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書籍詳細

Annual Review 血液 2003

Annual Review 血液 2003

高久史麿 他編

B5判 240頁

定価9,460円(本体8,600円 + 税)

ISBN978-4-498-12514-8

2003年01月発行

在庫なし

◆本書は膨大な量の情報の中から,特に注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献をふまえて最新の進歩を展望している.
◆文献抄録ではなく,その内容,評価が理解できる.
◆どのような重要な業績,文献があったかを確実にフォローできる.
◆主要文献を網羅しているので,reference sourceとしても極めて便利である.



 Annual Review血液学も17年目を迎え,2003年版としてAnnual Review 2003を出版する事になった.
 1999年版から新しい編集陣によるAnnual Review血液学の刊行がおこなわれるようになった.編集委員の方々の御尽力によって,2003年版でも血液学のAnnual Reviewにふさわしい新しい興味あるテーマが数多くとりあげられ,その内容を研究や臨床の第一線にある専門の方々に解説していただく事ができた.2003年版でも従来の版と同様に新しい方々が執筆に加わっていただいた.またテーマとしてもヒト骨髄間葉系幹細胞,赤芽球の脱核機序の新しい展開,PNH異常クローンの拡大メカニズム,STI 571の薬剤耐性機構,Artemisのリンパ球分化における役割,遺伝子発現プロファイルによるリンパ腫の予後予測,GPIbβ遺伝子異常とBernard-Soulier症候群・大血小板,GATA-1変異と家族性血小板減少症,高ホモシステイン血症と小胞体機能破綻,抗血管新生療法による腫瘍制御など,臨床と関係の深い問題まで幅広いテーマが数多く紹介されている.Annual Review血液学はまさしくわが国に最新の血液学の情報を提供する最有力な手段であるといえよう.
 わが国には従来Annual ReviewのようなReview誌がなかった.その意味でこのシリーズが始まった事は画期的なことであり,そのためもあって創刊以来好評で毎年多くの方々に読んでいただいてきた.おかげさまで本年も従来と同じように,よいタイミングで2003年版を出版する事ができた.2003年版の完成に御協力下さった各執筆者の先生方にこの場をかりて心から御礼申し上げたい.
 本年版の内容も例年の版と同様,血液学の新しい進展を紹介する充実した内容のものとなっており,読者の方々からの御期待に充分答え得たと信じている.監修者として,いままでの版と同様にこの2003年版が血液学に興味をもつ多くの方々に愛読していただける事を強く期待している.Annual Review血液学が世界の血液学の流れを示すReview誌となる事を期待して中外医学社からの刊行に協力させていただくようになってから17年もたった.あらためて今までの編集委員の方々,執筆者の方々に感謝の言葉を捧げる次第である.

2002年12月
高久史麿

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目 次

I.幹細胞
1.ヒト骨髄間葉系幹細胞  <片山直之 大石晃嗣 藤枝敦史>
2.造血幹細胞の発生をめぐって  <岡本士毅 原 孝彦>
3.造血幹細胞のゲノミクスとプロテオミクス  <間野博行>
4.増幅臍帯血幹細胞の移植─現状と課題─  <安藤 潔 堀田知光>

II.赤血球系
1.真性赤血球増加症の診断と治療  <寺村正尚>
2.赤芽球の脱核機序の新しい展開  <川根公樹 福山英啓 長田重一>
3.発作性夜間血色素尿症(PNH)における変異易発生の造血環境  <堀川健太郎 川口辰哉 中熊秀喜>
4.PNH異常クローンの拡大メカニズム  <井上徳光>
5.抗エリスロポエチン(EPO)抗体による赤芽球癆(PRCA)  <脇本直樹 別所正美>

III.白血球系
1.ハイリスクMDSの治療の新しい方向: 現状と今後の展望  <大屋敷一馬 鈴木章敬>
2.慢性骨髄性白血病の移植療法  <峯石 真>
3.STI571の薬剤耐性機構  <水木満佐央 上田周二 金倉 譲>
4.WASP変異によるX染色体連鎖性好中球減少症  <野々山恵章 水谷修紀>
5.抗CD33抗体を用いたAML治療  <竹下明裕 大野竜三>

IV.リンパ系
1.CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の病態  <山口素子 中村栄男 瀬戸加大>
2.Artemis: DNA修復・リンパ球分化における役割  <小林法元 上松一永 小宮山淳>
3.遺伝子発現プロフィルによるリンパ腫の予後予測  <大野仁嗣 前迫善智>
4.抗CD20抗体(リツキシマブ)と化学療法の併用療法  <飛内賢正>
5.多発性骨髄腫に対する自家造血幹細胞移植とミニ移植  <神田善伸 高上洋一>

V.血小板
1.GPIbβ遺伝子異常とBernard-Soulier症候群・大血小板  <石田文宏>
2.TTPとADAMTS13変異  <藤村吉博>
3.GATA-1変異と家族性血小板減少症  <小松則夫>
4.トロンビンの血小板へのシグナル伝達  <冨山佳昭>
5.血小板による凝固反応加速機構  <尾崎由基男>
6.ITP: 診断の進歩  <桑名正隆 池田康夫>

VI.凝固・線溶系
1.DIC: 最近の進歩  <和田英夫 岡林和弘>
2.ヘパリン類似物質による血栓制御  <辻  肇>
3.高ホモシステイン血症と小胞体機能破綻  <小亀浩市>
4.リポプロテイン(a)と血栓症  <一瀬白帝>
5.神経系に果たす組織型プラスミノーゲンアクチベータの役割  <浦野哲盟 永井信夫 山本清二>
6.腫瘍血管新生と抗血管新生療法による腫瘍制御  <佐藤靖史>

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