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書籍詳細

教育症例から学ぶ血液内科診療

教育症例から学ぶ血液内科診療

伊藤 巧 編著 / 岡田和也 編著 / 岡田耕平 編著 / 後藤秀彰 編著 / 湯田淳一朗 編著

A5判 144頁

定価3,850円(本体3,500円 + 税)

ISBN978-4-498-22558-9

2025年12月発行

在庫あり


あなたならどう判断する? 判断に悩む“グレーゾーン”症例をCQとディスカッションから考える

医師が現場で判断に悩む“グレーゾーン”症例に対してCQ(クリニカル・クエスチョン)を示し,そのテーマについてディスカッションを行ったうえで「治療判断と考え方」が示される形式で展開する示唆に富んだ症例検討集.教育的な症例からさまざまなことを学び、自身の診療にフィードバックさせ,その後の治療やマネージメントに有効に生かしていくために必要な内容が17の具体的な症例で示される実践的な書

序文

 本書を手に取っていただき,ありがとうございます.
 「この患者さん,自分の病院だったらどう治療していただろう?」
 「他の施設では,どういう考え方で方針を決めているんだろう?」
 日々の診療の中で,そんなことをふと考える瞬間はありませんか?
 多くの患者さんは標準治療に基づいて順調に経過をたどります.しかし現実には,思い通りにいかない症例や,予期せぬ経過をたどることも少なくありません.
 「あのとき,こうしていれば」「もっと早く気づけていたら」─そんな経験をしたことがある先生も多いのではないでしょうか.
 加えて,患者さんの社会的背景や疾患特性だけでなく,病院ごとの方針や医療資源の違いも,治療方針に大きく影響を及ぼします.標準治療が「基盤」であるならば,それをどう「現場に落とし込むか」が,私たちの腕の見せ所とも言えるかもしれません.
 私たち「治療knowledge向上ミーティング」では,全国各地の教育的価値の高い症例,判断に悩んだ実際のケースを持ち寄り,CQ(Clinical Question)を中心にディスカッションしてきました.
 その多くは“成功例”ではなく,“悩み,迷い,試行錯誤した”リアルな症例です.
 「もっと良いやり方があったかもしれない」
 「この視点,うちでは取り入れてなかったな」
 ─そんな気づきや学びが,ディスカッションを通して数多く得られました.
 本書は,そうした議論のエッセンスをぎゅっと詰め込んだ一冊です(毎回,予定時間を大きく超えてしまうほど白熱した議論でした…).
 この本に収めた症例が,皆さんの日々の診療に新たな視点やヒントをもたらすことを願っています.
 患者さんごとに最適な治療は異なり,また,医師や病院によって治療判断における重視点もさまざまだということを,私たちはこの研究会を通じて改めて実感しました.
 この一冊が,そんな多様な視点と学びをシェアする場になれば嬉しく思います.
 そして,本書の執筆にご協力いただいた先生方に,心より感謝申し上げます.

 2025年12月
 執筆者を代表して 渡邉 純一

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目次

I教育症例:「どうする?」と思った症例

初発多発性骨髄腫
症例1 移植非適応未治療多発性骨髄腫でDLdから治療変更を検討するべきか? DLdの継続判断と2nd line <渡邉純一>
症例2 LDH高値,多発形質細胞腫を伴う移植非適応多発性骨髄腫の初回治療について DLd療法とD-VMP療法の使い分けについて <渡邉純一>

再発難治多発性骨髄腫
症例3 EPd療法中の汎血球減少・食思不振の原因は何か? EPd, ELdで注意すべき副作用はなにか? <渡邉純一>
症例4 VRd3コース目で白血化して再発した多発性骨髄腫の2nd lineは? Functional high riskの治療をどうするか? <渡邉純一>
症例5 IsaKd療法中にうっ血性心不全を呈した多発性骨髄腫 IsaKd不耐用の次の治療は何を選択するか? <渡邉純一>
症例6 DLd療法後に再燃した多発性骨髄腫に対して2nd lineのレジメンをどう選ぶ? 治療シークエンスを考慮した治療戦略の立案 <後藤秀彰>

急性骨髄性白血病
症例7 キザルチニブ併用の強力化学療法後に非寛解のFLT3-ITD変異陽性AML 救援療法の選択と移植後の維持療法 <高橋 諒,伊藤 巧>
症例8 急性骨髄性白血病の診断と治療方針に苦慮した1例 同時性重複癌に対する治療戦略の工夫 <伊藤 宗,岡田和也>
症例9 移植前にVEN+AZAを施行したTP53変異陽性AML TP53変異陽性AMLの治療 <岡田耕平>
症例10 若年者の高リスク急性骨髄性白血病に対して初回治療のレジメンをどう選ぶ? 60歳未満におけるCPX-351の有効性 <後藤秀彰>

悪性リンパ腫(CLL含む)
症例11 超高齢者DLBCLへPola-R-CHP療法を検討すべきかどうか? Pola-R-CHP療法の適応と減量について <伊藤 巧>
症例12 濾胞性リンパ腫治療中にCOVID-19持続感染症をきたした1例 免疫不全患者のCOVID-19持続感染症 <岡田和也>
症例13 イブルチニブ内服中にAFを発症したCLL症例 イブルチニブ治療の継続判断とAF治療に際しての注意点 <岡田耕平>
症例14 治療開始後にDHLと判明したDLBCLでPola-R-CHPから治療を変更すべきか? DHLに対する標準治療とは <後藤秀彰>

その他
症例15 診断に難渋した免疫性血栓性血小板減少性紫斑病の1例 MDSやAIHAなどと鑑別を要するTTP患者の対応について <久林正斗,岡田和也>

II特別症例

症例16 再発マントル細胞リンパ腫の症例 再発マントル細胞リンパ腫の治療戦略 <湯田淳一朗>
症例17 Ph+ALL同種移植後にTA-TMAおよび慢性GVHDを発現した症例 Ph+ALL治療戦略と移植合併症の管理 <湯田淳一朗>

索引

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執筆者一覧

伊藤 巧 山形大学医学部附属病院 編著
岡田和也 倉敷中央病院 編著
岡田耕平 札幌北楡病院 編著
後藤秀彰 はりま姫路総合医療センター 編著
湯田淳一朗 国立がん研究センター東病院 編著
渡邉純一 TMGあさか医療センター 編著
伊藤 宗 倉敷中央病院血液内科 
高橋 諒 山形大学医学部附属病院血液内科 
久林正斗 りんくう総合医療センター血液内科 

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教育症例から学ぶ血液内科診療
   定価3,850円(本体3,500円 + 税)
   2025年12月発行
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