目 次
Chapter 1◆脳虚血の病態生理
1.脳虚血を理解するために <宝金清博>
A.3つの概念
B.Therapeutic time window(治療可能時間=時間の窓)
C.Penumbra(救済可能領域)
D.再灌流障害(reperfusion injury)
2.脳虚血と再灌流障害の基礎 <松居 徹>
A.虚血に伴う脳細胞障害機構の基礎
B.再灌流に伴う細胞障害機構の基礎
C.ミトコンドリアの機能障害と再灌流
D.再灌流に伴う蛋白質合成能に対する変化
E.再灌流障害と細胞内情報伝達系
F.再灌流と活性酸素種(ROS),サイトカイン
1.Xanthine dehydrogenase/xanthine oxidase
2.Ferrylhemoglobin
3.NADPH oxidase
G.再灌流とNO
H.再灌流と生体内抗酸化機能
1.膜リン脂質障害への防衛機能
2.DNAの修復システム
I.Hyperperfusionと再灌流
J.再灌流とアポトーシス,ネクローシス
3.脳血行再建と脳循環・代謝 <黒田 敏>
A.脳虚血の病態生理
1.脳のエネルギー消費は安静時,活動時で大きく変化する
2.脳血流量は複雑なメカニズムにより調節されている
3.虚血閾値とischemic penumbraの概念
4.脳組織の損傷は虚血の程度と時間によって決定される
5.脳には虚血に特に脆弱な部分が存在する
B.脳虚血における脳循環代謝測定の意義
1.脳灌流圧低下により生じる病態
2.脳循環代謝測定の方法論
C.脳血行再建術における脳循環代謝
1.EC/IC bypassに関する国際共同研究について
2.PETと血行力学的脳虚血
3.SPECTと血行力学的脳虚血
4.脳血管反応性とOEFに関する最近の知見
5.そのほかの脳循環代謝測定法
6.脳血行再建術における周術期モニタリング
Chapter 2◆脳虚血の画像診断 -- 基礎と実践 -- <佐々木真理>
A.脳虚血画像検査の基礎
1.X線CT
2.MRI
3.脳循環検査
B.急性脳虚血の画像診断
1.急性期虚血病変の検出
2.脳虚血の重症度判定
3.血管閉塞の判定
4.出血の否定
C.慢性脳虚血の画像診断
1.無症候性脳梗塞と類似病変
2.梗塞に伴う2次的変化
3.脳血管病変,循環予備能,代謝予備能
Chapter 3◆急性期血行再建 <宝金清博 入江伸介>
A.基礎から臨床へ
1.3つの脳循環パラメーター
B.画像診断
1.急性期脳虚血画像診断の目的
2.Stroke CTとStroke MRI
3.MRI所見による治療方針の決定(Stroke MRIの実際)
C.治療方針
1.Time managementとフローチャート(クリティカルパス)
2.最初の判断 -- t-PA判断
3.t-PA治療非適応例
D.急性期血行再建の方法
1.t-PA静脈内投与
2.外科的血行再建
3.血管内外科による急性期血行再建
E.急性期血行再建の実際
1.穿通枝梗塞
2.アテローム血栓性脳梗塞
3.頚部内頚動脈狭窄(急性期内膜剥離術症例)
4.心原性塞栓術
F.急性期血行再建のまとめ
Chapter 4◆慢性期血行再建 <中川原譲二>
A.脳血行再建術の歴史と展開
B.脳血行再建術の病態生理学的根拠
C.慢性期脳血行再建術のエビデンス
D.血行力学的脳虚血の定量的重症度判定
1.SPECT定量画像解析
2.SPECT統計画像解析
E.慢性期脳血行再建術のガイドライン
Chapter 5◆血管内外科治療による血行再建 <野中 雅>
A.急性期血行再建術
1.局所線溶療法
B.慢性期血行再建術
1.頚部頚動脈狭窄病変に対するstenting
2.頭蓋内動脈硬化病変に対するPTA・stenting
3.他部位のステント留置術
Chapter 6◆脳動脈瘤治療における血行再建術の役割 <石川達哉>
A.背景
B.治療戦略と戦術
1.術前の評価
2.術中の評価
3.術後の評価
C.血行再建術の実際
1.親動脈(母動脈)を犠牲にする必要がある場合の,恒久的な血行再建術
2.親動脈(母動脈)の一時的な血流遮断をする必要がある場合の,
脳虚血を回避するための一時的な血行再建術
Chapter 7◆脳血行再建術の実際と合併症 <宝金清博>
A.脳血行再建術に伴う合併症
B.急性期血行再建術の合併症
C.慢性期予防的血行再建術の合併症
1.CEAの合併症
2.バイパス手術の合併症
3.もやもや病に対する手術の合併症