目 次
1◆はじめに…〈棚橋紀夫〉
2◆rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法の実際…〈古屋大典〉
A.第1段階(来院まで)
B.第2段階(病歴,診察,臨床検査)
1.過去の病歴の聴取
2.NIHSS
3.臨床検査
4.脳卒中以外の患者との鑑別
C.第3段階(画像診断)
D.適応の判定
1.慎重投与例に対する対応
2.プロトコール違反
E.インフォームドコンセント
F.投与開始
G.rt-PA投与後の全身管理
H.併用薬について
3◆血栓溶解療法の基礎知識…〈上嶋繁 松尾理〉
A.血栓溶解のメカニズム
B.フィブリン親和性をもたない血栓溶解剤
1.ウロキナーゼ
2.ストレプトキナーゼ
C.フィブリン親和性を有する血栓溶解剤
1.Anisoylated plasminogen streptokinase activator complex(APSAC)
2.1本鎖u-PA,別名プロウロキナーゼまたはナサルプラーゼ
3.組織性プラスミノゲンアクチベーター
4.改変型t-PA
D.開発中の血栓溶解剤
1.スタフィロキナーゼ
2.デスモテプラーゼ
4◆血栓溶解療法の大規模臨床試験…〈星野晴彦〉
A.血栓溶解療法全体のメタアナリシス
1.7-10日以内の全死亡
2.致死性頭蓋内出血
3.症候性頭蓋内出血(致死性を含む)
4.予定された経過観察期間内の全死亡(早期死亡)
5.経過観察終了時の死亡あるいは重篤な後遺症
6.投与開始時間との関係
B.t-PA臨床試験
1.発症3時間以内の経静脈性t-PA臨床試験
2.発症後6時間以内の経静脈性t-PA投与臨床試験
3.発症6時間以内の経静脈t-PA臨床試験のメタアナリシス
4.経静脈投与t-PAの臨床試験のPooled Analysis
C.Streptokinase(SK)投与試験
1.経静脈性SK投与臨床試験
2.経静脈SK投与のPooled data analysis
3.経静脈SKによる血栓溶解療法のメタアナリシス
D.Desmoteplase血栓溶解療法
E.経動脈性血栓溶解療法
1.個別の臨床試験
2.経動脈proUK投与による血栓溶解療法のメタアナリシス
F.血栓溶解療法の今後の課題
1.高齢者に対する有効性の検証
2.3時間を超えた場合の有効性があるかどうか
3.他の新しい血栓溶解薬の有効性
4.経静脈と経動脈の血栓溶解薬投与の組み合わせ
5.新しい抗血小板薬と血栓溶解薬との組み合わせ
6.機械的な方法あるいは超音波を用いた血栓溶解の促進治療
7.脳底動脈系脳梗塞に対する有効性
5◆ガイドライン…〈棚橋紀夫〉
A.日本の“脳卒中治療ガイドライン2004”
B.米国脳卒中協会(2003)のガイドライン
C.Royal College of Physicians(英国2004)のガイドライン
6◆大規模臨床試験のサブ解析および市販後成績…〈棚橋紀夫〉
1.rt-PA静注療法は実際にはどの程度行われているか
2.rt-PAの使用頻度の低い理由
3.治療成績
4.症候性脳出血の予測因子
5.予後関連因子
6.病変の左右差
7.年齢
8.性差
9.rt-PA療法後の血管の再開通および再閉塞
10.椎骨脳底動脈領域の梗塞での効果
11.rt-PAによるアナフィラキシー反応および血管浮腫
12.医療経済への影響
7◆血栓溶解療法と脳画像検査…〈野川茂〉
A.“NINDS Box”と“Time is Brain”
B.脳卒中急性期におけるMRIの有用性
C.超急性期におけるDWI陰性例
D.脳梗塞急性期における脳血流(灌流)画像の意義
E.急性期脳梗塞治療のパラダイム -- 今後の展開
8◆血栓溶解療法に対するQ&A…〈棚橋紀夫〉
1)CT所見:earlyCT signsの読影,椎骨脳底動脈系梗塞の場合は
2)CTのかわりにMRIで診断する場合
3)脳血流量測定は必要か
4)軽症例の判定,適応は
5)ラクナ梗塞にもアルテプラーゼの適応はあるのか
6)慎重投与例に対する対応
7)インフォームドコンセントは口頭でも可能か
8)脳出血例に対する外科的治療は有効か
9)脳保護薬(エダラボン)との併用は可能か
10)アルテプラーゼ投与後はアルガトロバン,オザグレルは使用不可か
11)局所線溶療法をどのように位置づけるか
12)降圧療法として最も適応となる治療法は
13)アルテプラーゼ静注療法を施行できる施設は
◆おわりに
索引