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書籍詳細

人生100年時代の循環器診療

人生100年時代の循環器診療

山下武志 著

A5判 134頁

定価3,080円(本体2,800円 + 税)

ISBN978-4-498-13442-3

2024年08月発行

在庫あり

暦年齢にとらわれない ぼくたちの新たな臨床観(Clinical-Shift)


「患者は86歳男性で……」症例提示の定番であるこの表現から,どのくらいの情報を得られるでしょうか? 超高齢化社会に突入している本邦において,高齢患者の暦年齢と身体機能の相関関係は成り立たなくなってきています.今こそ暦年齢を重視する診療を脱却し,高齢患者一人ひとりに対する真の個別化医療を考えるときです.そこに「例外」という言葉はありません.循環器領域を長年牽引する著者による高齢者診療(総論)・心房細動診療・心不全診療を通して,めまぐるしく変化する現代医学への冷静な対峙方法をぜひ感じてみてください.

序 文

本書は,私がここ10年来ずっと抱えてきた一番の疑問に,自分なりの答えを記したものです.
心臓血管研究所付属病院に勤めはじめてから,今年でちょうど24年,つまり干支2周分,同じ場所で外来診療を行ってきました.さまざまな患者さんたちと出会い,現在二十数年にも及ぶ付き合いの患者さんたちが数多くいます.若い時分の私の至らなさを許容してもらいつつ,お互い20歳以上歳を重ねました.そして,今,「お互い,ともに良い歳をとっていきましょう」.もちろん,この間に数多くの患者さんたちの死を経験しました.若い頃は,その死が循環器疾患以外の原因なら,「循環器内科医の自分の仕事としては完遂できた」と思うこともできましたが,二十数年来の付き合いともなるとそう単純に割り切れるものではありません.
 循環器疾患の診療を行うのは当然ですが,この二十数年来の経験で知ったことは,患者の高齢化に伴って循環器疾患だけを切り取って診療することはとても困難,時に不可能なこともあるという事実です.エビデンスが構築できない,論理的に解決できない山積みの課題は,これまで人類が経験してこなかったような「加齢」という現象に結びついています.ちまたで流行りの「アンチエイジング」は,この難しい課題を先送りしたいという願いから生じたものでしょう.おそらく,これらの課題は,日本で最も早く脚光を浴び,その解決には十数年以上要するだろうと予想しています.本書を,それまでの一里塚として,またひとつの錨として,現在同じような悩みを持たれている医師に,また将来この課題を解決する担い手となる若手医師に読んでもらえればと願っています.

令和6年
山下武志

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CHAPTER 1 総論 暦年齢を重ねた高齢患者診療
人生100年時代を迎えて
「老化は足から」,「人は三度老いる」
フレイルもアクティブシニアも増加する
大きな転換 1:暦年齢から脱却する
大きな転換 2:医療の目的が変化する
人生100年時代の基本教育 1:食事
人生100年時代の基本教育 2:身体活動・運動
エンドポイントの競合
AIがもたらす将来展望
多様性の中,なにが本質か?

CHAPTER 2 人生100年時代の心房細動診療
なぜ超高齢者の心房細動診療は難しい?
高齢・超高齢者に対する抗凝固療法の今
フレイル,認知症,転倒歴と抗凝固療法
抗凝固療法をあきらめるとどうなる?
ラストステージの抗凝固療法
左心耳閉鎖術と超高齢心房細動
アブレーションをどこまで踏み込むか?
抗不整脈薬投与,心拍数調節治療薬投与の実際
心房細動のアウトカムが変わった!?

CHAPTER 3 人生100年時代の心不全診療
なぜ超高齢者の心不全診療は難しい?
「心不全パンデミック」は大きくも小さくもできてしまう
HFrEF,HFmrEF,HFpEFどれが大変?
ARNI,SGLT2阻害薬は高齢・超高齢者に使えるか?
高齢心不全患者への非薬物治療
多職種協働・ACPのこと

索引

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執筆者一覧

山下武志 公益財団法人心臓血管研究所 名誉所長 著

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人生100年時代の循環器診療
   定価3,080円(本体2,800円 + 税)
   2024年08月発行
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