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書籍詳細

こういうことだったのか!! 一般医療者の生き残りの気道管理

こういうことだったのか!! 一般医療者の生き残りの気道管理

小尾口邦彦 著

A5判 148頁

定価2,640円(本体2,400円 + 税)

ISBN978-4-498-16678-3

2025年03月発行

在庫あり

常識を見つめ直して気道管理の基本をきわめる

わかりやすくてマニアックな大好評シリーズの第9弾.すべての気道管理の基本はマスク換気である.あたりまえと思っていた基本が何よりも奥深いことが体感できる新しい入門書.気道管理に不慣れな医療者であっても,マスク換気が難しい患者の換気をできるようになるための知識とテクニックをあますところなく解説した.新しい知識を学び直して常識をアップデートし,気道管理のリスキリングをするためのサバイバルブック.著者のメッセージ「気道管理で足をすくわれて欲しくない。生き残ろうぜ!!」をぜひとも体感していただきたい。

🔖著者からのメッセージ

気道管理のリスキリングをしよう

気道管理において,常に注目をあびるのは気管挿管です.スムーズに気管挿管をこなす医師は,周囲の信頼を得ます.
ともすれば気管挿管第一主義になりがちです.明らかなDAM(difficult airway management)症例,あるいはDAMが予想される症例であっても,気管挿管を急ぎがちです.

しかし,気管挿管作業中に心停止とまではいかないまでも,シビアな低SpO2に達し患者を危険な目にあわせた経験はないでしょうか?
医療安全が重視される時代です.何回も失敗した末に成し遂げた気管挿管,あるいはシビアな低酸素血症を合併した気管挿管は成功とは呼べません.

気道管理の基本はマスク換気です.気管挿管に固執するより,マスク換気によって良好なSpO2を維持するほうがはるかに重要です.
良好なマスク換気がなされているのであれば,急ぎの気管挿管はマストではありません.
しかし,手術室外でマスク換気や気管挿管が必要となる状況において,患者の状態が悪いこともあいまって,マスク換気は世に思われるほど簡単ではありません.

「気道管理に不慣れな医療者であっても,マスク換気が難しい患者のマスク換気をなんとかできないだろうか?」と長年考えてきました.
その思いから本書で扱う「ふりきり法」に至りました.「ふりきり法」をなんとか世に広めたいという思いが,本書執筆のスタートです.

技術革新やビジネスモデルの変化に対応するための新しい知識やスキルの学び直しを“リスキリング”と呼びます.
本書を通じて,ぜひ,気道管理のリスキリングをしていただきたいです.一般医療者を想定し,麻酔科医にとって常識的なこともまとめました.

気道管理全体を一冊にまとめたかったのですが,伝えたいメッセージが多すぎました.本書は気管挿管以外を扱い,気管挿管については姉妹書「こういうことだったのか!!  一般医療者の生き残りの気管挿管」にまとめました.
筆者のメッセージ「気道管理で足をすくわれて欲しくない.生き残ろうぜ!!」が読者に届くことを望みます.

2025年3月
小尾口邦彦

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CHAPTER 01  本書を読み進める前に
●他者の気道管理の不手際を責める意味はおそらく少ない
●気道緊急・DAM
●DAMへの対応
●手術室外・非麻酔科医の気道管理をテーマとしたい気道管理を俯瞰的におさえたい
●生き残ろうぜ

CHAPTER 02  マスク換気不全への対応の整理と評価
●スカスカで換気不能・カチカチで換気不能
●気道内圧を増加させることができない場合
●換気ができているかの評価も重要
●換気状態の3 段階評価と解釈

CHAPTER 03  経口エアウェイ・経鼻エアウェイ
●経口エアウェイの目的と適応
●経口エアウェイの禁忌    経鼻エアウェイの禁忌
●経口エアウェイ・経鼻エアウェイのサイジング
●経口エアウェイの挿入方法  経鼻エアウェイの挿入方法
●小指による鼻孔のブジー
●経鼻エアウェイのサイズ選択・挿入長に注意が必要
●経鼻エアウェイの挿入は右鼻孔から?
●エアウェイは入れて終わりではない
●経鼻エアウェイは時間経過に弱い

CHAPTER 04  用手的気道確保,そしてtriple airway maneuver
●下顎挙上
●Triple airway maneuver
●Triple airway maneuver の実際
●Triple airway maneuver を常に意識しマスク換気

CHAPTER 05 マスクフィッティング
●片手法 or 両手法
●CC 法のメリット
●足元から両手法を使う発想をもちたい
●両手法は疲れる 気管挿管係は換気係
●微妙な首の回旋が重要
●用手換気時,胃管・栄養チューブの抜去が原則
●胃管・栄養チューブによるリークを減らすために
●少しつぶれたマスクがよい
●歯を失った患者へのマスク換気
●髭をたくわえた患者へのマスク換気

CHAPTER 06  声門上器具 i-gel はおさえたい
●声門上器具とは
●声門上器具の用途
●ラリンジアルマスク
●おさえたいi-gel
●i-gel の選択
●i-gel のサイズの選択
●i-gel 挿入の実際
●i-gel の固定
●リドカインゼリーを気道関係の潤滑剤として使う時代の終わり
●i-gel を活用したDAM

CHAPTER 07  BVM は本当に簡単なデバイスなのか?
●「BVM は誰でも使えます」「ER や急変対応においてはBVM が原則」
●マスクフィッティングは簡単ではない
●換気不良がすぐにばれるジャクソンリース換気不良がばれづらいBVM
●“操作が簡単”なBVM は複雑な構造をもつ
●バッグを激しく加圧すると
●BVM 使用時の適正な酸素流量は?
●呼出用バルブの役割
●BVM の最大の利点は?
●BVM は自己膨張式であるがゆえに…
●自発呼吸患者にBVM を装着するとき,換気を補助しないと可哀想
●シビアな設定のNPPV やハイフローセラピーからBVM 換気への切り替えは注意
●BVM はPEEP 弁の装着ができる
●BVM と医療安全
●圧制限バルブ機能の実際
●BVM に癒されるとき

CHAPTER 08  ジャクソンリースを使いこなそう
●なぜ,ジャクソンリースの扱いは難しいのか?
●なんとなく行われるジャクソンリース操作
●ジャクソンリースを用いたマスク換気を考える
●ジャクソンリースの扱いをシンプルに考える
●ジャクソンリースによるマスク換気であれば圧調節バルブを閉じてもよい
●ジャクソンリースは危ないので禁止?
●シンプルマスクにもあるリザーバー概念
●シンプルマスクの最低酸素流量5L/分ルールがある理由
●ジャクソンリースにも流量ルールがあるが…
●再呼吸はないが酸素濃度が下がりやすいBVM再呼吸はあるが酸素濃度はほぼ100%であるジャクソンリース
●ジャクソンリースの組み立てミス
●強い自発呼吸があるときのジャクソンリース
●BVM とジャクソンリースの比較

CHAPTER 09  フロート式酸素流量計とダイアル式酸素流量計
●フロート式酸素流量計
●ダイアル式酸素流量計の構造ダイアル式酸素流量計はガスコンロとは違う
●オリフィス板は超精密部品
●ダイアル式酸素流量計の欠点
●フロート式酸素流量計 or ダイアル式酸素流量計
●余剰のフロート式酸素流量計を手元に集めよう

CHAPTER 10  ふりきり法
●用手換気はリークとの闘い
●ふりきり法
●ふりきり法においてフロート式酸素流量計とジャクソンリースの組み合わせは必須
●ふりきり法は二人法・両手法で行う
●巨大リークがあるとふりきり法でもさすがに対応できない
●裏技は危険性も含めて共有が大切
●「ふりきり」などという曖昧さが許せない読者へ
●そんな流量で換気して肺損傷につながらないでしょうか?
●そんな流量で換気して胃の膨張や嘔吐につながらないでしょうか?
●ぜひ,ふりきり法を試して欲しい

CHAPTER 11  Preoxygenation
●FRC
●Preoxygenation
●Preoxygenation のレビュー
●Preoxygenation とapneic oxygenation

CHAPTER 12  Apneic oxygenation(無呼吸酸素化)
●1957 年の恐ろしい人体実験
●Apneic oxygenation とは
●Apneic oxygenation の機序
●まずは手術室で行われたapneic oxygenation
●ハイフローセラピーの効果として重視される解剖学的死腔の洗い流し
●THRIVE
●手術室外のapneic oxygenation
●Apneic oxygenation 試験の結果はばらつきが大きいApneic oxygenationの効果は個人差が著しい
●Apneic oxygenation の3 条件
●Apneic oxygenation の流量
●正式なハイフローセラピーによるapneic oxygenationは結構大変
●ローコストhigh flow apneic oxygenation でよいのでは?
●ローコストhigh flow apneic oxygenation の問題点

CHAPTER 13  緊急外科的気道確保
●緊急気管切開?
●なぜ輪状甲状間膜がアプローチ部位となるのか?
●輪状甲状間膜アプローチの弱点
●エコーを活用した輪状甲状間膜の同定
●輪状甲状間膜穿刺・切開共通の留置手技の注意点
●身近なパーツを用いた輪状甲状間膜穿刺
●輪状甲状間膜穿刺用キット
●輪状甲状間膜切開 縦切開or 横切開?
●皮下組織〜輪状甲状間膜への進行・輪状甲状間膜の開放
●気管チューブの挿入
●緊急外科的気道確保による有害事象の報告
●輪状甲状間膜穿刺or 切開?

CHAPTER 14  フレッシュな気管切開孔から気管切開チューブが抜けたら
●気管切開手術から2 週間は要注意
●なぜフレッシュな気管切開孔への気管切開チューブの再挿入は怖いのか?
●気管切開チューブの中途半端抜けはもっと怖い
●気管切開チューブをうまく再挿入できないとき
●気管切開チューブを迷入させないために
●フレッシュな気管切開孔リスクの共有が大切

CHAPTER 15  頸部術後出血トラブルにどのように対処する?
●医療事故の再発防止に向けた提言のテーマに取り上げられた
●頸部手術後エアウェイトラブルにつながる手術
●SpO2 は気道閉塞直前まで良好に保たれ得る
●頸部手術後出血し頸部腫脹したらどう対応する?

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執筆者一覧

小尾口邦彦 京都府立医科大学麻酔科学教室・集中治療部 著

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