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書籍詳細

EZRでやさしく学ぶ統計学 改訂2版

EZRでやさしく学ぶ統計学 改訂2版

〜EBMの実践から臨床研究まで〜

神田善伸 著

A5判 400頁

定価5,060円(本体4,600円 + 税)

ISBN978-4-498-10901-8

2015年04月発行

在庫なし(改訂3版 2020年10月刊行予定)

入門から実践まで
(無料統計ソフト)EZRはこの1冊でOK !

統計解析ソフトの雄“R”に快適な操作性を付加し,いまや無料臨床統計ソフトの定番として絶大な支持を集める“EZR”.その生みの親である著者自らが書き下ろした本書初版は,実践的な臨床統計学入門書の決定版として好評を博した.フルカラー化した改訂2版は,初版から約3年の間のEZRバージョンアップ等を踏まえ,全面的にリヴァイズを施した.

出版社からのコメント

■EZRが幅広く使用されるようになり,その解説書も他にも刊行されていますが,
 本家本元の本書はここ ↓ が違います! ぜひクリックして見本ページをご覧ください.


 ・「統計学の基礎」の解説の充実度が違う!
 ・「実際のEZRの操作法」の解説の充実度が違う!
 ・「統計解析」の解説の充実度が違う!
 ・「臨床研究のテクニック」の解説の充実度が違う!
 ・「Rの関数」の解説の充実度が違う!

改訂2版の序


 私がRを使い始めたのは2010年の秋のことでした。以前からRという無料統計ソフトが存在するということは聞いていましたが、実際にRに触れてみて、その拡張性に富んだ柔軟さと、なによりも世界中のRユーザーが無償の努力で新しい統計解析機能を追加するパッケージを開発し、維持し続けているということに感銘を受けました。そして、初心者にとってRの最大の壁であるスクリプト入力を、マウス操作で代用することができるRコマンダーというパッケージが存在すること、さらにそのRコマンダーを改変して解析機能を増やすことができることを知り、EZRの開発を決意したのは2010年の10月30日、富山の出張からの帰路、特急はくたかの車内です。それから慎重に解析結果を確認しながら解析機能を追加していって、β版を自治医科大学附属さいたま医療センターのホームページに公開したのが2011年の春頃だったように記憶しています(手元の記録に残っている限りでは2011年3月31日にβ版バージョン0.80を公開しています)。当時はまだEZRという名前もついていませんでした。その後、多くの方々からご意見をいただき、少しずつ改良をかさねて2012年の始めにEZR(Easy R)の正式バージョン1.00を本書の第1版とともに公開するに至りました。
 開発を始めたときは、はたしてこの統計解析ソフトを使ってくれる人がどの程度いるのだろうか?という不安もありましたが、おかげさまでダウンロード数も順調に増加し、2015年2月の時点では自治医大さいたま医療センターのホームページからのダウンロードが日本語版1日平均60回、英語版1日平均30回で合計で延べ40000回以上、これ以外にCRAN(The Comprehensive R Archive Network)のホームページからのダウンロードも行われているものと思います。大学や医療機関の統計学の講義でも使われることが多くなり、EZRを統計解析に使用した数多くの論文が既に国際専門誌に掲載されています。EZRの開発と使用方法について紹介した論文は2013年にBone Marrow Transplantation誌に掲載されました(Kanda Y. Investigation of the freely-available easy-to-use software “EZR” (Easy R) for medical statistics. Bone Marrow Transplant. 2013; 48: 452-8. Open accessになっていますので、http://www.nature.com/bmt/journal/v48/n3/pdf/bmt2012244a.pdfで全文閲覧が可能です)。この論文の引用回数は2015年1月時点で既に100回を超え、2013年以降に血液学領域の雑誌に発表されたすべての論文の中で最高の引用回数となっています。
第1版を2012年4月に刊行してからも頻回のEZRのバージョンアップが行われました。まず、バージョン1.10からCRANに正式なパッケージ(RcmdrPlugin.EZR)として登録されました。それに伴ってEZRのインストール方法に若干の変化が生じています。また、同バージョンから各解析のダイアログに「リセット」「適用」のボタンが加わり、同じ解析を繰り返す場合には、前回解析時の変数設定やオプション設定が記憶されるようになっています。これは、一部の条件を変えて再解析する場合などに便利な機能です。バージョン1.20ではEZRのスクリプトウィンドウに「Rマークダウン」というタブが追加されました。このタブをクリックすると、解析結果をホームページ形式できれいに出力できるようになります。バージョン1.23からは解析サンプルの背景データのサマリー表(しばしば論文のTable 1として用いられる表)を自動的に作成する機能や、解析結果を整形して出力する機能が加わっています。
 これらのバージョンアップとともに、最新版のEZRと本書の第1版の解説の間に少しずつずれが生じるようになり、第1版の刊行から約3年のタイミングで第2版を刊行することとなりました。本書の全体の構成には変わりはありませんが、最新版(バージョン1.27)のEZRにあわせた内容に改訂し、さらに研究の倫理指針の改訂などを含めて、全体に記述を改めています。
 今後もバージョンアップなどの案内は自治医科大学附属さいたま医療センター血液科のホームページ(http://www.jichi.ac.jp/saitama-sct/)で行います。質問、要望などは中外医学社編集部のメールアドレス(ezr☆chugaiigaku.jp)にお寄せください。全てのメールに回答することはできませんが、可能な範囲でお答えいたします。問い合わせの頻度の高い質問についてはホームページにFAQとして掲載していますのでご覧ください。

EZR動作環境(32bit、64bitいずれのOSも可)
・Windows XP、Vista、7、8、8.1
・Mac OS X 10.5(Leopard) 〜 10.10 (Yosemite)
・Linux Ubuntu 11.10 〜 14.10
・XGA(横1024×縦768ドット)以上の画面サイズが必要(縦のドット数が768未満だと一部の解析においてダイアログが部分的に表示できません)

注意 RやRコマンダーはGNU General Public License(GPL)のバージョン2 (1991年)およびバージョン3 (2007年)に従っており、EZRも同様です。従って本書添付のCD-ROMに含まれる内容もSampleData」フォルダに含まれるファイル以外はGPLの条件に従う範囲内であれば再配布することが可能です。ただし、R、Rコマンダーと同様にEZRは「完全に無保証」であり、EZRの使用によって何らかの損失が生じたとしても責任を負うことはできません。

2015年3月
神田善伸


※本WEBサイト上では文中の@を☆へ変換し記載しております。

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目次


第1章 統計の基礎知識
 1. なぜ統計解析が必要なのか?
 2. 変数の種類とその要約
  1)変数の種類
  2)変数の要約、信頼区間
 3. 群間の比較、P 値とは?
 4. 多重比較の問題
 5. 回帰、単変量解析と多変量解析
 6. バイアス
 7. 多変量解析と変数選択
 8. EBMと臨床研究
 9. 観察研究と介入研究
 10. ケースコントロール研究とコホート研究
 11. 介入研究の種類
 12. 主要評価項目
 13. Intention-to-treat(ITT)解析
 14. 必要症例数の設定
 15. 臨床試験のプロトコール
 16. 臨床研究の倫理
 17. 臨床試験の報告に必要な要素
 18. メタアナリシス
 19. 臨床決断分析

第2章 EZR のインストール
 1. Windows Vista、 7、8、8.1 のユーザーアカウント制御に関する問題点
 2. EZR の構成要素とインストール方法の概要
 3. Windows 専用EZR インストールプログラムEZRsetup.exe を用いたインストール
 4. データやスクリプトを保存するフォルダーの作成
 5. EZR の設定の変更
 6. EZR を終了する
 7. EZR のアンインストール
 8. インターネットからの手作業でのEZR のインストール(Windows の場合)
 9. R のアンインストールの方法
 10. R のアップデートの方法
 11. Mac OS X へのEZR のインストール方法
 12. Linux へのEZR のインストール方法
 13. トラブルシューティング

第3章 R のスクリプトに触れてみる

第4章 R の基礎知識
 1. データの型とデータを格納する形式
 2. ベクトル
 3. 行列
 4. リスト
 5. データフレーム
 6. データフレームの読み込み、作成、保存
  1)ベクトルからのデータフレームの作成
  2)既存のファイルを読み込んでデータフレームを作成する方法
  3)データエディタの使用  
  4)複数のデータフレームの結合
  5)データフレームの保存、読み込み
 7. データフレームの中の要素へのアクセス
 8. 関数の定義
 9. 引数の省略と初期値
 10. 命令の制御(条件分岐、繰り返しの命令)
 11. 関数の返り値
 12. 関数の停止

第5章 表計算ソフトでデータファイルを作成する
 1. データファイルの行と列
 2. 変数名と変数の定義
 3. 表計算ソフトの関数の利用
 4. 欠損値の扱い
 5. 表計算ソフトのウィンドウ枠の操作
 6. データファイルの保存形式

第6章 解析前の準備
 1. データの読み込みと保存
 2. 解析前のデータの編集
  1)データの種類の確認、変更
  2)欠損データ、外れ値の扱い
  3)連続変数をカテゴリー変数に変換する
  4)ダミー変数の作成
  5)一部のサンプルを抽出したデータセットを作成する
  6)データセットの保存

第7章 名義変数の解析
 1. 名義変数の要約、記述
 2. 2 群の比率の比較(Fisher の正確検定、カイ2 乗検定)
 3. ロジスティック回帰
 4. 3 群以上の比率の比較とpost-hoc 検定
 5. 比率の傾向の検定(Cochran-Armitage 検定)
 6. 対応のある2 群の比較(McNemar 検定)
 7. 対応のある3 群以上の比較(Cochran Q 検定)

第8章 連続変数の解析
 1. 連続変数の要約、記述 ?連続変数を代表する値
 2. 正規分布
 3. 連続変数の要約、記述 ?連続変数をグラフで表示する
 4. 連続変数の要約、記述 ?連続変数を数値で要約する
 5. 2 群の平均値の比較(t 検定)
 6. ノンパラメトリック検定による2 群の平均値の比較(Mann-Whitney U 検定)
 7. 対応のある2群の比較(対応のあるt 検定とWilcoxon 符号付順位和検定)
 8. 3 群以上の連続変数の比較
  (一元配置分散分析、Kruskal-Wallis 検定、post-hoc 検定)
 9. Kruskal-Wallis 検定とpost-hoc 検定
 10. 連続変数の傾向の検定
 11. 一元配置分散分析とpost-hoc 検定
 12. 対応のある3 群以上の平均値の比較、反復測定の分散分析
   (repeated measures ANOVA)
 13. ノンパラメトリック検定による対応のある3群以上の連続変数の比較(Friedman 検定)
 14. 二元〜多元配置分散分析(two-way ANOVA、multi-way ANOVA)
 15. 共分散分析(ANCOVA)
 16. 相関と回帰 〜相関〜
 17. 相関と回帰 〜単回帰〜
 18. 相関と回帰 〜重回帰〜

第9章 生存期間の解析
 1. 生存期間の要約
 2. 複数の生存曲線の比較
 3. 3 群以上の生存曲線の比較とpost-hoc 検定
 4. 生存曲線の傾向の検定
 5. 比例ハザード回帰
 6. ランドマーク法と時間依存性変数を用いる解析
 7. 累積発生率(競合イベントを含む)の解析
 8. 競合イベントの群間比較
 9. 3 群以上の競合イベントの比較とpost-hoc 検定
 10. 競合イベントの多変量解析

第10章 定性・定量テストの正確度の評価
 1. 定性テストの特性
 2. 定量テストの閾値、ROC 曲線
 3. 2 つのROC 曲線の曲線下面積の比較
 4. 2 つの定性検査の一致度(κ係数)
 5. 質問項目の信頼性の評価(クロンバックのα係数)

第11章 マッチさせた対照群との比較
 1. マッチさせた対照群(コントロール)の抽出
 2. マッチさせたデータの解析

第12章 メタアナリシス
 1. 固定効果モデルとランダム効果モデル
 2. 二値変数(比率)の比較結果を統合するメタアナリシス
 3. 出版バイアスの評価
 4. 連続変数(平均値)の比較結果を統合するメタアナリシス
 5. 生存期間の比較のメタアナリシス
 6. メタ回帰分析

第13章 必要サンプルサイズの設定
 1. 単群の研究のサンプルサイズの設定、検出力の計算
 2. 2 群の研究のサンプルサイズの設定、検出力の計算

第14章 研究や学会・論文発表のためのテクニック
 1. 複数のデータセットの結合
 2. 様々な変数の作製
  1)連続変数を複数の区分に分類する
  2)名義変数を複数の区分に分類する
 3. モデルの活用
 4. サマリー表の出力
  1)解析サンプルの背景表の作成
  2)解析結果を整形して出力
 5. グラフのオプションの変更
 6. グラフの修正(スクリプトでの作業)
 7. グラフの修正(他のソフトでの修正)
 8. 解析過程の保存(スクリプトの保存とマークダウンの出力)
 9. 論文での使用統計ソフトの記述

第15章 R コマンダーの改変
 1. カスタマイズの概要
 2. メニューファイルの作成
 3. 解析スクリプトの作成
 4. R コマンダーのカスタマイズの詳細な手順
  1)ダイアログの部品の表示値の設定
  2)ダイアログの中のフレームの作成
  3)ダイアログで文字列を直接入力する部品の作成例
  4)ラジオボタン、チェックボックスの作成例
  5)変数のリストボックスの作成例
  6)Formula を入力する部品の作成例
  7)部分集合を指定する部品の作成例
  8)R のスクリプトを生成するためのスクリプトの記述
  9)R コマンダーの関数の一例

第16章 R の主要な演算子、関数などの一覧
  1)演算子
  2)条件式
  3)数学関数
  4)ベクトル、行列、データフレームなどを作成、変形する関数
  5)ベクトルやデータフレームに含まれる要素の指定
  6)文字列を扱う関数
  7)統計量
  8)名義変数の解析
  9)連続変数の解析
  10)生存期間の解析
  11)回帰分析モデル
  12)分布
  13)高水準作図関数
  14)低水準作図関数
  15)条件分岐、繰り返し
  16)その他

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