1 概念と疫学
1.NASHの疾患概念 〈谷川久一〉
A .歴史的背景
B .名称と新しい分類
C .病理診断から臨床診断
D .メタボリックシンドロームとのかかわり
E .治療の困難さ
F .今後の方向
2.NASHとNAFLD 〈岡上 武〉
A .概 念
B .NAFLD,NASHの診断
C .肝組織診断基準と問題点
3.NASHの疫学 〈小野正文,西原利治〉
A .本邦における肥満者の年次推移
B .BMIと腹囲計測による肥満の状況
C .肥満と肝障害の関連
D .肥満と脂肪肝の関連
E .本邦におけるNAFLD,NASHの頻度
F .NASHの年齢分布と肝線維化の程度
G .NAFLDとNASHの背景病態としての内臓肥満とインスリン抵抗性
H .NASHの予後
2 健 診
1.学校健診からみたNAFLD 〈大関武彦〉
A .小児におけるNAFLDの発症要因
B .小児期に肥満をきたす疾患
C .小児期の単純性肥満の発症要因
D .小児の肥満症とメタボリックシンドロームの意義
E .学校検診におけるNAFLD
F .小児における肥満の治療
2.近年における脂肪肝発生率の増加: 健診により明らかになってきたこと
〈松崎松平,渡辺勲史〉
A .予防医学的研究・調査の意義: 医療経済的視点から
B .人間ドック健診からみえてきたこと(長期間における多数例の分析結果より)
1.脂肪肝の増加とそのパターンが示すもの
2.性差と年齢的特徴
3.脂肪肝増加の関連因子: 統計解析から明らかになったこと
4.肥満度(BMI)の検討からみえてきたこと
5.脂肪肝発見率のBMI別検討: 年度の比較
6.BMIは脂肪肝の診断と治療の重要な指針となる
C .今後の課題と問題点
3.地域健診からみたNAFLD 〈斎藤貴史,西瀬雄子,河田純男〉
A .地域健診における生活習慣病調査
B .肝機能障害のリスクを有さない一般成人の頻度
C .一般成人におけるNAFLDスクリーニングに有効なALTの基準値
D .非飲酒者のALT値の上昇に関連する要因分析
E .地域健診における腹部超音波の受診者におけるbright liver の実態
3 NASHの疾患背景
1.肥満とメタボリックシンドローム─日本人における記述疫学
〈吉池信男,川崎徹大〉
A .国民健康・栄養調査からみた肥満の疫学
B .国民健康・栄養調査からみたメタボリックシンドロームの疫学
C .個別集団におけるメタボリックシンドロームの疫学
2.メタボリックシンドロームとNASH 〈島本和明〉
A .脂肪肝とメタボリックシンドローム
B .NAFLDとインスリン抵抗性
C .NAFLD・NASHにおける高血圧治療の有用性
3.C型肝炎とNASH 〈小池和彦〉
A .C型肝炎と肝脂肪化
B .マウスモデルにおける肝脂肪化と肝発癌
C .C型肝炎における肝脂肪化の特徴とその機序
D .肝脂肪化と肝発癌─脂肪化は炎症の質的相違をもたらすか
E .C型肝炎とインスリン抵抗性
F .C型肝炎とNASHの比較
G .肝脂肪化と肝発癌