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書籍詳細

肺癌薬物療法レジメン

がん研有明病院のプラクティス

肺癌薬物療法レジメン

柳谷典子  編著 / 長谷川 司 編著 / 網野喜彬  編著 / 植松慎矢  編著

A5判 100頁

定価2,420円(本体2,200円 + 税)

ISBN978-4-498-13102-6

2020年07月発行

在庫なし(改訂版 2021年11月刊行予定)

肺癌の薬物療法は近年目覚ましい進歩を遂げ、現時点では20種類以上の薬剤やその併用療法が存在している。本書は、がん研有明病院呼吸器内科で実際に使われているレジメン、支持療法、減量、投与中止基準などを、使いやすくまとめたマニュアルである。レジメンの解説と薬剤の投与例を参照できるようにし、より日常診療の現場で役立つ書籍とした。多様な治療の選択肢から適切な方法を選び取るための一助となる一冊。

序 文


 わが国では悪性腫瘍が死因の第1位であり,その中でも肺癌が最も多く,平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)では年間74,000人以上が亡くなっており,いまだ予後不良で根治困難ながんの一つと考えられる.
 一方で肺癌,特に非小細胞肺癌(NSCLC)に対する薬物療法はこの20年で大きく進歩している.1995年にメタ解析の結果が報告され,化学療法が非小細胞肺癌の生存を延長することが示された.しかし,そのimpactは少なく生存期間のmedianを2カ月程度延長するものであり化学療法の毒性を考えると化学療法を受ける意味があるかどうかが議論されていたが,最近では毒性に対する支持療法も進歩し,かなり軽減できるようになってきている.
 また,2002年にNSCLCに対する初めての分子標的薬のgefitinibが承認され,さらにEGFRの活性型遺伝子変異を有するNSCLCに劇的な効果を示すことが明らかとなり,その後 ALK,ROS1,BRAFなどの新たな遺伝子変異およびそれらに対する分子標的薬が承認されている.
 また,2015年にはNSCLCに対する初めての免疫チェックポイント阻害薬(ICI)であるnivolumabが承認され,2018年にはICIと化学療法との併用療法が承認されている.2020年時点では肺癌に対する薬物療法は20種以上の薬剤と,それらの併用療法をいかに実地臨床でうまく使用していくかが重要となっている.
 このレジメン集は,がん研呼吸器内科で実際に使っているレジメン,支持療法,減量法,投与中止基準などをまとめたマニュアルを製本化したものである.少しでも読者諸兄の日常臨床で役に立つことを期待している.

      2020年 2月

西尾 誠人

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CONTENTS

I総論
 肺癌の薬物療法
 非小細胞肺癌
 小細胞肺癌

IIレジメン
 非小細胞肺癌
 細胞障害性抗がん剤+免疫チェックポイント阻害薬
  1 Cisplatin(CDDP)/Carboplatin(CBDCA)+Pemetrexed(PEM)
    +Pembrolizumab
  2 Carboplatin(CBDCA)+Paclitaxel(PTX)+Bevacizumab(BEV)
    +Atezolizumab
  3 Carboplatin(CBDCA)+nab-Paclitaxel(nab-PTX)
    +Pembrolizumab
 細胞障害性抗がん剤
  4 Cisplatin(CDDP)/Carboplatin(CBDCA)+Pemetrexed(PEM)
  5a Carboplatin(CBDCA)+Paclitaxel(PTX)+Bevacizumab(BEV)
  5b Carboplatin(CBDCA)+Paclitaxel(PTX)
  6 Carboplatin(CBDCA)+nab-Paclitaxel(nab-PTX)
  7 Cisplatin(CDDP)+Gemcitabine(GEM)
  8 Cisplatin(CDDP)/Carboplatin(CBDCA)+S-1
  9 Pemetrexed(PEM)
  10a Docetaxel(DTX)+Ramucirumab(RAM)
  10b Docetaxel(DTX)
  11 S-1
 免疫チェックポイント阻害薬
  12 Pembrolizumab
  13 Nivolumab
  14 Atezolizumab
  15 Durvalumab
 分子標的治療薬
  16 Gefitinib
  17a Erlotinib
  17b Erlotinib+Bevacizumab(BEV)
  18 Afatinib
  19 Dacomitinib
  20 Osimertinib
  21 Crizotinib
  22 Alectinib
  23 Ceritinib
  24 Lorlatinib
  25 Dabrafenib+Trametinib
 化学放射線療法
  26 Weekly Carboplatin(CBDCA)+Paclitaxel(PTX)
    +胸部放射線療法(TRT)
  27 Cisplatin(CDDP)+S-1+胸部放射線療法(TRT)
 術後補助化学療法
  28 Cisplatin(CDDP)+Vinorelbine(VNR)
小細胞肺癌
 細胞障害性抗がん剤
  29 Carboplatin(CBDCA)+Etoposide(VP-16)+Atezolizumab
  30 Cisplatin(CDDP)+Irinotecan(CPT-11)
  31 Cisplatin(CDDP)/Carboplatin(CBDCA)+Etoposide(VP-16)
  32 Amrubicin(AMR)
  33 Irinotecan(CPT-11)
  34 Nogitecan(NGT)
 化学放射線療法
  35 Cisplatin(CDDP)+Etoposide(VP-16)+胸部放射線療法(TRT)
胸腺腫
 細胞障害性抗がん剤
  36 ADOC療法
悪性胸膜中皮腫
 細胞障害性抗がん剤
  37 Cisplatin(CDDP)+Pemetrexed(PEM)
 免疫チェックポイント阻害薬
  38 Nivolumab

III資料編 —投与例—
 Cisplatin+Pemetrexed+Pembrolizumab
 Carboplatin+Pemetrexed+Pembrolizumab
 Carboplatin+Paclitaxel+Bevacizumab+Atezolizumab
 Carboplatin+nab-Paclitaxel+Pembrolizumab
 Cisplatin+Pemetrexed
 Carboplatin+Pemetrexed
 Carboplatin+Paclitaxel+Bevacizumab
 Carboplatin+Paclitaxel
 Carboplatin+nab-Paclitaxel
 Cisplatin+Gemcitabine
 Cisplatin+S-1
 Carboplatin+S-1
 Pemetrexed
 Docetaxel+Ramucirumab
 Docetaxel
 Pembrolizumab
 Nivolumab
 Atezolizumab
 Durvalumab
 Erlotinib+Bevacizumab
 Weekly Carboplatin+Paclitaxel+胸部放射線療法
 Cisplatin+S-1+胸部放射線療法
 Cisplatin+Vinorelbine
 Carboplatin+Etoposide+Atezolizumab
 Cisplatin+Irinotecan
 Cisplatin+Etoposide
 Carboplatin+Etoposide
 Amrubicin
 Irinotecan
 Nogitecan
 Cisplatin+Etoposide+胸部放射線療法
 ADOC
 Cisplatin+Pemetrexed
 Nivolumab

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執筆者一覧

柳谷典子  がん研究会有明病院呼吸器内科 副部長 編著
長谷川 司 がん研究会有明病院呼吸器内科 副医長 編著
網野喜彬  がん研究会有明病院呼吸器内科 医員 編著
植松慎矢  がん研究会有明病院呼吸器内科 医員 編著
西尾誠人  がん研究会有明病院呼吸器 センター長・呼吸器内科 部長 
北園 聡  がん研究会有明病院呼吸器内科 医長 
内堀 健  がん研究会有明病院呼吸器内科 医長 
有安 亮  がん研究会有明病院呼吸器内科 副医長 
吉澤孝浩  がん研究会有明病院呼吸器内科 医員 
坂本博昭  がん研究会有明病院呼吸器内科 医員 
戸塚猛大  がん研究会有明病院呼吸器内科 医員 
吉田 寛  がん研究会有明病院呼吸器内科 医員 

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