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書籍詳細

SPAM  浦添ER診療ガイドブック

SPAM 浦添ER診療ガイドブック

浦添総合病院SPAM本制作グループ 著 / 山内素直  監修

A6変型判 336頁

定価4,620円(本体4,200円 + 税)

ISBN978-4-498-16618-9

2019年11月発行

在庫あり

本書は、初期研修医が救急外来(ER)で自信をもって初期対応に臨むことができるようにと沖縄県の浦添総合病院で生まれた救急初療標準化コース、通称「SPAM」をベースに、最新の知見とエビデンスを盛り込んで作成された救急診療ガイドです。最大の特徴は「研修医目線」で作り上げられてきた“現場感”と“実用性”。コンパクトにまとめられ、持ち歩くことが容易な本書は、研修医だけでなく、救急外来に携わるすべての医師にお薦めの1冊です。

著者からのコメント

ERで奮闘する研修医の心強い味方!!
SPAM本は、全国どこでも役に立つ、ベーシックかつスタンダード、そして実践的な救急初療についてまとめたガイドブックです。
緊張するERの現場でも、すぐに適切な検査や薬剤の指示が出せるよう、具体的で実践的なオーダー内容を記載。
枠外の"Memo"や"Point"では、先輩研修医・指導医からの役立つ知恵が満載! ポケットサイズで、いつでもどこでも、さっと知りたい情報・知識を確認できます。
また、最近の知見やエビデンス、多彩なクリニカル・ディシジョン・ルールなども豊富に紹介し、空き時間に気軽に読める教科書としても使えます。
これから救急外来で臨床実習を行う医学生、臨床研修を始める初期研修医のみなさんの役に立つことはもちろん、
救急外来診療に苦手意識を持っている医師、さらには看護師や救急救命士など、ERで働く全てのみなさんに勉強になる、お勧めの一冊です!

発刊にあたって

 このたび,浦添総合病院の初期研修プログラムの誇るべき伝統である「SPAM」が一冊の本としてまとまり,全国の皆さんにお届けできることを非常に嬉しく思います.この本(通称「SPAM本」)を通じて,広く全国にSPAMを知ってもらうことはもちろん,日々ERで頑張っている全国の研修医達が現場ですぐに活用できる一冊として,皆さんの白衣のポケットに忍ばせてもらえれば,執筆者一同これ以上に嬉しいことはありません.

 SPAMの特徴として,研修医が「研修医目線」で考え,作り上げて継続されてきたものであること,研修医が救急外来で生き延びるための初期評価や初期対応に重点を置いていること,群星沖縄プロジェクトの強みであるバイタルサインや身体所見を重視していることなどがあげられます.この本は,決して専門的なものでもなければ,みんなが従うべきプロトコルとなるものでもありませんが,実際にERで四苦八苦しながら闘っている「研修医の視点」に立って作られたガイドブックだという強みがあります.みなさんにも,そのことを意識してこの本を愛用していただければと思います.

 この本の執筆に取り組んだのは,現役の浦添総合病院の研修医および,SPAMコースを生み出し,これまで育ててきたOB/OG達です.自分達が経験した初期研修の伝統を,一冊の本として「カタチ」にすることは,浦添総合病院で初期研修をした全員の自信や誇りに繋がるものであり,SPAMの集大成として非常に貴重な経験となりました.また,それと同時に,浦添総合病院でのこれまでの自分たちのER診療を見つめ直す良いきっかけにもなりました.SPAMコースで教えていることや,自分達の普段のER診療がはたしてスタンダードと呼べるものなのか,改善点はないか,エビデンスはどうなっているのかなどを改めて調べ直し,カタチに残す.そんな作業を通じて,自分たち自身についても振り返って考える良い機会となりました.そのため,疾患各論の内容は,普段のSPAMコースで指導している内容や浦添総合病院ERでの実際の診療内容に加え,できるだけ最新のエビデンスに基づいた,現時点での「世界のスタンダード」に近い内容もたくさん盛り込んだパワーアップしたものとなっています.「スタンダード」はその時代によって変わっていくものでもあり,他のやり方を否定するものではありませんが,この本の中にER診療の奥深さや楽しさ,醍醐味を感じてもらえれば幸いです.

 代々引き継がれてきたSPAMの内容をまとめ直し,カタチにする作業は一筋縄ではいきませんでした.ですが,プロジェクトに協力してくださった現役研修医の皆さんおよびOB/OGの皆さんの協力のお陰で素晴らしい一冊ができたことに,監修者として感謝申し上げます.また,群星沖縄プロジェクトを素晴らしいリーダーシップで率い,長年にわたって私達を指導してくださっている宮城征四郎先生および徳田安春先生,この企画を受けることを戸惑っている際に背中を押してくださった浦添総合病院の宮城敏夫理事長,福本泰三院長,いつも快く私達をサポートしてくださる教育研究室の皆さん,その他多くの方々のご理解とご協力に心からお礼を申し上げます.そして,このような企画を提案いただき,度重なる原稿提出の遅れにも嫌な顔一つせず,私達の思いをカタチにするのに辛抱強く付き合って下さった中外医学社の宮崎さんに,感謝します.本当にありがとうございました.

 この本が,少しでも多くの研修医や医学生の力となり,ひいては今後の日本のより良いER診療への助けとなることを心から願っています.

令和元年10月吉日
監修・執筆 山内素直




推薦の序

 研修医向けの救急外来での初期評価そして初期対応コースSPAMが1冊の本になりました.SPAMはStandard of Primary Assessment in Muribushiの略で,救急初療標準化コースです.群星沖縄プロジェクト基幹病院の一つであり,地域医療支援病院のモデルとなっている浦添総合病院の初期研修医が総力を挙げて作ってきました.群星沖縄プロジェクトは,2003年に宮城征四郎先生(現名誉センター長)が立ち上げられた,沖縄県内の研修病院群アライアンスです.2017年からは私がセンター長を引き継がせていただいています.

 コースのセッティングは救急外来の最前線.ここでは,研修医の皆さんがチームの最前線に立ち,ダイナミックに診療しています.緊急度と重症度が高い患者さんが,次から次へと多数搬送されて来る中で,迅速かつ適切な蘇生を行い,キラー疾患を見逃さないための診断と治療を行うという安全な診療が求められます.本書を読んで,救急外来で常に持ち歩き,必要に応じて再読を繰り返すことで,SPAMをマスターすることにより,このような診療が可能になると思います.

 本書は,医学生・研修医だけでなく,救急外来診療を行うすべての医師にお勧めです.宮城先生によるティーチングのコア・コンセプトであるバイタルサインの解釈を始めとした問診と診察の基本を一貫して忠実に重視し,記述されています.また,わかりやすい図表や,覚えやすい語呂合わせが豊富に付いており,読者の理解と記憶を助けてくれます.さらには,監修の山内素直先生を始めとしたコース作成OB/OGたちが世界各地で活躍する中で,このコース内容に最新のエビデンスとグローバル・スタンダードの知見をインプットしてくれています.

 患者さんの急変はいつどこでも起こる可能性があります.本書の内容は,入院中,プライマリケア外来,在宅医療など,全ての患者さんの急変対応に応用できます.自信を持って患者診療を行うためには急変対応に対する備えが必要です.そのためにも,本書を,医師だけでなく,すべての医療者にもお勧めします.さあ,あなたもSPAMポーズをマスターして,安全な医療を提供できるプロフェッショナルを目指しましょう.

2019年10月吉日
群星沖縄臨床研修センター長
徳田安春

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目次

第1章 SPAM
 1▶SPAMってなんだろう?
 2▶SPAMの二本柱 〜Primary ApproachとSecondary Approach〜
 3▶Primary Approachの実際
 4▶Secondary Approachの実際

第2章 Aの異常 〜Airway〜
 1▶Aの異常へのアプローチ
 2▶急性喉頭蓋炎
 3▶アナフィラキシー
 4▶気道異物
 5▶気道熱傷

第3章 Bの異常 〜Breathing〜
 1▶Bの異常へのアプローチ
 2▶肺炎
 3▶気管支喘息発作
 4▶COPD急性増悪
 5▶気胸
 6▶肺塞栓症

第4章 Cの異常 〜Circulation〜
 1▶Cの異常へのアプローチ
 2▶ショック
 3▶急性心不全
 4▶頻脈
 5▶徐脈

第5章 Dの異常 〜Disability〜
 1▶Dの異常へのアプローチ
 2▶低血糖
 3▶失神
 4▶糖尿病性ケトアシドーシス/高血糖高浸透圧症候群
 5▶肝性脳症
 6▶熱中症

第6章 Advanced SPAM
 1▶Advanced SPAMとは?
 2▶腹痛編
  1 感染性腸炎(嘔吐下痢症)
  2 消化管出血(吐血/下血/血便)
  3 急性虫垂炎
  4 大腸憩室炎
  5 胆石発作/急性胆嚢炎/急性胆管炎
  6 急性膵炎
  7 産婦人科系の急性腹症
   7-1.異所性妊娠
   7-2.卵巣出血
   7-3.茎捻転(卵巣腫瘍茎捻転)
   7-4.骨盤内炎症性疾患
 3▶頭痛・神経編
  1 頭痛
  2 めまい
  3 痙攣発作(てんかん発作)
  4 クモ膜下出血
  5 脳出血
  6 脳梗塞
 4▶胸痛編
  1 ST上昇型心筋梗塞
  2 非ST上昇型急性心筋梗塞/不安定狭心症
  3 急性大動脈解離
 5▶感染症編
  1 グラム染色
  2 急性上気道炎/インフルエンザ
  3 尿路感染症
  4 皮膚軟部組織感染症(蜂窩織炎/壊死性軟部組織感染症)
  5 髄膜炎
  6 感染性心内膜炎
 6▶腎・泌尿器系疾患,電解質異常編
  1 急性腎障害
  2 高ナトリウム血症
  3 低ナトリウム血症
  4 高カリウム血症
  5 低カリウム血症
  6 泌尿器系の救急疾患(尿路結石/精巣上体炎/精巣捻転)
 7▶その他
  1 小児の発熱
  2 捻挫(足関節)
  3 骨折
  4 熱傷
  5 眼科救急疾患

SPAMマスコット誕生秘話

索引

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執筆者一覧

浦添総合病院SPAM本制作グループ   著
山内素直  MD1 Program Department of Emergency Medicine,Newark Beth Israel Medical Center 監修
石塚光太郎 浦添総合病院スポーツ関節外科センター 
伊集院 駿 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学分野 
稲森大治  済生会熊本病院内科専攻医 
稲生真夕  浦添総合病院病院総合内科 
岩井俊賢  浦添総合病院初期研修医 
岩永 航  奈良県総合医療センター集中治療部 
上原正弘  京都府立医科大学腎臓内科 
宇都宮貴史 浦添総合病院外科後期研修医 
大里里子  浦添総合病院内科後期研修医 
大竹弘隆  藤田医科大学救急総合内科 
柿本忠俊  防府消化器病センター消化器外科 
神部宏幸  神戸市立医療センター中央市民病院外科・移植外科 
北原佑介  浦添総合病院救急集中治療部 
栗原 健  浦添総合病院病院総合内科 
小網博之  Department of Surgery, McGovern Medical School/ 
      University of Texas Health Science Center at Houston 
後藤崇夫  横須賀市立うわまち病院/東京ベイ・浦安市川医療センター集中治療科 
齋藤 学  合同会社ゲネプロ 
佐久間隆弘 浦添総合病院初期研修医 
杉山賢明  東北大学大学院歯学研究科,一般社団法人みんなの健康らぼ 
角谷和歌子 埼玉県立小児医療センター総合周産期母子医療センター新生児科 
谷口洋平  関西医科大学附属病院呼吸器外科 
田村友里  東京医科歯科大学病院整形外科 
西村真唯  手稲渓仁会病院産婦人科 
野波啓樹  浦添総合病院病院総合内科 
東 拓一郎 厚地脳神経外科病院脳神経外科 
廣畑俊和  鹿児島大学病院リハビリテーション医学 
穂積拓考  あいち小児保健医療総合センター集中治療科 
佛坂扶美  久留米大学病院眼科学講座 
前住忠秀  昭和大学藤が丘病院腎臓内科 
松下和敏  神戸大学大学院医学研究科 
松野 敬  浦添総合病院初期研修医 
丸山和典  浦添総合病院スポーツ関節外科センター 
三浦 航  大阪市立総合医療センター麻酔科・ICU 
溝渕 海  浦添総合病院初期研修医 
見附明彦  市立札幌病院腎臓移植外科 
宮前伸啓  洛和会音羽病院救急科 
村田慎一  愛知県がんセンター放射線診断・IVR部 
山本ゆり子 横浜市立大学産婦人科 
李 瑛   鳥取大学医学部地域医療学講座 
松坂恵介  千葉大学医学部附属病院病理診断科 
浦添総合病院教育研究室      
玉城 格  浦添総合病院臨床検査部 
名嘉村 敬 浦添総合病院病院総合内科/呼吸器センター  
群星沖縄臨床研修センター      
安田一行  長崎大学熱帯医学研究所 

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