目次
第1章 医師のストレス
1.医師のメンタルヘルス<保坂 隆>
A.ストレスからうつへの段階モデル
B.医師にみられる精神疾患
1.睡眠障害
2.統合失調症および妄想性障害
3.躁うつ病(双極性障害)
4.適応障害
5.うつ病
6.不安障害
7.強迫性障害
8.アルコール依存
9.物質依存
C.医師のメンタルヘルスの特殊性
2.医師のストレスと不健康度─アンケート調査から
<保坂 隆,吉川 徹,和田耕治>
A.方法
B.結果
1.勤務状況・一般項目について
2.メンタルに関する質問票(QIDS)
3.勤務医の健康支援のために必要と思われる改善策
C.考察
第2章 臨床各科の特徴
1.研修医のストレス<藤澤大介,猪狩圭介,館農 勝,上原久美>
A.臨床研修の特殊性
B.研修医・専修医の特殊性
C.研修医・専修医のストレスとその対策
2.女性医師のストレス<塩入明子,赤穂理絵>
A.女性医師のストレスについて
B.ストレスをいかに軽減していくか
1.ストレスとなりうる原因を減らす
2.ストレス自体を軽減,解消する
3.外科医のストレス<藤富 豊>
A.外科の特殊性
B.外科の医師自身の特殊性
C.外科医のストレスと対策
D.死生観と宗教
4.胸部外科医のストレス─心臓血管外科医を中心に<西田 博>
A.心臓血管外科領域内部の課題
B.“incentive見返り”面からみたストレス
日本胸部外科学会のアンケート結果から
C.“Motivation動機”の達成感からみたストレス
D.なぜ一人前の心臓血管外科医になることに絶望感を抱くのか
1.教育・修練プログラムの現状
2.教育・修練資源(=手術数)とマンパワーの関係
3.チーム医療の重要性
5.脳神経外科医のストレス<後藤忠輝,山田晋也>
A.脳神経外科医の数
B.在院日数の短縮化
C.訴訟
D.脳死
6.救急医のストレス<有賀 徹>
A.救急診療の現場で生じるストレス
1.救急外来からの患者の流れ
2.救急医療の“丸投げ”によるストレス
3.初期臨床研修医への教育など
B.社会状況とストレス
1.医事紛争に巻き込まれる懸念
2.救急医療における終末期医療
3.安全・安心な医療の実践を妨げようとする状況
C.社会・文化的な背景からの考察
1.患者・家族らの思いなどとの乖離
2.医療者の自律
7.麻酔科医のストレス<後藤隆久>
A.麻酔科の特殊性
1.マンパワーが慢性的に不足し,長時間労働が常態化している
2.労働のスケジュールが自分ではなく,外科系医師によって決定される90
3.一人でいる時間が長い
4.患者からの認知,感謝が少ない
5.外科系診療科が麻酔科を自科より劣ったもののようにみる傾向がある90
6.社会的評価が低いと麻酔科医自身が感じている
7.ミスが許されない
B.麻酔科を専攻する医師の特殊性
C.麻酔科医のストレス
8.産科医のストレス<今村利朗>
A.産科の特殊性
1.2つの母─母体と胎児
2.夜間・休日の業務多忙
3.安全神話と訴訟
B.産婦人科の医師・分娩施設の特殊性
1.分娩施設数の減少
2.小規模分娩施設
3.当直回数の多さ
4.女性医師急増
C.産婦人科医師のストレス─産婦人科医師数減少,分娩離脱医師数の増加