ログアウト中です。

トップページ脳・神経 > 認知症のみかた,考えかた

書籍詳細

認知症のみかた,考えかた

認知症のみかた,考えかた

高尾昌樹 編集

A5判 220頁

定価4,950円(本体4,500円 + 税)

ISBN978-4-498-42822-5

2024年11月発行

在庫あり

認知症診療に必要な知識の整理とアップデートを1冊で!

日本にはすでに400万人を超える認知症者がいるとされ,認知症は稀少疾患ではなくコモンディジーズとなり,認知症を正しく理解することは必須のいま,日常診療ですぐに役立つ実践的マニュアル!
診察のコツや,早期発見・正しい判断のための検査,認知症を来す疾患それぞれについての解説から,レカネマブなど最新の抗体療法を含む具体的な治療,法律・社会制度まで,体系的にすべてをまとめた必読書

序 文

 皆様の日々の診療において,認知症という言葉を聞かない日はないと思います.認知症を専門としない各科の医師も,認知症を有している患者さんを診る機会は多いことでしょう.日本にはすでに400万人を超える認知症者がいるとされ,認知症は稀少疾患ではなくコモンディシーズとなり,医療者として認知症を正しく理解することは必須のことです.私事で恐縮ですが,この序文を書く少し前に15年にわたって診療をしてきた認知症患者さんが亡くなり病理解剖を行いました.最初は軽い物忘れで受診をされ,徐々に症状は進行していきました.毎月診療をさせていただき,私自身の認知症に対する考え方も随分と変わったと思います.それは医学の進歩ということもありますが,患者さんやご家族からたくさんのことを教えていただいたこともあります.一方,日々の診療で困ったときに,認知症のことをまとめた読みやすい日本語テキストがあまり出版されていないことが気になっていました.そのようなこともあって,この企画のご相談をいただいたときに,日常の診療の中ですぐに役に立ち,そしてできるだけ最新の知識を入れ込んだテキストを目指したいと思った次第です.
 『認知症のみかた,考えかた』はまさにタイムリーな一冊であります.本書のコンセプトは大きく2つあります.第1に認知症の専門家からも批判に耐えうる内容であると同時に,認知症を専門としない医師,看護師,医療関係者と学生にも理解でき真に役立つ内容であること.第2に,各分野のエキスパートが1つのテーマすべてを執筆し,著者の「みかた,考え方」を明解に表出していただいたことです.少し欲張ったコンセプトですが,それぞれの著者の認知症診療における情熱が伝わってくる素敵な本になったと思います.お読みいただければ実感いただけると思いますが,診断,検査,治療,法律といった認知症診療における多面的な問題を,最新の診断方法や抗体療法といった重要情報も踏まえ実に明解にまとめていただきました.私自身,校正刷をすべて1日で読み,あらためて認知症に関しての知識の整理と最新情報を取得できました.認知症の診療は患者さんとのお付き合いが長いものだと思います.これからの診療のために,『認知症のみかた,考えかた』を最初から最後まで通してお読みいただき,読者それぞれの「みかた,考えかた」へと発展させていただければ幸いです.

2024年9月
高 尾 昌 樹

すべて見る

1章 認知症総論
 1 診察,症候学 〈長田高志〉
  問診
  身体的診察
  神経学的診察

2章 認知症の検査
 1 認知機能検査 〈森本耕平 古和久朋〉
  認知症疾患における認知機能検査の意義
  認知機能検査を行ううえで注意すべき点
  認知症の病歴聴取
  問診票の内容
  スクリーニング検査
  各高次脳機能障害領域の評価
  記憶
  注意・遂行機能
  視空間認知
  失語
  認知症状の重症度と経時的な評価
  問診票と認知機能検査の組み合わせと実際のワークフロー
  高齢者の運転機能評価
 2 認知症の体液バイオマーカーの現状と展望 〈伊東大介〉
  アミロイドβ沈着
  タウ蓄積
 3 画像検査 〈櫻井圭太〉
  画像検査の役割
  主要な画像検査
   CT
   MRI
   核医学検査
   画像解析法

3章 認知症をきたす疾患
 1 神経変性疾患 〈池田将樹〉
  神経変性による認知症疾患
  アルツハイマー型認知症(AD)
   ADの精神神経症候の特徴
  非AD病理を有する神経変性認知症疾患群(SNAP)
  レビー小体型認知症(DLB)と認知症を伴うパーキンソン病(PDD)
  前頭側頭型認知症(FTD)/前頭葉側頭葉変性症(FTLD)
  進行性核上性麻痺(PSP)
  大脳皮質基底核変性症(CBD)
  加齢関連タウ星状膠症(ARTAG)
  ハンチントン(Huntington)病
  慢性外傷性脳症(CTE)
  神経変性認知症疾患のみかた
 2 血管性認知症,治療可能な認知症 〈坂井健二〉
  血管性認知症
  脳アミロイドアンギオパチー
  遺伝性の脳血管障害
   CADASIL
   CARASIL
  治療可能な認知症
   特発性正常圧水頭症
   慢性硬膜下血腫
   内分泌・代謝・栄養欠乏性疾患
   感染性疾患
   自己免疫性脳炎
   脱髄性疾患(多発性硬化症)
   薬剤誘発性認知症
   高齢発症てんかん

4章 認知症の治療
 1 薬物治療,非薬物治療,リハビリテーション 〈文 鐘玉〉
  治療を行う際の留意点
  予防の重要性
  アルツハイマー型認知症の薬物療法
  レビー小体型認知症の薬物療法
  認知症の非薬物療法
  行動・心理症状(BPSD)の治療(非薬物療法・薬物療法)
 2 抗アミロイドβ抗体療法――治療適応から合併症のケアまで 〈栗原正典 井原涼子 岩田 淳〉
  アルツハイマー病(AD)とは
  レカネマブ
  治療適応
  医師・施設要件,体制の整備
  脳内アミロイド病理の確認に用いられる検査
  投与スケジュール,合併症およびそのケア
  投与期間中の対応と投与期間
  治験でみられた効果の臨床的意義
  その他の抗Aβ抗体
  今後の課題

5章 認知症の社会的資源,成年後見など
 1 認知症患者をサポートするための具体的制度――介護保険,成年後見制度など 〈大平雅之〉
  認知症患者を対象とした公的なサービス
  地域包括支援センター
  介護サービス
  具体的なサービス内容
  成年後見制度

索引

すべて見る

執筆者一覧

高尾昌樹 国立精神・神経医療研究センター病院特命副院長/ 臨床検査部・総合内科部長 編集
長田高志 国立精神・神経医療研究センター病院総合内科 医長 
森本耕平 神戸大学大学院医学研究科バイオリソース・ヘルスケア統合解析科学 特命助教 
古和久朋 神戸大学大学院保健学研究科保健学専攻 教授 
伊東大介 慶應義塾大学医学部神経内科/メモリークリニック 特任教授 
櫻井圭太 国立長寿医療研究センター放射線診療部 医長 
池田将樹 埼玉医科大学保健医療学部共通教育部門(脳神経内科)教授/同国際医療センター脳神経内科・脳卒中内科 教授(兼担)/公益財団法人老年病研究所附属病院脳神経内科 非常勤医師 
坂井健二 上越総合病院神経内科 部長 
文 鐘玉 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 特任准教授 
栗原正典 東京都健康長寿医療センター脳神経内科/認知症未来社会創造センター 
井原涼子 東京都健康長寿医療センター脳神経内科 医長 
岩田 淳 東京都健康長寿医療センター 副院長/認知症未来社会創造センター 副センター長 
大平雅之 国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部 医長/仁邦法律事務所 弁護士 

すべて見る

この商品に関連するキーワード

電子書籍で購入する

認知症のみかた,考えかた
   定価4,950円(本体4,500円 + 税)
   2024年11月発行
(外部のサイトへとびます)
認知症のみかた,考えかた
   定価4,950円(本体4,500円 + 税)
   2024年11月発行
(外部のサイトへとびます)
  • テキスト・教科書
  • 考え方・使い方
  • J-IDEO
  • J-IDEO定期購読
  • ClinicalNeuroscience
  • 広告掲載をお考えの方へ
  • 企画応募フォーム
  • 動画閲覧・ファイルダウンロード
  • 採用情報
  • X
  • note小
  • Facebook
  • JIDEOバックナンバー
  • テキスト・教科書
  • グリーンノート
  • 考え方使い方

株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722