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書籍詳細

脳神経内科 改訂5版

脳神経内科 改訂5版

神田 隆 著

B5判 694頁

定価13,200円(本体12,000円 + 税)

ISBN978-4-498-42806-5

2024年05月発行

予約受付

神経学の魅力を余すところなく伝える,進化し続けるスタンダードテキスト,改訂第5版.


神経系は美しい論理に貫かれた臓器だ.本書は,長きにわたり神経学に真摯に向き合ってきた著者が独自の視点で説き起こし,その魅力を余すところなく伝えている.全篇フルカラーで,重要度によって強弱をつけた紙面は視覚的にも見やすく,理解が進む.前版からの進歩を踏まえ,内容をアップデートした改訂第5版.脳神経内科指導医や一般内科医にとっても有用な内容となるよう工夫された,進化し続けるスタンダードテキストである.

第5版の序

 この本は医学生・研修医の教育を主目的として2008年に初版を刊行しました.16年を経てここに第5版を世に出すことができ,感慨深いものがあります.筆者が山口大学に神経内科教授として赴任したのが20年前の2004年ですが,前任地である東京医科歯科大学在職中から,学生を教育するにあたって,神経内科のいい教科書がないのはずっと気になっていました.山口大学でどうやって学生に神経学を教えようか,と思案していた時に,中外医学社から,医学生・研修医向けの神経内科教科書の編集をやってくれないかという相談があり,二つ返事で引き受けたわけです.
 軽く引き受けたはいいが,さてどうしたものか.当初は各分野の専門家による共同執筆しか頭にありませんでした.医学生・研修医向けの本ですから,各著者にあまりに専門的なところにこだわってもらっては困る.でも,医学生・研修医向けだからといって,単にキーワードと診断基準を羅列するような,受験本的な記載は絶対に避けてもらいたい.内容に妥協することなく,しかし,シンプルにわかりやすく,ということで,私の編集意図を微に入り細に入り伝えるべく,「執筆のための手引き」の作成に取り掛かりました.当たり前ですが,他人に編集意図を伝えて自分の意図通りに書いてもらう,というのは簡単なことではないですね.「執筆のための手引き」がワードファイルで10頁を超えたところでだんだん馬鹿馬鹿しくなってきて,編集者に,「人にあれこれ指示して書いてもらって結局思い通りの原稿が集まらなくなるより,一人で書いた方がずっといいんじゃないか」とこぼしたところおだてられて…というのが単著のこの本を作り上げるきっかけでした.ただ,一人で書き上げるにあたって,思い描く像が何一つなかったわけではありません.筆者が医学生だった頃,金芳堂からA5版の小教科書シリーズというのが出版されており,この中の一冊に荒木淑郎先生著の「神経病学」がありました.502頁をお一人で書かれた本で,筆者はこの本をずっと自分の机の上に置いていました.何より記述に終始一貫性があり,荒木淑郎先生という優れたneurologistの講義を直接拝聴しているような気分で読んでいました.こんな本がいつか自分で作れたらいいな,本はやっぱり一人で書かないとだめだな,とどこかで思っていたのが,この本の単著での執筆を開始する最大のモチベーションになったんじゃないかと思います.
 今回第5版を上梓するにあたり,第4版まで続けていた書名の「医学生・研修医のための」を取り去り,シンプルに「脳神経内科」としました.16年の試行錯誤を経て,より広範な先生方にもお読みいただける本にやっと仕上がったという自負からですが,この第5版も,医学生・研修医が通読できる教科書という当初のスタンスを崩してはいません.やさしく,わかりやすく,しかし内容に妥協せず,ネットで玉石混交の膨大な情報が簡単に入手できる今だからこそ,初学者が神経学の確かな基本を身につけるための本,このスピリットは第5版にも受け継がれています.医学生,研修医のための本だからといって,質の下がった内容でいい訳はないのです.しかし,やさしく,わかりやすく,しかし内容に妥協せず,は,脳神経内科指導医クラスの先生や,内科の他のサブスペシャルティの先生方がお使いになる本にも通ずることと考えています.第5版の改訂にあたり,私自身もう一度第4版をゆっくり読みなおして,現在の医療水準に追い付いていない箇所は勿論,わかりにくい文章,十分に意を表現できていない写真等は大幅に入れ替えていくつかの新たな追加も行いました.脳神経内科医の座右に置いていただける神経学のスタンダードテキストとして,今一番いい本が出来上がったんじゃないかという自負はあります.
 初めて本書を手に取られる先生方は,記載のスタイルが通常の教科書と異なっていることに気が付かれるものと思います.本文の記載は,?疾患理解の上で重要な幹,エッセンス(疾患の本質と言い換えてもよいと思います)を大きな字で,?副次的な内容だが疾患理解には欠かせないものを一段下げて小さな字で,?必ずしもエッセンスではないが重要なポイント,注意していただきたい点をクリップメモの形で,という3段階方式となっています.だらだらと平板な記載に終始するのではなく,アクセントを付けながら重要なところをしっかり吸収していただきたいというのが狙いです.ところどころに筆者自身の経験からのコメントも入っています.また,本文中には診断(分類)基準を記載するのを極力避けています.これは,医学生・研修医の頃から,診断基準にポンポン“当てはめて”一丁上がり,などというような診断の癖をつけてもらいたくないという,初版から一貫した筆者の願いからですが,極めて重要な診断(分類)基準のいくつかについては,巻末にまとめて記載しました.英文が原文のものはすべて原著から筆者が訳出していますが,正確を期すために本文の文章よりも生硬な表現に傾いているのはご容赦願いたいと思います.
 脳神経内科以外のサブスペシャルティをお持ちの先生方,一般医家の先生方の中には,神経が苦手な方が大勢おられるように思います.というより,“知らなくてもいい”とお考えになっている先生が大部分かもしれません.多分これは,一昔前の神経学が診断とそれに基づく分類学のみに終始し,“病気を治す”“患者を健康にする”という医学の基本に到達することが難しかったこと,そして,その記憶を先生方がまだ持ち続けておられることが大きな原因かなと考えます.私たち脳神経内科医が,「訳のわからない難しい病気を扱う変わり者の集団」,と揶揄されていたのも,決して故なきことではなかったと私は思います.しかし,時代は大きく変わりました.100年以上の間原因不明とされてきた神経変性疾患の大部分は,βアミロイド,タウ,αシヌクレイン,TDP—43などの蛋白の異常凝集に基づく神経細胞死が本態であることがわかってきました.戦う相手が明らかになれば治療法は必ず出てくる,これは歴史の必然です.世界中のメガファーマ,ベンチャー企業が神経疾患を創薬の主要ターゲットとしてしのぎを削るようになり,脊髄性筋萎縮症,デュシェンヌ型筋ジストロフィー,遺伝性ATTRアミロイドーシスなど,かつて治るなどと誰も思わなかった疾患に有効な薬物が続々と上市される時代となってきました.アルツハイマー病の原因となるβアミロイドを除去する治療法も,今年に入って日本でスタートしました.これらの最新情報はこの第5版に漏らさず盛り込んであります.2021年秋の第4版から,3年を経ることなく第5版の出版を急いだのも,この目まぐるしい神経学の進歩に追いつくため,でした.私が今奉職している病院もアミロイドPETを導入し,アルツハイマー病という世界的課題と真正面から取り組む形を構築しています.この本を書きながらも,私自身が今,一臨床家としてわくわくしているところです.
 神経筋疾患を取り巻く環境は大きく変わっています.神経疾患を“非専門だから知らなくてもいい”時代は遠い過去になりました.神経を専門とはされていない現役バリバリの先生方も,是非この本を活用していただいて,神経疾患の考え方,神経診察の実際,神経疾患の概要に関する知識を深めていただくとともに,神経疾患治療の“今”を体感していただきたいと思います.これから神経学を学ぶ医学生,研修医の諸君,また,脳神経内科の第一線で活躍されている先生方も,“役に立つ本”として座右に置いていただければ,著者としてこれ以上の喜びはありません.

2024年5月 関門海峡を眼下に見下ろしながら
神田 隆

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目 次


第1章 神経疾患の診察法
 A.診察道具を揃えよう
 B.意識の診察
  1.意識水準の低下
  2.意識の変容
 C.知能と高次脳機能の診察
  1.知能の診察
  2.高次脳機能の診察
 D.顔面と脳神経の診察
  1.嗅神経(I)
  2.視神経(II)
  3.動眼神経(III),滑車神経(IV),外転神経(VI)
  4.三叉神経(V)
  5.顔面神経(VII)
  6.聴神経(VIII)
  7.舌咽神経(IX),迷走神経(X)
  8.副神経(Ⅺ)
  9.舌下神経(Ⅻ)
 E.運動系の診察
  1.筋萎縮と筋肥大
  2.個々の筋力の評価
  3.筋トーヌス
  4.不随意運動の観察
 F.反射の診察
  1.腱反射
  2.表在反射
  3.病的反射
 G.感覚系の診察
  1.温痛覚・触覚の検査
  2.振動覚の検査
  3.位置覚の検査
  4.感覚障害のパターン
 H.小脳系の診察
  1.回内回外運動
  2.指鼻試験
  3.踵膝試験
 I.立位・歩行の診察
  1.ロンベルク徴候
  2.ガワーズ徴候
 J.自律神経系の診察
  1.起立性低血圧
  2.排尿・排便・性機能
 K.髄膜刺激症候の診察
  1.項部硬直
  2.ケルニッヒ徴候
  3.ブルジンスキー徴候
  4.jolt accentuation


第2章 神経系の感染症
 A.中枢神経系のウイルス感染症
  1.急性ウイルス性脳炎
   a)単純ヘルペス脳炎
   b)HHV—6脳炎
   c)日本脳炎
  2.ウイルス性髄膜炎
  3.遅発性ウイルス感染症
   a)亜急性硬化性全脳炎
   b)進行性多巣性白質脳症
  4.レトロウイルス感染症
   a)ヒトTリンパ球向性ウイルス脊髄症
   b)AIDS 脳症(HIV 脳症) 
  5.その他のウイルス感染症
   a)急性灰白脊髄炎
   b)狂犬病
   c)帯状疱疹
  6.インフルエンザ脳症
  7.Covid-19 関連脳炎・脳症 
 B.中枢神経系の細菌感染症
  1.化膿性細菌による感染症
   a)急性細菌性髄膜炎
   b)脳膿瘍
   c)硬膜下膿瘍
  2.結核性髄膜炎
  3.その他の細菌感染症
   a)ボツリヌス中毒
   b)破傷風
 C.中枢神経系のスピロヘータ感染症
  1.神経梅毒
  2.レプトスピラ症
  3.ライム病
 D.中枢神経系の真菌感染症
  1.クリプトコッカス髄膜炎
  2.脳アスペルギルス症
  3.その他の真菌感染症
 E.中枢神経系のリケッチア感染症
  1.つつが虫病に合併する脳炎・髄膜炎
  2.その他のリケッチア感染症
 F.中枢神経系の原虫感染症
  1.トキソプラズマ脳炎
  2.脳マラリア
 G.中枢神経系の寄生虫感染症
  1.脳有鉤囊虫症
 H.プリオン病


第3章 脳血管障害
■3—1.無症候性脳血管障害
■3—2.局所性脳機能障害
■3—2—1)一過性脳虚血発作
■3—2—2)脳卒中
 A.脳出血
  1.高血圧性脳出血
  2.脳アミロイドアンギオパチー
 B.くも膜下出血
  1.脳動脈瘤
  2.脳動静脈奇形
  3.その他の脳血管奇形
   a)海綿状血管奇形
 C.脳梗塞
  1.脳の動脈系
  2.脳梗塞が成立するには
  3.脳梗塞各論
   a)アテローム血栓性脳梗塞
   b)ラクナ梗塞
   c)心原性脳塞栓症
  4.特殊な脳梗塞
   a)脳静脈血栓症
   b)解離性動脈瘤
   c)血管炎
   d)抗リン脂質抗体症候群
   e)もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)
 F)CADASIL
 G)悪性腫瘍による多発性脳梗塞
■3—3.血管性認知症
■3—4.高血圧性脳症


第4章 脳腫瘍
■脳腫瘍総論
■脳腫瘍各論
 A.転移性脳腫瘍
 B.神経膠腫
   a)成人型浸潤性グリオーマ
   b)小児型浸潤性グリオーマ
   c)上衣細胞系腫瘍(上衣腫)
 C.髄膜腫
 D.下垂体腺種
 E.神経鞘腫
 F.頭蓋咽頭腫
 G.胚細胞由来腫瘍
 H.中枢神経系原発悪性リンパ腫
 I.髄芽腫


第5章 中枢神経系の外傷
 A.頭部外傷
  1.頭蓋骨損傷
   a)頭蓋冠骨折
   b)頭蓋底骨折
  2.局所性病変
   a)急性硬膜外血腫
   b)急性硬膜下血腫
   c)脳挫傷と脳内血腫
  3.びまん性脳損傷
   a)脳震盪
   b)びまん性軸索損傷
   c)びまん性脳腫脹
  4.慢性硬膜下血腫
  5.頸動脈海綿静脈洞瘻
 B.脊髄外傷


第6章 先天異常・発生異常による疾患
 A.先天奇形
  1.腰仙椎部の奇形
   a)二分脊椎
   b)脊髄正中離開
  2.頭蓋頸椎移行部の奇形
   a)クリッペル・フェイユ症候群
   b)アルノルド・キアリ奇形
  3.脳の奇形
   a)ダンディ・ウォーカー奇形
 B.胎内感染症
  1.先天性トキソプラズマ症
  2.先天性風疹症候群
  3.巨細胞封入体症
  4.新生児ヘルペス
  5.先天梅毒
 C.周産期脳損傷
  1.脳性麻痺
 D.母斑症
  1.神経線維腫症
   a)神経線維腫症1型
   b)神経線維腫症2型
  2.結節性硬化症
  3.スタージ・ウェーバー病
  4.フォン ヒッペル・リンダウ病
  5.毛細血管拡張性運動失調症,ルイ・バー症候群
  6.コケイン病
  7.色素性乾皮症
 E.染色体異常
  1.ダウン症候群,21 trisomy


第7章 神経系の変性疾患
 A.大脳の変性疾患
  1.アルツハイマー病
  2.前頭側頭型認知症
  3.白質脳症をきたす神経変性疾患
   a)神経核内封入体病
   b)神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症
   c)那須・ハコラ病
 B.錐体外路系の変性疾患
 B—1.α—シヌクレイノパチー
  1.パーキンソン病
  2.レヴィー小体型認知症
  3.純粋自律神経失調症
  4.多系統萎縮症
 B—2.タウオパチー
  5.進行性核上性麻痺
  6.大脳皮質基底核変性症
 C.不随意運動を主徴とする疾患
 C—1.舞踏病が前景に立つ疾患
  1.ハンチントン病
  2.コレア・アカントサイトーシス
 C—2.ジストニアが前景に立つ疾患
  3.DYT1ジストニア
  4.瀬川病
  5.メージュ症候群
  6.痙性斜頸
 C—3.振戦のみを症候とする疾患
  7.本態性振戦
 C—4.下肢の不随意運動を症候とする疾患
  8.痛む足と動く趾症候群
  9.レストレスレッグス症候群
 D.脊髄小脳変性症
 D—1.常染色体潜性遺伝で後索性運動失調を主症候とする疾患
  1.フリードライヒ運動失調症
 D—2.常染色体顕性遺伝で小脳性運動失調を主症候とする疾患
  2.脊髄小脳失調症
 D—3.その他
  3.家族性痙性対麻痺
  4.CANVAS(RFC1 遺伝子関連スペクトラム障害)
  5.オリーブ橋小脳萎縮症
  6.孤発性皮質性小脳萎縮症
 E.運動ニューロン疾患
  1.筋萎縮性側索硬化症
  2.原発性側索硬化症
  3.脊髄性進行性筋萎縮症
  4.球脊髄性筋萎縮症,ケネディ・オルター・ソン病
  5.脊髄性筋萎縮症
 F.脳脊髄液循環異常
  1.特発性正常圧水頭症


第8章 中枢神経系の脱髄・炎症性疾患
 A.多発性硬化症
 B.急性散在性脳脊髄炎
 C.同心円性硬化症(バロー病)
 D.視神経脊髄炎スペクトラム障害
 E. MO G抗体関連疾患
 F.自己免疫性脳炎
  1.神経細胞表面抗原に対する自己抗体をもつもの
   a)NMDA 受容体抗体脳炎
   b)LGI1 抗体脳炎
   c)Caspr2 抗体脳炎
   d)その他
  2.神経細胞内抗原に対する自己抗体をもつもの
   a)橋本脳症
   b)傍腫瘍性神経症候群
   c)その他


第9章 脊髄と脊椎の疾患
 A.脊髄空洞症
 B.頸椎症
 C.椎間板ヘルニア
 D.後縦靱帯骨化症
 E.脊柱管狭窄症
 F.平山病(若年性一側上肢筋萎縮症)
 G.脊髄腫瘍
 H.脊髄の血管障害
  1.脊髄梗塞
   a)分水嶺梗塞
   b)前脊髄動脈症候群
   c)後脊髄動脈症候群
  2.脊髄動静脈奇形
   a)脊髄硬膜動静脈瘻
 I.脊髄の感染症
   a)脊髄硬膜外膿瘍


■神経学のプロフェッショナルになるために:神経学を志す医学生・研修医諸君へのメッセージ


第10章 末梢神経の疾患
■末梢神経の病気を勉強するにあたってはじめに知っておかねばならないこと
■末梢神経障害各論
 A.遺伝性ニューロパチー
  1.シャルコー・マリー・トゥース病
  2.デジュリン・ソッタス病
  3.家族性アミロイドポリニューロパチー
  4.ファブリー病
 B.炎症性ニューロパチー
  1.ギラン・バレー症候群
  2.フィッシャー症候群
  3.慢性炎症性脱髄性多発根神経炎
  4.ノドパチー
  5.多巣性運動性ニューロパチー
 C.内科疾患に伴うニューロパチー
  1.糖尿病性ニューロパチー
  2.アルコール性ニューロパチー
  3.ビタミン欠乏性ニューロパチー
   a)ビタミン B1欠乏症
   b)ビタミン B6欠乏症
   c)ビタミン B12欠乏症
  4.尿毒症性ニューロパチー
  5.パラプロテイン血症に伴うニューロパチー
  6.PO E MS症候群(クロウ・フカセ症候群)
  7.ポルフィリアに伴うニューロパチー
   a)急性間欠性ポルフィリン症
  8.悪性腫瘍に伴うニューロパチー
   a)腫瘍の遠隔効果による癌性ニューロパチー
   b)化学療法の副作用としての末梢神経障害
  9.膠原病に伴うニューロパチー
   a)血管炎性ニューロパチー
   b)ニューロノパチー
  10.サルコイドニューロパチー
 D.中毒性ニューロパチー
  1.薬物性ニューロパチー
  2.金属によるニューロパチー
   a)鉛中毒
   b)ヒ素中毒
   c)タリウム中毒
  3.有機物によるニューロパチー
   a)N—ヘキサン中毒
  4.生物毒素によるニューロパチー
 E.感染性ニューロパチー
  1.ハンセン病
  2.HIV 感染に伴うニューロパチー
 F.神経叢障害,単神経障害と多発性単神経障害
 F—1.神経叢障害
  1.腕神経叢障害
   a)上位型腕神経叢障害
   b)下位型腕神経叢障害
  2.腰仙神経叢障害
 F—2.単神経障害
 F—3.多発性単神経障害
  1.圧迫性ニューロパチー
   a)手根管症候群
   b)肘部管症候群
  2.脳神経の単神経障害
   a)動眼神経,滑車神経,外転神経
   b)三叉神経
   c)顔面神経
   d)舌咽神経


第11章 神経筋接合部の疾患
 A.重症筋無力症
   a)クリーゼ
   b)MuSK 抗体陽性重症筋無力症
   c)新生児一過性重症筋無力症
 B.ランバート・イートン筋無力症候群


第12章 筋肉の疾患
 A.炎症性筋疾患
  1.皮膚筋炎
  2.多発筋炎
  3.壊死性筋症
  4.抗ARS抗体症候群(シンターゼ症候群)
  5.封入体筋炎
  6.サルコイドミオパチー
 B.筋ジストロフィー
  1.デュシェンヌ型筋ジストロフィー
  2.ベッカー型筋ジストロフィー
  3.肢帯型筋ジストロフィー
   a)LGMD2A カルパイン 3 欠損症 
   b)LGMD2B ジスフェルリン欠損症
   c)サルコグリカノパチー(LGMD2C,2D,2E,2F)
  4.先天性筋ジストロフィー
   a)ジストログリカノパチー
   b)細胞外マトリックス異常による先天性筋ジストロフィー
  5.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
  6.エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー
  7.眼咽頭筋ジストロフィー
 C.遠位型ミオパチー
  1.縁取り空胞型遠位型ミオパチー
  2.遠位型(三好型)筋ジストロフィー
  3.その他
 D.筋強直症候群
  1.筋強直性ジストロフィー
  2.先天性ミオトニア
  3.先天性パラミオトニア
  4.シュワルツ・ヤンペル症候群
 E.先天性ミオパチー
  1.ネマリンミオパチー
  2.セントラルコア病
  3.ミオチュブラーミオパチー
 F.ミトコンドリア病
  1.慢性進行性外眼筋麻痺症候群
  2.赤色ぼろ線維・ミオクローヌスてんかん症候群(MERRF) 
  3.ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群(MELAS) 
  4.その他のミトコンドリア病
   a)レーベル遺伝性視神経症
   b)リー脳症
 G.代謝性筋疾患
  1.糖原病
   a)糖原病II型
   b)糖原病III型
   c)糖原病V型
   d)糖原病VII型
  2.脂質代謝異常によるミオパチー
   a)カルニチン欠損症
   b)CPT 欠損症
   c)VLCAD 欠損症
 H.内分泌異常に基づく筋疾患
  1.ステロイドミオパチー
  2.甲状腺機能低下症によるミオパチー
  3.甲状腺機能亢進症によるミオパチー
 I.周期性四肢麻痺
   a)低カリウム血性周期性四肢麻痺
   b)正カリウム血性周期性四肢麻痺
   c)高カリウム血性周期性四肢麻痺
 J.中毒性およびその他の原因による筋疾患
  1.アルコール性ミオパチー
  2.薬物・化学物質によるミオパチー
   a)横紋筋融解症
   b)低カリウム性ミオパチー
  3.寄生虫によるミオパチー
   a)旋毛虫症
 K.筋痙攣を主症候とする疾患
  1.全身こむら返り病(里吉病)
  2.スティッフパーソン症候群
  3.アイザークス症候群
 L.筋の異常収縮を主症候とする疾患
  1.悪性高熱症


第13章 自律神経の疾患
 A.全身性の自律神経不全をきたす疾患
  1.慢性進行性の自律神経不全
   a)シャイ・ドレーガー症候群
   b)純粋自律神経失調症
  2.先天性の自律神経不全
   a)HSAN3
   b)HSAN4
  3.急性または亜急性発症の自律神経不全
   a)急性特発性自律神経ニューロパチー
 B.局所性自律神経障害をきたす疾患
  1.ホームズ・アディー症候群
  2.ホルネル症候群
  3.複合局所性疼痛症候群
  4.レイノー病
  5.体位性頻脈症候群


第14章 発作性神経疾患
 A.てんかん
  1.てんかんの診断プロセス
   a)てんかん発作であるか否かを見極める
   b)てんかん診断の3つの段階
   c)てんかんの病因
  2.てんかん発作各論
2—1.焦点発作(焦点起始発作)
   a)焦点運動発作
   b)焦点非運動発作
2—2.全般発作(全般起始発作)
   a)全般運動発作
   b)全般非運動発作(全般欠神発作)
  3.てんかん症候群
3—1.焦点発作に属するもの
   a)中心・側頭部に棘波をもつ良性てんかん
   b)小児期慢性進行性持続性焦点てんかん(コジェヴニコフてんかん)
   c)側頭葉てんかん
   d)前頭葉てんかん
   e)頭頂葉てんかん
 F)後頭葉てんかん
3—2.全般性発作に属するもの
   a)良性家族性新生児痙攣
   b)suppression‒burst を伴う早期乳児てんかん性脳症(大田原症候群) 
   c)ウエスト症候群
   d)レンノックス・ガストー症候群
   e)小児期欠神てんかん(ピクノレプシー)
 F)若年性ミオクロニーてんかん
 G)覚醒時大発作てんかん
  4.てんかんの治療と抗てんかん薬
  5.てんかんの非薬物治療
   a)外科治療
   b)ニューロモデュレーション(脳神経刺激療法)
  6.てんかん重積
  7.熱性痙攣
  8.子癇
  9.発作性運動誘発性ジスキネジア
 B.めまい
  1.回転性めまいをきたす疾患
   a)メニエール病
   b)前庭神経炎
   c)良性発作性頭位眩暈
   d)頸性めまい
  2.非回転性めまいをきたす疾患
 C.失神
  1.神経調節性失神
  2.起立性低血圧による失神
  3.心原性失神
  4.脳循環障害による失神
  5.その他の代謝障害による失神
 D.睡眠異常
  1.ナルコレプシー
  2.クライネ・レヴィン症候群
  3.閉塞性睡眠時無呼吸症候群


第15章 頭痛
 A.一次性頭痛
  1.片頭痛
  2.緊張型頭痛
  3.群発頭痛
 B.二次性頭痛
  1.可逆性脳血管攣縮症候群
 C.特殊な頭痛
  1.脳脊髄液減少症
  2.薬物乱用頭痛


第16章 代謝性神経疾患
 A.ライソゾーム病
■各論
  1.スフィンゴリピドーシス
   a)GM1-ガングリオシドーシス
   b)GM2-ガングリオシドーシス
   c)ニーマン・ピック病
   d)ゴーシェ病
   e)ファブリー病
 F)異染性白質ジストロフィー
 G)クラッベ病
  2.ムコ多糖症
  3.糖原病II型
  4.オリゴ糖症(糖蛋白代謝異常症)
   a)ガラクトシアリドーシス
   b)シアリドーシス
 B.ペルオキシソーム病
  1.副腎白質ジストロフィー
  2.レフサム病
 C.金属代謝異常
  1.ウィルソン病
  2.メンケス病
  3.セルロプラスミン欠損症
  4.銅欠乏症によるmyeloneuropathy 
 D.アミノ酸代謝異常
  1.高フェニルアラニン血症をきたす疾患
   a)フェニルケトン尿症
   b)テトラヒドロビオプテリン欠損症
  2.メープルシロップ尿症
  3.ホモシスチン尿症
  4.ハートナップ病
  5.尿素サイクル代謝異常症
 E.プリン代謝異常
  1.レッシュ・ナイハン症候群
 F.糖代謝異常
 G.ポルフィリン代謝異常


第17章 内科疾患に伴う神経障害
 A.ビタミン欠乏症
  1.ビタミン B1欠乏症
  2.ビタミン B6欠乏症
  3.ニコチン酸欠乏症(ナイアシン欠乏症,ペラグラ)
  4.ビタミン B12欠乏症
   a)亜急性脊髄連合変性症
  5.葉酸欠乏症
  6.ビタミン E欠乏症
 B.代謝・内分泌疾患に伴う神経障害
  1.糖尿病
   a)糖尿病性昏睡
  2.低血糖症
  3.甲状腺機能亢進症
   a)振戦
   b)甲状腺異常性眼症
  4.甲状腺機能低下症
   a)粘液水腫性昏睡
   b)精神症状,認知症
   c)小脳性運動失調
  5.副甲状腺機能亢進症
  6.副甲状腺機能低下症
  7.原発性アルドステロン症
  8.クッシング症候群
  9.アジソン病
 C.肝疾患に伴う神経障害
  1.肝性脳症
  2.門脈—下大静脈シャント脳症(門脈大循環性脳症)
  3.肝性ミエロパチー
 D.心・肺疾患に伴う神経障害
  1.低酸素性脳症
  2.過炭酸ガス血性昏睡
   a) CO2ナルコーシス
 E.腎疾患に伴う神経障害
  1.尿毒症性脳症
  2.透析不均衡症候群
  3.透析認知症
  4.尿毒症性ニューロパチー
  5.常染色体顕性多発性囊胞腎
 F.膠原病・炎症性疾患に伴う神経障害
  1.全身性エリテマトーデス
   a)中枢神経障害
   b) SLE を背景とした二次性の中枢神経障害
   c)末梢神経障害
  2.抗リン脂質抗体症候群
  3.血管炎症候群
   a)高安動脈炎
   b)巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
   c)結節性多発動脈炎
   d)ANCA 関連血管炎
   e)ベーチェット病
 F)原発性中枢神経系血管炎
  4.関節リウマチ
  5.リウマチ性多発筋痛
  6.シェーグレン症候群
  7.全身性強皮症
  8.混合性結合組織病
  9.IgG4 関連疾患
 G.サルコイドーシスに伴う神経障害
 H.血液疾患に伴う神経障害
  1.真性多血症
  2.本態性血小板血症
  3.血栓性血小板減少性紫斑病
  4.播種性血管内凝固症候群
  5.多発性骨髄腫
  6.悪性リンパ腫
  7.白血病
  8.血友病
 I.悪性腫瘍に伴う神経障害
  1.癌腫の転移
  2.髄膜癌腫症
  3.傍腫瘍性神経症候群
  4.免疫チェックポイント阻害薬による神経障害
 J.リウマチ熱に伴う神経障害
  1.シデナム舞踏病


第18章 中毒性神経疾患
 A.重金属中毒
  1.有機水銀中毒
   a)水俣病
  2.無機水銀中毒
  3.鉛中毒
   a)有機鉛中毒
   b)無機鉛中毒
  4.ヒ素中毒
  5.タリウム中毒
  6.マンガン中毒
  7.リチウム中毒
 B.有機物質中毒
  1.エタノール中毒
   a)急性エタノール中毒
   b)アルコール依存症に伴う神経症候
  2.メタノール中毒
  3.有機溶剤中毒
   a) n-ヘキサン,メチル-n-ブチルケトン
   b)トルエン
   c)二硫化炭素
   d)トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン
  4.アクリルアミド中毒
  5.有機リン剤中毒
  6.有機塩素剤中毒
 C.薬物中毒
  1.スモン
  2.白質脳症
  3.薬物性パーキンソニズム
  4.悪性症候群
  5.遅発性ジスキネジア
 D.CO中毒
 E.シアン中毒
 F.放射線による中枢神経障害
  1.急性脳症
  2.早期遅発性障害
  3.晩期遅発性障害
 G.自然毒による中毒
  1.チョウセンアサガオ中毒
  2.フグ毒中毒


第19章 神経疾患の特殊検査
 A.形態学的検査
  1.筋生検
  2.末梢神経生検
 B.電気生理学的検査
  1.針筋電図
  2.末梢神経伝導検査
  3.反復誘発筋電図
  4.誘発電位
  5.脳波
 C.脳脊髄液検査
  1.脳脊髄液の基本事項
  2.腰椎穿刺の適応と禁忌
  3.脳脊髄液検査の実際
  4.脳脊髄液の正常値と異常値の意味
  5.脳脊髄液検査の合併症
 D.画像検査
  1.X 線 CT
  2.核磁気共鳴画像
  3.MRA
  4.脳血管撮影
  5.ミエログラフィー
  6.超音波検査
  7.単一フォトン断層撮影法(SPECT)
  8.ポジトロンエミッション断層撮影法(PET)
  9.ラジオアイソトープを用いたシンチグラフィー


■付録:主要な神経疾患の診断基準
■脳神経内科が関与する指定難病
■ HTLV-1 関連脊髄症
■認知症
■MCI
■アルツハイマー病
■血管性認知症
■大脳皮質基底核変性症
■レヴィー小体型認知症
■筋萎縮性側索硬化症
■多発性硬化症
■視神経脊髄炎スペクトラム障害
■MOG抗体関連疾患
■CIDP
■多巣性運動性ニューロパチー
■ Crow-Fukase 症候群
■多発筋炎・皮膚筋炎
■頭痛
■抗リン脂質抗体症候群


■付録:人の名前のついた神経学的局在症候群


■参考図書


■あとがき


■索 引


■和文索引
■欧文索引
■略語索引


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執筆者一覧

神田 隆 脳神経筋センターよしみず病院院長/山口大学名誉教授 著

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