検査の診断効率とピットフォール
中井利昭 他編
A5判 420頁
定価7,260円(本体6,600円 + 税)
ISBN978-4-498-01122-9
1998年10月発行
在庫なし
検査の診断効率とピットフォール
中井利昭 他編
A5判 420頁
定価7,260円(本体6,600円 + 税)
ISBN978-4-498-01122-9
1998年10月発行
在庫なし
本書は,検査値の読み,診断に際して陥り易い盲点を検査項目毎に具体的に解説したものである.また本書の大きな特徴として,その検査の診断効率(sensitivity,specificity)についてを出来るだけグローバルな数値を挙げて正しい診断プロセスとなるように示した.各項目を,その臨床的意義・基準値(正常値)・異常値を示す疾患・生理的変動・診断効率・ピットフォールに渉って,見開き2頁でまとめた,誤りない検査診断のために必須のハンドブックである.
序
いわゆる“正常値”の類の冊子あるいは特集号は,すでにいくつか上梓されていて,臨床医家・研修医などすべての先生方が,1〜2冊は日常座右においておられるはずである.これらの“正常値”類書はいずれも,当該検査項目の臨床的意義,基準値(正常値),異常値の疾患,生理的変動については必要,十分記述されている.
しかし検査値の読みに際して陥りやすい盲点いわゆるピ ットフ ォ ール(偽陽性,偽陰性も含む)だけに焦点をしぼ ったものは今までに上梓されていない.本書はさらに検査のsensitivity,specificityすなわち診断効率にまでふみこんで,正常値から疾患の診断への正しい道筋をつけてある.
〈本書の特徴〉
1.“正常値”類書にみられない検査値の読みのピ ットフ ォ ールに重点をおく.
2.正しい診断プロセスの一助となるよう診断効率の項を加える.
3.各検査項目とも見易い見開き2頁を原則としてある.
平成10年秋
編集者一同
目 次
I.血液生化学検査
A.酵 素
1.GOT(AST),GPT(ALT),mGOT 〈安部井誠人〉
2.CK,CKアイソザイム 〈川口秀明〉
3.ALP,ALPアイソザイム 〈正田純一〉
4.LDH,LDHアイソザイム 〈長谷部千登美,関谷千尋〉
5.γ-GTP 〈野村文夫〉
6.コリンエステラーゼ 〈関谷千尋,長谷部千登美〉
7.血中・尿中アミラーゼ,アミラーゼアイソザイム 〈片岡慶正,加藤正人,加嶋 敬〉
8.エラスターゼI 〈加藤正人,片岡慶正,加嶋 敬〉
9.アンギオテンシン変換酵素(ACE) 〈滝沢 始〉
10.血清ペプシノゲン 〈松原康朗,鈴木雄久,矢作直久,一瀬雅夫,三木一正〉
B.蛋白,その分画
1.総蛋白,分画(血清) 〈伊藤喜久〉
2.IgE(免疫グロブリンE),特異的IgE 〈真村瑞子,倉沢和宏,岩本逸夫〉
3.免疫グロブリン(IgG,IgA,IgM,IgD) 〈小山田 一,茆原順一〉
4.血清・尿α1-ミクログロブリン 〈植田敦志,小山哲夫〉
5.血清・尿β2-ミクログロブリン 〈永瀬宗重,小山哲夫〉
6.ミオシン軽鎖,ミオグロビン 〈川口秀明〉
7.ハプトグロビン(Hp) 〈内山幸信〉
8.トロポニンT 〈川口秀明〉
9.プロコラーゲンIIIペプチド 〈早坂 章,税所宏光〉
10.IV型コラーゲン,7S 〈丸山勝也〉
11.肝細胞増殖因子(HGF) 〈坪内博仁,中間哲文〉
12.血清ヒアルロン酸 〈丸山勝也〉
13.アミノ酸,その分画,総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(BTR) 〈渡辺明治〉
14.セルロプラスミン(Cp) 〈為田靱彦〉
C.非蛋白窒素化合物
1.尿素窒素(BUN) 〈下条文武〉
2.尿 酸 〈細谷龍男〉
3.クレアチニン 〈池辺弥夏,野々口博史,冨田公夫〉
4.アンモニア窒素 〈下条文武〉
D.糖代謝
1.血糖(血中グルコース)値 〈安田浩一朗,清野 裕〉
2.グリコヘモグロビン(HbA1,HbA1c) 〈安田浩一朗,清野 裕〉
3.フルクトサミン,グリコアルブミン 〈川上 康〉
4.1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール) 〈川上 康〉
5.インスリン 〈大沼 裕,大澤春彦,牧野英一〉
6.Cペプチド 〈大沼 裕,大澤春彦,牧野英一〉
E.脂質,色素関連物質
1.総コレステロール 〈藤巻試q,寺本民生〉
2.HDL-コレステロール 〈藤巻試q,寺本民生〉
3.リポ蛋白,その分画 〈村上 透,山田信博〉
4.アポ蛋白,その分画 〈村上 透,山田信博〉
5.Lp(a) 〈竹越忠美,馬渕 宏〉
6.トリグリセリド 〈野路善博,馬渕 宏〉
7.ビリルビン 〈松崎靖司〉
8.胆汁酸 〈松崎靖司〉
F.電解質,金属
1.クロール(Cl) 〈林 松彦〉
2.ナトリウム(Na) 〈林 松彦〉
3.カリウム(K) 〈林 松彦〉
4.カルシウム(Ca) 〈佐藤幹二〉
5.無機リン(P) 〈佐藤幹二〉
6.浸透圧(Posm) 〈大磯ユタカ〉
7.鉄(Fe) 〈厨 信一郎〉
8.TIBC,UIBC,トランスフェリン 〈厨 信一郎〉
9.フェリチン 〈厨 信一郎〉
G.血液ガス
1.動脈血pH 〈疋田 聡,平澤博之〉
2.Pao2 〈豊岡秀訓〉
3.Paco2 〈豊岡秀訓〉
4.血漿HCO3- 〈疋田 聡,平澤博之〉
5.Base excess(BE) 〈疋田 聡,平澤博之〉
H.色素排泄試験
ICG試験,BSP試験 〈野村文夫〉
II.内分泌学的検査
A.下垂体
1.GH,ソマトメジンC(IGF-I) 〈岡本新悟〉
2.ACTH 〈奈須下亮,須田俊宏〉
3.プロラクチン 〈吉田克己〉
4.LH,FSH 〈峯岸 敬,伊吹令人〉
5.TSH 〈吉田克己〉
6.ADH 〈木村時久〉
B.甲状腺ホルモン
1.甲状腺ホルモン 〈内村英正〉
2.TBG 〈内村英正〉
3.TSH受容体抗体 〈家入蒼生夫〉
4.サイログロブリン 〈家入蒼生夫〉
5.副甲状腺ホルモン(PTH) 〈佐藤幹二〉
6.PTHrP 〈佐藤幹二〉
7.カルシトニン 〈五十嵐徹也〉
C.副腎皮質
コルチゾール 〈奈須下亮,須田俊宏〉
D.副腎髄質
1.尿中カテコールアミン 〈中井利昭〉
2.バニリルマンデル酸(VMA) 〈竹越一博〉
E.性腺,胎盤
1.エストロゲン,プロゲステロン 〈竹内 譲,小辻文和〉
2.テストステロン 〈山中英寿〉
3.hCG 〈臼杵 さとし 中内智子〉
4.尿中エストリオール(E3) 〈臼杵 さとし〉
III.血液学的検査(含凝固・線溶系,染色体)
A.血 液
1.ヘモグロビン濃度 〈巽 典之,日野雅之〉
2.ヘマトクリット,赤血球数 〈巽 典之,日野雅之〉
3.赤血球指数 〈巽 典之,日野雅之〉
4.網赤血球数 〈奈良信雄〉
5.血小板数 〈奈良信雄〉
6.白血球数,白血球百分率 〈奈良信雄〉
7.骨髄像 〈村上直巳〉
8.染色体 〈東田修二〉
B.凝固,線溶,その他
1.出血時間,毛細血管抵抗試験 〈村上直巳〉
2.血小板機能検査 〈渡辺清明〉
3.部分トロンボプラスチン時間(PTT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)〈福武勝幸〉
4.プロトロンビン時間(PT) 〈福武勝幸〉
5.トロンボテスト,ヘパプラスチンテスト 〈村上直巳〉
6.フィブリノゲン 〈櫻川信男〉
7.SFMC,FPAおよびFPBβ15-42 〈櫻川信男〉
8.アンチトロンビンとトロンビン-アンチトロンビン複合体〈櫻川信男〉
9.プロテインC,プロテインS 〈岡嶋研二〉
10.FDP,D-ダイマー 〈岡嶋研二〉
11.β-トロンボグロブリン,血小板第4因子 〈渡辺清明〉
12.プラスミノゲン,α2-プラスミンインヒビター,プラスミン-α2-プラスミンインヒビター複合体〈高橋芳右〉
13.von Willebrand因子(vWF) 〈渡辺清明〉
14.赤血球沈降速度(ESR) 〈東田修二〉
15.CRP 〈山田俊幸〉
16.t-PA-PAI-1(組織型プラスミノゲンアクチベーター-プラスミノゲンアクチベーター-インヒビター-1)複合体〈高橋芳右〉
IV.免疫学的検査
A.自己抗体,細胞免疫,血液型
1.抗サイログロブリン抗体,抗マイクロゾーム抗体,抗ペルオキシダーゼ抗体 〈家入蒼生夫〉
2.リウマトイド因子(RF) 〈吉田 浩〉
3.LE細胞,LEテスト 〈今福裕司,吉田 浩〉
4.抗核抗体 〈今福裕司,吉田 浩〉
5.抗DNA抗体 〈佐々木 毅〉
6.抗カルジオリピン抗体 〈佐々木 毅〉
7.抗RNP(U1-snRNP)抗体 〈大久保光夫,西間木友衛〉
8.抗Sm抗体 〈大久保光夫,西間木友衛〉
9.抗SS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体 〈宮脇昌二〉
10.抗Scl-70(トポイソメラーゼI)抗体 〈宮脇昌二〉
11.抗好中球細胞質抗体(ANCA) 〈吉田雅治〉
12.抗血小板抗体 〈土屋達行〉
13.抗白血球抗体 〈土屋達行〉
14.抗赤血球抗体(Coombs試験) 〈土屋達行〉
15.抗ミトコンドリア抗体 〈吉田 浩〉
16.抗アセチルコリン受容体抗体(AChRAb) 〈家入蒼生夫〉
17.抗平滑筋抗体 〈渡辺明治〉
18.抗胃壁細胞抗体,抗内因子抗体 〈内山幸信〉
19.GAD抗体 〈小林哲郎〉
20.補体価,C3,C4 〈天野哲基,浜田 宏,関川孝司,市木 研〉
21.免疫複合体(IC) 〈天野哲基,浜田 宏,関川孝司,市木 研〉
22.NK細胞活性 〈熊谷俊一〉
23.T細胞・B細胞サブセット 〈熊谷俊一〉
B.ウイルス血清
1.B型肝炎ウイルス抗原・抗体・関連マーカー 〈武田 清,赤羽賢浩〉
2.A型肝炎ウイルス抗体 〈佐田通夫〉
3.C型肝炎ウイルス抗体 〈田中栄司〉
4.抗ATLV(HTLV-1)抗体 〈松田重三〉
5.HIV抗体 〈松田重三〉
6.EBウイルス抗体 〈東田修二〉
7.風疹ウイルス抗体 〈大川洋二〉
8.サイトメガロウイルス抗体 〈大川洋二〉
C.非ウイルス性病原体
1.梅毒血清反応 〈北原光夫〉
2.トキソプラズマ抗体 〈北原光夫〉
3.マイコプラズマ抗体および寒冷凝集反応 〈熊坂一成〉
4.ASO,ASK,ADN-B 〈熊坂一成〉
5.Helicobacter pylori抗体 〈樫村博正,中原 朗,武藤 弘,田中直見〉
V.遺伝子検査
1.核酸を用いる抗酸菌菌種の鑑別同定 〈阿部千代治〉
2.HCV-RNA定量 〈茶山一彰〉
3.HBV-DNA定量 〈田川まさみ,税所宏光〉
VI.腫瘍マーカー
1.α-フェトプロテイン 〈為田靱彦〉
2.前立腺特異抗原(PSA) 〈赤座英之,武島 仁〉
3.CEA 〈宮崎 勝,中島伸之〉
4.CA19-9 〈山口武人,税所宏光〉
5.CA125 〈関谷宗英〉
6.CA15-3 〈八代 享〉
7.SCC抗原 〈佐藤浩昭〉
8.NSE(神経特異エノラーゼ) 〈児玉哲郎〉
9.PSTI(膵分泌性トリプシンインヒビター) 〈小川道雄〉
10.PIVKA-II 〈野村文夫〉
11.SLX(シアリルSSEA-1) 〈佐藤浩昭〉
12.CYFRA 〈佐藤浩昭〉
13.ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体) 〈児玉哲郎〉
14.CA72-4 〈関谷宗英〉
VII.尿・便・髄液検体
1.尿比重,尿浸透圧 〈米村克彦,菱田 明〉
2.尿蛋白 〈石田尚志〉
3.微量アルブミン尿 〈浪江 智,羽田勝計〉
4.尿ケトン体 〈内山博英,伊藤正毅〉
5.尿中Bence Jones蛋白 〈山田俊幸〉
6.尿 糖 〈内山博英,伊藤正毅〉
7.尿中ウロビリノーゲン・ビリルビン〈黒岩 敬,鈴木康史,青柳 豊〉
8.尿潜血 〈山縣邦弘,小山哲夫〉
9.尿中NAG 〈大野岩男,細谷龍男〉
10.先天代謝異常の尿スクリーニング 〈重松陽介〉
11.髄液細胞数 〈濱野忠則,栗山 勝〉
12.髄液蛋白 〈濱野忠則,栗山 勝〉
13.髄液糖 〈濱野忠則,栗山 勝〉
14.便潜血 〈宿谷賢一〉
VIII.腎機能検査
1.内因性クレアチニンクリアランス
〈堀尾 勝,福永 恵,折田義正〉
2.PSP排泄試験 〈横田眞二〉
3.Fishberg濃縮試験 〈鈴木 亨,下条文武〉
IX.膵外分泌機能検査
1.PFDテスト(BT-PABA試験) 〈小泉 勝〉
2.セクレチンテスト 〈小泉 勝〉
X.細菌検査
1.血液培養検査 〈五十嵐謙一,荒川正昭〉
2.細菌尿検査 〈鈴木 亨,下条文武〉
3.喀痰培養検査 〈和田光一〉
4.薬剤感受性検査 〈和田光一〉
索 引
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