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書籍詳細

メディカルスタッフのための精神医学 第2版

メディカルスタッフのための精神医学 第2版

谷岡哲也 編著 / 沼田周助 編著 / 友竹正人 編著 / 安原由子 編著 / 大坂京子 編著

A5判 304頁

定価3,520円(本体3,200円 + 税)

ISBN978-4-498-07699-0

2025年01月発行

予約受付

メディカルスタッフのための精神医学の必携書。最新の法改正・各国試の動向に完全対応

直近の精神保健福祉法改正に対応!看護師・保健師・理学療法士・作業療法士 最新の各国家試験に対応!ICD-11(国際疾病分類第11版)準拠!2021年の初版刊行以来,医療系学生に好評のテキストが,最新の法改正・各国試の動向に完全対応してリニューアル.初版の使いやすさはそのままに,最新の国家試験出題基準や新薬の追加,法律の改訂を含む近年の進歩を踏まえて全体的に見直しをはかった.メディカルスタッフ・医療系学生の日々の学習や臨床に直結した”本当に知っておくべき”精神医学の実践的な知識を網羅した頼れる1冊.

第2版序文
 
 本書は,将来,看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・精神保健福祉士・薬剤師になる学生に必要とされる最新の精神医学の知識を各分野に精通した専門家が解説しています.各専門職の国家試験出題基準を参考に構成しており,受験に必要な精神医学の知識を過不足なく掲載しました.
 編集方針としては,わかりやすく平易な文章にすることを心がけました.
 疾病および関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Class­ification of Diseases and Related Health Problems:ICD-11)も2019年にWHOで承認されました.現在,ICD-11 の分類の表記に用いる用語の和訳案について,2022年2月版をベースに日本医学会および日本歯科医学会を通じて,最終調整が行われています.
 令和2(2020)年度診療報酬改定で,精神療養病棟入院料について,長期化する精神疾患患者の身体障害に対する疾患別リハビリ料およびリハビリ総合計画評価料が算定できるようになりました.
 また,令和6(2024)年4月には改正精神保健福祉法が施行されました.
 このように精神科医療を取り巻く環境は日々変化しています.
 
 改訂にあたり以下の点を,アップデートしました.
  ・ICD-11に準拠
  ・新薬を追加
  ・精神科医療における身体障害の現状と身体的リハビリテーションを追加
  ・精神保健福祉法の改正に伴い,最新の内容に改訂
 
 精神疾患は誰にでも起こりうる疾患であり,決して差別や偏見を受けるものではなく,医療福祉現場で働くすべての人は正しい知識を持っていなければなりません.その意味でこの本は,医療福祉現場で働く方にとっても最新の知識を提供すると考えております.
 最後になりましたが,本書の出版にあたり,お忙しい中ご執筆いただきました先生方,および発行いただく中外医学社の方々に感謝の意を表し,序文とさせていただきます.
 
 2024年11月
 編集者一同

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目次

I 精神医学とは 〈大森哲郎〉
 1 精神疾患の頻度 
 2 症状の特徴 
 3 原因 
 4 精神医学の分類 
 5 精神医療,精神医学の歴史 
 6 精神医学・医療の最近の状況 
II 精神保健 〈石元康仁〉
 1 精神保健の基本的な考え方 
 2 精神の健康に関する普及・啓発 
 3 ストレス 
 4 危機(クライシス) 
 5 こころの構造 
III 精神症状 
 1 精神症状 〈住谷さつき〉
  1.客観症状と主観症状 
  2.意識の障害 
  3.記憶の障害 
  4.知能の障害 
  5.知覚の障害 
  6.思考の障害 
  7.自我意識の異常 
  8.感情の障害 
  9.意欲,行動の障害 
  10.病識 
  11.疎通性 
 2 精神状態 〈住谷さつき〉
 3 高次脳機能障害 〈高瀬憲作〉
  1.高次脳機能障害 
  2.大脳半球の優位性と側性化 
  3.代表的な高次脳機能障害 
  4.行政的な高次脳機能障害 
IV 診察と検査 〈中瀧理仁〉
 1 脳と精神機能 
  1.神経伝達物質 
  2.学習 
 2 精神医学的診察法 
  1.診察の進め方 
  2.面接 
  3.精神的現症 
  4.身体的現症 
  5.診断と状態像の決定 
 3 主な精神症状評価尺度 
 4 血液検査 
 5 生理検査 
  1.脳波 
  2.睡眠ポリグラフィー 
  3.心電図 
 6 画像検査 
  1.CT 
  2.MRI 
  3.SPECT 
  4.PET 
 7 心理検査 
  1.検査時の注意点 
  2.種類 
V 治療 
A 薬物療法 〈沼田周助  大森哲郎〉
 1 薬物療法の意義と役割 
  1.精神科治療学のなかの薬物療法 
  2.薬物療法導入前の信頼関係樹立の必要性 
  3.薬物療法の目的 ─ 症状改善と再発予防 
  4.薬物療法の実際 
  5.薬物の代謝 
 2 向精神薬の分類 
 3 抗精神病薬 
  1.歴史 
  2.種類と特徴 
  3.適応疾患,適応症状 
  4.副作用 
  5.抗精神病薬の脳内での作用 
 4 抗うつ薬 
  1.歴史 
  2.抗うつ薬の種類と特徴 
  3.適応疾患,適応症状 
  4.副作用 
  5.薬理作用 
 5 気分安定薬 
  1.歴史 
  2.気分安定薬の種類と特徴 
  3.適応疾患,適応症状 
  4.副作用 
  5.薬理作用 
 6 抗不安薬 
  1.歴史 
  2.抗不安薬の種類と特徴 
  3.適応疾患,適応症状 
  4.副作用 
  5.薬理作用 
 7 睡眠薬 
  1.睡眠薬の種類と特徴 
  2.副作用 
 8 抗てんかん薬 
  1.抗てんかん薬の種類と特徴 
  2.適応疾患,適応症状 
  3.副作用 
 9 抗認知症薬 
B 身体療法 〈沼田周助〉
 1 電気けいれん療法 
 2 反復経頭蓋磁気刺激療法 
C 精神療法 〈友竹正人〉
 1 心理的アプローチの分類 
 2 病態レベルに応じたアプローチ 
 3 主な精神療法 
D 精神保健福祉および精神科リハビリテーション 
 1 精神科救急医療と精神保健福祉法 〈石元康仁〉
  1.精神科救急医療 
  2.精神保健福祉法 
 2 社会精神医学と地域精神保健福祉 〈石元康仁〉
  1.社会と精神医学 
  2.精神疾患と精神障害 
  3.精神保健の歴史 
  4.わが国の地域精神保健福祉施策の変遷 
  5.わが国の精神保健福祉施策の実際 
 3 心理社会的治療とチームケア 
  1.心理社会的治療 〈片岡三佳〉
  2.安全な治療環境の提供 〈片岡三佳〉
  3.チーム医療およびチームケア 〈趙 岳人  後藤崇仁〉
 4 精神科リハビリテーションサービス 〈趙 岳人  後藤崇仁〉
  1.精神科リハビリテーションとその歴史 
  2.精神科リハビリテーションの目標 
  3.精神の障害を抱えた人びとの生活困難の背景 
  4.精神科リハビリテーションサービスの具体例 
  5.社会復帰,社会参加への支援 
  6.精神保健医療福祉に関する社会資源の活用と調整 
 5 精神医療福祉とソーシャルサポート 
  1.地域生活を支えるための法的根拠およびそのサポート資源の特徴 〈後藤崇仁  趙 岳人〉
 6 精神科における身体的リハビリテーション 〈仙波浩幸  谷岡龍一  谷岡哲也〉
  1.精神科医療における身体障害の現状と身体的リハビリテーションの必要性 
  2.精神科における身体的リハビリテーション 
  3.身体的リハビリテーションの実施 
  4.身体的リハビリテーションの評価 
  5.チーム医療における身体的リハビリテーションの留意点 
VI 精神障害各論 
A 器質性精神障害 〈木下 誠〉
  1.器質性・症状性精神障害の原因 
  2.器質性・症状性精神障害の症状 
  3.器質性・症状性精神障害の治療 
  4.主な器質性精神障害 
  5.主な症状性精神障害 
B 物質使用および嗜癖行動による障害 〈吉田精次〉
 1 物質使用障害 
  1.物質について 
  2.用語の説明 
 2 物質使用障害各論 
 3 嗜癖行動障害 
  1.ギャンブル障害 
  2.ゲーム障害 
 4 物質使用および嗜癖行動による障害の治療 
C 統合失調症と妄想性障害 〈富岡有紀子  富永武男〉
 1 統合失調症 
  1.症状 
  2.診断 
  3.検査 
  4.病因 
  5.治療 
 2 妄想性障害 
D 気分症 〈渡部真也  中山知彦〉
 1 病型 
 2 症状 
 3 病因 
 4 診断 
 5 治療 
 6 経過・予後 
E 主にストレスや心因が関連する疾患群 〈山田直輝  亀岡尚美〉
 1 疾患概念 
 2 発症機序 
 3 防衛機制 
 4 各論 
  1.不安または恐怖関連症群 
  2.強迫症または関連症群 
  3.ストレス関連症群 
  4.解離症群 
  5.身体的苦痛症または身体的体験症群 
 5 治療 
  1.薬物療法 
  2.精神療法 
F 生理的障害および身体要因に関連した行動症候群 
 1 摂食症 〈友竹正人〉
  1.神経性やせ症 
  2.神経性過食症 
  3.むちゃ食い症(過食性障害) 
  4.その他 
 2 睡眠覚醒障害 〈梅原英裕〉
 3 産褥に関連した精神障害 〈梅原英裕〉
G 成人のパーソナリティおよび行動の障害 
 1 特定のパーソナリティ障害 〈友竹正人〉
  1.診断 
  2.主なパーソナリティ障害 
  3.治療 
 2 性別不合 〈中山 浩〉
  1.概念と対応の一般的原則 
  2.児童期の性別不合 
H てんかん 〈森 健治  森 達夫〉
 1 てんかんの概念・定義 
 2 てんかんの有病率,生涯有病率,発病率 
 3 てんかんの分類 
 4 主要なてんかん症候群 
  1.乳児期に発症するてんかん症候群 
  2.小児期に発症するてんかん症候群 
  3.さまざまな年齢で発症する症候群(小児患者と成人患者の両方にみられる) 
  4.特発性全般てんかん 
 5 てんかんにみられる精神症状 
 6 てんかんの治療 
 7 てんかん重積状態とその治療 
 8 てんかんの予後 
I 児童期の精神障害 〈井崎ゆみ子〉
 1 児童期にみられる精神疾患群 
J 神経認知障害 〈數井裕光〉
 1 認知症の定義 
 2 認知症疾患で認められやすい認知障害 
 3 認知症の原因となる疾患 
VII コンサルテーション・リエゾン精神医学 〈大田将史  松本 唯〉
 1 概説 
 2 コンサルテーション・リエゾン精神医学の例 
 3 コンサルテーション・リエゾン精神医学の実施手順 
VIII 司法精神医学 〈三船和史〉
 1 司法精神医学とは 
 2 精神鑑定の種類 
 3 刑事精神鑑定 
 4 医療観察法と医療観察法鑑定 
 5 成年後見制度と民事精神鑑定 
IX 精神障害の将来遺伝と環境,研究および治療の展望 〈伊賀淳一  上野修一〉
 1 精神障害の遺伝 
 2 精神障害と環境 
 3 遺伝と環境の関係 
 4 研究および治療の展望 
 
索 引 

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執筆者一覧

谷岡哲也 徳島大学医学部保健学科 教授 編著
沼田周助 徳島大学医学部医学科 教授 編著
友竹正人 徳島大学医学部保健学科 教授 編著
安原由子 徳島大学医学部保健学科 教授 編著
大坂京子 高知大学医学部看護学科 教授 編著
大森哲郎  藍里病院あいざと精神医療研究所 所長 
石元康仁  徳島県精神保健福祉センター 所長 
住谷さつき  徳島大学キャンパスライフ健康支援センター 教授 
高瀬憲作  阿南医療センターリハビリテーション科 科長 
中瀧理仁  徳島大学大学院医歯薬学研究部精神医学分野 准教授 
片岡三佳  三重大学大学院医学系研究科看護学専攻精神看護学分野 教授 
趙 岳人  藤田医科大学医学部精神神経科学 准教授 
後藤崇仁  藤田医科大学病院精神科 
仙波浩幸  神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 専攻長・教授 
谷岡龍一  広島都市学園大学健康科学部リハビリテーション学科 講師 
木下 誠  むつみホスピタル 
吉田精次  藍里病院副院長,依存症研究所 所長 
富岡有紀子  徳島大学大学院医歯薬学研究部精神医学分野 講師 
富永 武男  ゆうあいホスピタル 
中山知彦  国立精神・神経医療研究センター病院臨床心理部 上級専門修練医 
山田直輝  徳島大学病院精神科神経科 助教 
梅原英裕  徳島大学大学院医歯薬学研究部精神医学分野 講師 
中山 浩  川崎市南部児童相談所 部長 
森 健治  徳島大学大学院医歯薬学研究部子どもの保健・看護学分野 教授,徳島大学病院てんかん センター長 
森 達夫  徳島大学大学院医歯薬学研究部小児科学分野 講師 
井崎ゆみ子  徳島大学キャンパスライフ健康支援センター 教授 
數井裕光  高知大学医学部神経精神科学講座教授 
松本 唯  徳島大学病院卒後臨床研修センター 特任助教 
三船和史  三船病院 名誉院長 
伊賀淳一  愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学 准教授 
上野修一  愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学 教授 

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