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書籍詳細

実践クリティカルケアリハビリテーション

実践クリティカルケアリハビリテーション

笠井史人 編著 / 田代尚範 編著

B5判 210頁

定価4,950円(本体4,500円 + 税)

ISBN978-4-498-16670-7

2024年10月発行

在庫あり

効果的なICUリハビリテーションを迅速に行うための必須知識を1冊で体得

現場からのニーズで必要に迫られている理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が,明日から実践できる知識を短時間で身につけられる1冊!
ICUナース,集中治療科医師,リハビリテーション科医師,ICUチームすべてに役立つ内容をわかりやすくまとめました.
1. リハビリテーション前の情報収集
2. ICU入室時のチェックポイント
3. リハビリテーションの実際
4. リハビリテーション中のリスク管理
5. リハビリテーション終了時に考えること
を具体的にエキスパートが伝授します!
単なる知識紹介本ではなく臨床スキルが上がる実践書として,役立つこと間違いなし.



 直近10年間のICUでのリハビリテーションは,リハビリテーション医療の中で最も発展した分野のひとつである.早期リハビリテーションのエビデンスが証明されてから,集中治療のひとつとして少しずつ広がりを見せていた早期離床訓練は,早期離床リハビリテーション加算の診療報酬採用で一気に全国区になった.2017年に日本集中治療医学会早期リハビリテーション検討委員会が作成したエキスパートコンセンサスは,昨年末にGRADEアプローチに則った診療ガイドラインに進化した.そして集中治療理学療法士制度も始まって,医療界のクリティカルケアリハビリテーションへの期待は膨らみ続けている.
 まさに待ったなしの状況下,短時間に効率よく「ICUリハビリテーション」の全体像を学習でき,早急に実践できることを目指した良質な教材が必要である.現場で活躍するエキスパートが,プラクティカルなTipsを解説することで,効果的なICUリハビリテーションを迅速に行えるように手助けする1冊が理想である.本書はまさにそれを狙った.現場からのニーズで必要に迫られ困っている経験の浅い理学療法士・作業療法士・言語聴覚士たちが,完全とは言えなくとも明日にでも実践できる知識を短時間に身につけられるように構成したつもりである.また共働するICUナースや,セラピストにアドバイスを送る立場である若手の集中治療科医師,リハビリテーション科医師にもお勧めしたい.カバンに入れて持ち運べ,調べるよりも無理なく通読できる難易度に調整した.それを実現するために,現場で毎日ICUリハビリテーションを実施している経験豊富な臨床家に,成書に取り上げられている幅広い内容から特に不可欠な事項,つまり普段から実践している肝(キモ)を抜き出して執筆いただいた.また,具体的な症例提示も織り込むことで単なる知識紹介本でなく,臨床スキルが上がる実践書を目指した.
 我々は,今世紀になって以降リハビリテーション医学が医療体系をドラスティックに塗り替えるような事象に運よく何度か遭遇した.クリティカルケアリハビリテーションの躍進がまさにそのひとつである.救命することを第一義としたICUで絶対安静を目的に患者を鎮静強化した時代から,社会復帰したあとの生活のために活動を育む診療を推進する時代に変わった.リハビリテーションはもはや集中治療手段の重要な一端を担っていると言える.さらなる発展のためには,患者の予後を改善する確実なリハビリテーションアプローチを開発してエビデンスを積み重ねていくことが肝要である.それを実行できるリハビリテーションチームの仲間が増えていくことに本書が役立つことを心より願っている.

2024年8月
笠 井 史 人
田 代 尚 範

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第1章 ICUでリハビリテーションを行う前に知っておくこと
 1—1 ICUリハビリテーションの進歩  〈笠井史人〉
 1—2 集中治療の基礎知識  〈渡辺太郎〉
 1—3 集中治療の中のリハビリテーションの位置づけ  〈森 麻衣子〉
 1—4 PICS(post—intensive care syndrome)  〈住永有梨〉
 1—5 ICUで用いる代表的な薬剤  〈松永奈緒〉
 1—6 ICUリハビリテーションにおける評価  〈久保寺宏太〉
 1—7 ICUリハビリテーションを行う前の情報収集  〈深澤美葉〉

第2章 医学的管理機器と呼吸循環モニタリング
 2—1 臓器評価と補助・代替療法(総論)  〈小谷 透〉
 2—2 人工呼吸器  〈染井將行〉
 2—3 HFNC/NPPV  〈大田 進〉
 2—4 ECMO  〈染井將行〉
 2—5 IABP/IMPELLA  〈小倉邦弘 新家俊郎〉
 2—6 CRRT/IRRT  〈林 純一 本田浩一〉
 2—7 呼吸循環モニター  〈水流洋平〉
 2—8 リハビリテーション支援機器  〈久保寺宏太〉

第3章 ICUに入室する代表的な疾患
 3—1 敗血症,敗血症性ショック  〈壽原朋宏〉
 3—2 重症肺炎・急性呼吸窮迫症候群  〈喜久山和貴〉
 3—3 急性冠症候群,心不全  〈佐藤督忠〉
 3—4 急性腎障害  〈齋藤友広 本田浩一〉
 3—5 脳血管疾患  〈三木綾子 小室浩康 加藤悠太 水間啓太〉
 3—6 術後管理  〈五十嵐友美〉

第4章 ICUにおけるリハビリテーションの実践
 4—1 呼吸器疾患リハビリテーション  〈田代尚範〉
 4—2 心大血管疾患リハビリテーション  〈松本有祐〉
 4—3 心臓外科術後リハビリテーション  〈磯邉 崇〉
 4—4 脳血管疾患リハビリテーション  〈井上拓保〉
 4—5 運動器疾患リハビリテーション  〈野口 悠 湖東 聡〉
 4—6 血液疾患リハビリテーション  〈保坂雄太郎〉
 4—7 周術期リハビリテーション  〈黒岩澄志〉
 4—8 ICUにおける作業療法  〈齋藤 甚〉
 4—9 ICUにおける摂食・嚥下療法  〈笠井史人〉
 4—10 ICU退室後の回復期リハビリテーション  〈宮澤 僚 渡邉真理奈 堤 智可〉

第5章 難渋する場面でのリハビリテーション
 5—1 離床困難症例に対するリハビリテーション  〈鶴田かおり〉
 5—2 ICU患者に対する精神的サポート  〈駒場一貴〉
 5—3 ICU終末期患者に対するリハビリテーションの役割  〈駒場一貴 渡邉大貴〉

索引

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執筆者一覧

笠井史人 昭和大学医学部リハビリテーション医学講座 教授 編著
田代尚範 昭和大学保健医療学部保健医療学教育学 准教授 編著
渡辺太郎  昭和大学病院集中治療科 講師 
森 麻衣子  昭和大学江東豊洲病院集中治療科 講師 
住永有梨  昭和大学病院看護部 
松永奈緒  昭和大学病院集中治療科 
久保寺宏太  昭和大学病院リハビリテーションセンター 
深澤美葉  昭和大学病院リハビリテーション科 
小谷 透  昭和大学医学部集中治療医学講座 主任教授 
染井將行  千葉西総合病院集中治療科 医長 
大田 進  昭和大学病院呼吸器・アレルギー内科 講師 
小倉邦弘  昭和大学病院循環器内科 助教 
新家俊郎  昭和大学病院循環器内科 主任教授 
林 純一  昭和大学病院腎臓内科 助教 
本田浩一  昭和大学病院腎臓内科 教授 
水流洋平  昭和大学病院看護部 
壽原朋宏  慶應義塾大学医学部麻酔学教室 専任講師 
喜久山和貴  昭和大学病院集中治療科 助教 
佐藤督忠  昭和大学藤が丘病院集中治療科 准教授 
齋藤友広  昭和大学病院腎臓内科 講師 
三木綾子  昭和大学医学部内科学講座脳神経内科学部門 助教 
小室浩康  昭和大学藤が丘病院脳神経内科 助教 
加藤悠太  昭和大学江東豊洲病院脳神経内科 助教 
水間啓太  昭和大学江東豊洲病院脳神経内科 講師 
五十嵐友美  昭和大学病院集中治療科 助教 
松本有祐  昭和大学病院リハビリテーションセンター 
磯邉 崇  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 講師 
井上拓保  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 講師 
野口 悠  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 講師 
湖東 聡  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 講師 
保坂雄太郎  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 講師 
黒岩澄志  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 講師 
齋藤 甚  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻 講師 
宮澤 僚  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 講師 
渡邉真理奈  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻 講師 
堤 智可  昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーションセンター 
鶴田かおり  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 講師 
駒場一貴  昭和大学保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻 講師 
渡邉大貴  昭和大学藤が丘病院リハビリテーション室 

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実践クリティカルケアリハビリテーション
   定価4,950円(本体4,500円 + 税)
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