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書籍詳細

腎炎・ネフローゼ 診療大全

腎炎・ネフローゼ 診療大全

川口武彦 翻訳 / 今澤俊之 日本語版監修 / 柴垣有吾 日本語版監修

A5判 508頁

定価7,700円(本体7,000円 + 税)

ISBN978-4-498-22492-6

2024年06月発行

在庫あり

グローバルスタンダード! 「Treatment of Primary Glomerulonephritis 3rd Edition」の翻訳



腎炎・ネフローゼの教科書として名高い「Treatment of Primary Glomerulonephritis 3rd Edition」の翻訳.本テーマの大家であるClaudio PonticelliとRichard J. Glassockの真骨頂は,示唆に富む数々の“臨床的実践”にあります.本書内の「実臨床での実践」は必見です.また本書では,「とくに重要と考えられる部分にはハイライト」「原著刊行から現在までのアップデートや日本での適用については注釈追記」など,原著をより理解しやすいように工夫しています.腎炎・ネフローゼ診療のイメージを掴むために,初学者から専門医まで広くお勧めできる一冊です.

本書を手に取って下さった方へ

 このたび本書をお手に取って下さり有難うございます.本書は見ての通り文字数が非常に多く,図表や写真が少なく,教科書としては一見読みにくいように感じるのではないでしょうか.しかし本書には「腎炎・ネフローゼ」に対する考え方や具体的な治療法が実に丁寧に書かれていて,これを読めば腎炎・ネフローゼ診療に対する明確なイメージを持つことができます.「何となく分かっているけれど実際の腎炎・ネフローゼ診療となるとピンとこない」という研修医や腎臓内科専攻医の先生はいらっしゃいませんか.このような先生方に必要なのは,図表や写真が散りばめられたビジュアル重視の教科書ではなく,病態や治療について丁寧に説明した言葉重視の教科書です.本書は腎炎・ネフローゼ診療のイメージが掴めていない方には正にお勧めの一冊です(したがって本書は厳密には腎炎・ネフローゼの入門書ではありません).私は研修時に原著と出会いましたが,腎炎・ネフローゼに関する疑問が次々と氷解し臨床への強いモチベーションとなったことを今でも鮮明に覚えています.
 原著は国際的に有名な腎臓内科医であるDr. PonticelliとDr. Glassockによって編集・執筆され,一貫性のある構成と読みやすさも特長です.最近ではKidney Disease Improving Global Outcomes(KDIGO)や日本腎臓学会から腎炎・ネフローゼの診療ガイドラインが刊行されていますが,これらはエビデンスに基づく厳密なガイドラインであり具体的な診療内容について言及することが難しいために,初学者の教科書としては適していないかもしれません.こうした背景から,腎炎・ネフローゼの本格的な教科書として本翻訳書の出版に至りました.翻訳に際しては,医学的に正確性を損なわないよう留意しつつ読みやすさを重視して意訳してあります.読者の皆様が患者さんの診療に積極的に取り組む一助となることを心より願っています.

2024年5月
川口武彦

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略語集
巻頭カラー
第1章原発性糸球体腎炎の定義,分類,疫学
 定義
 糸球体疾患の分類
 原発性(一次性)糸球体疾患の疫学

第2章対症療法(腎炎に共通した病態に対する管理)
 イントロダクション
 浮腫
  臨床的特徴,病因,病態生理
  治療
 高血圧症
  臨床的特徴,病因,病態生理
  治療
 脂質異常症
  臨床的特徴,病因,病態生理
  治療
 凝固異常症
  臨床的特徴,病因,病態生理
  予防と治療
 蛋白尿と低アルブミン血症
  臨床的特徴,病因,病態生理
  治療
 GFR低下と腎不全進行
  臨床的特徴,病因,病態生理
  治療
 体液,電解質,酸塩基平衡異常
 その他の一般的な治療方針

第3章原発性糸球体疾患に対する古典的薬剤と新規薬剤の薬理学
 イントロダクション
 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
  臨床薬理学/作用機序/薬物毒性
  糸球体疾患における臨床使用
 グルココルチコイド(GC)
  臨床薬理学
  作用機序
  抗炎症作用,免疫抑制作用
   炎症への影響/免疫反応への影響
  薬物毒性
   糖尿病/脂質異常症/肥満とメタボリックシンドローム
   凝固異常/高血圧症/心血管疾患/皮膚合併症
   消化性潰瘍/副腎皮質機能不全/感染症/神経学的合併症
   筋合併症/骨合併症/眼合併症/成長遅延/妊娠合併症
  グルココルチコイド(GC)の毒性を軽減するための対策
   朝の単回投与/隔日投与/生活面での対策
   副腎皮質機能低下症/メチルプレドニゾロン(mPSL)パルス療法
   局所作用型グルココルチコイド/選択的GRアゴニスト
  糸球体疾患における臨床使用
 カルシニューリン阻害薬(CNI)
  シクロスポリン(CsA)
   臨床薬物動態/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
  タクロリムス(TAC)
   代謝/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
 核酸合成阻害薬
  アザチオプリン(AZP)
   チオプリン代謝/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
  ミコフェノール酸塩
   MPA代謝/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
  ミゾリビン(MZB)
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性
   糸球体疾患における臨床使用
  レフルノミド(LEF)
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
 アルキル化薬
  シクロホスファミド(CPA)
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
  クロラムブシル
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
 mTOR(mammalian/of
  臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
  糸球体疾患における臨床使用
 免疫グロブリン静注療法(IVIg療法)
  作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
  糸球体疾患における臨床使用
 モノクローナル抗体
  リツキシマブ(RTX)
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
  オファツムマブ
   作用機序/薬物毒性/糸球体疾患における臨床使用
  エクリズマブ
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
  アレムツズマブ
  抗TNFα抗体(インフリキシマブ,アダリムマブ)
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
 融合蛋白
  エタネルセプト
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性
   糸球体疾患における臨床使用
  CTLA—4融合蛋白(アバタセプト,ベラタセプト)
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性
   糸球体疾患における臨床使用
 プロテアソーム阻害薬
  ボルテゾミブ
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
 その他の免疫調整薬
  レバミゾール
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠合併症
   糸球体疾患における臨床使用
  デオキシスパガリン
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠
   糸球体疾患での臨床使用
  イマチニブ
   臨床薬理学/作用機序/薬物毒性/妊娠
   原発性糸球体腎炎における臨床利用
 [別表]腎炎・ネフローゼに対する薬剤の日本での保険適用

第4章微小変化群(MCD)
 イントロダクション
  定義
  病理
  病態生理
  病因
  臨床症状と特徴
  疫学
  自然経過
  予後因子
 特異的治療
  治療の目標と目的
  グルココルチコイド(GC)
   初期治療/(頻回再発ではない)再発患者に対する治療
   頻回再発あるいはステロイド依存性の患者に対する治療
  シクロホスファミド(CPA)
  クロラムブシル
  シクロスポリン(CsA)
  タクロリムス(TAC)
  アザチオプリン(AZP)
  ミコフェノール酸塩
  ミゾリビン(MZB)
  リツキシマブ(RTX)
  レバミゾール
  インターロイキン2(IL—2)
  ACTH
  ステロイド抵抗性のネフローゼ症候群に対する治療
 実臨床での推奨 
  初期治療
  頻回再発ではない再発患者に対する治療
  頻回再発型あるいはステロイド依存性の患者に対する治療
  ステロイド抵抗性の患者に対する治療
 腎移植

第5章巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)
 イントロダクション
  定義
  病理
  病態生理
  病因
  臨床症状
  疫学
  自然経過
  予後因子
 特異的治療
  治療の目標と目的
  グルココルチコイド(GC)
  シクロスポリン(CsA)
  タクロリムス(TAC)
  アルキル化薬
  ミコフェノール酸塩
  ACTH製剤
  シロリムス
  リツキシマブ(RTX)
  アフェレーシス
  その他の治療
 実臨床での推奨 
  FSGSは原発性(一次性)か二次性か?
  どのようなFSGS患者に遺伝学的検査を行うべきか?
  FSGSの非ネフローゼ患者は治療すべきか?
  FSGSのネフローゼ患者には積極的に「特異的治療」を行うべきか?
  ネフローゼ患者に対する治療
   ステロイドの長期投与/カルシニューリン阻害薬(CNI)
   ミコフェノール酸塩/アルキル化薬/リツキシマブ(RTX)
  原発性FSGSのネフローゼ患者に対する治療の推奨
  NSの再発をどのように治療するか?
  治療抵抗性の原発性FSGS患者に対して何をすべきか?
  原発性FSGSと腎不全の患者に対して何をすべきか?
 腎移植
  FSGSの再発
  De/FSGS(腎移植後に新規に発症したFSGS)

第6章膜性腎症(MN)
 イントロダクション
  定義
  病理
  病態生理
  病因
  臨床症状と特徴
  疫学
  自然経過
  予後因子
 特異的治療
  治療の目標と目的
  グルココルチコイド(GC)
  アルキル化薬
  グルココルチコイドとアルキル化薬を交互に投与する治療(周期的治療)
  カルシニューリン阻害薬(CNI)
   シクロスポリン(CSA)/タクロリムス(TAC)
  ACTH製剤
  プリン合成阻害薬
   アザチオプリン(AZP)/ミコフェノール酸塩
   ミゾリビン(MZB)
  大量免疫グロブリン静注療法(IVIg療法)
  リツキシマブ(RTX)
 実臨床での推奨 
  MNは原発性(一次性)か二次性か?
  MNの非ネフローゼ患者は治療すべきか?
  MNのネフローゼ患者はいつ治療すべきか?
  MNのネフローゼ患者に対する初期治療はどのように行うか?
  腎機能が低下しているMN患者にどのような治療をすべきか?
   腎合併症に対する治療/進行性の腎不全を伴うMN患者の治療
  高齢者のMN患者に対する治療法は?
  腎移植
   MNの再発
   De/MN

第7章IgA腎症(IgAN)
 イントロダクション
  病理
  病態生理
  病因と遺伝要因
  臨床症状と診断
  疫学
  鑑別診断
  自然経過
  予後因子
 特異的治療
  単独血尿
  ネフローゼ域ではない蛋白尿を伴う血尿(腎機能は正常または低下)
   アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)/
   魚油/グルココルチコイド(GC)カルシニューリン阻害薬(CNI)/ミゾリビン(MZB)
   ミコフェノール酸モフェチル(MMF)・ミコフェノール酸ナトリウム(MS)
   シクロホスファミド(CPA)—アザチオプリン(AZP)の逐次投与
   レフルノミド(LEF)/アザチオプリン(AZP)
   リツキシマブ(RTX)とその他のB細胞除去療法/ACTH製剤
   その他の免疫抑制薬の併用/大量免疫グロブリン静注療法(IVIg療法)
   扁桃摘出術/抗血小板薬・抗凝固薬・血栓溶解薬/抗菌薬
   クロモグリク酸ナトリウム・5—アミノサリチル酸・ダナゾール・フェニトイン
   食事制限と体重減少/経口カルシトリオール
   補体の阻害/スタチン/ヒドロキシクロロキン
   その他の治験薬
 特殊な状況におけるIgANの管理
  中程度の腎機能低下を伴うIgAN
  妊娠中のIgAN
 非典型なIgAN
  微小変化群(MCD)を伴うネフローゼ症候群(NS)
  急性または急速進行性の腎不全
   (1) 広範な半月体形成を伴う場合
   (2) 広範な半月体形成を伴わない場合
 実臨床での推奨 
  単独血尿
  持続的な蛋白尿と血尿(腎機能低下の有無に関わらない)
  微小変化群(MCD)を伴うネフローゼ症候群(NS)
  急性または急速に進行する糸球体腎炎
   (1) 広範囲に半月体が認められる場合
   (2) 広範囲に半月体が認められない場合
  進行した慢性腎臓病(CKD)
 腎移植

第8章C3腎症と特発性(免疫複合体関連)膜性増殖性糸球体腎炎
 イントロダクション
  定義
  C3腎症
  病理・病態生理
  臨床症状
  検査異常
  疫学
  自然経過
  予後因子
 特異的治療
  グルココルチコイド(GC)
  アルキル化薬
  プリン体合成の阻害薬
  カルシニューリン阻害薬(CNI)
  血漿交換(PEX)
  抗凝固薬
  モノクローナル抗体
  単クローン性免疫グロブリン血症に伴うC3腎症
 特発性免疫複合体関連MPGN
 実臨床での推奨 
 腎移植

第9章感染関連糸球体腎炎(IRGN)
 イントロダクション
 溶連菌感染後糸球体腎炎(PSGN)
  病理
  病態生理
  病因
  臨床症状と特徴
  疫学
  自然経過と腎予後
  特異的治療
 その他の感染関連糸球体腎炎
  病理
  病態生理
  病因
  臨床症状
  自然経過と腎予後
  特異的治療
 実臨床での推奨 
  感染関連糸球体腎炎と腎移植

第10章腎限局型血管炎(RLV)
 イントロダクション
  定義
  病理
  病態生理
  病因
  臨床症状と特徴
  疫学
  自然経過
  予後因子
 特異的治療
  (1) ANCA陽性/抗GBM抗体陰性のRLV
   RLVに対する寛解導入療法
   寛解導入療法に対して治療抵抗性の血管炎に対する管理
   血管炎の再発/血管炎の寛解維持療法(再発予防)
   血管炎の再発に対する治療
  (2) ANCA陰性/抗GBM抗体陰性のpauci—immune型壊死性半月体形成性腎炎/RLV
  (3) ANCA陰性/抗GBM抗体陰性の免疫複合体型腎炎/RLV
  (4) ANCA陰性/抗GBM抗体陽性のRLV(抗GBM病)
  (5) ANCA陽性/抗GBM抗体陽性のRLV
 実臨床での推奨 
  (1) ANCA関連pauci—immune型壊死性半月体形成性腎炎/RLV
  (2) ANCAおよび抗GBM抗体陰性のpauci—immune型壊死性半月体形成性腎炎/RLV
  (3) 免疫複合体型腎炎/RLV(ANCA陰性または陽性/抗GBM抗体陰性)
  (4) 抗GBM抗体型腎炎/RLV
  (5) 抗GBM抗体/ANCA共陽性(double positive)腎炎/RLV
 腎移植
  ANCA関連pauci—immune型壊死性半月体形成性腎炎/RLV
  抗GBM病

第11章その他の原発性糸球体疾患
 細線維性糸球体腎炎(FGN)
  病理/病因/疫学
  特異的治療
  実臨床での推奨 
  腎移植
 膠原線維沈着性糸球体症
  病理/病因/疫学
  特異的治療
  実臨床での推奨 
  腎移植
 菲薄基底膜腎症(TBMN)
  病理/病因/疫学
  特異的治療
  実臨床での推奨 
  腎移植
 リポ蛋白糸球体症(LPG)
  疫学/病態生理/臨床症状
  特異的治療
  実臨床での推奨 
  腎移植
 メサンギウム増殖性糸球体腎炎(MesPGN)
  病理/病因/疫学
  特異的治療
  実臨床での推奨 
  腎移植
 IgM腎症
  病理/病因/疫学
  特異的治療
  実臨床での推奨 
  腎移植
 C1q腎症
  病理/病因/疫学
  特異的治療
  実臨床での推奨 
  腎移植
 特発性結節性糸球体硬化症
  病理/病因/疫学
  特異的治療
  腎移植
 C4腎症
  病理/臨床症状
  自然経過と治療

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執筆者一覧

川口武彦 国立病院機構千葉東病院 腎臓内科 医長 翻訳
今澤俊之 國立病院機構千葉東病院 腎臓内科 統括診療部長 日本語版監修
柴垣有吾 聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 教授 日本語版監修

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