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書籍詳細

自動家系図作成ソフト「f-tree®」で学ぶ臨床遺伝学

自動家系図作成ソフト「f-tree®」で学ぶ臨床遺伝学

〜遺伝診療からゲノムコホート研究まで〜

福島明宗  監修 / 徳富智明  編集

A5判 144頁

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-00850-2

2016年03月発行

在庫あり

付属のソフトがインストール出来ない場合、下記より(外部サイト)インストールしてください。

https://holonic-systems.com/f-tree/

お手数をお掛けしまして申し訳ございません。

はじめに

 家系図とは何でしょう? また何のためにあるのでしょう?
 インターネット無料百科事典であるWikipediaによる「家系図」項では,その最初の部分に,家系図とは「特定の家の家督相続の継承の系統(家系)を記した系図」とあります.すなわち一般社会での「家系図」の認識は,たとえば徳川幕府の系譜図,あるいはご自分の家の系譜図ということになります.実際,インターネットで「家系図」と検索をかけると数多くの「家系図作成」サイトがヒットしますが,そのほとんどがこの系譜図に関するものです.
 さてこれから本書にて解説していく「家系図」はこのような系譜図とは異なり,生命科学において使用する「家系図」のことです.近年「家系図」は単一遺伝子疾患のみならず,家族性腫瘍や生活習慣病などの診療においても重要な役割を演じるようになってきております. 今後ゲノム解析法がいかに進歩しても,医療における家系図の役割は減るどころか益々増すばかりです.
 ところでこの医療用家系図ですが,書き方がわからない,書き方はわかるが上手く綺麗に作成できないなどの問題に悩まれてはいないでしょうか? 家系図の標準的記載方法は1995年の米国人類遺伝学会誌にて報告され,その後世界共通のルールとして採用されております.しかし初心者にとって,これら作成ルールのすべてを記憶することは難しいかもしれません.また家系図作成に慣れた方でも短時間で思い通りに作成することに日々苦心されていることと推察いたします.
 家系図作成に関するこれらの問題を解決すべく,このたび国際共通ルールに100%準拠し,しかも必要情報を入力するだけで自動的に家系図を作成するソフトウエア「f-tree®」を開発いたしました.この家系図自動作成ソフト「f-tree®」は,遺伝学的専門知識を必要とせず,多量の家系図情報の迅速な処理と実用に耐えうる正確な家系図作成を実行可能とした,従来の家系図作成ソフトにはない優れた特徴があります.またf-tree®は広く多くの方々にお使いいただけるようにWindows,Mac 両OSに対応し,しかも日本語版および英語版両バージョンを作成いたしました.
 本書はソフトウエアとしてのf-tree®の使い方のみならず,ゲノム各領域における家系図の役割や利用法の解説も併せて記載し,家系図自体への理解も深めていける内容になっております.
 f-tree®はfamily treeからの命名かと思われたかもしれませんが,実は日本の山々の多種多様で豊富な木々を眺めているうちにいろいろな家族に思いを馳せて思いついた名称です.本書を活用し,f-tree®を自在に操ることで,日々のゲノム医療・研究のお役に立つことができれば幸いです.
 家系図をこよなく愛する気持ちから作られたf-tree®をどうぞご愛用ください.

2015年12月
岩手医科大学医学部臨床遺伝学科教授 福島明宗

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添付CD-ROMについて

 このCD-ROMには自動家系図作成ソフト「f-tree® ver.2.0」をインストールするために必要なファイルと本書で用いるサンプルファイル(サンプルファイルの読込みは,p.78参照)が含まれています.
 f-tree® ver.2.0は事前にAdobe AIR®とAdobe Acrobat Reader DC®をインストールすることにより,同一のプログラムでWindowsおよびMacintoshのどちらでも動作可能です(対応OS:Windows 7, 8, 10およびMac OS X).詳細なインストール方法は第5章を参照して下さい.
 バージョンアップなどの案内は,有限会社ホロニック・システムズ(www.holonic-systems.com/f-tree/)および岩手医科大学附属病院臨床遺伝科(www.iwate-med.ac.jp/hospital/clinics/medical/m26/)のホームページ上にて行っています.
 質問,要望などは中外医学社編集部のメールアドレス(f-tree☆chugaiigaku.jp)にお寄せ下さい.すべてのメールに回答することはできませんが,可能な範囲でお答え致します.問い合わせの頻度の高い質問についてはホームページにFAQとして掲載しますのでご覧下さい.

Frocessing
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 Frocessingはいかなる種類の保証なしで提供されていることに注意してください.
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 オリジナルコードはBruno Lowagieによって書かれたiTextです.iTextは無料のJAVA-PDFライブラリ(バージョン4.2)です.
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アイコン画像
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 BlowFishKey,DESKeyとTripeDESKeyはBouncy Castle Crypto Package(www.bouncycastle.org)の派生品です.CopyrightⒸ2000-2004 The Legion Of The Bouncy Castle
Base64 is copyrightⒸ2006 Steve Webster (dynamicflash.com/goodies/base64))

 ソースコード形式かバイナリ形式か,変更するかしないかを問わず,以下の条件を満たす場合に限り,再頒布および使用が許可されます.ソースコードを再頒布する場合,上記の著作権表示,本条件一覧,および下記免責条項を含めること.バイナリ形式で再頒布する場合,頒布物に付属のドキュメント等の資料に,上記の著作権表示,本条件一覧,および下記免責条項を含めること.書面による特別の許可なしに,本ソフトウェアから派生した製品の宣伝または販売促進に,著作者の名前またはコントリビューターの名前を使用してはならない.
 本ソフトウェアは,著作権者およびコントリビューターによって「現状のまま」提供されており,明示黙示を問わず,商業的な使用可能性,および特定の目的に対する適合性に関する暗黙の保証も含め,またそれに限定されない,いかなる保証もありません.著作権者もコントリビューターも,事由のいかんを問わず, 損害発生の原因いかんを問わず,かつ責任の根拠が契約であるか厳格責任であるか(過失その他の)不法行為であるかを問わず,仮にそのような損害が発生する可能性を知らされていたとしても,本ソフトウェアの使用によって発生した(代替品または代用サービスの調達,使用の喪失,データの喪失,利益の喪失,業務の中断も含め,またそれに限定されない)直接損害,間接損害,偶発的な損害,特別損害,懲罰的損害,または結果損害について,一切責任を負わないものとします.


※本WEBサイト上では文中の@を☆へ変換し記載しております。

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目次

はじめに
添付CD-ROMについて
第1章 家系図の重要性〈福島明宗〉
第2章 家系図記載の国際的ルール〈徳富智明〉
  1.標準化の流れ
  2.家系図に用いる一般的な記号
  3.関係線など
  4.生殖補助医療に関する記号
  5.遺伝学的評価および検査情報に関する記号
第3章 家族歴の聴取の仕方と遺伝カウンセリングにおける
聴取のポイント〈山本佳世乃〉
  1.家族歴聴取の必要性と家系図について説明する
  2.血縁者の構成を聴取する
  3.基本項目の聴取と“Focused question”を適切に行う
  4.遺伝性疾患とメンデル遺伝学〈三浦史晴,徳富智明〉 
  5.常染色体優性遺伝形式〈三浦史晴〉 
  6.常染色体劣性遺伝形式(小林由美子) 
  7.X連鎖性遺伝形式
    手書きに挑戦─失敗しない家系図の上手な書き方─
  8.家系図聴取の心理・社会的留意点
    亡くなっている血縁者に対して
    罹患者マークの塗り方について
    離婚したパートナーについての情報
    流産・死産について
    人工妊娠中絶について
  9.家系図の秘匿性
第4章 問診のチェック項目と折りたたみ式問診票〈徳富智明〉
  1.問診のチェック項目
  2.折りたたみ式問診票「f-sheet」
第5章 自動家系図作成ソフトの基本的な使い方
         〈福島明宗,清水厚志,番匠康司,山本佳世乃,八谷剛史,徳富智明〉
  1.動作環境
  2.インストール
  3.操作画面
  4.基本的な家系情報の入力
  5.家系図の表示
  6.データの保存と読込み、新規作成
  7.家系図画像の保存
  8.双子の入力
  9.その他の属性等の入力
第6章 「f-tree® ver.2.0」搭載の新機能と一つ上の使い方
           〈徳富智明,番匠康司,福島明宗,清水厚志,山本佳世乃〉
  1.新規に搭載された機能の概要
  2.複数個体の入力
  3.複数罹患の入力
  4.家族歴不明の入力
  5.ドナー等の入力
  6.養子の入力
  7.近親婚の入力
  8.不妊等の入力
  9.両親の離婚したパートナーと親権の入力
 10.斜体の表示
 11.パスワードの設定
 12.読み取り専用の設定
 13.罹患の塗潰し色の設定
 14.表示言語の設定
 15.一つ上の使い方
第7章 シナリオと練習問題〈福島明宗,山本佳世乃,徳富智明〉
  1.【シナリオM】マルファン症候群
  2.【シナリオF】
遺伝性非ポリポーシス性大腸がん(リンチ症候群)
  3.【シナリオP】フェニルケトン尿症
  4.【シナリオD】デュシェンヌ型筋ジストロフィー
第8章 ゲノムコホート研究における家系図の活用法〈八谷剛史,清水厚志〉
  1.ゲノムコホート研究とは
  2.多因子疾患と疾患例
  3.ゲノムワイド関連解析と遺伝子・環境因子相互作用解析
  4.疾患発症リスク予測モデル
  5.ゲノムコホート研究と多因子疾患における結果返却
  6.家系図を用いた発症リスクスコアの回付の展望

索 引

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執筆者一覧

福島明宗  岩手医科大学医学部 臨床遺伝学科 教授 監修
徳富智明  岩手医科大学医学部 臨床遺伝学科 准教授 編集
小林有美子 岩手医科大学医学部 臨床遺伝学科 助教 
清水厚志  岩手医科大学災害復興事業本部 いわて東北メディカル・ 
      メガバンク機構生体情報解析部門 特命教授 
八谷剛史  岩手医科大学災害復興事業本部 いわて東北メディカル・ 
      メガバンク機構生体情報解析部門 特命准教授 
番匠康司  有限会社ホロニック・システムズ 取締役 
三浦史晴  岩手医科大学医学部 臨床遺伝学科 非常勤講師 
山本佳世乃 岩手医科大学医学部 臨床遺伝学科 助教 

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