目 次
1 非劣性試験
非劣性試験とは何か
FACS trialについて
非劣性の証明
対立仮説と帰無仮説
なぜ「非劣性」でよいのか
非劣性のマージンの設定
非劣性が証明されたらどうなるのか
非劣性試験結果の早期発表について
後付の非劣性の「証明」
ITTについて,またクロスオーバーがかかるときの非劣性試験の問題
FACS結果の解釈,誤解,倫理的側面
FACS trialの(私見)結果の解釈と反省
2 中間解析と試験の中止,結果公表
CALGB9633の中間解析結果
2004年当時の私の批判
早期中止の根拠
中間解析結果の提示方法
標準治療としての役割
2006年の逆転
「有意差が失われた」理由
CALGB9633の統計学的「解釈」
長期フォローとcrossing hazards
蛇足:crossing hazardsと治療効果の関連の主張
止める根拠となるべきエンドポイント
止める基準
結語:早期中止・公表されたデータはどこまで信用できるか
3 個別化治療について
誤った「個別化治療の証明」
予後因子と予測因子が意味するもの
治療法の選択
予後因子による治療の選択(risk/benefitの変化)
予測因子のみでは治療は決まらない
分子標的治療とは,標的で個別化される治療である
EGFR-TKIと化学療法の比較から分かったこと
gefitinibとerlotinibの違い:分子標的「薬剤」と分子標的「治療」
Active controlを持つ場合の問題点
治療効果予測因子のvalidationと個別化治療の開発
1)Marker(+)design(もしくはEnrichment design)
2)Marker-strategy design
3)All-comers design
レトロの解析ではいけないのか
ランダム化しなければ本当に(何も)分からないのか
4 臨床試験におけるエンドポイント
「真の」エンドポイントとそのサロゲート
PFSなどの指標の定義
PFS評価における欠点
1)研究者による評価バイアス
2)第三者評価によるバイアス
PFSとOSとの相関
PFSのメリット(OS評価の短所)
クロスオーバーデザインの問題
FDAの認可状況
PFSの意味するもの
初回化学療法と分子標的治療など異質の治療の比較
治療戦略の比較
「PFS positive, OS negative」試験の評価
PFSの意義のまとめ
“OS positive, PFS negative”trialsについて
OS以外の“true endpoints”
QOL
Cost
コラム1 Clinical equipoise
Clinical equipoiseの概念と「許容限界」
Off-protocolで試験治療を提供することについて
Post-protocolで試験治療を提供することについて
Randomized phase II trialについて
付記
コラム2 コストパフォーマンス
どんどん高くなる新治療
命の値段の出し方
Cost and health improvement
Cost-effectiveness analysis(費用対効果分析)
Cost-benefit analysis(費用対利益分析)
Cost-utility analysis(費用対便益分析)
Quality-adjusted life-years(QALY) とIncremental cost effectiveness ratio(ICER)
QALY 係数の計算
「そのコストに見合うのか?」
「コストパフォーマンスの良い治療」の目安とその根拠
コスト解析の問題点
今後の臨床研究はどうあるべきか
用語集
監修の言葉
索引