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書籍詳細

ひとりで学べる 上肢X線写真の撮りかたと見かた

ひとりで学べる 上肢X線写真の撮りかたと見かた

中村嘉宏 著 / 渡邉耕太 監修 / 大崎雄樹 監修

B5判 220頁

定価6,050円(本体5,500円 + 税)

ISBN978-4-498-01388-9

2024年05月発行

在庫あり

「正しい」読影に繋がる「正しい」写真の撮りかたのポイントが詰まった1冊.


正確な撮影ならずして,正しい画像診断は不可能です.そして,良い写真を撮るためには,そもそも何のために撮るのかを理解し,正しい撮りかたを身に付ける必要があります.本書では,どうしたら統一された良い写真が撮れるのか,豊富な画像とイラストで詳細に解説しました.再読影が必要な悪い写真と正確な情報が得られる「正投影像」を例示し,その違いを明らかにすることで,撮影のコツが掴める内容になっています.どのように撮影し,どのように読影するのか,その答えが分かる,放射線医学の学習者必携の1冊です.




 本書作成について,固定献体ならびに浸解骨標本の解剖所見をX線像として記録した.早期献体に同意され,献体いただきました白菊会会員ご本人と,お許しいただきました御遺族に,深甚の敬意と感謝の気持ちを表します.
 わが国のX線撮影の歴史をみると,1936年の間接撮影が最初といわれている.しかし,その後に出版されたX線撮影に関わる著述では,「解剖学的に正しく撮影された真のX線写真」とは,どのように投影されるかは,いまだ証明されていない.種々のX線計測やX線診断を行うためには,その基本条件となるX線写真が,統一された正しい写真でなければ,X線計測値は意味がなくなり,臨床上重要な所見を隠ぺいする.
 今回,札幌医科大学の献体標本と浸解骨標本について,骨を直視下に,X線撮影法に基づいて撮影した投影像を分析,それを健常成人に応用した.得られた画像情報は,本書では“正投影像”と呼び,「真のX線写真の見かた」を証明した.学生や医療現場で活躍されている皆様に一読いただければ幸いです.
 第1は,[正投影像]の証明は,X線写真の良否を判断する基準の写真となる.本文ではX線診断の際の確認として,正投影像の見かたを簡潔に述べた.良くない写真についてもどこが悪いのかを説明した.
 第2は,[X線撮影法]では,新しく仕事を始められる方も,良い写真を撮れるように,一目でわかる撮影の方法が示されている.撮影法が難解である場合は,実際の「骨」を用いて,「解剖学的なしくみ」を[撮影のポイント]で図説した.文中での「むずかしいと思われる語句」は,[(参考)]という項目を設けて注釈した.また本書は,現在の肩・手といった専門性にも対応できうる撮影内容となっている.
 第3は,[再撮影(良くない写真)]では,再撮影が必要な際は,「撮り直しの写真」を本文に例図した写真と比較することで,技師が迷うことなく正投影像が得られる「修正の方法」を示している.
 第4は,[症例]では,実際に臨床で得られた画像(X線・CT・MRI)と,正常画像を並べ患部を比較することで,種々の疾患についての診断の要点をひとりで学べるようになっている.
 末筆になりましたが,本書出版を実現させてくださいました,札幌医科大学教授 大?雄樹先生ならびに渡邉耕太先生に深く御礼を申し上げます.本書の巻頭には,身にあまる序文をいただきましたことに重ねて御礼を申し上げます.
 草稿を手にされ懇切な御指導をくださいました,札幌医科大学名誉教授 故 石井清一先生に本書を捧げて,御冥福をお祈りいたします.
 本書執筆にあたり,整形外科カンファレンスの機会をくださいました,札幌医科大学整形外科学講座 山下敏彦元教授ならびに教室員の皆様,基礎研究にあたり御尽力をいただきました,同・解剖学第二講座 藤宮峯子元教授,同・理学療法学第二講座 松村博文教授に,この場をお借りして厚く御礼を申し上げます.多事多忙において画像診断の御指導をくださいました,同・放射線診断学講師 山 直也先生に深く御礼を申し上げます.
 終りに,多くの人に支えられ今日に至りましたことを幾重にも御礼を申し上げます.
 また,中外医学社の皆様に厚く御礼を申し上げます.担当していただきました,鈴木真美子様,中畑 謙様には,出版までの煩雑な作業を通じて大変お世話になりました.ありがとうございました.

2024年5月
中村嘉宏

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1章 X線撮影の基礎知識
 A. X線撮影の基本
 B. 基準線と基準面の用語
 C. 人体方向用語
 D. 人体運動用語
 E. 撮影体位
 F. 撮影方向
 G. 撮影条件の設定
 H. 関節可動域測定の表現


2章 肩
 A. 肩関節の解剖と機能
 B. 肩関節の単純X線撮影法
   B-1. 肩関節正面撮影法
      (補)肩関節内旋・外旋位撮影法
   B-2. 肩関節軸方向撮影法
      (補)肩関節腋窩位撮影法
   B-3. 肩甲骨Y撮影法
      (補1)肩峰側面撮影法
      (補2)肩峰プロフィール撮影法
   B-4. Stryker(ストライカー)撮影法
   B-5. 肩関節結節間溝撮影法
   B-6. 肩関節zero position撮影法
      (附)肩関節最大挙上位撮影法
      (補1)ハンモック肢位撮影法
      (補2)肩関節下方牽引ストレス撮影法
      (補3)肩関節前方・後方ストレス撮影法
 C. 上肢帯・胸郭の単純X線撮影法
   C-1. 肩甲骨正面撮影法
   C-2. 鎖骨正面撮影法
      (補)鎖骨軸方向撮影法
   C-3. 肩鎖関節正面撮影法
   C-4. 胸鎖関節(近接)撮影法
      (補)Rockwood(ロックウッド)撮影法
   C-5. 胸骨斜位(近接)撮影法
      (補)胸骨側面撮影法
   C-6. 肋骨正面撮影法
      (補)肋骨斜位撮影法
 D. 肩関節の主な外傷・疾患のX線写真
   D-1. 外傷性肩関節脱臼
   D-2. 反復性肩関節脱臼
   D-3. 動揺性肩関節
   D-4. 石灰性腱炎
   D-5. 肩峰下インピンジメント症候群
   D-6. 腱板断裂
   D-7. 五十肩(凍結肩)
   D-8. 上腕二頭筋長頭腱炎(腱鞘炎)
   D-9. 投球障害肩
   D-10. 変形性肩関節症
   D-11. 上腕骨近位端骨折
 E. 上肢帯・胸郭の主な外傷・疾患のX線写真
   E-1. 鎖骨骨折
   E-2. 肩鎖関節脱臼
   E-3. 胸鎖関節脱臼
   E-4. 肋骨骨折
   E-5. 胸郭出口症候群


3章 上腕
 A. 上腕骨の解剖と機能
 B.上腕骨の単純X線撮影法
   B-1. 上腕骨正面撮影法
   B-2. 上腕骨側面撮影法
   B-3. 上肢長撮影法
 C. 上腕部の主な外傷・疾患のX線写真
   C-1. 上腕骨近位部骨折
   C-2. 上腕骨骨幹部骨折
   C-3. 上腕骨遠位部骨折


4章 肘
 A. 肘関節の解剖と機能
 B. 肘関節の単純X線撮影法
   B-1. 肘関節正面撮影法
   B-2. 肘関節側面撮影法
   B-3. 肘関節内斜位撮影法
   B-4. 肘関節外斜位撮影法
   B-5. 肘関節45°屈曲位正面撮影法(tangential view)
   B-6. 肘関節軸方向撮影法
   B-7. 尺骨神経溝撮影法
   B-8. 橈骨頭撮影法
   B-9. Gravityストレス撮影法
 C. 肘関節の主な外傷・疾患のX線写真
  C1. 小児の肘周辺部骨折
   C1-1. 上腕骨顆上骨折
   C1-2. 上腕骨外側顆骨折
   C1-3. 上腕骨内側上顆骨折
  C2. 成人の肘周辺部骨折
   C2-1. 肘頭骨折
   C2-2. 橈骨近位端骨折
  C3. 肘のスポーツ障害・外傷
   C3-1. 野球肘
   C3-2. 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
   C4. 肘部管症候群
   C5. 変形性肘関節症
   C6. 肘内障


5章 前腕
 A. 前腕骨の解剖と機能
 B. 前腕骨の単純 X線撮影法
   B-1. 前腕骨正面撮影法
   B-2. 前腕骨側面撮影法
 C. 前腕部の主な外傷・疾患の X線写真
   C-1. Monteggia(モンテジア)骨折
   C-2. Galeazzi(ガレアッツィ)骨折
   C-3. 橈骨・尺骨骨幹部骨折
      (補1)橈骨骨幹部骨折
      (補2)尺骨骨幹部骨折
   C-4. 先天性橈尺骨癒合症


6章 手
 A. 手関節と手の解剖と機能
 B. 手関節と手の単純X線撮影法
  B1. 手関節基本的撮影法
   B1-1. 手関節中間位正面撮影法
   B1-2. 手関節中間位側面撮影法
   B1-3. 手関節内斜位撮影法
   B1-4. 手関節外斜位撮影法
  B2. 手関節機能撮影法
   B2-1. 手関節橈屈位撮影法
   B2-2. 手関節尺屈位撮影法
   B2-3. 手関節掌屈位撮影法
   B2-4. 手関節背屈位撮影法
  B3. 手根部撮影法
   B3-1. 手根管撮影法
   B3-2. Guyon(ギヨン)管撮影法
   B3-3. 手根骨正面撮影法
   B3-4. 手根骨側面撮影法
   B3-5. 舟状骨正面撮影法(scaphoid view法)
   B3-6. 舟状骨側面撮影法
      (補)舟状骨5方向撮影法
   B3-7. 大菱形骨(4関節)撮影法
   B3-8. 豆状骨撮影法
   B3-9. 有鈎骨鈎撮影法
  B4. 手部撮影法
   B4-1. 手部正面撮影法
   B4-2. 手部斜位撮影法
   B4-3. 母指(MP関節)正面撮影法
      (補)母指(MP関節)側面撮影法
   B4-4. 母指CM関節正面撮影法
      (補)母指CM関節側面撮影法
   B4-5. 指骨正面撮影法
      (補)指骨側面撮影法
   B4-6. 母指MP関節ストレス撮影法
 C. 手関節と手の主な外傷・疾患のX線写真
  C1. 橈骨遠位部骨折
   C1-1. Colles(コレス,コリーズ)骨折
   C1-2. Smith(スミス)骨折
   C1-3. Barton(バートン)骨折
   C1-4. chauffeur(ショフール)骨折(運転手骨折)
  C2. 手根骨骨折
   C2-1. 舟状骨骨折
   C2-2. 有鈎骨鈎骨折
  C3. その他
   C3-1. Kienböck(キーンべック)病
   C3-2. 関節リウマチ
   C3-3. 手根不安定症
   C3-4. 手根管症候群
   C3-5. Guyon(ギヨン)管(尺骨神経管)症候群
   C3-6. 三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷
   C3-7. 尺骨突き上げ症候群
   C3-8. 中手骨骨折
   C3-9. 槌指
   C3-10. Dupuytren(デュピュイトラン)拘縮
   C3-11. 母指MP関節尺側側副靱帯損傷(スキーヤー母指)
   C3-12. 手の変形性関節症
       (補1)母指CM関節症
       (補2)母指MP関節症
   C3-13. Heberden(へバーデン)結節
   C3-14. ばね指
   C3-15. 内軟骨腫
   C3-16. ガングリオン
   C3-17. グロムス腫瘍


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