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書籍詳細

Annual Review 循環器 2002

Annual Review 循環器 2002

杉下靖郎 他編

B5判 282頁

定価9,240円(本体8,400円 + 税)

ISBN978-4-498-03472-3

2002年01月発行

在庫なし

◆本書は膨大な量の情報の中から,特に注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献をふまえて最新の進歩を展望している.
◆文献抄録ではなく,その内容,評価が理解できる.
◆どのような重要な業績,文献があったかを確実にフォローできる.
◆主要文献を網羅しているので,reference sourceとしても極めて便利である.



 本「Annual Review 循環器」が創刊されてから16年になる.わが国ではユニークな本書が読者諸先生に受け入れられ,それが現在に到るまで保たれて来た事が有り難く思われる.特に若い医師・研究者達に読まれているとの事で,編集者としてその時代の知識がなるべく掲載されるように努めて来た事と合致し,遣り甲斐があったと嬉しく感じられる.各巻の目次をめくってみると,その間の循環器学の流れが感じられる.当初はそれまで循環器学の中心であった生理学的立場のものが並んでいた.途中からこれに心血管作動物質,分子生物学・遺伝子の立場のものが加わり,さらにはその先の方向性についても議論がされ始めている.臨床的には画像診断,intervention に関するものが大きく加わった.テーマはできるだけ重複しないように配慮したが,それでもPTCA,各種作動物質,画像法のように何度か反復したものもあり,それらは永年にわたって循環器学に影響を及ぼすものであったと理解される.執筆者にはご多忙中に大変ご厄介をお掛けしている.時とともにお名前もだんだん変わっているが,みな快く書いてくださった方々である.度々お名前の出る方は,日本の循環器学の進歩と普及を支えて下さった方と感じられる.
 科学は近年長足の進歩を示している.自然科学は本来,古代ギリシャなどにおいて真理に対する興味としての一手法として始まった.その手法がアングロサクソンなど白人の文明の変化とともに進み,その知識の蓄積に伴って時々現れる天才が唱えた学説に基づいて自然現象が矛盾無く説明される事を基盤として大きく形作られて今日に至った.若しかすると人類の自然科学は全く違った形のものであったかもしれない.確かに今までの歴史の中には各種民族による他の試みもあった.今までの自然科学の蓄積した財産は大きいが,それは決して絶対ではない.これに新しい思想を加えながら,神の世界に向かって永遠に「進歩」し続けるであろう.医学も,そしてその中にある循環器学も同様である.
 医学,特に臨床医学は応用科学である.すなわち,興味の対象としての純粋科学と異なり,人類の健康維持に貢献する務めがある.それには倫理面が重要である.優秀な自然科学者が,例えばテロなどに荷担するなど,目的を誤る事がある.遺伝子に関連した医学の分野でもその警鐘が鳴らされている.科学者,特にヒトの命を預かる医学研究者は常に謙虚で在らねばならない.
 今後共,本書が循環器学の進歩と普及に貢献できる事を期待している.

2001年12月
編者一同

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目 次

I.循環器の生物学
 1.循環器疾患と酸化ストレス  <井上信孝 横山光宏>
 2.内皮由来過分極因子(EDHF)  <野出孝一 葛谷恒彦>
 3.心室再分極の成立とその異常  <平岡昌和>
 4.Ca結合蛋白(カルシニューリン)と心肥大  <廣井透雄>
 5.心血管とRho蛋白  <澤田直樹 伊藤 裕 中尾一和>
 6.血管新生と再生医療  <小池弘美 森下竜一>
 7.胎生期動脈管の薬理学  <門間和夫>

II.疾患の病因と病態
 1.心室細動の成立機序  <池主雅臣 相澤義房>
 2.心房細動と血液凝固  <山本啓二 島田和幸>
 3.ANP・BNPと心不全  <岸本一郎 斎藤能彦>
 4.高脂血症と冠動脈形態変化  <江原省一 吉川純一 上田真喜子>
 5.川崎病の冠動脈病変の成因  <鈴木淳子>
 6.肥満と循環器疾患  <八木邦公 馬渕 宏>
 7.Marfan症候群の遺伝子異常  <森崎隆幸>
 8.拡張型心筋症の遺伝子異常  <上砂光裕>
 9.肺高血圧性肺動脈閉塞病変の成因と薬剤による消退  <三谷義英>
 10.本態性高血圧の最近の病因論  <佐々木 享>

III.診断の進歩
 1.経頭蓋超音波による脳血流速度測定  <榛沢和彦>
 2.心電図同期心筋SPECT  <中田智明>
 3.リアルタイム心臓MRIシステム  <加地修一郎 吉田 清>
 4.電気-機能的マッピング(NOGA)  <杉浦清了>
 5.心筋症のウイルス遺伝子診断  <佐藤幸人 松森 昭>
 6.近赤外線による組織酸素動態モニター  <小見山高士 重松 宏>

IV.治療の進歩(内科,小児科)
 1.心不全のペーシング療法  <清水昭彦 松崎益徳>
 2.心不全の遺伝子治療  <大塚正史 小室一成>
 3.エンドセリン拮抗薬  <酒井 俊 宮内 卓>
 4.慢性多枝冠病変の治療指針  <野村周三 本宮武司>
 5.虚血性心疾患におけるinterventional cardiologyの予後改善効果<中村正人 山口 徹>
 6.冠動脈疾患におけるコレステロール低下療法  <島田和典 代田浩之>
 7.胎児不整脈の薬物治療  <前野泰樹>
 8.劇症型心筋炎の治療  <河野 健 和泉 徹>
 9.心疾患救命救急の現況  <菊地 研 平盛勝彦>
 10.ICDによる治療成績  <別所竜蔵 田中茂夫>
 11.小児期の一酸化窒素ガス吸入療法  <石川司朗>
 12.「バイアグラ」と循環器疾患  <佐久間一郎 北畠 顕>

V.心臓血管外科と遠隔成績
 1.Fallot四徴症の手術後遠隔成績  <丹羽公一郎 立野 滋>
 2.大動脈弁閉鎖不全を伴う心室中隔欠損の手術後遠隔期成績<富田 英>
 3.Fontan型手術の長期成績  <前田克英 村上 新>
 4.左室縮小形成術の現況  <上田恵介>
 5.LVAS軸流ポンプ  <西村和修>
 6.off-pump CABG  <渡邊 剛>
 7.狭小大動脈弁輪に対する外科手術  <野口 学 江石清行>
 8.大動脈手術におけるステントグラフト併用法  <加藤雅明>
 9.大動脈解離におけるmalperfusion  <師田哲郎 高本眞一>
 10.心臓血管外科における再生医療  <新岡俊治>

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