目次
第0章 CRRT超入門: どのようにRRT回路を理解するか
1.step 1 患者からの脱血,送血(返血)ルートをまずは描きだそう!
2.step 2 血液浄化のための血液浄化フィルターを加える!
3.step 3 血流量を確保するための血液ポンプを加える!
4.step 4 抗凝固薬投与のルートを加える!
5.step 5 血液透析hemodialysis(HD)を行う場合,血液フィルターと逆向きに透析液を流す!
6.step 6 血液濾過hemofiltration(HF)を行う場合,血液フィルターの前か後ろに置換液(補充液)を流す!
7.step 7 血液濾過透析hemodiafiltration(HDF)を行う場合,血液フィルターと逆向きに透析液を流し,
また血液フィルターの前か後ろに置換液(補充液)を流す!
8.step 8 さらに“ 空気”をトラップする部分を追加します!
第1章 CRRT入門: 用語解説,CRRT 回路の概観,4 つの原理とその適応
1.用語解説
2.CRRTにはなにがあるか
3.IRRTにはなにがあるか
4.臨床現場でのCRRTとIRRTの違い
5.ブラッドアクセス
6.CRRT回路,血液浄化器
7.血液浄化フィルター
8.透析液・置換液(補充液)
9.急性血液浄化療法を理解するための4 つの原理とその適応
10.血液浄化療法の血液浄化フィルターのまとめ: 血液透析HD vs 血液濾過HF vs 血液濾過透析HDF
11.間欠的腎代替療法IRRT でのHD,HF,HDFでの分子量に応じた物質のクリアランス
第2章 クリティカルケアでの輸液管理
第3章 急性腎不全ARFと急性腎傷害AKI
1.腎臓の働きと急性腎不全ARF,急性腎傷害AKIの症状・徴候
2.急性腎傷害acute kidney injury(AKI)の重症度―RIFLEとAKIN分類
3.クリティカルケアセッティングでのAKIのリスクファクター
4.クリティカルケアセッティングでは尿量と血清クレアチニン値のモニタリングは妥当か
5.急性腎傷害AKIの新規バイオマーカー
6.急性腎傷害AKIの鑑別
7.クリティカルケアで問題となる急性腎傷害AKIの原因
8.クリティカルケアでの急性腎傷害AKIへのアプローチ・アセスメント
9.クリティカルケアでの急性腎傷害AKIのマネジメント
10.急性腎傷害AKI の予防
11.シナリオをふりかえって
第4章 CRRT 基本設定と合併症
1.腎代替療法RRTの重要な原理―特に濾過convectionと拡散diffusion
2.急性血液浄化療法・腎代替療法にはなにがあるか
3.動脈脱血→静脈送血(返血)A―Vと静脈脱血→静脈送血(返血)V―V
4.CRRT 基本設定―回路とCRRTでの4 つの流量
5.CRRT 基本設定―各論(1) SCUF
6.CRRT 基本設定―各論(2) CVVH
7.CRRT 基本設定―各論(3) CVVHD
8.CRRT 基本設定―各論(4) CVVHDF
9.体液量コントロールでのIRRT:IHD とCRRTの違い
10.血液透析と血液濾過の循環に与える影響はどちらが大きいか
11.CRRT 中の合併症
第5章 CRRT理解のための基本事項:クリアランス,浄化量
1.溶媒と溶質とはなにか
2.クリアランスとはなにか
3.血液透析(I)HDとCRRTでの溶質除去の求め方がどうして異なるか
4.ふるい係数とはなにか
5.最も重要な2 つの原理(1):拡散diffusionを用いた持続的腎代替療法CRRT:CVVHDとCVVHDFでの浄化量
6.最も重要な2 つの原理(2): 濾過convection を用いた持続的腎代替療法CRRT:CVVHでの浄化量
7.後希釈postdilutionでの濾過率filtration fraction(FF)
8.持続的腎代替療法CRRTでの浄化量dose とはなにか
9.持続的腎代替療法CRRTでの理想的な浄化量doseをどのように処方したらよいか
10.腎代替療法RRTでの浄化量の違い:血液透析HD vs 緩徐低効率血液透析SLED vs 持続的血液濾過CVVH
11.浄化量をめぐる最近の流れ〜最新の大規模スタディを通して:RENAL StudyとATN Study〜
12.日本国内での浄化量について―世界標準の浄化量と比較して―
第6章 クリティカルケアでの急性血液浄化療法の適応と離脱
1.クリティカルケアでの急性腎傷害acute kidney injury(AKI)
2.クリティカルケアでの腎代替療法RRT の適応―renal indicationとnon―renal indication
3.RRT導入のアプローチ
4.RRT適応のときCRRTとIRRTのどちらを選択すべきか
5.RRTの離脱
第7章 CRRTの基本構成(1):ブラッドアクセス
1.カテーテルの種類
2.ブラッドアクセス部位
3.バスキュラーカテーテルの合併症
第8章 CRRTの基本構成(2):抗凝固薬
1.凝固カスケード
2.抗凝固薬の種類
3.世界的に行われている抗凝固療法
4.抗凝固薬以外でのCRRT回路の凝固予防法
5.シナリオをふりかえって
第9章 CRRTの基本構成(3):血液浄化フィルター
1.血液浄化フィルターの構成
2.膜素材の種類と特徴
3.非対称膜構造について
4.国内で使用されるCRRT用血液浄化フィルターの種類と特徴
5.逆濾過backfiltrationについて
6.CRRTでの血液浄化フィルターの実践的な選び方
7.CRRTでの血液浄化フィルター効率を維持させるために―secondary membrane formation
第10章 CRRTでの全身アセスメントと輸液管理
1.CRRT自体のアセスメント
2.CRRT中の輸液管理
3.持続的腎代替療法CRRT中のinput―outputバランスの考え方
4.CRRT での透析液・置換液(補充液)の確認事項
第11章 CRRT中のトラブルシューティング
1.CRRT中のトラブルシューティングの際の考え方:“PACE”アプローチ
2.CRRT回路の凝血・閉塞を早期に発見・予防するために
3.CRRT中の実際のトラブルシューティング
第12章 特殊なモード(1):SLED-f
1.IRRTとCRRT
2.SLEDとは
3.SLEDに関わる用語解説
4.SLEDの設定
5.SLED設定時の注意点
6.SLEDはCRRTとHDの中間的な治療モード
7.IRRT(HD,SLED)で使用する透析液はどのように作られるか
8.クリティカルケアの場面でhybrid therapy であるSLED,SLED―fをどのように選択するか
第13章 特殊なモード(2):血漿交換
1.血漿交換の概略
2.遠心分離法
3.膜分離法
4.血漿交換TPE での血漿処理量の考え方
5.血漿交換TPE の適応
6.血漿交換TPE の実際の施行法
7.血漿交換TPE で用いる置換液の種類と特徴
8.血漿交換TPE の副作用・合併症
9.二重濾過血漿交換double filtration plasmapheresis(DFPP)
10.血漿濾過透析plasma diafiltration(PDF),
持続的緩徐血漿交換continuous slow plasma exchange(CSPE)
第14章 特殊なモード(3):敗血症とCRRT(血液透析,血液濾過,血液吸着,血漿交換)
1.重症敗血症・敗血症性ショックと急性腎傷害AKI の病態生理
2.炎症性サイトカイン,炎症性メディエータにはなにがあるか
3.敗血症における“peak―concentration hypothesis”
4.敗血症とCRRT 総論
5.敗血症とCRRT 各論(1):血液透析HD―high―flux 膜によるCHD
6.敗血症とCRRT 各論(2):血液濾過HF―高用量CVVH,吸着型CVVH
7.敗血症とCRRT 各論(3):血液吸着HA―CPFA(coupled plasma
filtration adsorption),エンドトキシン吸着
8.敗血症とCRRT 各論(4):血漿交換plasma exchange,血漿分離smapheresis
9.CRRT のnon―renal indication が目指すところ―MOST(multiple organ support therapy)
第15章 特殊なモード(4):そのほかの血液浄化療法(薬物中毒,MARS)
1.急性薬物中毒の治療
2.急性薬物中毒での急性血液浄化療法: 血液透析,血液濾過,血液吸着
3.急性薬物中毒の急性血液浄化療法を行う上での薬物動態学・薬力学からみた注意点
4.急性薬物中毒への血液浄化療法(1)―血液透析 hemodi al ysi s(HD)
5.急性薬物中毒への血液浄化療法(2)―血液吸着 hemoperfusion(HP)
6.急性薬物中毒への血液浄化療法(3)―持続的血液濾過 continuous veno―venous hemofiltration(CVVH)
7.アルブミンを用いた血液浄化療法―分子吸着剤再循環システム
molecular adsorbent ecirculating system(MARS)
第16 章CRRTまとめと実際の処方
1.急性血液浄化療法・腎代替療法処方にあたっての基本事項の確認
2.急性血液浄化療法・腎代替療法処方のアプローチ
3.CRRT 処方のロジックがわかると日常臨床でなにが変わるか
付録 CRRT中の薬物投与の考え方
1.CRRT 中の薬剤投与に影響を与える因子(1)―患者特性
2.CRRT 中の薬剤投与に影響を与える因子(2)―血液浄化法の種類
3.CRRT 中の薬剤投与に影響を与える因子(3)―薬剤特性
4.CRRT 中の薬剤の投与法の実践的な考え方
5.緩徐低効率透析SLEDでの薬剤の投与法
6.腎機能低下時の抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬の投与量・投与間隔
あとがき
コラム(1) この10 年を支えたことば.
コラム(2) Never, never, never, never give up
コラム(3) 家族の絆
索 引
出版社からのコメント
本書の著者、大野博司先生がICU/CCUで頻用される薬剤の使い方についてまとめた『ICU/CCUの薬の考え方,使い方』もオススメです!