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書籍詳細

腎臓病 専門医にきく最新の臨床

腎臓病 専門医にきく最新の臨床

御手洗哲也 他編

B5判 238頁

定価5,940円(本体5,400円 + 税)

ISBN978-4-498-12414-1

2002年07月発行

在庫なし

腎臓病の診療に必須の知識,臨床の場で遭遇しうる疑問点を,教科書的ではなくQ&Aによりプラクティカルに解説した書.それぞれの質問に対して各専門家が自身の考え、診療方針をともに簡潔かつ具体的に述べている.



 本書は,臨床実習に向かう医学生をはじめ,臨床研修医,あるいは腎疾患の診療に関わる内科医が,腎臓病に関する最近の知見を整理し,臨床上の問題点を解決する道具となるよう企画された.
 一般的に教科書は,明確な事実や概念を中心に記載されており,医学生が基礎知識を習得するためには充分である.ところが,学生の臨床実習に始まり,臨床研修医,あるいは内科医として実際に臨床の現場に立った時には,教科書の知識では充分な対応ができない.日本腎臓学会誌をはじめ腎臓関連学会の学会誌は,研究論文が中心であり,臨床上の問題に対して即座に解決策を与える事を意図していない.その狭間を腎臓に関する商業誌が,腎臓病学のトピックを捉えた特集で,最新知識の整理するのには役立っているが,ベッドサイドで患者の診療に役立つものとは言えない.
 中外医学社は,臨床の現場の問題解決を支援する本として,「Q&A方式で専門医に聞くシリーズ」を出版している.そこで,このシリーズの一つとして,本書が企画された.本書では,腎疾患の診療に関係する最近の知識を整理し,現時点での最も適切な考え方や対処法を導く様々な臨床的疑問を設定して,その分野を得意とする腎専門医に解説してもらった.さらに,基礎腎臓学の最近の動向に関する質問を設定し,各研究分野のリーダーにお願いして,やさしく回答して頂き,「基礎的知見の進歩」として,巻末にまとめた.
 本書は,腎疾患診療の網羅的なハウ・ツー本ではない.主要症候・検査,各種の腎疾患,腎疾患治療法などの各々の項目に関して,ベッドサイドで最近の知識や現時点での考え方を整理し,診療に役立つように質問を設定した.重要であるが現時点で答えが出ていない質問など,専門家にとって答え難い質問も多数含まれている.このような,大それた企画と編集に協力して頂いた方々,および,ご執筆頂いた諸先生に対し,この場を借りて深謝するとともに,本書が臨床の現場で活用され,読者に資すること,そして腎疾患診療の質の向上に役立つことを願っている.

2002年4月
御手洗 哲也
秋葉 隆

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目 次

§1.主要症候・検査法
  1.検尿異常(蛋白尿・血尿)の取り扱い方
  2.尿潜血反応と尿沈渣所見の乖離
  3.体液量調節異常
  4.混濁尿の鑑別診断
  5.酵素法によるクレアチニンの測定
  6.蛋白尿のSelectivity Index
  7.腎超音波検査の進歩
  8.泌尿器科内視鏡診断法の進歩
  9.核医学検査の進歩
  10.腎,尿路のCT検査
  11.腎,尿路系MRI検査
  12.腎生検からの組織情報

§2.糸球体疾患
  1.糸球体疾患の分類上の問題点
  2.腎炎と腎症の定義
  3.ネフローゼ症候群を呈する急性溶連菌感染後糸球体腎炎
  4.IgA腎症に対するステロイド療法の適応
  5.IgA腎症に対するステロイド療法
  6.IgA腎症に対する免疫抑制薬
  7.non-IgAのメサンギウム増殖性糸球体腎炎の治療
  8.急速進行性糸球体腎炎症候群の診断
  9.ネフローゼ症候群の治療反応性の予測
  10.治療抵抗性微小変化型ネフローゼ症候群
  11.原発性巣状糸球体硬化症のvariant
  12.膜性増殖性糸球体腎炎
  13.膜性腎症の原因疾患
  14.ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対する免疫抑制薬療法

§3.続発性腎疾患
  1.糖尿病性腎症の発症予防
  2.ANCA関連腎症の治療法
  3.抗糸球体基底膜抗体腎炎の治療
  4.ループス腎炎に対する腎生検診断
  5.MRSA関連腎炎
  6.HCV腎症,HBV腎症の治療
  7.HELLP症候群の病態と治療
  8.免疫グロブリン関連腎症の分子機構
  9.代謝異常に伴う尿路結石の成因と治療
  10.嚢胞性腎疾患(多発性嚢胞腎)の遺伝子診断

§4.遺伝性腎疾患
  1.Alport症候群の診断
  2.Alport症候群の治療
  3.糸球体菲薄基底膜病の診断
  4.リポ蛋白糸球体症の診断

§5.血管病変による腎障害
  1.血管炎関連疾患の病因
  2.高齢者の腎梗塞
  3.溶血性尿毒症症候群の治療
  4.薬物による血栓性細小血管症
  5.高血圧性腎障害と動脈硬化性腎硬化症
  6.腎血管性高血圧症の診断と治療
  7.慢性腎静脈血栓症の診断

§6.尿細管・間質疾患
  1.尿細管間質障害の臨床的評価
  2.薬剤性腎障害の原因薬物
  3.鎮痛薬による腎乳頭壊死の診断
  4.逆流性腎症の内視鏡的治療
  5.間質障害による二次的糸球体病変

§7.水・電解質代謝と尿細管機能異常症
  1.水チャネル,バソプレシン・バソプレシン受容体の解明
  2.低Na血症の治療指針
  3.高Ca血症の治療指針
  4.リン代謝調節系とその異常
  5.尿細管性アシドーシスの鑑別
  6.Gitelman症候群の診断
  7.腎性糖尿の予後

§8.急性腎不全
  1.急性腎不全の成因
  2.急性腎不全の予防
  3.急性腎不全患者の透析開始基準
  4.妊娠に伴う腎皮質壊死の発症機序

§9.保存期慢性腎不全
  1.進行性腎障害患者の降圧目標値
  2.保存期慢性腎不全の貧血管理
  3.保存期腎不全患者の副甲状腺ホルモン濃度
  4.腎不全の進行速度予想

§10.腎疾患の治療法
  1.慢性進行性腎疾患における食事療法
  2.ステロイド療法の指針
  3.血漿交換療法・吸着療法の適応
  4.サイアザイド系利尿薬
  5.腎疾患に対する漢方薬
  6.腎機能障害者に対する腎排泄系薬物の投与法
  7.抗AGE薬による腎疾患の治療

§11.基礎的知見の進歩
  1.糸球体基底膜の透過性亢進とネフリン
  2.IgA腎症の成因と病因抗原
  3.腎疾患におけるフリーラジカル・活性酸素の関与
  4.腎疾患における補体・補体制御因子の関与
  5.腎疾患におけるTh1/Th2バランス異常
  6.腎疾患とエンドセリン,NOの関与
  7.腎疾患とアポトーシス
  8.糸球体障害の修復機転
  9.半月体の形成と修復
  10.上皮型アミロイド感受性Naチャネルの最近の知見
  11.腎におけるCa-sensing receptor
  12.ナトリウム利尿のペプチドファミリー
  13.腎臓病におけるシグナル伝達の解析
  14.トレランス誘導療法
  15.透析時間・頻度の決定法

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