表在性皮質静脈の流出路

脳室系の解剖
 側脳室前角部…(1)
  〃    …(2)
 側脳室下角部…(1)
  〃    …(2)
 側脳室後角部…(1)
  〃    …(2)
 第三脳室…(1)
  〃  …(2)
  〃  …(3)
  〃  …(4)
 第四脳室底部…(1)
  〃    …(2)
 脳室壁に分布する血管
  medial posterior choroidal artery
  lateral posterior choroidal artery
  anterior choroidal artery
  第四脳室

脈絡裂とSYLVIUS裂
 側脳室脈絡裂
  脳室,脳槽との関係
  体 部
  三角部
  下角部
 Sylvian fissure  …(1)
   〃…(2)

大脳と小脳
 大脳半球
  前頭葉
  側頭葉
  頭頂葉
  後頭葉
 小脳…(1)
  〃…(2)

頭蓋底と天幕切痕
 破裂孔
 内耳道
 頸静脈孔
  頭蓋骨および硬膜との関係
  神経との関係
  血管との関係
 天幕切痕…(1)
  〃  …(2)
  〃  …(3)

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