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書籍詳細

下肢切断術と義足リハビリテーション

下肢切断術と義足リハビリテーション

田中洋平 著

B5判 134頁

定価6,820円(本体6,200円 + 税)

ISBN978-4-498-06754-7

2025年10月発行

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義足にかかわるなら,まずこの1冊
下肢切断術,義足の処方,義足リハビリテーションのすべてを1冊にまとめました.下肢切断術は術後に義足を装着することを想定して実施することが大切です.患者さんに適した義足は患者さんごとに異なります.義足の適切な処方と製作が義足を活用した生活の土台になります.義足リハビリテーションでは義足を使いこなすための身体作りに加えて,患者さん自身に義足をトラブルなく履き続けるためのコツを伝えることが大切です.リハビリテーション科医,整形外科医,理学療法士,作業療法士,義肢装具士,看護師,医療ソーシャルワーカーなど,義足に関わる医療従事者が本書の知識を身につけ実践することで,切断術後の患者さんがその人らしい自立した生活を送ることにつながります.



 私がこの分野に携わるようになったのは,11年前にJR東京総合病院に赴任してからでした.JR東京総合病院には回復期リハビリテーション病棟があり,私の赴任前から下肢切断術後の患者さんを受け入れていましたが,当時の受け入れ患者数は年間5人に満たない程度でした.赴任して早々に私はその病棟で下肢切断術後の患者さんの主治医となりましたが,最初の頃は自分が何をすべきかよくわからず,理学療法士や義肢装具士におまかせ状態だったように思います.
 このままではいけないと思い,教科書を読み漁り,義肢装具士に教えてもらいながら,少しずつ知識を身につけていきました.患者さんと向き合いながら,できるだけのことをしようと試行錯誤していると,切断術後に足を失って落ち込んでいた患者さんが明るい表情になって元気に退院していく様子を目の当たりにするようになりました.そうした経験を重ねるうちに,やりがいを感じることも増え,この分野をさらに突き詰めて患者さんによりよいリハビリテーション医療を提供できるようになりたいと思うようになりました.
 それほど大きくない規模の回復期リハビリテーション病棟で,しかも義肢装具士が常駐しているわけではない環境で,多くの下肢切断症例を受け入れるのは簡単なことではありませんでしたが,様々な工夫をしながらできるだけ多くの患者さんを回復期リハビリテーション病棟で受け入れてきました.おかげさまで今では年間約30人の患者さんに義足リハビリテーションを提供し,仮義足(訓練用仮義足)を処方するようになっています.
 一方で,下肢切断術後の患者さんは全国に存在するため,自分の目の前だけでなく全国の患者さんを救うためにはどうしたらいいだろう,ということも考えてきました.取り組むべきことの一つは,私が積み重ねてきた知識や経験を全国のリハビリテーション施設の医師,理学療法士,作業療法士,義肢装具士,看護師,医療ソーシャルワーカーといった医療従事者に伝えていくことだろうと考えました.そのために私はこの本を執筆しました.私が勉強し始めた頃は,義足リハビリテーションに関する初学者にもわかりやすくまとめられた実践的な教科書がなかったため,とても苦労しました.私が一から経験してきたことを,同じように皆さんが経験する必要はありません.そもそも下肢切断の患者さんは,脳卒中や骨折などに比べて人数が少ないため,担当できる機会が限られます.この本を手に取っていただいた皆さんには,ぜひ最短コースで義足リハビリテーションを学び,下肢切断術後の患者さんに良質なリハビリテーション医療を提供していただければ幸いです.
 また,この分野の仕事をしていると,切断術を執刀される先生方から「義足を装着するのに有利な断端にするには,手術の時にどういうことに気を付けたらいい?」「切断するレベル,つまり断端の長さはどれくらいにすればいい?」といった質問を受けることがあります.そのため,本書では義足を提供する立場から理想的な切断術についても触れています.切断術は義足と組み合わせることで立派な機能再建の手術になります.ぜひ外科医の皆さんにも参考にしていただけることを願っています.
 最後に,当院で日々一緒に働いてくれている医師,理学療法士,作業療法士,義肢装具士,看護師,医療ソーシャルワーカーの皆さまに深謝したいと思います.皆さまのご協力がなければ,現在の臨床レベルを築くことも,この本を執筆することもできませんでした.
 本書が,一人でも多くの下肢切断術後の患者さんをリハビリテーション医療の力で救うきっかけとなれば幸いです.

2025年8月末日 田 中 洋 平

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CONTENTS

1.はじめに
1.下肢切断の疫学
2.義足の適応

2.切断術
1.義足の装着に適した切断レベル
2.下腿切断術
3.大腿切断術
4.切断術における神経の処理RPNI
5.不良断端の例

3.義足とは
1.切断部位と義足の種類
2.義足の処方に役立つ義足の理解
3.実際の義足処方
4.仮義足と本義足
5.義足のアライメント
6.骨直結型義足

4.義足リハビリテーション
1.断端の成熟
2.義足リハビリテーションの全体像
3.急性期の義足リハビリテーション
4.回復期の義足リハビリテーション
5.生活期の義足リハビリテーション
6.義足リハビリテーションQ&A

5.さまざまな症例と対応

索引

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執筆者一覧

田中洋平 JR東京総合病院リハビリテーション科 著

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