3版の序
慢性腎臓病患者は成人の8人に一人とされており,どのような分野においても医療に従事する限り腎機能低下患者に薬剤を投与する機会は少なくない.薬剤は,腎機能低下時に用量調整が必要なもの,それ自体が腎機能に影響を与えるものなど,様々なものがあり,患者の状態に応じて適切に使用することが重要である.「腎機能低下時の薬剤ポケットマニュアル」は多くの先生方にご活用いただき,高い評価をいただいてきた.今回,次々に日常臨床の現場に使われるようになる新薬に関する記載を加え,また皆様のご要望に応じ適宜加筆・修正を行い,今回改訂第3版を上梓することができたのは望外の喜びである.
多忙な臨床業務の中,執筆に惜しみない労力を注いでくださった各病院の腎臓内科の先生方および薬剤部の先生方に心より感謝申し上げる.また,本書の作成においてご指導ご鞭撻をいただいた中外医学社編集部の稲垣義夫氏にも,この場を借りて深謝申し上げる.
本書は,日常臨床で忙しい先生方にご活用いただけるよう,実用性・使いやすさには格段の注意を払って作成した.ぜひ,皆様の臨床の場でご活用いただきたい.
2015年3月
南学正臣