1章 糖尿病性腎症総論
1.糖尿病性腎症の歴史
2.糖尿病性腎症の現状と将来
1.糖尿病性腎症は本当に増加しているのか?
2.糖尿病性腎症診断における現状と将来
3.糖尿病性腎症治療の現状と将来
4.糖尿病性腎症の成因解明と新たな治療法の開発:現状と将来
3.糖尿病性腎症と慢性腎臓病(CKD)
1.糖尿病性腎症が慢性腎臓病の主要疾患である
2.慢性腎臓病の概念
3.CKDは心・血管疾患(CVD)の危険因子である
4.アルブミン尿・蛋白尿と心血管疾患(CVD)
5.腎機能の評価
2章 糖尿病性腎症の成因・発症機序
1.糖尿病性腎症と疾患感受性遺伝子
1.候補遺伝子解析
ACE遺伝子多型と糖尿病性腎症
2.ゲノムワイドアプローチによる糖尿病性腎症疾患感受性遺伝子同定の試み
2.高血糖:細胞内代謝異常
1.ポリオール経路の亢進
2.ヘキソサミン経路の亢進
3.protein kinase C(PKC)経路の活性化
4.酸化ストレス
5.advanced glycation end products(AGEs)
3.高血糖:AGE,RAGE
1.advanced glycation endproducts(AGEs)
2.微小血管細胞に対するAGEsの作用
3.AGEsと糖尿病性腎症
4.AGEs受容体 receptor for AGEs(RAGE)と糖尿病性腎症
5.分泌型RAGE endogenous secretory RAGE(esRAGE)と糖尿病性腎症
4.脂質代謝異常とインスリン抵抗性
1.糖尿病性腎症と脂質代謝異常
2.糖尿病性腎症とインスリン抵抗性
3.糖尿病における血管障害の発症様式と治療学的アプローチ
5.Microinflammation
1.糖尿病性腎症におけるマクロファージの浸潤とそのメカニズム
2.糖尿病性腎症の成因におけるマクロファージの役割
3.心腎連関とmicroinflammation
4.新しい治療ターゲットとしてのmicroinflammation
6.糸球体高血圧
1.糖尿病における糸球体血圧調節障害
2.糸球体高血圧による腎障害の発症・進展機構
3.臨床的な糸球体高血圧の評価
7.糖尿病性腎症初期病変としての腎肥大と細胞周期
1.サイクリン依存性キナーゼ
2.サイクリン依存性キナーゼの上流に存在するシグナル
3.糸球体上皮細胞の細胞周期異常
4.細胞肥大をターゲットとした薬物治療
8.転写因子
1.転写因子と疾患
2.糖尿病性腎症の成因
3.形質転換とbHLH型転写因子
4.TGFβ受容体とEts転写因子
5.その他
9.AGE阻害,酸化ストレス阻害─ARBの降圧と独立した
多面的腎保護作用から病態を考える
1.RAS抑制と糸球体高血圧低下作用
2.ARB腎保護作用のoptimal dose(至適用量)
3.ARBの多面的な腎保護効果
(以下,小項目は省略)
10.プロスタグランディン
11.糸球体上皮細胞障害
12.糖尿病性腎症進展にかかわるサイトカイン・成長因子
(TGF─β,CTGF,Midkine)
3章 糖尿病性腎症の病理・病態・診断
1.病理─早期の腎組織病変と腎機能との関連を常に認識しよう
2.分子病理
3.早期診断と病期分類
4.血清シスタチンC,尿アルブミン―臨床検査の視点から
5.GFR測定法
4章 糖尿病性腎症の治療
1.血糖値コントロール
2.血圧管理
3.脂質管理
4.蛋白制限食
5.心腎連関からみた管理
6.ネフローゼ症候群の治療
7.保存期腎不全の治療
8.透析療法
9.腎移植
10.膵腎同時移植
11.新しい治療―臨床試験,大規模スタディの進んでいる治療法
12.プロレニン活性化阻害による治療
13.血管新生抑制による治療
5章 糖尿病性腎症のremission,regression
1.早期腎症
2.顕性腎症
索引