改訂にあたって

今回の改訂では大幅に症例数を増やしました．問題として提示した症例はこれまで通り100例ですが，これに類似する症例，関連する症例など問題にとりあげた症例の周辺疾患や重要事項を「おさえておきたい関連事項」という項目の中に盛り込んでいます．したがって，1つの問題を勉強していただくと，数症例の勉強ができるしくみになっております．あくまで試験対策を主眼にして執筆しておりますが，実臨床に少しでもお役に立てるような内容を含めております．
内科領域ごとにまとまっていた方が勉強しやすいと思われる方は，巻末の「各問題で扱った疾患・用語一覧」に領域分類を掲載しておりますので，それを参考にしてください．
薬剤については，実際の試験では一般名のみ記載されていると思いますが，商品名を併記した方が読者の皆さんの臨床経験などもふりかえっていただき実感がわくと思ったことと，「試験のあとも残しておきたい」と少しでも思っていただけるかと思い，初版と同じく商品名を併記しております．ただし諸事情により，販売中止に至るものもあるためご注意ください．また，商品名が一般名と一致するものは一般名のみ記載しています．
いきなり解説に入るよりも，背景の知識を持っていただいたうえで解説を読んでいただいた方がよいと思われるものについては，「解説の前に」という項目を設けて説明を加えました．
内科学会から公表された2016年，2018年の2年分の総合内科専門医試験，認定内科医試験の内容と，その他の年度については，受験された多くの先生方からの情報をもとにして，出題された問題を想像しながら，総合内科専門医試験（2019年，コロナ禍の中止時期を経て2022年，2023年，2024年分）と新内科専門医試験（2023年分）について出題内容を検討しました．公表されていない年の内容については本当にそれが出題されていたのか，はっきりわからないものもありますので，あくまでおおまかな傾向をつかむ程度にしておいてください．さまざまな情報を多くの先生方からいただきました．ここに感謝申し上げます．
刊行後，読者の皆さまにお届けしたい更新情報がある場合は，こちらのサイトで紹介します（https://note.com/chugaiigaku/m/m47d4e965961e）．ぜひアクセスしてみてください．

　それでは，読者の皆さんの合格をお祈りいたします．

2025年1月
中島智樹

Q1　81歳の男性，呼吸困難が出現し救急搬送
Q2　80歳の男性，食欲不振と体重減少を主訴に来院
Q3　74歳の男性，左第1〜3足趾に疼痛が出現
Q4　23歳の男性，皮疹と高熱のために来院
Q5　58歳の女性，下腿浮腫を主訴に来院
Q6　58歳の男性，食欲不振が続き体動困難のため救急搬送
Q7　73歳の男性，労作時の呼吸苦を自覚し，起坐呼吸となって内科受診
Q8　43歳の女性，高熱と皮疹が持続し受診
Q9　38歳の女性，呼吸困難と全身搔痒感のために救急搬送
Q10　52歳の女性，下痢と血便の頻度が増えたため来院
Q11　74歳の男性，右上下肢の麻痺が生じ救急搬送
Q12　68歳の男性，人工呼吸器管理中で喀痰量が増加し，発熱が出現
Q13　80歳の女性，意識変容と起立困難のため受診
Q14　76歳の男性，発熱と構語障害で救急受診
Q15　68歳の男性，胸痛を主訴に来院
Q16　66歳の男性，下肢脱力を主訴に救急受診
Q17　67歳の女性，体操中に動悸のような胸部不快感を覚え来院
Q18　82歳の女性，心不全と貧血などで全身状態が悪く緊急入院
Q19　57歳の女性，多発関節痛を主訴に来院
Q20　下痢型過敏性腸症候群の治療薬，習慣性便秘症の治療
Q21　74歳の女性，動悸を感じ胸部不快感を訴えて救急受診
Q22　31歳の女性，頭痛，倦怠感があるため来院
Q23　34歳の女性，皮疹が悪化してきたため相談
Q24　48歳の女性，口渇，体重減少を主訴に来院
Q25　72歳の女性，超音波検査で肝腫瘤を指摘されて来院
Q26　54歳の女性，呼吸苦が出現し，意識レベルも低下したため救急搬送
Q27　35歳の女性，心窩部痛，悪心，嘔吐を主訴に救急外来を受診
Q28　80歳の女性，健診で胆囊の限局性壁肥厚を指摘されたため来院
Q29　30歳の男性，ギニアから帰国後，発熱を主訴に来院
Q30　52歳の男性，筋力低下を主訴に来院
Q31　55歳の男性，夕食後に急に意識がなくなり唸り声を上げて倒れた
Q32　80歳の男性，労作時の息切れを主訴に来院
Q33　76歳の女性，左手の振戦を主訴に来院
Q34　60歳の男性，ふらつきと構語障害で来院
Q35　84歳の女性，1か月続き両手のこわばり，両側頸部などの痛みが増強で来院
Q36　34歳の女性，胸やけと心窩部および背部痛を訴えて受診
Q37　80歳の男性，血液検査で貧血と白血球減少傾向のため紹介受診
Q38　87歳の女性，黄疸を主訴に来院
Q39　84歳の男性，食欲低下と悪心とを主訴に来院
Q40　64歳の女性，一過性意識障害を主訴に来院
Q41　85歳の女性，半月前から下腿浮腫，最近，顔面浮腫も出現し来院
Q42　66歳の男性，灰白色の便が1か月続き，黄疸を指摘され受診
Q43　46歳の男性，肝機能異常の精査を依頼されて来院
Q44　23歳の女性，右季肋部などに持続する疼痛のために受診
Q45　68歳の女性，全身浮腫を主訴に来院
Q46　57歳の女性，四肢の脱力を訴えて来院
Q47　63歳の男性，息切れと下腿浮腫で来院
Q48　67歳の男性，3日前からの咳嗽，喀痰，発熱のため来院
Q49　76歳の女性，搔痒感を伴う皮疹を主訴に来院
Q50　64歳の女性，視力障害とふらつきを主訴に眼科から紹介受診
Q51　53歳の男性，下痢と食欲不振を主訴として来院
Q52　78歳の男性，腹部膨満と悪心を主訴に救急受診
Q53　74歳の女性，発熱，両下腿のしびれを訴えて来院
Q54　80歳の女性，両側膝関節痛あり，発熱を主訴に来院
Q55　28歳の女性，視神経炎が再燃し，歩行困難，排尿困難で来院
Q56　36歳の男性，一過性の意識消失を主訴に救急受診
Q57　60歳の男性，右下肢のしびれを主訴に来院
Q58　84歳の男性，全身倦怠感を主訴に来院
Q59　65歳の男性，B細胞悪性リンパ腫の診断でR―CHOP療法を予定
Q60　82歳の男性，胸部の重苦しさのために受診
Q61　71歳の男性，咽頭痛による食事摂取困難のため救急受診
Q62　79歳の女性，右顔面のピリピリした痛み，頭痛も出現し救急受診
Q63　79歳の男性，頻回の失神発作を訴えて受診
Q64　48歳の女性，めまいを主訴に来院
Q65　81歳の女性，歩行時に息切れが出現，増悪し来院
Q66　44歳の男性，発熱，頭痛，悪心を主訴に救急受診
Q67　70歳の男性，立ちくらみ，冷汗，呼吸苦が出現し救急受診
Q68　74歳の男性，頻脈が治まらず救急受診
Q69　65歳の男性，胸部単純X線，胸部単純CTで異常を指摘され来院
Q70　67歳の女性，嘔吐症状，食事摂取不良のため入院のうえ精査加療
Q71　43歳の女性，悪心，嘔吐を主訴に救急受診
Q72　57歳の女性，両肩・膝関節痛を主訴に来院
Q73　77歳の女性，多飲が出現し，頻回の排尿のため精査加療目的で入院
Q74　84歳の女性，呼吸困難を主訴に救急受診
Q75　52歳の女性，健診で肝機能異常を指摘され来院
Q76　82歳の男性，ラクナ梗塞で入院加療後，軽度左下肢麻痺で受診
Q77　60歳の男性，悪心，嘔吐，および心窩部痛が腹部全体に広がり来院
Q78　61歳の女性，不穏状態と痙攣のため救急要請
Q79　68歳の男性，両肩から上腕にかけての浮腫と痛みを主訴に来院
Q80　65歳の女性，左肘に力が入らないとの主訴で来院
Q81　53歳の女性，発熱，悪心，倦怠感を主訴に来院
Q82　43歳の男性，健診で尿検査の悪化を指摘され精査希望で来院
Q83　82歳の女性，傾眠状態となり症状軽快せず救急受診
Q84　56歳の女性，息切れと易疲労感を主訴に来院
Q85　67歳の男性，1年前から物が二重に見え，徐々に増悪し来院
Q86　63歳の女性，健診で高Ca血症を指摘され精査目的で受診
Q87　70歳の男性，全身倦怠感を訴えて受診
Q88　61歳の男性，1時間前から左上胸部〜肩に絞扼感が出現し救急搬送
Q89　65歳の男性，4年前から膵臓に囊胞性病変を指摘され経過観察中
Q90　69歳の女性，突然の心窩部の激痛，背部痛，足のしびれで救急受診
Q91　60歳の女性，健診で腎機能障害の進行を指摘され来院
Q92　82歳の女性，異常行動で救急受診
Q93　73歳の女性，喀痰と咳嗽を主訴に受診
Q94　82歳の女性，心窩部痛を主訴に救急受診
Q95　36歳の男性，一過性の腹痛での腹部単純CTで異常を指摘され来院
Q96　71歳の男性，寝衣を脱いだまま着衣できず，家人により救急要請
Q97　71歳の男性．歯肉出血，両下肢の皮下出血，鼻出血のため精査希望で来院
Q98　75歳の女性，健診結果で白血球増多を指摘され来院
Q99　79歳の女性．胸部X線で淡い浸潤影を両側肺に認め，精査目的で来院
Q100　65歳以上の高齢者，大腿骨頸部骨折後の認知症診断にHDS―Rを使用
　
索引　
各問題で扱った疾患・用語一覧　

執筆者一覧

中島智樹　京都済生会病院総合診療内科部長　著