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書籍詳細

皮膚科の診断に迷ったらChatGPTに全部聞いちゃえ!

皮膚科の診断に迷ったらChatGPTに全部聞いちゃえ!

大塚 篤司 著

A5判 158頁

定価3,520円(本体3,200円 + 税)

ISBN978-4-498-06388-4

2025年04月発行

在庫あり

みんなが聞きたかった「ChatGPTはどのくらい診療に役立つのか?」についにお答えします!
彗星のごとくChatGPT,生成AIが登場してから,基本的な使いかたの解説をする先行書のおかげである程度使えるようになっている人も少なくないと思います.誰もが知りたくて,しかしなかなか聞けずにいた,「診療にもChatGPTは使えますか?」「どのように使えば,フェイクな答えを回避し,安全かつ有効なのでしょうか?」という核心に,わかりやすく,読めば誰でも本書のサンプルケースと同程度の水準で回答が導けるように,プロンプトの書き方からベースとなる質問に使う画像の扱い,必ずクリアしなくてはいけない倫理面対策など,すべて伝授します!

はじめに

 皮膚科の診察は、皮膚科以外の医師にとって非常にハードルが高いものに感じられることがあります。これは、診断を下すには膨大な知識のストックが必要であり、一見しただけで診断を付けるというのは、相当な経験と学習を要するからです。国家試験で出題される皮膚疾患は限られており、その範囲内で実際の診療に対応するのは極めて困難です。
 現在、皮膚科専門医になるためには、初期研修2年に加えて皮膚科研修5年の計7年間という長期にわたる研修が必要です。この期間中、医師は小児疾患から皮膚悪性腫瘍まで、皮膚科学の全領域を網羅的に学びます。単に診断技術だけでなく、各種検査法や最新の治療法まで、包括的な知識と技能を習得していきます。これだけの時間をかけて専門性を磨くことからも、皮膚科診療の奥深さと複雑さがうかがえます。
皮膚科の疾患数については、実は正確な数を把握している人はいません。これは、医学の進歩とともに新しい疾患名が次々と作られているからです。一説によると、皮膚科の疾患名は1,000から2,000近くあるとされています。この膨大な数の疾患を全て暗記して診断しているわけではなく、専門医でも日常的によく遭遇する疾患については記憶していますが、珍しい疾患に関しては、診察で得た情報を手がかりに文献を調べ、段階的に診断を絞り込んでいくというプロセスを踏みます。
 このような背景を踏まえ、皮膚科を専門としない医師、つまり医学部で皮膚科の授業を受け、国家試験のために勉強した程度の知識を持つ医師向けに、新しいアプローチの教科書を作成しました。この教科書の特徴は、生成AI、特にChatGPTなどの最新技術を活用した診断支援を取り入れている点です。
生成AIを使うことで、皮膚科専門医でなくても、ある程度の精度で皮膚疾患の診断が可能になります。AIは膨大なデータを基に学習しており、症状や視覚的特徴から可能性の高い診断を提示することができます。これにより、非専門医でも的確な初期判断や適切な専門医紹介のタイミングを図ることができるようになるでしょう。
 ただし、生成AIの活用にも注意点があります。難解な症例や診断が困難な疾患については、依然として皮膚科専門医への相談が不可欠です。また、AIの診断結果はあくまで参考情報であり、最終的な診断と治療方針の決定には医師の専門的判断と責任が伴います。AIを過信せず、適切に活用することが重要です。
新しい技術、特に生成AIのような革新的なツールが登場した今、これらを活用した新しい診断アプローチを模索することには大きな意義があります。従来の経験則や知識に基づく診断に加え、AIによる分析を組み合わせることで、より精度の高い、効率的な診療が可能になるかもしれません。
また、このようなAI支援型の診断ツールは、医療資源が限られた地域や、皮膚科専門医へのアクセスが困難な場所での初期診断にも活用できる可能性があります。遠隔医療と組み合わせることで、地理的な制約を超えた医療サービスの提供にも貢献できるでしょう。
 本書は、こうした新しい可能性を探求し、皮膚科診療の裾野を広げることを目指しています。また、生成AIの回答をどのように活用し診断に結びつけるかも教える教科書です。生成AIという新たなツールを賢く活用しつつ、従来の医学的知見と組み合わせることで、より多くの医師が自信を持って皮膚科診療に取り組める環境を作り出すことが私の願いです。
 皆さまの日々の診療に、本書が少しでもお役に立ち、患者さんへのより良い医療の提供につながれば、これに勝る喜びはありません。新しい時代の皮膚科診療に、ぜひ本書をご活用ください。

2025年3月
大塚篤司 

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I. 従来の教科書に記載されている診断方法
  皮膚科診察のポイント

II. 皮膚科エキスパートの診断プロセス
  AIが診断法を変える
  少しだけAIの力を借りて皮膚疾患を診断する方法

III. 生成AIの力をフルに使って皮膚疾患を診断する

IV. 生成AIを使った診断精度はどれくらいなのか?
  生成AI
  Deep learning
  主な違い
  Deep learning を用いた皮膚疾患の診断
   1. Youzhi AIソフトウェアの診断精度
   2. 深層ニューラルネットワークの皮膚がん診断における性能
   3. 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の活用
   4. ディープニューラルネットワークの高精度
   5. AIによる訓練医の診断精度向上
  生成AIを用いた皮膚疾患診断の精度
   1. ChatGPT-4の診断能力
   2. 市販アプリケーションの診断精度
   3. Tibot AIアプリケーションの高い診断率

V. 実際にChatGPTを登録してみよう
 1. 登録・ログインしてみよう
 2. ChatGPTに論文を読ませてみよう

VI. 実際にやってみる(生成AIの力を部分的に借りる場合)
  生成AIへの指示に必要な皮疹の知識・予診内容
  生成AIへの指示内容(プロンプト)と結果
  生成AIの診断精度を上げるための肝
   1. 基本となる色:赤、紫、茶色、白
   2. 赤の中で色の区別をする:紅斑と紫斑の経時変化
   3. 色が白みがかっているかどうか
   4. 黄色っぽい皮疹
   5. 皮膚病変の表面がカサカサかツルツルか
   6. 大きさや形をどのように表現し生成AIに伝えるか?
   7. 写真だけでは伝わらない情報も診断に重要

VII. 生成AIをフルに活用する方法
 1. 経過をChatGPTに入力し、じんま疹と薬疹を見分ける
  じんま疹様血管炎とは?
 2. ChatGPTの力を借りて重症薬疹の初期症状を見逃さない
  多形滲出性紅斑(多形紅斑)
  EM major・minorの症状の範囲と重症度
 3. 単純疱疹と帯状疱疹は、ChatGPTでも区別が難しい
  帯状疱疹関連無菌性髄膜炎
  Hutchinson徴候
  ラムゼイハント症候群
  帯状疱疹後神経痛(PHN)
 4. ChatGPTを使って、正しいざ瘡治療を知ろう
  陥凹性瘢痕(クレーター)
  治療ガイドライン
  維持療法
 5. ChatGPTを使わずともわかる接触皮膚炎
  病態生理と皮疹の特徴
  診断と鑑別診断
  治療法と予防策
 6. 皮疹を丁寧に記載することで、ChatGPTでも足白癬と掌蹠膿疱症の違いがわかる
 7. ChatGPTが誤診する陰部の皮膚がん
  乳房外パジェット病とは
  誤診のリスクと注意点
  臨床的な鑑別ポイント
 8. ChatGPTに検査データを提供して、蜂窩織炎と壊死性筋膜炎を鑑別する
  蜂窩織炎の特徴
  壊死性筋膜炎の特徴
  壊死性筋膜炎の診断
  LRINECスコアの構成要素と計算方法
 9. 「ChatGPT search」を活用して顔のシミを鑑別する
 10. ChatGPTを使って、治らない潰瘍の鑑別診断をあげる
  頭部の外傷が治らない場合 : 頭部血管肉腫
  繰り返す怪我や火傷の跡が治らない場合 : 有棘細胞がん

付録
  倫理委員会申請書(見本)
  説明文書および同意書

その夜、満天の星空の下

あとがき

※ 本書では「見てわかる皮膚疾患 診察室におきたいアトラス」(中外医学社,2019)の画像を使わせていただきました.使用をご快諾下さったご著者の川田 暁 先生,佐藤貴浩先生,山本俊幸先生に心より御礼申し上げます.

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大塚 篤司 近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授 著

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皮膚科の診断に迷ったらChatGPTに全部聞いちゃえ!
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