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書籍詳細

集中治療Controversy

集中治療Controversy

近藤 豊 編集

B5判 298頁

定価8,800円(本体8,000円 + 税)

ISBN978-4-498-16688-2

2026年03月発行

在庫あり


集中治療のcontroversialな疑問に正面から答える
「この患者にとって今,最もふさわしい選択は何か」と悩むあなたへ.集中治療・ICUにおける診療・管理に関して論争のある問題について,エキスパートはどのように考え,対応しているのか明快に解説します.単なる最新の知見の紹介にとどまらずエキスパートの経験・積み重ねた思考をもってcontroversialな疑問に正面から答える本書は研修医,現場で活躍する集中治療医,ICUスタッフに必ず有用な一冊です.

序 章
 集中治療の現場には,明確な答えが提示されていない臨床疑問が数多く存在する.また患者の状態は刻一刻と変化し,同じ病態であっても,診療の背景や合併症,治療反応性は驚くほど異なることがある.診療ガイドラインや大規模試験の結果が示す方向性は重要ではあるが,それだけで現場の複雑さを解きほぐすことはできない.重症患者の前に立った瞬間,私たちが直面するのは「この患者にとって今,最もふさわしい選択は何か」という究極的でありながら未完成の問いである.

 本書『集中治療Controversy』は,その“未解決の臨床疑問”と真正面から向き合うために生まれた.各章の執筆者には,単に最新のエビデンスをまとめるのではなく,自らの臨床経験と思考の軌跡を交えて語ってもらった.そこには,日々の診療の中で揺れ動く判断,迷い,そしてメッセージが記されている.いま医療はEBMとリアルワールドの狭間で揺れ続けているが,その揺らぎこそが集中治療の魅力である.さらに,本書は若手医師に向けたメッセージでもある.集中治療の世界に足を踏み入れたばかりの頃は,判断の基準も,優先順位も,治療の意味も,霧の中にいるように感じるだろう.しかし,正解がないからこそ,思考する力,問い続ける姿勢が医師としての成長を加速させる.未解決であることを恐れずむしろ楽しむことが,集中治療の醍醐味であり,本書が伝えたい最大のメッセージである.

 集中治療は,救急科,麻酔科,内科,外科,循環器科,感染症科,小児科など多様な専門領域が交差する場所である.だからこそ,単一の視点では見えないものも多く,異なるバックグラウンドを持つ医師たちが議論を重ねることで,はじめて患者にとってより良い答えに近づくことができる.私たちが日々の臨床の中で遭遇するControversyは,決して埋められない溝ではなく,むしろ,そこには次のエビデンスが生まれる余白があり診療が進化する可能性が広がっている.本書が,読者の皆さんにとってその思考のきっかけとなり,議論を深め,そして未来の集中治療を形づくるきっかけとなることを願っている.

 それでは始まります,『集中治療Controversy』.

2026年1月
順天堂大学大学院医学研究科
救急・災害医学
近 藤  豊

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目 次

1. ICUの診療体制は患者の予後に影響するか?〈宮本雄気〉
  総 論
  ICU管理は予後を改善するか?〜患者選択(トリアージ)〜
  どのようなICU体制が良いのか?〜人的配置(集中的ケアチームの構成)〜
  どのようなICU体制が良いのか?〜Open ICU vs. Closed ICU〜
  夜間・週末のICU入室と患者予後

2. 病態生理を意識した集中治療管理はどのように行うべきか?〈鈴木浩大〉
  はじめに
  診 断

3. ICUにおいて,気道管理はどのように行うべきか?〈勝又祥文〉
  総 論
  各 論

4. ICUにおいて,人工呼吸管理はどのように行うべきか?〈早川 桂〉
  総 論
  PEEPの設定に関するcontroversy
  換気の設定に関するcontroversy

5. ICUにおける肺炎はどのように診療すべきか?〈神後宏一〉
  総 論
  診断と治療

6. ICUにおいて,抗菌薬はどのように使用すべきか?〈橋本英樹〉
  総 論
  Empiric therapyをどのように行うか?
  De—escalationはどのように行うべきか?
  ICUにおける抗菌薬適正使用支援(AS)

7. 集中治療が必要な新興・輸入感染症はどのように診療すべきか?〈永瀬裕一朗,石金正裕〉
  総 論
  ICU管理を要する主な新興・輸入感染症
  日本で遭遇する可能性のある新興・輸入感染症
  重症マラリアはどのように管理すべきか
  将来,増加する可能性のあるICU管理の必要な輸入感染症
  集中治療医が最低限押さえておくべき知識

8. ICUにおいて,循環管理はどのように行うべきか?〈竹内一郎〉
  総論 :集中治療室における循環管理の総論
  循環不全患者の管理
  循環作動薬の使い方
  循環管理のトピックス

9. ICUにおいて,潰瘍予防はどのように行うべきか?〈出口 亮〉
  総 論
  薬剤投与のタイミング
  どの抗潰瘍薬を使用すべきか?
  早期経腸栄養は抗潰瘍薬の代わりになるか?
  ストレス潰瘍予防による予後への影響

10. 重症患者に対する栄養療法はどのように行うべきか?〈宮城朋果,中村謙介〉
  総 論
  栄養療法における重症患者の特徴
  栄養療法の実践的アプローチ
  栄養療法は患者の予後に影響を及ぼすか?

11. 緊急上部消化管出血に対してどのように対応すべきか?〈西村朋之〉
  総 論
  どのように疑い,診断するか?
  治 療
  予 後
  補足:サイトメガロウイルス再活性化の予防は予後を改善するか

12. ICUにおける肝障害はどのように診療すべきか?〈政所祐太郎〉
  はじめに
  考 察
  治 療
  人工肝補助療法はどのように行うか

13. ICUにおいて,神経集中治療はどのように行うべきか?〈岡𥔎智哉〉
  総 論
  どのような脳神経モニタリングデバイスがあるか?
  脳神経モニタリングは脳予後を改善するか
  治 療
  予 後

14. ICUにおける敗血症性脳症の診療はどのように行うべきか?〈井上茂亮〉
  総 論
  診 断
  管理と治療

15. ICUにおける発熱はどのように診療すべきか?〈太田啓介〉
  発熱総論
  発熱鑑別疾患
  発熱鑑別のための有用なバイオマーカーとは
  発熱は予後不良か

16. ICUにおいて,電解質異常はどのように診療すべきか?〈村上大道〉
  総 論
  ICUでよく遭遇する電解質異常
  輸液・輸血に関わる電解質異常
  治 療
  プロトコルの利用

17. ICUにおいて,急性腎障害はどのように診療すべきか?〈岸 誠司〉
  ICUにおける急性腎障害の頻度と原因
  確定診断と診断補助/AKI発症予測バイオマーカー
  AKIの病態
  体液量の状態とAKI管理
  輸液管理の基本的な考え方
  腎灌流圧の管理
  RRT開始時期に関する最新の知見
  長期的な予後
  フォローアップと長期ケアの必要性

18. ICUにおける急性血液浄化療法の管理はどのようにすべきか?〈原 嘉孝〉
  総 論
  適 応
  急性血液浄化療法導入のタイミング
  サイトカイン吸着の是非
  ICUの重症患者における大規模RCTの限界

19. ICUにおけるECMO管理はどのように診療すべきか?〈梅井菜央〉
  総 論
  適応疾患
  ECMO中の人工呼吸器設定はどのようにすべきか?
  ECMO中の栄養療法はどのように行うか?
  ECMO中の抗凝固療法はどのように行うか?

20. ICUにおける凝固線溶異常はどのように診療すべきか?〈小網博之〉
  総 論
  診 断
  治 療

21. ICUにおいて,血糖管理はどのように行うべきか?〈矢田部智昭〉
  総 論
  管 理
  ICUにおける低血糖発作
  高血糖はどこまで許容できるか

22. ICUにおける血液疾患はどのように診療すべきか?〈高橋康之〉
  総 論
  治 療
  予 後

23. ICUにおける鎮静鎮痛管理はどのように行うべきか?〈福山唯太〉
  はじめに
  鎮痛の基礎知識
  鎮静の基礎知識
  せん妄の基礎知識
  鎮痛鎮静管理の実践

24. ICUにおけるカテーテル関連感染(CRBSI)はどのように診療すべきか?〈安田英人〉
  総 論
  診 断
  治療と予後
  消毒薬は何を使用すべきか
  まとめ

25. ICUにおける皮膚疾患はどのように診療すべきか?〈善家由香理〉
  ICUで遭遇する主な皮膚疾患総論
  ICUで遭遇する主な皮膚疾患各論
  中毒疹とは何か

26. ICUにおける眼科疾患はどのように診療すべきか?〈中尾武史〉
  総 論
  各 論
  真菌性眼内炎をどのように疑い,どのように治療するか
  集中治療医が知っておくべき眼科の知識

27. 固形がん患者の集中治療はどのようにすべきか?〈望月俊明〉
  総 論
  がん患者におけるICU入室判断の考え方
  固形がん患者の術後ICU管理
  ICUで化学療法を行う際の注意点
  固形がん患者におけるTLSの予防と治療
  固形がん患者に対するステロイド投与
  がん患者のICU退室後経過とICU転帰

28. ICUにおいて,リハビリテーションはどのように行うべきか?〈中西信人〉
  総 論
  診 断
  治 療
  予 後

29. ICU患者の家族“PICS—F”を意識した診療とはどのようなものか?〈白崎加純〉
  総 論
  診 断
  治 療
  予 後

30. ICU患者のアドバンス・ケア・プランニングはどのように行うべきか?〈鍋島正慶〉
  総 論
  ICUにおけるACPの意義と課題
  ACP導入の障壁
  ICUにおけるACPの実践
  今後の研究課題と展望

31. 成人集中治療医が小児ICU診療を行う際に注意すべきことは何か?〈石原唯史〉
  背 景
  重症小児における手技
  重症小児における人工呼吸管理
  重症小児における循環管理
  重症小児の脳神経管理
  輸 血
  鎮静・鎮痛
  透 析

32. 日本と海外におけるICUの違いと特徴はどのようなものがあるか?〈小野雄一郎〉
  総 論
  日本とオーストラリアのICUの比較
  将来向かうべきICU診療の方向

33. ICUを対象とした臨床研究はどのように行うべきか?〈錦見満暁〉
  総論:ICUを対象とした臨床研究を行う意義
  ICUを対象とした臨床研究の特徴
  ICUを対象とした臨床研究の問題点
  ICUにおけるRCTの実現に向けて

34. ICUデータベースは集中治療のどのような将来を担うのか?〈熊澤淳史〉
  総論:ICUデータベース構築の意義
  ICUデータベース構築の方法と実際
  ICUデータベースの活用と諸外国の現状
  ICUデータベースの問題点
  ICUデータベースの未来

35. 次世代のICUはどのようなものか?〈高木俊介〉
  医療デジタルトランスフォーメーションと現在のICUの問題点
  遠隔集中治療とはどのようなものか
  遠隔集中治療の未来像
  望まれる次世代ICUとは

索 引

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執筆者一覧

近藤 豊 順天堂大学大学院医学研究科 救急・災害医学 主任教授 編集
宮本雄気  京都府立医科大学 救急医療学教室 助教 
鈴木浩大  岐阜大学大学院医学系研究科 感染症寄附講座 特任准教授 
勝又祥文  高知大学医学部 麻酔科学・集中治療医学講座 講師 
早川 桂  虎の門病院 集中治療科 医長 
神後宏一  済生会川口総合病院 呼吸器内科/順天堂大学医学部附属順天堂医院 呼吸器内科 
橋本英樹  日立総合病院 救急集中治療科・感染症科 主任医長/筑波大学医学医療系 感染症内科学 准教授 
永瀬裕一朗 国立国際医療センター 国際感染症センター/総合感染症科 フェロー 
石金正裕  国立国際医療センター 国際感染症センター/総合感染症科 医員 
竹内一郎  横浜市立大学医学部 救急医学 主任教授 
出口 亮  大阪公立大学医学部附属病院 救命救急センター 
宮城朋果  横浜市立大学大学院医学研究科修士課程医科学専攻 生体制御・麻酔科学 
中村謙介  神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 災害・救急医学分野 特命准教授 
西村朋之  St. Michael’s Hospital, University of Toronto, Department of Gastroenterology 
政所祐太郎 霧島市立医師会医療センター 救急科 医長 
岡𥔎智哉  千葉西総合病院 集中治療部 
井上茂亮  和歌山県立医科大学 救急集中治療医学 教授 
太田啓介  静岡市立静岡病院 救急科 医長 
村上大道  聖マリア病院 救命救急センター 主任医長 
岸 誠司  高知大学医学部 内分泌代謝・腎臓内科学 教授 
原 嘉孝  藤田医科大学医学部 麻酔・集中治療医学講座 准教授 
梅井菜央  順天堂大学大学院医学研究科 救急・災害医学 准教授 
小網博之  佐賀大学医学部 救急医学講座 准教授 
矢田部智昭 公立西知多総合病院 救急科 部長 
高橋康之  埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 助教 
福山唯太  日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 
安田英人  自治医科大学附属さいたま医療センター 救急科 講師 
善家由香理 聖路加国際病院 皮膚科 医幹 
中尾武史  吉原眼科 院長 
望月俊明  がん研究会有明病院 救急部集中治療部 副部長 
中西信人  神戸大学医学部 災害・救急医学分野 助教 
白崎加純  聖路加国際病院 救急科・救命救急センター 
鍋島正慶  東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科(集中治療部門) 
石原唯史  順天堂大学医学部附属浦安病院 高度救命救急センター 准教授 
小野雄一郎 兵庫県立加古川医療センター 救急科 部長 
錦見満暁  広島大学大学院 救急集中治療医学講座 特任講師 
熊澤淳史  堺市立総合医療センター 集中治療科 副部長 
高木俊介  横浜市立大学附属病院 集中治療部 部長・准教授 

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