序
本書は,私が柔道整復師の専門学校で一般臨床医学の講義用に編纂した資料を基に作成した要点まとめ集です.生理学,病理学と同様に,一般臨床医学は人体に生じる内科的疾患を扱った分野である以上,その病態がどのように発生するのか,すなわち病態生理を深く理解することが重要です.
しかし一方で,限られた時間内で効率よく学習し,国家試験に合格しなければ専門学校に入学した意味がないのもまた現実です.昔は生徒達に膨大な知識量を教え込もうとしました.しかしそれがかえって何が基礎なのか分からなくさせるという不利益を生むことに気がつき,次第に内容を絞り,基礎中の基礎を繰り返し教え込む現在の方式に落ち着きました.その方が生徒達の知識の定着が良くなり,成績も安定しました.
そこで私は,最低限知っておくべき要点を絞りに絞ったまとめ集を,合格する上で完璧にマスターすべき一つの基準として生徒に利用してもらっています.本書はそのまとめ集をもとに編纂したものです.この内容だけで私の生徒達は一般臨床医学において,合格するに充分な成績を獲得し学校を巣立っています.本書の内容を基準として勉強してもらうことで,国試合格という大目標を見失うことなく一般臨床医学を深く学んで頂ければ幸いです.
2013年8月
永井恒志