目 次
I.総論
§1.神経心理学的症状とは
A.後天的な損傷ということについて
B.中枢神経系の病変ということについて
§2.神経心理学的症状を診察する意義
A.この患者は器質的な脳の病気を有しているか?
B.どのような種類の高次脳機能障害を患者は有しているのか?
C.患者がどのような実用上の問題を示しているのかを推定する
D.社会復帰を目標にリハビリテーションなどの方針をたてる
E.自然の経過や治療によって神経心理学的症状はどう変化するかを知る
§3.神経心理学的診察のコツ
A.患者のいわんとしているところは何かを正確に把握する
B.診察しなくてはいけないことは躊躇せずに行う
C.患者自らが訴えない症状については積極的に疑わないと診断できない
D.WAISの有用性
§4.神経心理学的症状の原因疾患について
A.脳血管障害
1.脳梗塞
2.脳出血
3.クモ膜下出血
4.脳動静脈奇形
B.頭部外傷
C.中枢神経の感染症
1.脳炎
2.脳膿瘍
D.一過性脳虚血発作(TIA)
E.てんかん
F.脳腫瘍
§5.神経心理学に必要な脳画像の知識
A.CTについて
1.CTの原理
2.CT所見
B.脳のMRI
1.MRIの概説
2.正常な脳のMRI画像について
3.病気の脳のMRI画像について
4.血管障害のMRI
5.脳腫瘍
6.脳炎
7.変性疾患
C.MR血管撮影 MR angiography(MRA)
1.概説
2.MRAでわかる異常について
§6.高次脳機能障害を研究する方法について
A.病巣研究とは
B.病巣研究に対する批判
C.神経機能画像法 neuroimagingあるいは脳の賦活実験 activation studyについて
1.PET(ポジトロンCT)
2.機能的MRI functional MRI
D.activation studyへの批判
E.activation studyと病巣研究の関係について
§7.神経心理学的症状のリハビリテーションについて
A.リハビリテーションの方法
1.刺激法
2.実用コミュニケーションの促進法
3.認知神経心理学的方法
4.残された対側の半球を利用しようとする方法
5.Luriaの機能的再編成という考え
B.自然回復
C.リハビリテーションは有効なのか?
D.リハビリテーションはなぜ有効なのか?
II.各論
§1.失 語
A.失語の定義
B.失語であるかどうかの診察の仕方
1.発話について
2.話し言葉の理解障害について
3.物品呼称の障害について
C.失語と鑑別すべき事柄
D.失語の診断分類について
E.失語の分類(古典的な分類)
F.失語の分類について必要なベッドサイドでの検査
1.話すということについて
2.復唱の調べ方
G.古典的失語分類に従った各失語型について
1.Broca失語
2.Wernicke失語
3.全失語
4.伝導失語
5.超皮質性失語 transcortical aphasia
6.失名辞失語
7.ジャルゴン失語 jargon aphasia
H.古典的分類の理論的基礎
1.聴覚理解
2.発話
3.復唱
4.呼称
I.分類することについての注意点など
J.古典的な局在論では説明困難な例の存在
K.失語患者の非言語性視覚認知障害について