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書籍詳細

Dr. 長澤の臨床医のための産業医ガイド

Dr. 長澤の臨床医のための産業医ガイド

長澤 将 著

A5判 276頁

定価4,400円(本体4,000円 + 税)

ISBN978-4-498-01418-3

2026年04月発行

在庫あり


病院の常識は,企業の非常識!?
「産業医の資格は取ったけれど,どうやって契約を取ればいい?」「臨床しか知らない自分が企業で通用するのか?」そんな疑問を抱えるすべての臨床医へ.本書は,臨床現場の最前線で長年働いてきた著者が,自らの足で産業医の資格を取得し,「企業文化の壁」に直面しながらも労働衛生コンサルタント資格を取得するまでの軌跡を赤裸々に綴った一冊です.資格取得のための勉強から,面接でのリアルなやり取り,企業から求められる役割まで,これから産業医を目指す医師が本当に知りたい現場の「リアル」を完全ガイドします.

出版社からのコメント

お寄せいただいた書評を掲載いたします。

『ゼロから始める産業医の教科書』 岩見謙太朗 著
『Dr.長澤の臨床医のための産業医ガイド』長澤将 著

 中外医学社から時を同じくして、2026年4月、画期的な産業医の実践的入門書が2冊同時に発刊された。かつて産業医といえば産業医科大学出身者の独壇場という印象が強かったが、昨今の医師を取り巻く過度なストレスや働き方改革への関心から、「直美」とともに産業医への注目はかつてないほど高まっている。
 産業医資格は50時間の講習を受ければ取得できる。しかし、講習だけで実務をこなすのは極めて困難だ。これまでも優れた教本は存在したが、現場で即戦力となる「マニュアル」としての有効性には、どこか物足りなさがあった。そこに登場したのが、これさえあれば産業医活動ができるという、待望の実践書2冊である。
著者の一人、岩見先生は2022年に北海道大学を卒業後、研修医時代に労働衛生コンサルタント試験(合格率約25%の難関)に筆記試験から合格された。そしてわずか数年で産業医事務所や情報サイトを主宰するまでになっている。
 もう一人の著者、長澤先生は2003年に東北大学を卒業。腎臓内科医として第一線で活躍しながら、2014年に産業医資格を取得された。5年間の「維持」期間を経て実働を開始し、2025年には労働衛生コンサルタント試験にも合格されている。
 一方、書評者である私(丸山)は1981年卒。定年2年前に産業医資格を得、2026年にようやく労働衛生コンサルタント試験に合格した身である。両著では、この試験の合格の秘訣や資格の意義についても詳しく述べられている。
岩見先生の著書は、卒業後まもない時期から産業医活動に専念してきた背景があり、無駄なく膨大な情報が凝縮されている。特筆すべきは、これまで情報の少なかった「独立系産業医事務所」についての記載がある点だ(この部分は、さらに踏み込んだ具体例も読みたかったと感じるほどである)。また、本書は労働衛生コンサルタントの口述試験範囲をほぼ網羅しており、運が良ければ本書一冊で合格レベルに達するだろう。
対して長澤先生の著書は、多忙な臨床医の傍ら、肩の力を抜いて産業医に取り組む姿勢で解説されている。そのため、私のような「退職後のアルバイトの合間に合格した」産業医にとっても親しみやすく、かつ正確な知識を補完できる内容となっている。
これから産業医を志す方への理想的なステップはこうだ。まず岩見先生の著書で労働衛生コンサルタントレベルの知識を蓄え、数社の嘱託産業医を経験する。その後に長澤先生の本に目を通せば、まさに「目から鱗が落ちる」ような開眼を覚えるはずだ。
現在、医師の過度なストレスにより医療体制は崩壊の危機にある。とはいえ、虫垂炎の手術中に「作業環境管理」や「勤務間インターバル」を議論するわけにもいかない。だからこそ、多くの医師には長澤先生のように、臨床を極めた上での「余暇(キャリアの幅)」として産業医を勧めたい。一方で、日本の産業発展を根底から支えたいという熱意ある若手は、岩見先生のように日本の労働衛生を革新してほしい。
 産業医に興味がなくとも、この2冊を読めば現状を完全に把握できるだろう。新人から中堅まで、すべての産業医にとってのバイブルである。

丸山敬
埼玉医科大学・医学部・薬理学教室・名誉教授・客員教授(産業医/労働衛生コンサルタント)

はじめに


 2025年の冬,鹿児島の天文館むじゃきで「白くま」を食べながら携帯でメールをチェックしていると,顧問先から「休職者のトラブルについて相談したい」というメッセージが来ていた.その瞬間,「そうだ,この産業医経験も伝えておこう!」と思い立ったのだ.その数週間後,数枚のたたき台を作って,担当編集者に連絡をとった.

 普段私は,腎臓・高血圧内科の臨床医として,透析医療やCKD(慢性腎臓病)治療の最前線に立っている.そんな「ガチ臨床医」の私が,なぜ今,産業医の本を書いているのか.それは,外来で「もっと早く出会っていれば……」と悔やまれる患者さんがあまりにも多いからだ.糖尿病性腎症で透析導入になる患者さん,長時間労働の末に倒れた患者さん…….彼らの多くは,病院に来るずっと手前,「職場」というフィールドで救えるチャンスがあったはずなのだ.

 しかし,世の中の「産業医」のイメージはどうだろうか.「月に1回行ってハンコを押すだけの仕事」「臨床の片手間のアルバイト」「割のいい小遣い稼ぎ」……残念ながら,そう思っている医師がまだ多いのも事実だ.
 はっきり言おう.2026年の現在,そんな「名ばかり産業医」が通用する時代は終わった.50人未満の事業場へのストレスチェック義務化,化学物質の自律的管理,フリーランス新法への対応,そしてAIの台頭.産業医に求められるスキルは高度化・複雑化し,企業側も「本当に役に立つ産業医」を選別し始めている.

 本書には,これから産業医を目指す,あるいは現在産業医をしている臨床医に向けて,「ガチ」な産業医活動を行うためのノウハウを詰め込んだ.労働安全衛生法などの法律論はもちろんだが,それ以上に「臨床医としての強みをどう現場で活かすか」に主眼を置いている.健診データの深読み,メンタル不調者への主治医との連携,そして経営層へのプレゼン力.これらは,臨床で鍛えた「診断力」と「対話力」があればこそ輝くスキルなのだ.

 本書には,私の成功談だけでなく,失敗談や冷や汗をかいた経験も赤裸々に綴った(第5章の労働衛生コンサルタント試験の顛末などは,笑って読んでいただければ幸いである).これを読んだ皆さんが,企業の「お飾り」ではなく,働く人々の健康と命を守る「守護神」として活躍されることを願ってやまない.

 最後に,本書の企画段階から伴走してくださった中外医学社の岩松宏典様(いつも私の思いつきを形にしてくれて感謝),膨大な資料の整理と緻密な校正を担当してくださった上村裕也様,そして対談を快諾してくださった五十嵐 侑先生に,心より感謝を申し上げます.

2026年 春
長澤 将

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CONTENTS


第1章 ガチ臨床医,産業医を目指す
    1.なぜ腎臓・透析専門医が産業医を目指したか?
      コラム産業医を目指したもう1つの理由
    2.そもそも産業医ってなんだ?
    3.産業医になるためにはどうすればよい?
    4.産業医講習会を受けてみた
    5.どうやって産業医の契約を取る?
    6.1社目の壁
      コラムクラッシャーにご注意
    7.契約はしたものの……
      コラム産業医の「価格破壊」にどう抗うか
    8.いまいち上手くいかない産業医活動
      コラム保険診療と消費税の話
    9.やっとまともな産業医活動ができるように
      コラム私が聞いた「ヤバい産業医」の噂


第2章 産業医になって考えたこと
    1.まず健診に手をつけよう
    2.健診の有病率【尿蛋白】
      コラム「1人60円」のコストで従業員の腎臓を守る
    3.健診の有病率【血圧】
      コラム高血圧の放置は紛争に関わる
    4.健診の有病率【血糖】
      コラム「糖尿病=贅沢病」という昭和の偏見を捨てろ
    5.健診の有病率【脂質】
      コラム健康じゃないと働けない会社
    6.喫煙問題
      コラム従業員の運転
    7.肝機能障害
    8.歯科のこと


第3章 産業医がよく受ける相談
    1.職場から求められているもの
      コラム孤独な「裸の王様」にならないための生存戦略
    2.事業場の体制
      コラムストレスチェックは「意味がない」のか?
    3.メンタルヘルス不調の典型例
    4.メンタルヘルス不調に対する産業医の責務
    5.復職の判断
    6.契約にある職務相当の仕事ができるか?
    7.「不完全な労務提供」を会社が拒否できる理由
      コラム退職代行サービス
    8.復帰までの手順の整理
    9.さまざまな診断書
      コラム産業医業務で訴えられることはあるか?
  10.主治医に問い合わせ
  11.復帰後の流れ
  12.医療に丸投げしようとする人々
  13.リモートワーク
      コラムテレワークの「隠れ酒」と白ナンバーの「義務化」
  14.ハラスメント
      コラム個人情報保護法における「生命・身体の保護」と情報の取扱いについて
  15.原職復帰
      コラム正しい手順
  16.復帰間近で困るとき
      コラム障害者について知ろう


第4章 長時間労働と労災
    1.長時間労働
    2.長時間労働の健康問題
    3.長時間労働の労災の認定基準
    4.精神障害の労災の認定基準
    5.精神障害の労災が多い職種
    6.労災は従業員でも申請できる
    7.健診の異常値で予防的に就業制限をかけられるか?
    8.職場における過剰な配慮に注意
    9.労働環境の確認と合理的配慮
      コラム過剰な配慮
  10.注意すべき職場環境
  11.転倒災害防止の勘所
      コラム正月にふと思ったこと
  12.職場の禁煙対策
      コラム「健康経営優良法人」はただのスタンプラリーにあらず


第5章 労働衛生コンサルタントへの道
    1.契約満了は突然に
    2,労働衛生コンサルタント
    3.業務独占か名称独占か
    4.労働衛生コンサルタントの受験資格
    5.試験日程の段取り
    6.3日間の講習
    7.口述試験受験準備講習会
    8.長澤流試験対策
    9.AIを活用した面接対策
  10.試験で訊かれたこと
  11.まさかの合格通知


対談 ガチ臨床医,ガチ産業医と出逢う
五十嵐 侑 × 長澤 将


索引

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執筆者一覧

長澤 将 東北大学病院腎臓・高血圧内科講師 著

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   定価4,400円(本体4,000円 + 税)
   2026年04月発行
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