第1章 ペースメーカー植込みの適応と術前の評価
永久ペースメーカーの植込みの適応
1.ガイドライン
2.ACC/AHAのガイドライン(1998年)
3.日本循環器学会の不整脈の非薬物治療のガイドライン(2001年)
術前の評価
1.病歴の聴取
2.身体所見と胸部X線写真をはじめとする画像診断
第2章 ペースメーカー機種の選択
房室伝導障害−DDDかVDDか
1.シングルリードVDDペースメーカーの利点と問題点
2.シングルリードVDDペースメーカーの使用頻度
3.AV synchronyはどの程度維持されるか
4.シングルリードVDDペーシングで心房細動・心房粗動の発症率は高くなるか
5.潜在的な洞不全症候群の予測因子はあるか
6.運動時はAV synchronyは維持されるか
7.AV synchronyが維持できないときの臨床予測因子
8.シングルリードVDDペーシングの適応
9.今後のシングルリードVDDペーシングの位置付け
洞不全症候群−AAIかDDDか
1.洞不全症候群−生理ペーシングか心室ペーシングか
2.房室伝導障害のない洞不全症候群−AAIかDDDか
第3章 ペースメーカーリードの選択
心筋リードか心内膜リードか
単極か双極か
1.単極リード・双極リードの長所と短所
2.双極か単極どちらを選択するか
タインドかスクリューインか
1.タインドリード
2.スクリューインリード
リードの材質−絶縁素材はシリコンかポリウレタンか
1.シリコン
2.ポリウレタン
リードの長さ
シングルリードVDD ペーシングでの電極間距離
リードの選択に関する著者の考え
1.単極か双極か
2.シリコンかポリウレタンか
3.スクリューインかタインドか
第4章 植込み部位の選択
前胸部皮下−右か左か
1.かつてのペースメーカーの表と裏
2.現在のペースメーカーの表と裏
3.植込み−右か左か
前胸部皮下以外の部位に植込む場合
第5章 植込み手術直前の準備
手術の場所の選択−手術室か心臓カテーテル検査室か
1.循環器内科・心臓血管外科のどちらが主導か
2.感染症の発生頻度
患者へのペースメーカー手術の説明および事務手続き
1.手術の説明
2.事務手続き
3.内服薬
4.抗凝固療法
5.手術当日の準備
第6章 植込み手術に必要な器械と手技
外科医か内科医か
1.心臓血管外科医から循環器内科医へ
2.循環器内科医と手術室
必要な手術器械
簡単な手術手技
1.縫合
2.電気メスの使用法
第7章 植込み手術の実際[その1]ポケット作成とリードの挿入法
患者が入室したらすべきこと
1.モニター電極・心電図電極の装着
2.透視装置の確認
3.胸部写真や静脈造影写真をシャーカステンにかける
4.抗生剤の点滴セットをつなぐ
5.皮膚の消毒
皮膚切開とペースメーカーポケットの作成
1.横切開法
2.外側斜切開法
3.2つの皮膚切開法
4.ポケットの作成
リードの挿入と固定
1.リードの挿入法
2.静脈切開法と穿刺法(鎖骨下静脈穿刺標準法)のリードの生存率
3.静脈切開法
4.橈側皮静脈を用いたガイドワイヤー法・直接穿刺法
5.鎖骨下静脈穿刺法
第8章 植込み手術の実際[その2]リードの固定とペースメーカーの装着
リードの心房・心室への固定
1.リードをまず右房まで挿入する
2.右房へのリードの固定
3.心室リードの右室への固定
リードスリーブの大胸筋筋膜への固定
1.リードの「たるみ」の程度の調節
2.大胸筋筋膜への固定
ジェネレーターとリードの接続
1.ペースメーカーはかつて右用であった
2.リードにトルクをかけない
3.ネジを締めるときの注意
4.再手術時の注意
ペースメーカーの大胸筋への固定
創部の縫合
1.ペースメーカー手術時の抗生剤
2.皮下の縫合
3.皮膚の縫合
圧迫固定
手術室を出る前にすべきこと
1.リード抵抗の測定
2.胸部X線写真の撮影
第9章 特殊な状況での植込み
左上大静脈遺残症の患者
1.分類
2.頻度
3.徐脈性不整脈の基礎疾患
4.診断
5.ペースメーカー植込み時の対処
Chiari networkを有する患者
心臓手術後の患者
1.三尖弁形成術後の患者
2.三尖弁置換術後の患者
透析患者
1.透析患者の徐脈性不整脈の評価
2.ペースメーカー植込み部位
乳癌手術後の患者
1.乳癌手術後の患者に対する植込み
2.ペースメーカー植込み術後乳癌となった症例
若年女性での美容に関わる問題
なんらかの理由で上大静脈から心内膜リードが挿入できない場合
解剖学的左室での経静脈的心内膜ペーシング
成人になった合併心奇形のない先天性完全房室ブロック
1.前向きに経過観察した報告
2.小児に永久ペースメーカーを植込む際の問題
3.著者の方針
第10章 ジェネレーター交換手術
ジェネレーター交換のタイミング―交換指標
リードはそのまま使用可能か
自己リズムの出ないとき
交換手術の実際
1.感染に注意
2.胸部X線写真の確認
3.ペーシングレートを下げる(自己リズムの出る患者)
4.局所麻酔・皮切の位置
5.リードに注意
6.ジェネレーターからリードを外す
7.測定
8.新しいペースメーカーへの接続
9.閉創
10.胸部X線写真撮影
第11章 リードを追加して留置するとき
リード不全であらたにリードを追加挿入するとき
1.リードの評価
2.同側から新規のリード挿入は可能か
3.静脈造影で注意すべき所見
不全リードが存在するときのリードの選択と挿入時の注意
1.一般的注意
2.VVIあるいはAAIが植込まれリード不全となったとき
3.DDDが植込まれリード不全となったとき
皮下トンネルの作製―不全リードで鎖骨下静脈が閉塞しているとき
1.ペースメーカーポケットはどちらへ作製するか
2.皮下トンネルはどのように作製するか
不全リードはどうするべきか
1.抜去すべきか否か
2.不全リードの処理
アップグレイドする場合
1.アップグレイドの適応
2.アップグレイドする際の術前の注意点
第12章 術後管理および急性期合併症と対策
術後の安静度と管理
1.新規にリードを植込んだとき
2.ジェネレーター交換手術
術後急性期の合併症
1.穿刺に伴う合併症
2.リード操作・挿入に伴う合併症
3.ポケット・創部の問題
4.ペーシング不全,センシング不全,リードのdislodgement
5.コネクター部接合不全
6.静脈血栓症
7.その他
ペースメーカー外来
索引