目 次
I.Basic Neuroscience
1.神経生理
1) | 反復経頭蓋磁気刺激法によるヒト大脳皮質可塑性 〈濱田 雅 宇川義一〉 | |
メタ可塑性―シナプス可塑性の可塑性
ヒトにおけるメタ可塑性
新しいrTMS刺激法―Quadripulse stimulation(QPS)―とメタ可塑性
Gating mechanismとstate dependent effect
2) | 小脳皮質の部位局在性 〈杉原 泉〉 | |
小脳の構造の概観と,従来からの小脳の区分の考え方
小脳皮質の分子発現パタンとそれに基づく小脳皮質・小脳核の区分
小脳入出力単一軸索投射の構築と微小モジュール
小脳から大脳連合野への投射
ヒト小脳障害の磁気共鳴画像による小脳の機能局在の解明
2.神経病理
1) | αシヌクレインはどこから蓄積するか? 〈村山繁雄 齊藤祐子〉 | |
対象・方法
結果
考察
結語
2) | WHO brain tumor classification 2007 〈中里洋一〉 | |
WHO分類の歴史
新規登録の腫瘍型
脳腫瘍WHO分類第4版の問題点
3.生化学(分子生物学)
iPS細胞と神経疾患への今後の展開 〈岡田洋平 岡野栄之〉 | |
iPS細胞の樹立
疾患とiPS細胞
iPS細胞を用いた再生医学 iPS細胞の今後の問題点
4.画像
1) | Arterial spin labelingによる脳血流測定 〈松田博史〉 | |
原理と開発の歴史
臨床応用
今後の課題
2) | アミロイドイメージング 〈石井賢二〉 | |
アミロイドプローブの開発状況
健常者におけるアミロイドイメージング
軽度認知障害者におけるアミロイドイメージング Alzheimer病におけるアミロイドイメージング
髄液バイオマーカとの関係
AD以外の変性疾患におけるアミロイドイメージング
アミロイドイメージングと根本治療薬治験
II.本年の動向
1) | 神経難病疾患の医療費構造解析の問題点 〈荻野美恵子〉 | |
難治性疾患の医療費構造を研究する目的,意義,社会的影響に関する検討
研究班発足以前の特定疾患医療費に関するデータ
特定疾患の医療費調査の方法論の検討および現状把握
限定した特定疾患を用いたパイロットスタディ
保険者情報の検討
各分担研究者による研究
2) | Parkinson病の遺伝子治療 〈村松慎一〉 | |
ドパミン合成系酵素の遺伝子導入
神経栄養因子の遺伝子導入
GAD遺伝子の導入
ウイルスベクターと安全性
今後の課題と展望
3) | 遺伝性(家族性)プリオン病の遺伝子検査をめぐる諸問題 〈田村智英子〉 | |
遺伝性(家族性)プリオン病の概要
プリオン病の遺伝子検査とその臨床的意義
プリオン病の遺伝子検査や遺伝性プリオン病の相談をめぐって明らかになってきた諸問題
プリオン病の遺伝子検査実施に際して考慮すべき各種指針
神経内科医が遺伝子検査を行う前に考慮すべき点
4) | 急性脳炎のグルタミン酸受容体自己免疫病態の解明 〈高橋幸利 最上友紀子 高山留美子〉 | |
NMDA型グルタミン酸受容体に対する抗体の分類
非ヘルペス性急性辺縁系脳炎(脳症)と抗GluRε2抗体
抗GluRε2抗体の病態機能
卵巣奇形腫を伴う非ヘルペス性急性辺縁系脳炎と抗NMDA受容体複合体抗体
5) | ファブリ病に関しての調査研究―特に神経症状と治療効果に関して 〈衞藤義勝〉 | |
ファブリ病の遺伝と頻度
病因&病態
ファブリ病の臨床型と臨床症状
末梢神経&自律神経障害
神経障害&精神症状&前庭機能障害
若年性脳梗塞患者にファブリ病患者が高率にみられる
精神症状
ファブリ病の治療
6) | 特発性正常圧水頭症の診断と治療 〈石川正恒〉 | |
疫学
iNPH共同研究の結果
NPHの病態
7) | もやもや病診断と治療: 最近の動向 〈藤村 幹 冨永悌二〉 | |
疾患概念・疫学
病態・病因
診断
治療
周術期合併症予後と自然歴
III.各種疾患
1.感染・炎症疾患
1) | 神経Sweet病 〈久永欣哉〉 | |
Sweet病
神経Sweet病の臨床所見
神経Sweet病から神経好中球病へ
2) | HIVの神経合併症up date 〈伊澤良兼〉 | |
HIV感染症と神経疾患
HIV感染症と中枢神経障害
HIV感染症と末梢神経障害
2.脳血管障害
1) | t-PAによる血栓溶解療法(ECASS IIIを含めて) 〈青木淳哉 木村和美〉 | |
発症3時間以内のt-PA静注療法
発症3時間以降のt-PA静注療法
t-PA静注療法と血管内治療との併用
t-PA静注療法と経頭蓋超音波との併用
注意すべきポイント
新たなエビデンスその他のt-PA療法
2) | Perfusion/diffusion mismatchに関する最近の話題 〈太田晃一〉 | |
DEFUSEのサブ研究
EPITHET
DIAS-2
以上の3研究は何を明らかにし,何を明らかにできなかったのか?
MRA/D Mismatch
ASPECTSによるMR mismatch score
ASIST-Japanによる急性期脳梗塞画像診断実践ガイドライン2007
3) | Cerebral Microbleeds 〈今泉俊雄〉 | |
MBとは何か
Microangiopathyの診断とMB
MBの関連因子
関連疾患
MBは無症候性か
MBが認められた場合の対処
鑑別すべき画像所見
MBの診断基準
3.脳腫瘍
1) | 悪性グリオーマに対する化学療法update: テモダールおよびその後 〈青木友和〉 | |
Gliadel(BCNUポリマー)
Temozolomide治療抵抗性の最大の原因(MGMTの発現)
高容量Temozolomide投与におけるMGMT耐性の克服
2) | 脳腫瘍の免疫療法 〈戸田正博〉 | |
中枢神経系の免疫学的環境
グリオーマに対する免疫療法
腫瘍細胞を利用したワクチン療法(腫瘍抗原の同定を必要としない方法)
同定された腫瘍抗原を用いた腫瘍ワクチン療法
脳腫瘍幹細胞に対する免疫療法
4.外傷
1) | 頭部外傷に対する広範囲減圧開頭術の再評価 〈徳富孝志〉 | |
外減圧術の理論的背景と脳への影響
外減圧術の適応について
外減圧術と転帰
合併症
2) | 頭部外傷,心停止後症候群に対する低体温療法 〈黒田泰弘 河北賢哉〉 | |
重症頭部外傷に対するTH
冷却方法の検討(多種の病態)
心停止後脳障害に対するTH
TH中の脳血流
5.変性疾患
TDP-43 proteinopathy―その広がりと病因的意義 〈長谷川成人 野中 隆 新井哲明 秋山治彦〉 | |
TDP-43蓄積の広がり
ALSにおけるTDP-43遺伝子変異の発見TDP-43細胞内蓄積モデル
TDP-43の蓄積機構
凝集体形成と神経変性の関係
6.中毒・代謝疾患
1) | 薬剤性白質脳症 〈東 麻子 大場 洋〉 | |
フッ化ピリミジン系薬剤(5-FUおよびカルモフール,テガフール)による白質脳症
メトトレキセート(MTX)による白質脳症
シクロスポリン,タクロリムス(FK506)による白質脳症
メトロニダゾールによる白質脳症
2) | 肝外シャントによる代謝性脳症 〈大平雅之〉 | |
肝性脳症の概念と分類
通常の肝性脳症の診断と鑑別診断
シャントによる代謝性脳症
診断
臨床分類
治療
予後
7.脱髄・免疫性疾患
1) | Sporadic inclusion body myositis 〈久保田暁 清水 潤〉 | |
疫学的・遺伝的側面
感染的側面
病理学的側面
治療的側面
2) | 多発性硬化症の抗体治療: NMOを含む 〈真崎勝久 吉良潤一〉 | |
モノクローナル抗体治療薬
Natalizumab
Rituximab
Alemtuzumab
Daclizumab
8.末梢神経障害
1) | 抗アセチルコリン受容体抗体陽性の自律神経傷害性ニューロパチー 〈小池春樹 祖父江元〉 | |
Autoimmune autonomic ganglionopathy(AAG)
体位性起立性頻拍症候群 postural tachycardia syndrome(POTS)
慢性偽性腸閉塞症 chronic intestinal pseudo-obstruction(CIP)
その他の免疫性自律神経障害性ニューロパチーと抗ganglionic AChR抗体との関連
2) | CTS内視鏡手術 〈江尻荘一 紺野愼一〉 | |
歴史
術式の種類
治療成績
合併症
ECTRの施行状況と今後の展望
9.筋肉疾患
1) | Duchenne型筋ジストロフィー治療の過去・現在・未来―どうして生存期間が延びたか 〈川井 充〉 | |
呼吸管理
心不全治療
今後の筋ジストロフィー治療の展望
2) | 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーの治療法開発 〈西野一三 野口 悟〉 | |
DMRVの臨床病理所見
原因遺伝子と遺伝子変異
生化学的異常と分子病態
モデル動物の作製
DMRVマウスを用いた治療研究
低シアル酸とミオパチー
10.自律神経疾患
1) | 宇宙医学と自律神経 〈森田啓之〉 | |
心・循環失調の病態
血漿量減少
交感神経
圧受容器反射心機能
血管平滑筋
前庭-血圧反射
2) | 人工血圧反射 〈山家智之 三浦英和 白石泰之 吉澤 誠 田中 明〉 | |
生体制御系を模擬した人工血圧反射システム
モック循環回路における人工血圧反射自動制御システムの検証
人工血圧反射の動物実験
11.機能性疾患
1) | イオンチャネル異常によるてんかん―最近のトピックス 〈杉浦嘉泰 宇川義一〉 | |
てんかんと活動電位
電位依存性ナトリウムチャネルの異常によるてんかんの病態
内向き整流性カリウムチャネルの異常によるてんかん
2) | 抗てんかん薬update 〈須貝研司〉 | |
日本における新規抗てんかん薬の現状と動向
承認新規抗てんかん薬の臨床薬理
新規抗てんかん薬の臨床効果
今後の治験薬
旧来薬の新たな問題
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