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書籍詳細

EZRでやさしく学ぶ統計学 改訂3版

EZRでやさしく学ぶ統計学 改訂3版

〜EBMの実践から臨床研究まで〜

神田善伸 著

A5判 464頁

定価5,060円(本体4,600円 + 税)

ISBN978-4-498-10918-6

2020年11月発行

在庫あり

オープンソース統計解析ソフトの雄Rをベースに開発され,いまや無料臨床統計ソフトの定番として世界中の大学・医療機関で採用されているEZR.その生みの親である著者自らが書き下ろした本書は,初版刊行以来,臨床統計学実践のための唯一無二の入門書として読者の支持を集め続け,不動のロングセラーとなりました.第2版刊行以降のEZRのバージョンアップ等を踏まえ,約5年ぶりに全面改訂を施した, EZR公式マニュアルの最新版!

出版社からのコメント

■EZRが幅広く使用されるようになり,その解説書も他にも刊行されていますが,
 本家本元の本書はここ ↓ が違います! ぜひクリックして見本ページをご覧ください.


 ・「統計学の基礎」の解説の充実度が違う!
 ・「実際のEZRの操作法」の解説の充実度が違う!
 ・「統計解析」の解説の充実度が違う!
 ・「臨床研究のテクニック」の解説の充実度が違う!
 ・「Rの関数」の解説の充実度が違う!

改訂3版の序

 無料統計ソフトEZRの公式マニュアルともいえる本書の第3版を発刊することになりました。EZRの開発の経緯については第1、2版の序文をご一読ください。開発当初は趣味の域をようやく超えるかどうかの程度の規模のソフトウェアでしたが、おかげさまで利用者が爆発的に増加しました。自治医科大学さいたま医療センターのホームページからのダウンロードは2019年4月時点で延べ約16万回(現在はカウントしていません)、このほかにCRAN(The Comprehensive R Archive Network)のホームページからのダウンロードも数多く行われていることと思います。無料ソフトなので大人数で同じソフトを共有できることから、大学や医療機関の講義で採用されることも多くなりました。そして、EZRの開発と使用方法について紹介した論文(2013年Bone Marrow Transplantation誌掲載)は、2020年9月時点で4000編以上の論文に引用されており(Web of Science 調査)、学術論文としては異例の引用回数となっています。引用している論文の内容をみてみると、様々な医学領域で幅広く活用されているようです。安価で簡単で高機能の統計ソフトに対するニーズがとても高かったということを反映しているのだと思います。
 新たな解析機能を追加するためのバージョンアップも続けており、第2版発刊時はバージョン1.27でしたが、第3版発刊時はバージョン1.52となりました。この間には、使用頻度の高いところでは傾向スコア解析に関連したキャリパーマッチング機能、逆確率重み付け(IPTW)機能が加わり、そのほかにもRestricted mean survival time、Simon & Makuchプロット、線形混合モデル、多項ロジスティック回帰、比例オッズロジスティック回帰、時間依存性変数を含む累積発生率に対する多変量解析、ネットワークメタアナリシスなどの解析を可能にしました。第3版ではこれらの機能についても詳しく解説しています。
 今後もバージョンアップなどの案内は自治医科大学附属さいたま医療センター血液科のホームページ(http://www.jichi.ac.jp/saitama-sct/)で行います。質問、要望などは中外医学社編集部のメールアドレス(ezr☆chugaiigaku.jp)にお寄せください。全てのメールに回答することはできませんが、可能な範囲でお答えいたします。問い合わせの頻度の高い質問についてはホームページにFAQとして掲載していますのでご覧ください。

EZR動作環境(32bit、64bitいずれのOSも可)
・Windows XP、Vista、7、8、8.1、10
・Mac OS X 10.5(Leopard) 〜 10.15 (Catalina)
・Linux Ubuntu 11.10 〜 20.04
・XGA(横1024×縦768ドット)以上の画面サイズが必要(縦のドット数が768未満だと一部の解析においてダイアログが部分的に表示できません)

注意 RやRコマンダーはGNU General Public License(GPL)のバージョン2 (1991年)およびバージョン3 (2007年)に従っており、EZRも同様です。従って本書添付のDVD-ROMに含まれる内容も「SampleData」フォルダに含まれるファイル以外はGPLの条件に従う範囲内であれば再配布することが可能です。ただし、R、Rコマンダーと同様にEZRは「完全に無保証」であり、EZRの使用によって何らかの損失が生じたとしても責任を負うことはできません。

2020年10月
神田善伸

※本WEBサイト上では文中の@を☆へ変換し記載しております。

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目次

第1章 統計の基礎知識
 1.なぜ統計解析が必要なのか?
 2.変数の種類とその要約
  1.変数の種類
  2.変数の要約、信頼区間
 3.群間の比較、P値とは?
 4.多重比較の問題
 5.回帰、単変量解析と多変量解析
 6.バイアス
 7.多変量解析と変数選択
 8.EBMと臨床研究
 9.観察研究と介入研究
 10.ケースコントロール研究とコホート研究
 11.介入研究の種類
 12.主要評価項目
 13.Intention-to-treat(ITT)解析
 14.必要症例数の設定
 15.臨床試験のプロトコール
 16.臨床研究の倫理
 17.臨床試験の報告に必要な要素
 18.メタアナリシス
 19.臨床決断分析

第2章 EZRのインストール
 1.Windows Vista、 7、8、8.1、10のユーザーアカウント制御に関する問題点
 2.EZRの構成要素とインストール方法の概要
 3.Windows専用EZRインストールプログラムEZRsetup.exeを用いたインストール
 4.データやスクリプトを保存するフォルダーの作成
 5.EZRの設定の変更
 6.EZRを終了する
 7.EZRのアンインストール
 8.インターネットからの手作業でのEZRのインストール(Windowsの場合)
 9.Rのアンインストールの方法
 10.Rのアップデートの方法
 11.Mac OS XへのEZRのインストール方法
 12.LinuxへのEZRのインストール方法
 13.トラブルシューティング

第3章 Rのスクリプトに触れてみる

第4章 Rの基礎知識
 1.データの型とデータを格納する形式
 2.ベクトル
 3.行列
 4.リスト
 5.データフレーム
 6.データフレームの読み込み、作成、保存
  1.ベクトルからのデータフレームの作成
  2.既存のファイルを読み込んでデータフレームを作成する方法
  3.データエディタの使用
  4.複数のデータフレームの結合
  5.データフレームの保存、読み込み
 7.データフレームの中の要素へのアクセス
 8.関数の定義
 9.引数の省略と初期値
 10.命令の制御(条件分岐、繰り返しの命令)
 11.関数の返り値
 12.関数の停止

第5章 表計算ソフトでデータファイルを作成する
 1.データファイルの行と列
 2.変数名と変数の定義
 3.表計算ソフトの関数の利用
 4.欠損値の扱い
 5.表計算ソフトのウィンドウ枠の操作
 6.データファイルの保存形式

第6章 解析前の準備
 1.データの読み込みと保存
 2.解析前のデータの編集
  1.データの種類の確認、変更
  2.欠損データ、外れ値の扱い
  3.連続変数をカテゴリー変数に変換する
  4.ダミー変数の作成
  5.一部のサンプルを抽出したデータセットを作成する
  6.データセットの保存

第7章 名義変数の解析
 1.名義変数の要約、記述
 2.2群の比率の比較(Fisherの正確検定、カイ2乗検定)
 3.ロジスティック回帰
 4.3群以上の比率の比較とpost-hoc検定
 5.比率の傾向の検定(Cochran-Armitage検定)
 6.対応のある2群の比較(McNemar検定)
 7.対応のある3群以上の比較(Cochran Q検定)
 8.順序変数に対する多変量解析 〜順序ロジスティック回帰〜

第8章 連続変数の解析
 1.連続変数の要約、記述 ?連続変数を代表する値
 2.正規分布
 3.連続変数の要約、記述 ?連続変数をグラフで表示する
 4.連続変数の要約、記述 ?連続変数を数値で要約する
 5.2群の平均値の比較(t検定)
 6.ノンパラメトリック検定による2群の平均値の比較(Mann-Whitney U検定)
 7.対応のある2群の比較(対応のあるt検定とWilcoxon符号付順位和検定)
 8.3群以上の連続変数の比較(一元配置分散分析、Kruskal-Wallis検定、post-hoc検定)
 9.Kruskal-Wallis検定とpost-hoc検定
 10.連続変数の傾向の検定
 11.一元配置分散分析とpost-hoc検定
 12.対応のある3群以上の平均値の比較、反復測定の分散分析(repeated measures ANOVA)
 13.ノンパラメトリック検定による対応のある3群以上の連続変数の比較(Friedman検定)
 14.二元〜多元配置分散分析(two-way ANOVA、multi-way ANOVA)
 15.共分散分析(ANCOVA)
 16.相関と回帰 〜相関〜
 17.相関と回帰 〜単回帰〜
 18.相関と回帰 〜重回帰〜
 19.反復(経時)測定されたデータの平均値の比較、線形混合モデル(linear mixed model)

第9章 生存期間の解析
 1.生存期間の要約
 2.複数の生存曲線の比較
 3.3群以上の生存曲線の比較とpost-hoc検定
 4.生存曲線の傾向の検定
 5.比例ハザード回帰
 6.ランドマーク法と時間依存性変数を用いる解析
 7.累積発生率(競合イベントを含む)の解析
 8.競合イベントの群間比較
 9.3群以上の競合イベントの比較とpost-hoc検定
 10.競合イベントの多変量解析
 11.特殊な生存期間の解析〜Restricted mean survival time(RMST)法〜
 12.特殊な生存期間の解析〜Current event-free survivalとMulti-stateモデル〜

第10章 定性・定量テストの正確度の評価
 1.定性テストの特性
 2.定量テストの閾値、ROC曲線
 3.2つのROC曲線の曲線下面積の比較
 4.生存期間に対する定量テストの閾値、survival ROC曲線
 5.2つの定性検査の一致度(κ係数)
 6.質問項目の信頼性の評価(クロンバックのα係数)

第11章 マッチさせた対照群との比較・傾向スコア解析
 1.マッチさせた対照群(コントロール)の抽出
 2.マッチングの診断
 3.マッチさせたデータの解析
 4.傾向スコア解析

第12章 メタアナリシス
 1.メタアナリシスの研究計画
 2.固定効果モデルとランダム効果モデル
 3.感度分析や出版バイアスの評価
 4.二値変数(比率)の比較結果を統合するメタアナリシス
 5.出版バイアスの評価
 6.連続変数(平均値)の比較結果を統合するメタアナリシス
 7.生存期間の比較のメタアナリシス
 8.メタ回帰分析
 9.ネットワークメタアナリシス
  1.ネットワークメタアナリシスの実例
  2.一致性の評価
  3.ランキング

第13章 必要サンプルサイズの設定
 1.単群の研究のサンプルサイズの設定、検出力の計算
 2.2群の研究のサンプルサイズの設定、検出力の計算

第14章 研究や学会・論文発表のためのテクニック
 1.複数のデータセットの結合
 2.様々な変数の作成
  1.連続変数を複数の区分に分類する
  2.名義変数を複数の区分に分類する
 3.モデルの活用
 4.サマリー表の出力
  1.解析サンプルの背景表の作成
  2.解析結果を整形して出力
 5.グラフのオプションの変更
 6.グラフの修正(スクリプトでの作業)
 7.グラフの修正(他のソフトでの修正)
 8.解析過程の保存(スクリプトの保存とマークダウンの出力)
 9.論文での使用統計ソフトの記述

第15章 Rコマンダーの改変
 1.カスタマイズの概要
 2.メニューファイルの作成
 3.解析スクリプトの作成
 4.Rコマンダーのカスタマイズの詳細な手順
  1.ダイアログの部品の表示値の設定
  2.ダイアログの中のフレームの作成
  3.ダイアログで文字列を直接入力する部品の作成例
  4.ラジオボタン、チェックボックスの作成例
  5.変数のリストボックスの作成例
  6.Formulaを入力する部品の作成例
  7.部分集合を指定する部品の作成例
  8.Rのスクリプトを生成するためのスクリプトの記述
  9.Rコマンダーの関数の一例

第16章 Rの主要な演算子、関数などの一覧
 1.演算子
 2.条件式
 3.数学関数
 4.ベクトル、行列、データフレームなどを作成、変形する関数
 5.ベクトルやデータフレームに含まれる要素の指定
 6.文字列を扱う関数
 7.統計量
 8.名義変数の解析
 9.連続変数の解析
 10.生存期間の解析
 11.回帰分析モデル
 12.分布
 13.高水準作図関数
 14.低水準作図関数
 15.条件分岐、繰り返し
 16.その他

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本書の執筆にあたって参考にした文献および推薦文献

索引

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執筆者一覧

神田善伸 自治医科大学附属病院・附属さいたま医療センター血液科教授 著

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