ログアウト中です。

トップページ脳・神経 > パーキンソン病治療Controversy

書籍詳細

パーキンソン病治療Controversy

パーキンソン病治療Controversy

武田 篤 編著

B5判 190頁

定価5,940円(本体5,400円 + 税)

ISBN978-4-498-42814-0

2024年05月発行

在庫あり

パーキンソン病における議論が分かれる状況をエキスパートが解説した実践書.


世界中で増加傾向のあるパーキンソン病は,超高齢化を迎える本邦では社会的にも大きな問題となっている.専門家だけでは対応が追い付かない状況に加え,多岐に渡る症状に専門の医師でさえ苦慮することが少なくない.そこで本書では,ガイドラインには載っていないが日常診療で比較的よく遭遇し,議論が分かれる状況をピックアップして解説した.エキスパートならどう対応するのか,経験を踏まえた実践的な方法が詰まった1冊だ.

序 文



 人口の高齢化に伴い高齢者に多い疾患であるパーキンソン病は世界中で増加し続けている.そしてこうした増加を背景にPDパンデミックという言葉が提唱されるに至っている.特に本邦では諸外国に先駆けて高齢化が進行し,全人口に占める65歳以上の割合を示す高齢化率はここ40年で概ね3倍に増加し,現在30%近くまで進んでいる.これに伴ってパーキンソン病患者数も増加の一途をたどっており,もはや一部の専門家だけでは対応しきれなくなっている.しかしパーキンソン病は運動症状のみならず多彩な非運動症状も呈することもあり,中々治療が奏効せずに診療に苦慮することも少なくない.
 本書ではパーキンソン病の日常診療でしばしば経験するものの,その対応に議論が分かれるポイントを選択して取り上げている.パーキンソン病治療の標準的な考え方はもちろん診療ガイドラインに記載されている.近年EBMの重要性が強調され,診療ガイドラインはエビデンスに基づいた厳密な手順に沿って作成される.しかしパーキンソン病にはエビデンスが乏しいが対処を求められる問題が少なくない.またガイドラインを構成するエビデンスが大部分,65歳以下を対象とした治療介入試験であり,現在大多数を占める65歳以上のパーキンソン病症例を対象としたエビデンスは極めて限られているのが現状である.こうした中で診療現場では手探りの診療を進めざるを得ない状況に陥っている.
 また新たな内服薬とともにデバイス補助療法の選択肢も増えたが,どの様な場合にどの様な症例に適用すべきかの判断に迷う場合が少なくない.これらもまた十分なエビデンスのないまま現場での対応に任されている現状がある.本書の執筆は編者が信頼する各エキスパートの先生方にお願いした.記載された内容はいずれも診療現場で直ぐに役立つ内容であると信じる.一人でも多くの患者さんの診療に役立てて頂けることを切に願っている.

2024年3月
春の日差しを感じる仙台にて
武田 篤

すべて見る

目 次


I  早期治療
 1最初にL-ドパで治療を開始するのはどのようなときに避けるべきか? 武田 篤
 2どんなときにDAアゴニスト,MAOBIが選択されるのか? 武田 篤
 3アマンタジン,抗コリン薬は必要ないのか? 渡辺宏久,水谷泰彰,伊藤瑞規
 4早期の運動療法に意義はあるか? 市川 忠
II  進行期治療
 1DBSはどんな時に導入するのか? タイミングは早い方がよいのか? 下 泰司,中島明日香
 2LCIGやL-ドパ皮下注薬は認知機能低下があっても導入可能か? 池中建介
 3ジスキネジアの治療はどうするのか? アマンタジンは有効か? 冨山誠彦
 4オン時のすくみ足に対する治療はあるのか? 冨山誠彦
 5転倒を繰り返すケースにはどう対処するか? 市川 忠
III  非運動症状
 1頻尿の治療をどうするのか? 榊原隆次
 2起立性低血圧にどう対処するか? 中村友彦
 3難治性便秘にどう対処するか? 榊原隆次
 4痛みにどう対処するか? 中村友彦
 5PDに伴う抑うつの治療に抗うつ薬は有効か? 齊藤勇二,?橋一司
 6衝動制御障害をどう治療するか? 齊藤勇二,?橋一司
 7睡眠障害(日中の傾眠,夜間不眠,RBDなど)にどう対処するか? 渡辺宏久,水谷泰彰,伊藤瑞規
IV  認知症
 1PD認知症に薬物療法は有効か? 馬場 徹
 2幻覚や妄想が出現したらどう対処するか? 馬場 徹
 3認知症が進んだ場合,運動症状をどの程度まで治療すべきか? 前田哲也
V  新規治療
 1遺伝子治療やiPS細胞治療は今後期待できるのか? 波田野  琢,服部信孝
 2機能的脳神経外科治療(FN)は今後新たな展開が期待できるのか? 中島明日香,下 泰司
 3疾患修飾療法は実現可能か? 波田野  琢,服部信孝
VI  後期医療
 1多職種連携に意味があるか? 関 守信
 2誤嚥性肺炎をどう予防・治療するか? 手塚俊樹,関 守信
 3誤嚥防止術はどのようなときに選択されるか? 平野 愛
 4栄養管理をどうしていくべきか? 飯嶋 睦
 5胃瘻や気管切開はどのような場合に進めるかべきか? 飯嶋 睦,武田 篤
 

索引

すべて見る

執筆者一覧

武田 篤 独立行政法人 国立病院機構 仙台西多賀病院院長 編著
渡辺宏久  藤田医科大学病院脳神経内科  教授 
水谷泰彰  藤田医科大学病院脳神経内科  講師 
伊藤瑞規  藤田医科大学ばんたね病院脳神経内科  教授 
市川 忠  埼玉県総合リハビリテーションセンター  センター長 
下 泰司  順天堂大学医学部附属練馬病院脳神経内科  教授 
中島明日香  順天堂大学医学部附属練馬病院脳神経内科  准教授 
池中建介  大阪大学大学院医学系研究科神経内科学講座  助教 
冨山誠彦  弘前大学医学部附属病院脳神経内科  科長・教授 
榊原隆次  脳神経内科津田沼・同和会千葉病院 
中村友彦  浜松医科大学医学部附属病院脳神経内科  診療科長 
齊藤勇二  東京都立病院機構東京都立神経病院脳神経内科  医長 
高橋一司  東京都立病院機構東京都立神経病院  院長 
馬場 徹  国立病院機構仙台西多賀病院脳神経内科  医長 
前田哲也  岩手医科大学医学部内科学講座脳神経内科・老年科分野  教授 
波田野 琢  順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科  先任准教授 
服部信孝  順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科  教授 
関 守信  慶應義塾大学医学部神経内科  准教授 
手塚俊樹  慶應義塾大学医学部神経内科  専任講師 
平野 愛  東北大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科  病院講師 
飯嶋 睦  東京女子医科大学医学部脳神経内科  教授 

すべて見る

この商品に関連するキーワード

電子書籍で購入する

パーキンソン病治療Controversy
   定価5,940円(本体5,400円 + 税)
   2024年05月発行
(外部のサイトへとびます)
パーキンソン病治療Controversy
   定価5,940円(本体5,400円 + 税)
   2024年05月発行
(外部のサイトへとびます)
  • テキスト・教科書
  • 考え方・使い方
  • J-IDEO
  • J-IDEO定期購読
  • ClinicalNeuroscience
  • 広告掲載をお考えの方へ
  • 企画応募フォーム
  • 動画閲覧・ファイルダウンロード
  • 採用情報
  • X
  • note小
  • Facebook
  • JIDEOバックナンバー
  • テキスト・教科書
  • グリーンノート
  • 考え方使い方

株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722