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書籍詳細

ER虎の巻 ピットフォールから学ぶ救急診療の要 検査編

ER虎の巻 ピットフォールから学ぶ救急診療の要 検査編

安田英人 編著 / 柏浦正広 編著 / 新里祐太朗 編著

A5判 370頁

定価6,820円(本体6,200円 + 税)

ISBN978-4-498-16680-6

2025年11月発行

在庫あり


救急外来であなたを不安な「誤診」から守ってくれる!何の検査をすればいいかわかる!
救急外来での最初の一手の必勝術を学ぼう!
「何の検査をするか」「どの部位を撮影するか」「血液検査でどのデータが必要か」,診断のためには何が必要なのか,実臨床でよくあるシチュエーションをもとに具体的・実践的に解説!
救急外来や当直で出会うよくある疾患・症状ごとに必須知識+ピットフォールで具体的に解説.
ガイドラインには書かれていない,エキスパートの+αの思考を学べる,楽しく読んでレベルアップできる新しい必読書です!

序 文

 「診断の方向性は見えてきたが,どの検査を選択すべきなのか,その検査の解釈は正しいのか……」.これは,救急医療従事者であれば誰もが直面する迷いではないでしょうか.適切な検査の選択と解釈は,正確な診断と適切な治療へと導く重要な架け橋です.
 前作『ER虎の巻 ピットフォールから学ぶ救急診療の要』(以下,診断編)では,救急外来という舞台が「限られた時間で緊急性を瞬時に見極めなければならない状況下で未知なる原因と戦い,治療も同時に行わなければならないという一種のカオスの現場」であることをお伝えしました.そして,そのような現場で最も価値あるものは「確固たる診断力」であるとご紹介しました.
 しかし,診断力を支えるためには,適切な検査の選択とその結果の正確な解釈が不可欠です.救急医療においては,限られた時間と資源の中で,最も効率的かつ効果的な検査を選択する能力が求められます.過剰な検査は患者の負担となり,必要な検査の未施行は致命的な結果を招きかねません.
 この検査選択と解釈という局面においても,経験が何よりも重要です.しかし,診断編でもお伝えしたように全ての教訓を自らの経験だけで学ぶには時間が足りません.そんな時は先人たちの経験や知識を有効活用して陥りやすいピットフォールをあらかじめ学習しておくことが重要です.
 検査を学ぶ一般的な手段は教科書ですが,多くは基準値や項目の説明にとどまり,「どの検査を選ぶか」「結果をどう解釈し,次にどう動くか」といった判断には踏み込んでいません.そのため,表面的な知識にとどまり,実践にはつながりにくいのが現状です.
 そこで,臨床の深層を探るためのガイドとして第2弾『ER虎の巻 ピットフォールから学ぶ救急診療の要 検査編』が誕生しました.本書の構成は,臨床現場で遭遇する難解な症例を元に,検査選択における罠やピットフォールをとりあげ,経験豊富な指導医がそばで助言してくれるような感覚で,実践的な知識と判断のポイントを学べるようになっています.検査ミスを防ぎ,不安や迷いの多い現場でも自信を持って判断できる検査判断力が養われます.
 診断編と検査編,この2冊があれば,救急現場で必要とされる診断プロセスをより確実に進めることができるでしょう.本書が,読者の皆さんの救急医療実践における不安を解消し,患者さんへのより的確な医療の提供につながることを期待しています.

2025年5月
安田英人 柏浦正広 新里祐太朗

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目 次
 
身体所見・バイタルサイン
 1  バイタルサインの四天王・呼吸数! どうやって測ってる? ―呼吸数モニタリングの落とし穴〈熊井戸悠喬 安田英人〉
 2  SpO2の数値って真の値なの?〈小池 翠〉
 3  乳酸値のピットフォール,意外と使えるCRT〈中島千里〉
 4  急性喉頭蓋炎に注意 ―喉が痛い? 上気道炎とは限らない!〈森 仁志〉
心電図検査
 5  Wide QRS tachycardia,それってVT?〈酒本健汰 柏浦正広〉
 6  12誘導心電図のaVR,あなたはみていますか?〈新里祐太朗〉
超音波検査
 7  呼吸不全,その時超音波で何をみる? ―BLUEプロトコルの実際〈平良 悠〉
 8  ショックを見逃すな! ―RUSH examで速攻診断〈平良 悠〉
 9  IVCの呼吸性変動評価は輸液反応性の予測として 信頼できるか?〈波多野裕理〉
 10 心エコーがみえない⁉ 心エコーのピットフォール〈波多野裕理〉
 11 外傷におけるFAST陰性,出血性ショックを否定できる?〈小池倫生〉
 12 超音波を使ってDIVAを攻略!〈平良 悠〉
 13 眼にも骨折にも! 超音波は救急の強い味方!〈森 仁志〉
 14 こどもの虫垂炎,エコーを駆使して診断せよ〈大石高稔〉
生化学的検査
 15 心筋バイオマーカーの落とし穴〈田村洋行〉
 16 腎不全ではないクレアチニン上昇?〈中島千里〉
 17 血漿浸透圧異常,重視すべきは血漿浸透圧? それとも張度?〈柏浦正広〉
尿検査
 18 尿中ケトン体の落とし穴〈中島千里〉
 19 尿検査でどこまで急性腎障害の鑑別診断が可能なのか?〈新里祐太朗〉
 20 急性期患者における腎機能評価 ―短時間蓄尿を中心に〈岸原悠貴〉
 21 尿路感染症診断における正しい尿検体の解釈〈小松睦実 白岡裕毅〉
血液ガス検査
 22 血液ガス分析と生化学的検査,値が異なるのはなぜ?〈大石高稔〉
 23 乳酸値の絶対値だけで大丈夫? 循環評価のための乳酸クリアランス 〈安田英人〉
 24 末梢循環不全評価は乳酸値だけでなく,Pv—aCO2 gapも参考にする 〈柏浦正広〉
 25 ScvO2はわざわざ測定する意義はあるのか?〈安田英人〉
 26 EtCO2とPaCO2の差って意外に使えるかも⁉〈森 仁志〉
 27 静脈血液ガス検査は動脈血液ガス検査の代用として 利用できるのか?〈岸原悠貴〉
髄液検査
 28 腰椎穿刺のコツ教えます〈酒本健汰 柏浦正広〉
 29 腰椎穿刺後頭痛で注意すべきことは?〈波多野裕理〉
 30 髄液白血球数がほぼ正常.髄膜炎は否定できる?〈新里祐太朗〉
 31 腰椎穿刺で血性髄液をみたらどうする?〈伊勢義仁〉
微生物学的検査
 32 痰検体の採取方法,使い分けできますか?〈新里祐太朗〉
 33 血液培養採取におけるtips〈小池 翠〉
 34 血液培養陽性=抗菌薬投与開始? その投与ちょっと待った!〈東郷志穂〉
 35 血液培養,陰性を確認しないといけないのはどんな時?〈酒本健汰 新里祐太朗〉
 36 肺炎球菌尿中抗原検査の落とし穴―結果を正しく解釈しよう〈小池倫生〉
 37 尿中レジオネラ抗原陰性ならレジオネラ肺炎は否定! ―それって本当に大丈夫?〈田村洋行〉
 38 グラム染色ってどこまで有用なの? グラム染色結果の活用方法 〈小松睦実〉
 39 尿グラム染色でGPC dominant.それって尿路感染? 〈酒本健汰 安田英人〉
 40 下痢症に対する便培養って有用? 便検査について考えよう〈波多野裕理〉
 41 CDI診断後のトキシン再検査は必要なのか?〈岸原悠貴〉
放射線画像検査
 42 腹部X線検査って本当に必要なの?〈伊勢義仁〉
 43 Occult pneumothoraxを見逃すな〈中島千里〉
 44 造影CTがあれば単純CTは不要?〈朝倉崚介〉
 45 造影CTは何相がよいのか?〈朝倉崚介〉
 46 CTで腸管気腫あり,それって虚血?〈朝倉崚介〉
 47 Free airなし,消化管穿孔を除外していいの?〈伊勢義仁〉
 48 腎周囲脂肪織濃度上昇は腎盂腎炎の所見?〈岸原悠貴〉
 49 NOMIの腸管造影効果ってどこまで信頼できるの?〈朝倉崚介〉
 50 外傷CT,どこからどこまでどのようにみればいい?〈白岡裕毅〉
 51 脳卒中の落とし穴
―動脈正常でも脳静脈洞血栓症の可能性!〈森 仁志〉
 52 脳梗塞診断におけるMRI DWIをどんな時に利用する?〈守谷 俊〉
 53 意識障害の救急患者に緊急MRI検査.それ本当に必要あるの?〈守谷 俊〉
圧波形モニタリング
 54 動脈圧ラインの血圧,それって本当?〈崎原永立〉
 55 自発呼吸下でのSVV,PPVは評価不能なのか?〈小池 翠〉
 56 CVPは時代遅れのモニタリングなのか?〈大石高稔〉
脳波検査
 57 急性期に持続脳波モニタリングを考慮すべきその瞬間とは?〈大石高稔〉
内視鏡検査
 58 緊急上部消化管内視鏡検査のABCD〈田村洋行〉
 59 緊急上部消化管内視鏡コンサルト ―待てる内視鏡と待てない内視鏡の境界線は?〈田村洋行〉
索引

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執筆者一覧

安田英人 自治医科大学附属さいたま医療センター救急科 編著
柏浦正広 自治医科大学附属さいたま医療センター救急科 編著
新里祐太朗 自治医科大学附属さいたま医療センター救急科 編著
熊井戸悠喬  
中島千里  
波多野裕理  
田村洋行  
白岡裕毅  
朝倉崚介  
安田英人  
森 仁志  
小池倫生  
岸原悠貴  
伊勢義仁  
守谷 俊  
小池 翠  
酒本健汰  
平良 悠  
大石高稔  
小松睦実  
東郷志穂  
崎原永立  

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ER虎の巻 ピットフォールから学ぶ救急診療の要 検査編
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