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書籍詳細

できる!わかる!内分泌機能検査

できる!わかる!内分泌機能検査

成瀬光栄 編集

B5判 94頁

定価3,080円(本体2,800円 + 税)

ISBN978-4-498-12354-0

2014年01月発行

在庫僅少

内分泌機能検査のうち,現場で必須とされるものに的を絞り,その位置付け,実施・評価方法などを最新の情報に基づきわかりやすくまとめた.実際にベッドサイドで日々検査を行っている,経験豊かな若手医師3名が臨床の合間をぬって編集協力・執筆を担当.内分泌機能検査で疑問が生じたとき,壁にぶつかったとき,本書をひも解けば,先輩医師の親切な指導が受けられるだろう.この1冊であなたも,内分泌機能検査ができる! わかる!

編集協力者から
 私が内分泌疾患の診療に関わるようになったのは医師になって4年目のときでしたが,糖尿病専門の病院であったため内分泌機能検査を行う機会が少なく,たまに必要に迫られて実施するときには,うまくできるかどうか,大変緊張したことが思い出されます.またいざ結果が出ても,意外にその解釈に頭を悩ませられることも多々経験しました.本書は,その頃の私のような状況の先生方の手元で,少しでも役立って欲しいという願いを込めて,執筆,編集を担当させていただきました.
 国立病院機構京都センター内分泌代謝内科 中尾佳奈子

 内分泌疾患を診療するにあたり,内分泌機能検査の実施と評価は必須です.しかし多くの機能検査があり,その評価も疾患ごとに様々であることから,内分泌の初心者だった頃は大変苦労した思い出があります.私の場合は幸いにも多くの先輩医師の指導を受けることができ,経験を重ねることで機能検査の理解を深めることができましたが,そのような環境はむしろ例外的だと思います.本書では自分自身の経験をもとに,初心者にも理解しやすい内容にすること,実際の経験談を載せることで,わかりやすく,使いやすいものにすることを心がけました.本書が先生方の内分泌疾患診療のお役に立てれば幸いです.
 国立病院機構京都センター内分泌代謝内科 立木美香

 後期研修も残すところ3カ月.初めて負荷試験を学んだのは初期研修医1年目のときでした.当時は検査結果を見てもよくわからず,結果と教科書を交互に見ながら必死に考えたのをよく覚えています.勉強するときには苦労しましたが,結果を読み解いてその組み合わせで診断に近づいていく過程が楽しくて内分泌に興味を持つようになりました.負荷試験は種類も多く,同じ検査でも疾患によって検査方法が違うなど,難しいと感じるところが多いですが,本書が少しでも負荷試験を学ぶ医師の助けになれば幸いです.
 国立病院機構京都センター内分泌代謝内科 植田洋平



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 内分泌疾患の診断において,ホルモンの分泌状態を評価する機能検査と病変の局在を形態学的に評価する画像検査が二つの柱である.前者は長らく内分泌負荷試験とよばれてきた.著者が東京女子医科大学第二内科に入局した当時は,病棟回診の木曜を除いて,毎日午前中は外来診察室で負荷試験の枠が設けられ,指導医と研修医がペアとなって負荷試験当番となり,試験薬,注射器,採血用シリンジ,ヘパリン,採血管,かき氷などを準備,時間ごとの採血にまさに「こま鼠」のように走り回って担当したことが,昨日のことのように思いだされる.その後,内分泌学の進歩と共に,実施される検査も変遷し,患者にとってリスクのある検査は次第に姿を消し,また逆に新たに実施されるようになった検査もある.採血のタイミングも以前は負荷前,30分,60分,90分,120分後などと規則性とより多くの情報が重視されたが,その後,保険診療上の保険点数の変動に応じて,可能な限り採血時間の短縮化と採血回数の減少が試みられてきた.また,結果の判定基準も診療ガイドラインの策定,標準化と共に,次第に整理,統合,共通化されてきている.さらに,負荷試験という名称も,患者への負担をかけるニュアンスがあることから,機能検査との表現が普及しつつある.このように,内分泌機能検査は時代と共に進化・変遷を続けているといえる.内分泌機能検査の適切な実施と結果の判断は,内分泌疾患の診療の根幹をなすといえる.

 この度,内分泌の診療現場で特に頻繁に実施されている検査に焦点をしぼり,各疾患の診療ガイドラインにおける機能検査の位置付け,実施方法,判定方法などを簡潔に解説する書籍が企画された.編集・執筆においては,現場感覚溢れる,実際的な書物とするため,ベッドサイドで実際に検査を担当している‘経験豊かな’若手医師3名の協力を得た.

 その結果,最新の内容を簡潔,実際的にまとめることができたと考えている.改めて3名の編集協力者の尽力に感謝する次第である.本書が内分泌機能検査を実施するすべての医師に役立ち,内分泌疾患診療水準の向上に貢献できれば幸いである.
        
平成26年1月

国立病院機構京都医療センター
内分泌代謝高血圧研究部部長
 成瀬光栄



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目 次

総論 〈成瀬光栄〉
  1. 内分泌機能検査の基本知識
  2. 検査の準備
  3. 機能検査の注意点
 A 視床下部・下垂体疾患
■ 疾患診断基準とアルゴリズム ■ 〈植田洋平〉
  1. 先端巨大症
  2. プロラクチノーマ
  3. クッシング病
  4. 下垂体前葉機能低下症
  5. 尿崩症(中枢性)
■ 関連する内分泌機能検査 ■ 〈中尾佳奈子〉
  1. 75 g経口ブドウ糖負荷試験
  2. ブロモクリプチン試験
  3. オクトレオチド試験
  4. TRH試験
  5. LHRH試験
  6. CRH試験(下垂体疾患)
  7a.少量デキサメタゾン抑制試験
  7b.大量デキサメタゾン抑制試験
  8. 日内変動(下垂体疾患)
  9. DDAVP試験
  10.GHRP-2試験
  11.インスリン低血糖試験
  12.GHRH試験
  13.水制限試験
  14.高張食塩水負荷・DDAVP試験(尿崩症)
 B 甲状腺疾患 〈立木美香〉
  1. 甲状腺機能・基礎値の評価
 C 副甲状腺および関連疾患 〈中尾佳奈子〉
  1. 副甲状腺機能・基礎値の評価
 D 副腎および関連疾患
■ 疾患診断基準とアルゴリズム ■ 〈植田洋平〉
  1. クッシング症候群
  2. サブクリニカルクッシング症候群
  3. 原発性アルドステロン症
  4. 原発性副腎皮質機能低下症
  5. 腎血管性高血圧
■ 関連する内分泌機能検査 ■ 〈立木美香〉
  1. デキサメタゾン抑制試験(副腎疾患)
  2. CRH試験(副腎疾患)
  3. 日内変動(副腎疾患)
  4. カプトプリル試験
  5. 生理食塩水負荷試験
  6. フロセミド立位試験
  7. 経口食塩負荷試験
  8. 迅速ACTH試験
  9. 連続ACTH試験
 E 性腺疾患
■ 疾患診断基準とアルゴリズム ■ 〈植田洋平〉
  1. 多【嚢】胞性卵巣症候群
■ 関連する内分泌機能検査 ■ 〈立木美香〉
  1. LHRH試験(婦人科領域)
 F 消化管ホルモン産生腫瘍
■ 疾患診断基準とアルゴリズム ■ 〈植田洋平〉
  1. インスリノーマ
■ 関連する内分泌機能検査 ■ 〈立木美香〉
  1. 絶食試験
  2. 選択的動脈内カルシウム注入試験(SACIまたはASVS)
附表 血中IGF-I濃度基準範囲
 
 
編集協力者から
索引


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執筆者一覧

成瀬光栄 国立病院機構 京都医療センター 内分泌代謝高血圧研究部 部長 編集
中尾佳奈子 国立病院機構 京都医療センター内分泌代謝内科 編集
立木美香 国立病院機構 京都医療センター内分泌代謝内科 編集協力
植田洋平 国立病院機構 京都医療センター内分泌代謝内科 編集協力

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できる!わかる!内分泌機能検査
   定価3,080円(本体2,800円 + 税)
   2014年01月発行
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