目次
第1章 抗血栓治療の種類とその実際 〈後藤信哉〉
A. 抗血栓薬の種類と使用の実際の概説:欧米との比較における本邦の特徴
B.現在使用可能な抗血栓薬の種類と実際
1.古典的抗血栓薬
a.非経口抗凝固薬
b.経口抗凝固薬
c.非経口抗血小板薬
d.経口抗血小板薬
2.近未来に期待される抗血栓薬の種類と実際
a.経口抗凝固薬
b.経口抗血小板薬
第2章 各種病態における抗血栓療法
1.急性冠症候群 〈河村朗夫〉
A.抗血栓療法の役割と現状
B.処方される薬剤とその使い方
1.アスピリンとヘパリン
2.クロピドグレル
C.問題点
1.クロピドグレルとPPIの併用
2.いつまで2剤の抗血小板療法を続けるか
3.抗血小板療法続行中に手術が必要になったとき
D.次世代の抗血小板薬
1.プラスグレル
2.チカグレロル
3.今後の展望
E.総 括
2.静脈血栓塞栓症(VTE) 〈左近賢人〉
A.VTEの予防
1.VTE予防における抗血栓療法の役割と現状
2.VTE予防に処方される薬剤とその使い方
3.VTE予防の実際の処方―そのポイントとピットホール
B.VTEの治療
1.VTE治療における抗血栓療法の役割と現状
2.VTE治療に処方される薬剤とその使い方
3.VTE予防の実際の処方―そのポイントとピットホール
a.抗凝固療法
b.血栓溶解療法(プラスミノーゲンアクチベータ)
3.心房細動 〈是恒之宏〉
A.心房細動における抗血栓療法の役割と現状
B.処方される薬剤とその使い方
C.実際の処方におけるポイントとピットホール
1.副作用
2.良好なコントロールが重要
3.発作性でも持続性,永続性と同様に治療
4.抜歯,手術,内視鏡に際して
D.新しい経口抗凝固薬療法時代の訪れ
第3章 抗血栓療法のモニタリング 〈後藤信哉〉
A.モニタリングの意味
B.抗凝固療法のモニタリング
1.未分画ヘパリンの薬効モニタリング
2.ワルファリンのモニタリング
3.新規の抗凝固薬ではモニタリングは不要であるか?
C.より詳細な凝固機能検査
D.抗血小板療法のモニタリング
1.血小板凝集機能検査
2.いわゆるPoint of Care(POC)device
3.その他の血小板機能検査
第4章 問題と対策
1.内視鏡手術時にどうする? 〈後藤信哉〉
A.現在の医療の限界
B.観血手技における原則
C.抗血小板薬の継続中止と抗凝固薬の継続中止
1.抗血小板薬
2.抗凝固薬
2.抜歯時は? 〈矢郷 香〉
A.問題点
1.抗血栓薬中断による血栓・塞栓症イベント合併
2.医師と歯科医師間での連携不足
B.対 策
1.医師,歯科医師との緊密な連携
2.抗血栓薬継続下での抜歯
a.ワルファリン服用患者での注意事項
b.抗血小板療法患者での注意事項
c.抜歯後出血発生時の対応
d.術後に処方する抗菌薬と鎮痛剤への配慮
e.医師と整合性のあるガイドラインの普及
3.適応決定は? 〈後藤信哉〉
A. 適応決定のよりどころ:Evidence Based MedicineとPersonalized Medicine
B. 抗血栓薬の適応決定にEvidence Based Medicineが有用であった時代
C.患者集団に対する抗血栓介入評価の行き詰まり
D.適応の絞り込みが必要
E. きたるべきPersonalized Medicineの時代の適応決定指標は?
4.日本人に特有の対応は? 〈後藤信哉〉
A.欧米人と日本人における抗血栓療法の意義
B. 欧米人と日本人のイベントリスクの差異を踏まえて,どのようにグローバル化のなかで振る舞うか?
C.言語と論理性の差異
索 引