新・心エコーの読み方,考え方 改訂4版
羽田勝征 著
B5判 404頁
定価15,400円(本体14,000円 + 税)
ISBN978-4-498-03789-2
2018年08月発行
在庫あり
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新・心エコーの読み方,考え方 改訂4版
羽田勝征 著
B5判 404頁
定価15,400円(本体14,000円 + 税)
ISBN978-4-498-03789-2
2018年08月発行
在庫あり
心エコー図の読み方を,著者の経験をもとに実践的に解説した書の改訂第4版.心エコーの所見の読影はArtであり,知識と経験が大事である.一方で,読影には思い込みや錯覚が混入し,常に誤読の危険性がはらんでいる.本書では,臨床の現場での読影の「勘」を読者が養うことができるよう,陥りやすい誤りを示し,診断のための考え方とポイントを多数の図を使って示した.情報を集め,正解を見極める洞察力が身に付く1冊である.
著者略歴
羽田勝征 はだ よしゆき
1972 東京大学医学部卒業
1972 東大医学部附属病院内科にて研修
1974 三井記念病院外勤
1975 東大医学部附属病院第二内科非常勤医
1978 アメリカノースカロライナ大学循環器科
1980 東大医学部附属病院第二内科助手
1987 中央鉄道病院(現JR東京総合病院)循環器内科部長
1990 東大医学部附属病院非常勤講師
1995 JR東京総合病院副院長
2004 榊原記念クリニック
埼玉医科大学総合医療センター心臓内科客員教授
日本超音波医学会功労会員,日本心臓病学会功労会員,
日本心エコー図学会名誉会員
改訂4版の序
私が心音図研究室に入局した当時は患者を見る,聴く,触る,の診療が大きな比重を占めておりました.Mモード法が導入され始めた頃で,その後,断層法,パルス・連続ドプラー法,カラードプラー法と発展していく過程で心エコーを中心とした診断学を学びました.今日,若い先生方は“考える”ことが苦手なようです.physical examinationに限らず,心エコー所見の読みもart(医術=経験で習得する技)です.すべての読影は知識と経験によるものです.しかし,読影には思い込み,ときには錯覚が混入します.裸の真実は存在しません.画像診断は読みがすべてで,計測と理屈は後からです.
数多くの症例からデータを集めて統計的分析により複雑な事象の中に共通性,有意性,相関性,あるいは方向性を見出すのが研究です.新しい論文は知識と視野を広げ,日頃の経験不足や不勉強を補い,独断を修正し,また,疑問を一気に解決させます.目から鱗です.論文を読んだ後は同じ所見でも見る目が変わります.しかし,自らの経験とはどうしても相容れない論文や新たな疑問が生じてくる論文があります.研究の集大成とも言えるガイドラインはワーキンググループが古今東西の研究成果を取捨選択し,各メンバーの経験を加味した最大公約数的意見をまとめたものです.ガイドラインが最良の医療を保証するものではありません.論文にも限界があります.思い込みは経験だけでなく研究にも生じるからです.論文は鵜呑みにするものではなく,批判的に読むものです.エビデンスやガイドラインは絶えず軌道修正され,医学はつねに進歩し続けています.
本書は“心エコーを中心とした臨床心臓病診断学”を目指したものです.若い先生方やソノグラファーの方々には自らの経験を大切にしつつ,データと論理のみではわりきれないエビデンスを学んでいただきたいという思いです.経験はいかなる論文よりも重みを持つことがあります.読者には診療と研究,両者の面白さを学びながら,知的好奇心と探究心を深め,チャレンジ精神を発揮していただきたいと願っております.情報と知識は異なります.情報を見極めるのは経験に裏付けされた知識,および洞察力です.生体は不確実性の塊です.これは臨床医学の醍醐味でもあります.“たった一拍にて人の一生を決めてはならない”はBurch先生の言葉です.医療は複雑系の偉大なる産物,崇高な生命を扱っている(中田 力.穆如清風—複雑系と医療の原点.医事新報社)ことを忘れてはなりません.
改訂4版でも関東中央病院の原田 修ソノグラファーには説得力のある,すばらしい画像を提供していただきました.感謝しております.
2018年7月吉日
榊原記念クリニック埼玉医科大学総合医療センター 羽田勝征
序
本著執筆の目的は著者の経験を若い先生方やソノグラファーに伝えること,であります.3年間の連載をそのまままとめて2000年に出版した旧著の内容はあまりにも古くなっておりました.改訂のつもりが最終的には書き直す結果となった次第です.
患者を前にして何をまず先に考えるか,何が否定できるか,から診療は始まります.知らなければ重大な誤診を招きますが,知っていても誤まることはあります.多くは“思い及ばず”です.教科書や文献は鑑別診断までは教えてくれません.心不全としては心拍数が速くない,息切れが強い割には心電図変化が乏しい,雑音があるのでとても虚血性心疾患とは思えない……などの印象は大切な情報です.これらはエビデンスではなく,日頃の経験で学ぶものです.多忙な診療と不確定要素の多い情報の中で選択と決断を迫られる毎日であります.“勘”も必要です.臨床医学の常です.心エコーも然りです.数値だけで診断できるものではありません.どの所見を重視して何を無視するか,臨床像,他の検査との対比を繰り返しつつ,心エコーの読みを深めるべきです.これが経験です.
本著は心エコーの教科書を目指したものではありません.また,心エコーのすべてを網羅したものでもありません.内容は施設を代表した考え方ではなく,あくまでも“私個人の経験に基づく心エコーの読み方”です.単なる文献の紹介にはしたくありませんでした.文献を踏まえた常識的記載に心がけたつもりですが,経験不足,経験の偏り,勘違い,文献漏れ,等,はありそうです.校正が終わって読み直しても,著者の勉強不足や記述不足を痛感しています.
優秀なソノグラファーの観察はさすがに豊富です.学ぶことは多々ありました.著者が初めて知ったことでも彼らはすでに気づいていることがあります.医者とのコミュニケーションが不充分なために読影に充分活かされていないことを痛感しています.心エコーはもっと活用すべきです.それだけの情報がまだ埋もれております.
本著はその後10年の私の経験を踏まえたつもりです.心エコーに従事する若い方々の経験不足を補うものになれば望外の喜びです.
締切りのない執筆でいつになるかわからなかった著書がやっと出版できたのは,中外医学社の荻野邦義,上村裕也,両氏の叱咤激励と迅速な編集によるところが大でした.改めて謝意を表します.
2009年3月吉日
羽田勝征
目次
CHAPTER 1 心エコーを診療に活かす
A.病態に応じた心エコー図検査の適応と依頼
B.身体所見の考え方
C.胸部X線写真との対比
D.心電図との対比
E.依頼と報告書の書き方
CHAPTER 2 正常像を学ぶ
A.心エコー図所見
[1]Mモードエコー法をいかに利用するか
[2]左室の大きさと壁運動
[3]壁厚の求め方
[4]高齢者でみられる中隔上部の突出(S字状中隔)
[5]乳頭筋
[6]僧帽弁動態と腱索
a) 鞍型を呈する僧帽弁輪
b) 非病的SAM(僧帽弁の収縮期前方運動)
c) 弁輪石灰化(MAC,MRC)
[7]大動脈弁
[8]ランブル疣腫とストランド
[9]心膜エコー,エコーフリースペース,および心外膜脂肪
[10]左室流出路と大動脈
a) 左房背方の下行大動脈
b) 腹部大動脈
c) 腸骨動脈と大腿動脈
[11]左房と左心耳
[12]肺静脈隔壁
[13]心房中隔領域: 卵円窩,卵円孔開存,心房中隔瘤
[14]右室と右房
[15]静脈洞弁とChiari's network
[16]三尖弁
[17]右室流出路と肺動脈,肺動脈弁領域
[18]冠静脈洞
[19]下大静脈
[20]右側内頸静脈
[21]肝静脈
B.カラードプラー所見
[1]流入血ドプラー
[2]組織ドプラー(TDI)の記録
[3]正常者駆出血ドプラー
a) 左室流出路と大動脈弁口部ドプラー
b) 右室流出路と肺動脈弁口部ドプラー
[4]肺静脈血流ドプラー
[5]健常者の弁逆流ドプラー
CHAPTER 3 心機能障害と心不全を理解する
A.心不全とは
B.収縮機能の評価
[1]Mモード法による駆出率(Teichholz法)と左室内径短縮率
[2]断層法による駆出率(シンプソン変法)
[3]systolic time intervals(STI)
[4]心拍出量(CO)
[5]EPSS(E point septal separation)
[6]peak dP/dt
C.右心機能の評価
D.駆出率の保たれた心不全(HFpEF)
E.拡張機能の評価
[1]Mモードエコー法による評価
a) 僧帽弁エコー図によるB-B'ステップ
b) 左室後壁の拡張早期スロープ
c) 僧帽弁エコーの拡張期後退速度(DDR)
[2]ドプラー法による評価
a) 僧帽弁流入ドプラー
b) 拡張中期“L”波
c) 肺静脈血流ドプラー
d) 肺動脈弁逆流ドプラー
e) Mモードカラーによる左室流入血流伝播速度(FPV)
f) 組織ドプラーE/e’(E/E’)
[3]左房容積と左房径
F.Tei index
G.ストレインイメージング
H.三次元心エコー法
I.負荷心エコー図法
CHAPTER 4 虚血性心疾患を見落とさない
A.冠動脈ドプラー
[1]左右冠動脈起始部(#5,6,#1)
[2]左前下行枝遠位部(#7,8付近)
[3]中隔枝
[4]左回旋枝(#14,15の遠位部)
[5]右冠動脈遠位部の後下行枝(PDA)
B.壁運動異常の検出
[1]前下行枝(LAD)領域
[2]左回旋枝(LCX)領域
[3]右冠動脈(RCA)領域
C.虚血によらない壁運動異常
D.急性冠症候群
E.たこつぼ心筋症
F.脳血管障害の心電図異常と心筋障害
G.虚血性心筋症(ICM)
H.心筋梗塞による心不全と合併症
[1]左室内血栓
[2]僧帽弁閉鎖不全
[3]自由壁の破裂と心タンポナーデ
[4]心室中隔穿孔
[5]右室梗塞
[6]心室瘤,仮性心室瘤,心外膜下心室瘤
[7]心筋内出血,血腫,およびその破裂
I.冠動脈粥状硬化によらない冠動脈疾患
CHAPTER 5 心肥大と肥厚を評価する
A.高血圧と心肥大
B.高血圧と心機能
C.肥満と心不全
D.スポーツ心
CHAPTER 6 弁膜症を診る
1.総論
A.心房細動の有無を明らかにする
B.逆流シグナルと弁膜症を使い分ける
C.病歴と身体所見を重視する
D.自分なりの“逸脱”をはっきりさせる
E.弁接合部は“浅いか深いか”を見る
F.軽度の弁逆流でも重視すべきもの
G.逆流シグナルは“偏位するか否か”を見る
H.弁逆流は“原因か結果か”を考える
I.弁のMモードエコー
J.逆流の半定量化
K.弁膜症定量化の問題
L.逆流のピーク流速と時相
M.手術の適応
2.僧帽弁膜症
A.僧帽弁狭窄(MS)
[1]弁口面積の算出
[2]僧帽弁狭窄に合併する僧帽弁閉鎖不全
[3]経皮的僧帽弁交連裂開術(PTMC)
[4]僧帽弁狭窄症の手術適応
[5]弁形成術後僧帽弁狭窄
B.僧帽弁閉鎖不全(MR)
C.器質的僧帽弁閉鎖不全
[1]リウマチ性
[2]逸脱
[3]腱索断裂
[4]僧帽弁逸脱症候群
D.機能性僧帽弁閉鎖不全
[1]tethering MR
[2]弁輪拡張によるMR: atrial functional murmur
[3]Burchの乳頭筋不全症候群
E.薬剤性弁膜症
F.その他の僧帽弁閉鎖不全
[1]PTMC後例
[2]僧帽弁形成術・弁輪縫縮後例
[3]先天性僧帽弁クレフト
[4]パラシュート僧帽弁
[5]弁輪石灰化
[6]伝道障害時の僧帽弁逆流
[7]拡張期の僧帽弁逆流
G.僧帽弁閉鎖不全の重症度評価と定量化
H.手術適応
[1]急性の僧帽弁閉鎖不全
[2]慢性器質的僧帽弁閉鎖不全
[3]機能性(tethering)僧帽弁閉鎖不全
3.大動脈弁膜症
A.大動脈弁狭窄(AS)
[1]硬化・変性による狭窄
[2]大動脈二尖弁
[3]リウマチ性狭窄
[4]狭窄の重症度評価
[5]低圧・低流量の大動脈弁狭窄
[6]臨床像,心カテーテル,心エコードプラー所見の不一致
[7]楽音様雑音と大動脈弁狭窄
[8]合併する僧帽弁閉鎖不全と大動脈弁閉鎖不全の評価
[9]S字状中隔,閉塞性肥大型心筋症,discrete型弁下狭窄,左室中部閉塞との鑑別,あるいは合併の診断
[10]弁置換の適応
[11]経カテーテル大動脈弁留置術,または置換術(TAVI or TAVR)
B.大動脈弁閉鎖不全(AR)
[1]成因
[2]急性大動脈弁閉鎖不全
[3]大動脈弁の形態
[4]大動脈径の計測
[5]弁逆流の方向
[6]左室流出路病変の検索
[7]左室径
[8]半定量化
[9]合併する僧帽弁逆流の評価
[10]手術適応
4.三尖弁と肺動脈弁膜症
A.三尖弁疾患
[1]機能性三尖弁逆流
[2]器質的三尖弁逆流
[3]high pressure(高圧)TRとnormal pressure(正常圧)TR
a) 高圧三尖弁閉鎖不全
b) 正常圧三尖弁閉鎖不全
[4]三尖弁閉鎖不全の手術適応
[5]三尖弁狭窄
B.肺動脈弁と肺動脈の疾患
[1]肺動脈弁狭窄と弁上狭窄
[2]肺動脈弁閉鎖不全
[3]特発性肺動脈拡張症,特発性肺動脈瘤,および肺動脈分枝狭窄
5.人工弁
A.種類
B.paravalvular leak(PVL)とdetachment
C.弁機能障害と血栓弁stuck valve
[1]僧帽弁位人工弁
[2]大動脈弁位人工弁
[3]三尖弁位人工弁
D.弁の透視
E.patient-prosthesis mismatch(PPM)の問題
F.術後心機能の評価
G.僧帽弁置換術後の三尖弁閉鎖不全
H.大動脈弁置換術後の弁下狭窄
I.弁輪部膿瘍と瘤
6.感染性心内膜炎
A.基礎疾患
B.診断の進め方
[1]疣腫
[2]塞栓症
[3]感染性動脈瘤
[4]逆流性雑音
[5]腱索断裂
[6]弁瘤と穿孔
[7]弁輪部膿瘍,仮性瘤と解離・破裂
[8]心室中隔膿瘍・解離
[9]乳頭筋不全と断裂
[10]弁狭窄
[11]特殊な病態
C.他科を受診する感染性心内膜炎
D.手術の適応
CHAPTER 7 心房細動に注意する
A.心房細動の有無を知る
B.左房内血栓と脳塞栓
C.心房細動と弁逆流: もう一つの機能性僧帽弁閉鎖不全
D.心房細動と肝静脈ドプラー
E.心房細動例の心機能評価: 定量化の問題
F.心房細動と心不全
G.心房細動と拡張障害
H.心房細動と徐脈
CHAPTER 8 大動脈疾患を捉える
A.Valsalva洞瘤と破裂
B.胸部大動脈瘤と解離
[1]偽腔
[2]大動脈弁閉鎖不全
[3]intimal flap(内膜剥離)
[4]大動脈弁輪部膿瘍
C.腹部大動脈瘤と解離
[1]偽腔閉塞型解離
[2]PAU(penetrating atherosclerotic ulcer)
[3]ULP(ulcer-like projection)
D.感染性動脈瘤
E.炎症性大動脈瘤
F.大動脈縮窄
CHAPTER 9 先天性心疾患を知る
A.Eisenmenger症候群
B.心房中隔欠損症
[1]短絡シグナルの検出
[2]肺高血圧の評価と肺動脈弁狭窄の有無
[3]僧帽弁逸脱の合併
[4]経食道エコー図検査の意義
[5]閉鎖術の適応
[6]卵円孔開存(PFO)
[7]冠静脈洞型心房中隔欠損症
C.房室中隔欠損症
D.心室中隔欠損症
[1]合併症
[2]閉鎖術の適応
E.左室・右房短絡
F.動脈管開存症
G.Fallot四徴症
H.漏斗部狭窄
I.右室二腔症
J.修正大血管転位症
K.Ebstein奇形
L.その他の稀な先天奇形
[1]discrete型大動脈弁下狭窄
[2]大動脈弁上狭窄
[3]心房中隔瘤
[4]左上大静脈遺残
[5]冠動脈奇形
[6]心室憩室,およびcrypt
[7]僧帽弁副組織
[8]三心房心
[9]心房内・心室内band,索状構造物,筋束
[10]左心耳瘤
[11]僧帽弁奇形
CHAPTER 10 心筋疾患を診断する
A.非対称性中隔肥大(ASH)
B.閉塞性肥大型心筋症(HOCM)
[1]SAM(僧帽弁の収縮期前方運動)
[2]圧較差の評価
[3]合併する僧帽弁閉鎖不全の成因
[4]ピーク流速と波形による流出路狭窄,僧帽弁逆流の識別
[5]頻脈性不整脈の合併
[6]右室内狭窄の合併
[7]感染性心内膜炎の合併
[8]治療
[9]弁下狭窄をきたすその他の疾患と病態
a) S字状中隔
b) LVH with dynamic obstruction
c) 僧帽弁形成術後,あるいは経カテーテルによる僧帽弁留置後に出現する弁下狭窄
d) hypertensive hypertrophic cardiomyopathy
e) dynamic obstructionを惹起する薬剤と病態
f) discrete型大動脈弁下狭窄
g) 大動脈弁置換術後の弁下狭窄
C.左室中部閉塞型心筋症(MVO)
D.心尖部肥大型心筋症(APH)
E.拡張相肥大型心筋症
F.拡張型心筋症(DCM)
[1]緻密化障害(LVNC)
[2]頻脈誘発性心筋症
G.拘束型心筋症(RCM)
H.不整脈原性右室心筋症
I.二次性心筋症とその他の心筋障害
[1]心アミロイドーシス
[2]心サルコイドーシス
[3]ヘモクロマトーシス
[4]筋ジストロフィー
[5]ライソゾーム病
a) 心Fabry病
b) ムコ多糖代謝異常症(MPS)
c) 糖原病
[6]膠原病と心病変
[7]急性心筋炎
[8]その他の心筋障害
a) ミトコンドリア心筋症
b) 末端肥大症に見られる心筋症
c) 甲状腺機能亢進症による心筋障害
d) Chagas病
e) 薬剤性心筋症害
f) 放射線照射と心血管障害
CHAPTER 11 心膜疾患を究める
A.急性心膜炎
[1]心膜液とエコーフリースペース
[2]心膜液の分布
[3]X線CT,MRIの重要性
[4]急性心膜炎の診断
[5]心筋障害後症候群
[6]急性心膜炎のフォロー
B.開心術後の心膜液貯留
C.心タンポナーデ
D.慢性心膜炎
E.収縮性心膜炎(CP)
[1]臨床像
[2]心膜癒着・肥厚の評価
[3]心エコードプラー検査による診断
[4]組織ドプラーの利用
[5]dip and plateau所見
[6]収縮性心膜炎と紛らわしい,あるいは診断を難しくする病態
[7]心房中隔欠損症の合併
[8]開心術後の収縮性心膜炎
[9]一過性収縮性心膜炎
[10]拘束型心筋症との鑑別
[11]手術適応
F.限局性心膜炎
G.浸出性収縮性心膜炎
H.心膜血腫
I.心膜嚢胞
J.心膜欠損
CHAPTER 12 肺高血圧と肺血栓塞栓症を見逃さない
A.肺高血圧の原因
[1]Eisenmenger症候群
[2]肺性心
[3]肺動脈性肺高血圧症
[4]肺動脈血栓塞栓症
[5]左心疾患,高心拍出量症候群に伴う肺高血圧症
[6]肺静脈閉塞性疾患(PVOD)/肺毛細血管腫症(PCH)
[7]pulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTMA)
B.心エコー図所見
[1]肺動脈弁エコー
[2]ドプラー所見
CHAPTER 13 血栓・血腫・腫瘍を鑑別する
A.血栓
[1]左房内血栓
[2]左室内血栓
[3]右心の血栓
[4]動脈内・静脈内血栓
B.非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)
C.血腫
D.腫瘍
[1]良性腫瘍
a) 粘液腫
b) 乳頭状線維弾性腫
c) 線維腫
d) 横紋筋腫
e) 血管腫
f) 心房中隔の脂肪腫様肥大
g) 嚢胞
h) 血液嚢腫
i) その他
[2]悪性腫瘍
a) 肉腫
b) 悪性リンパ腫
c) 悪性中皮腫
d) 転移性腫瘍
E.鑑別を要するその他の腫瘤
[1]inflammatory(myofibroblastic)pseudotumor
[2]大きい弁輪石灰化と乾酪化
[3]calcified amorphous tumor(CAT)
[4]inverted left atrial appendage
[5]心外性腫瘤
CHAPTER 14 誤認はなぜ起こるのか
A.誤認とは何か
B.誤認の実例
CHAPTER 15 心エコー上達への道
[1]知的好奇心と探求心を欠かさない
[2]ルチン検査で正常像を学ぶ
[3]ドプラー検査と計測は最後にする
[4]検査中の心電図所見に留意する
[5]求めた数値・計測値の妥当性を考える
[6]グループ内,施設内で討論する
[7]自分の判断・診断に対して問題点を残しておく,また,結果を知る
[8]説得力のある記録に徹する
[9]講習会,研究会,学会に発表,参加する,そしてまとめる
[10]教科書と文献検索: 他人の経験とEBMを学ぶ
[11]心エコー図検査の前に考える
[12]1拍保存・1拍計測の限界を知る
索引
執筆者一覧
羽田勝征 榊原記念クリニック 埼玉医科大学総合医療センター 著
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