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書籍詳細

Annual Review消化器2015

Annual Review消化器2015

【編集】 / 竹原 徹郎  大阪大学教授 / 金井 隆典  慶応義塾大学教授 / 下瀬川 徹  東北大学教授

B5判 244頁

定価10,780円(本体9,800円 + 税)

ISBN978-4-498-14037-0

2015年01月発行

在庫なし

注目すべきトピックを厳選し,その分野の第一人者が内外の文献を踏まえて最新の進歩を展望する.定評あるシリーズの最新年度版である.

目 次


I.消化管

1.Barrett食道と食道腺癌
〈松?潤太郎 鈴木秀和〉
  Barrett食道のスクリーニング
  発癌リスクの層別化
  Barrett食道および食道粘膜内腺癌に対する内視鏡治療
  Barrett食道の進行予防としての薬物治療
  食道腺癌発症に関与する分子機構
2.機能性ディスペプシアの新薬(アコチアミド)
〈楠 裕明 井上和彦 眞部紀明 鎌田智有 春間 賢〉
  機能性ディスペプシアを取り巻く環境の変化(Rome IIIから「FD診療ガイドライン2014」へ)
3.HER2陽性胃がんに対する治療戦略
〈工藤敏啓 佐藤太郎 土岐祐一郎〉
  胃がんにおけるHER2発現
  ToGA試験以降のトラスツズマブによる抗HER2療法
  その他の抗HER2療法
4.消化器疾患に対する糞便微生物移植
〈松岡克善 水野慎大 金井隆典〉
  FMTのプロトコール
  消化器疾患に対するFMT
  当院での臨床試験
5.Beyond anti-TNF in IBD treatment
〈鈴木康夫〉
  抗TNF-α抗体製剤
  抗TNF-α抗体製剤の最適化
  その他の抗TNF-α抗体製剤
  TNF-α以外のサイトカインを標的とした薬剤
  白血球ホーミング阻害剤
6.大腸病変に対するNBI分類の整理と課題
〈田中信治 林 奈那 岡 志郎 茶山一彰〉
  本邦の大腸腫瘍に対すNBI所見分類
  NICE分類とその理念
  NICE分類の特徴と臨床的意義
  NICE分類と本邦のNBI拡大観察所見分類の関係
  本邦統一NBI拡大観察所見分類の作成
7.大腸がん予防 〜アスピリンの有用性〜
〈?木智久 内藤裕二〉
  大腸がん予防と化学予防研究
  観察型疫学研究におけるアスピリンによる大腸がん予防効果の検証
  臨床試験におけるアスピリンによる大腸がん予防効果の検証
8.MR enterography vs 小腸バルーン内視鏡(クローン病画像診断の進歩)
〈大塚和朗 渡辺 守〉
  CDの評価の意義
  小腸の検査方法
  様々な評価指数
  MREと他の検査方法


II.肝臓

1.肝炎ウイルスに関する研究の進展
〈脇田隆字〉
  HCV初期感染過程
  ウイルス培養系
  動物モデル
2.B型肝炎治療の現状と今後
〈田中榮司〉
  Tenofovirの効果
  Tenofovirの安全性
  Peg-IFNの本邦での効果
3.C型肝炎治療の新展開
〈平松直樹 小瀬嗣子 竹原徹郎〉
  DAAs併用療法
4.劇症肝炎とde novo肝炎
〈滝川康裕〉
  劇症肝炎
  de novo肝炎
5.NASHとNAFLDの研究・診療の進歩
〈今 一義 渡辺純夫〉
  NAFLD/NASH診療ガイドライン2014
  病態
  診断
  治療小児のNASH
6.自己免疫性肝疾患の現況
〈大平弘正 阿部和道 高橋敦史〉
  原発性胆汁性肝硬変 (primary biliary cirrhosis)
  自己免疫性肝炎(AIH)
7.肝硬変: 研究と診療の進歩
〈高木章乃夫 岩室雅也 松下浩志 山本和秀〉
  肝硬変診療の進歩
  肝硬変研究の進歩
8.肝発癌の分子機構に関する研究の進歩
〈仁科惣治 日野啓輔〉
  肝細胞癌におけるGWAS研究
  HCCにおけるDNAメチル化の異常
  HCCにおけるヒストン修飾の異常
  HCCにおけるmicroRNAの異常
  HCCにおける癌抑制性miRNAのepigeneticな制御
  miRNAによるDNMTのepigeneticな制御
9.肝癌治療の展望
〈荒井邦明 山下竜也 金子周一〉
  局所療法の現状
  肝動脈化学塞栓療法(TACE)の現状
  分子標的治療薬を含めた化学療法の現状
10.肝臓画像診断の進歩
〈鶴崎正勝 村上卓道〉
  Gd-EOB-DTPA造影MRI(EOB-MRI)による肝悪性腫瘍の診断について
  EOB-MRI肝細胞相で低信号を呈する乏血性結節の多血化に関して
  EOB-MRI肝細胞相で取り込みを呈する肝細胞癌の意義や予後
  MRIを中心とした画像診断による肝線維化の評価
  Dual energy CTによる肝脂肪化の評価


III.



―膵臓―

1.膵炎発症機序とオートファジー
〈大村谷昌樹〉
  オートファジーとは
  オートファジーの生理的機能
  オートファジーと疾患
  急性膵炎とオートファジー
  慢性膵炎とオートファジー
2.膵癌と膵星細胞の相互作用
〈濱田 晋 正宗 淳 下瀬川徹〉
  膵星細胞による膵癌進展促進効果
  膵星細胞による治療抵抗性の獲得
  膵星細胞が免疫機能へ及ぼす影響
  膵星細胞・膵癌細胞相互作用を標的とした新規治療戦略
3.重症急性膵炎治療におけるstep-up approach
〈竹山宜典〉
  step-up approach出現の背景
  step-up approachの適応と実際
  step-up approachの成績
  step-up approachの問題点
  今後の展望
4.膵Perfusion CTによる膵壊死の早期予測
〈辻 喜久 千葉 勉〉
  Perfusion CTとは
  Perfusion CTの安全性
  重症急性膵炎・壊死診断における造影CTの限界とPerfusion CTの有用性
  膵虚血・膵壊死のPathologyと重症化
  Perfusion CTによる重症急性膵炎・早期壊死診断の意味
5.第2回IgG4関連疾患国際シンポジウム
〈岡崎和一〉
  第2回IgG4関連疾患国際シンポジウムまでの歴史的背景
  第2回IgG4関連疾患国際シンポジウム
6.自己免疫性膵炎の長期予後
〈川 茂幸 丸山真弘 渡邉貴之 伊藤哲也 新倉則和〉
  自己免疫性膵炎は慢性膵炎に移行しうるか?
  自己免疫性膵炎と発癌
7.Borderline resectable膵癌の治療戦略
〈村田泰洋 岸和田昌之 伊佐地秀司〉
  診断
  BR膵癌の定義
  BR膵癌に対する治療戦略
  本邦におけるBR膵癌に対する治療の現況
8.膵癌治療の新たな展開: FOLFIRINOXへの期待と課題
〈古瀬純司〉
  FOLFIRINOX療法の特徴と治療成績
  切除不能局所進行あるいはborderline resectable例への応用
  2次治療としての適応
  Modified FOLFIRINOX療法


―胆道―

9.胆道癌発症・進展の分子機序
〈佐藤賢一〉
  胆道癌の発症
  胆道癌の進展
10.胆道ドレナージ法の新たな展開
〈白田龍之介 伊佐山浩通 小池和彦〉
  肝門部悪性胆道閉塞
  中下部悪性胆道閉塞
  閉塞性黄疸を伴う膵癌に対する術前胆道ドレナージ
  良性胆道狭窄
  超音波内視鏡下胆道ドレナージ
  超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ


IV.消化器外科

1.人工膵臓の現状と将来展望
〈花?和弘〉
  日本と欧米との違い
  人工膵臓を用いた血糖管理の現状
  将来展望
2.腹腔鏡下膵切除術の進歩と今後の課題
〈中村慶春 松下 晃 内田英二〉
  腹腔鏡下膵体尾部切除術(Lap-DP)
  腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(Lap-PD)
  膵臓のrobotic surgery
3.下部直腸癌に対する治療戦略
〈瀧山博年 清松知充 渡邉聡明〉
  早期直腸癌の治療
  進行直腸癌の治療
4.大腸癌肝転移に対する外科切除を中心とした集学的治療
〈別府 透 林 洋光 坂本快郎 馬場秀夫〉
  大腸癌肝転移の治療方針
  切除可能例に対する肝切除と周術期化学療法
  周術期補助療法を行うべき大腸癌肝転移患者の選別
  切除不能例に対するconversion therapy
  Conversion therapyの最近の話題
  わが国の大腸癌肝転移の臨床試験
5.Crohn病に対する外科治療
〈河野 透〉
  外科治療の適応と現状
  狭窄形成術
  腸管切除と吻合法
  縫合手技の違い
  Kono-S吻合法
  腹腔鏡手術と開腹手術
  大腸全摘
  バイパス術
  肛門病変


索 引

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 2013年12月にC型肝炎に対して第2世代のプロテアゼー阻害薬シメプレビルが使用できるようになり,1992年代にはじまったインターフェロン治療はその治療効果が最大限に発揮されるほぼ最終型になりました.また,2014年9月からはダクラタスビル+アスナプレビル治療が登場し,インターフェロン治療が克服できなかった問題,すなわちインターフェロン治療ができない症例やインターフェロンに反応しない患者さんへの対策が一気に進みました.今後もさらにウイルス排除率の高い治療法がいくつも開発される予定でありC型肝炎治療の進歩からは目を離すことができません.また,膵癌領域でも2013年12月のFOLFIRINOX療法に続き,2014年12月にはナブパクリタキセル+ゲムシタビン併用治療が切除不能進行膵癌の1次治療として保険収載となりました.膵癌においても実臨床の現場で使用できる抗がん剤の選択肢が増え病態に応じ治療が可能になってきています.
 今年もAnnual Review消化器2015が完成し,無事に刊行されることになりました.内容をみますと,まさに急速に進歩する消化器領域の研究,疾患の診断,治療を的確に反映しており,各疾患領域の最新のトピックスがおおよそ理解できる充実した内容になっています.消化器領域は,消化管,肝臓,胆膵と守備範囲が広く,またそれぞれに内科的視点,外科的視点が存在します.忙しい毎日の中で,自身の専門領域の診療・研究に従事していると,広い消化器領域の最新の情報をバランスよくキャッチアップすることが時に難しくなることもあります.本書が多忙な先生方の診療・研究の一助となり,最新の消化器領域の進歩を俯瞰していただくことのお役にたてれば編者として望外の喜びです.
 
2015年1月
編集一同

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執筆者一覧

【編集】  
竹原 徹郎  大阪大学教授  
金井 隆典  慶応義塾大学教授  
下瀬川 徹  東北大学教授  
島田 光生  徳島大学教授  
【著者】  
松崎潤太郎  鈴木秀和  楠 裕明  
井上和彦  眞部紀明  鎌田智有  
春間 賢  工藤敏啓  佐藤太郎  
土岐祐一郎  松岡克善  水野慎大  
金井隆典  鈴木康夫  田中信治  
林 奈那  岡 志郎  茶山一彰  
高木智久  内藤裕二  大塚和朗  
渡辺 守  脇田隆字  田中榮司  
平松直樹  小瀬嗣子  竹原徹郎  
滝川康裕  今 一義  渡辺純夫  
大平弘正  阿部和道  高橋敦史  
高木章乃夫  岩室雅也  松下浩志  
山本和秀  仁科惣治  日野啓輔  
荒井邦明  山下竜也  金子周一  
鶴崎正勝  村上卓道  大村谷昌樹  
濱田 晋  正宗 淳  下瀬川 徹  
竹山宜典  辻 喜久  千葉 勉  
岡崎和一  川 茂幸  丸山真弘  
渡邉貴之  伊藤哲也  新倉則和  
村田泰洋  岸和田昌之  伊佐地秀司  
古瀬純司  佐藤賢一  白田龍之介  
伊佐山浩通  小池和彦  花崎和弘  
中村慶春  松下 晃  内田英二  
瀧山博年  清松知充  渡邉聡明  
別府 透  林 洋光  坂本快郎  
馬場秀夫  河野 透  

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