目 次
第1章 ホスピス・緩和ケアの精神〈村井邦彦〉
A.ホスピスの起源
B.ホスピス先進国アメリカにおけるホスピスの起源
C.日本のホスピスの流れ
D.世界の緩和ケアのスタンダード
E.日本古来のホスピス文化
F.日本におけるホスピス・緩和ケアの実践
G.日本におけるホスピス・緩和ケアの方向性
第2章 在宅での緩和ケアが増える社会的背景〈上木雅人〉
A.がん患者の増加,受け皿,病院死の問題点
1.日本の社会構造が変わった:サザエさんの時代は もう帰ってこない
2.がん患者の増加
3.病院は終の棲家ではない
B.社会の経済的負担
1.医療費の伸び幅
2.医療制度改革
3.後期高齢者医療制度
C.患者の視点での在宅緩和ケア
第3章 在宅緩和ケアを成功させるためには〈高橋昭彦〉
A.必要な3本柱
1.家族
2.24時間体制の訪問看護ステーション
3.在宅療養支援診療所
B.うまくいかない例
1.介護保険認定が遅れた
2.未告知の場合
3.1人暮らし
C.居住系施設などでの緩和ケア
1.自宅以外の場所で暮らす人たちの看取り
2.居住系施設でも緩和ケアを
3.特別養護老人ホームの現状
4.認知症高齢者グループホームの現状
5.地域に芽生える動き
第4章 在宅緩和ケアの保険制度,支援制度〈寺脇立子〉
A.在宅緩和ケアで利用できるサービス
1.訪問診療
2.訪問看護
3.訪問介護(ホームヘルパー)
4.訪問入浴介護
5.通所リハビリテーション(デイケア)
6.通所介護(デイサービス)
7.短期入所(ショートステイ)
8.療養通所介護
9.小規模多機能型施設
10.福祉用具のレンタル・購入
11.住宅改修
B.医療保険と介護保険
1.医療費の計算
2.介護保険の支給限度額
3.高額医療費制度,高額療養費制度
C.身体障害者福祉法と障害者自立支援法,身体障害者手帳の交付
1.身体障害者福祉法
2.障害者自立支援法
D.市町村の支援制度
E.民間の保険の活用,特約の確認
第5章 保険制度外で在宅緩和ケアに携わる人たちとその役割〈栗本孝雄〉
A.行政保健師
B.ボランティア
C.宗教家
D.知人・友人
E.親類縁者
F.ペット(またはコンパニオン・アニマル)
第6章 在宅緩和ケアの準備(「早め早め」に準備する)〈小島好子〉
A.病院に相談窓口がある場合
B.病院に相談窓口がない場合
C.在宅緩和ケアの準備にかかわる諸問題
1.準備の前に直面する問題
2.「告知」(バッドニュース)の問題
3.費用の問題
D.家族の協力体制,家族の覚悟
E.在宅緩和ケアの準備を始める
1.生活をイメージする
2.介護保険サービスにつなげる
3.病院内および地域の関係機関との連携
4.合同カンファレンス(関係機関との支援者会議)
5.地域の窓口
6.お役立ち情報
F.切れ目のない緩和ケアへ
第7章 在宅緩和ケアの実際
A.患者を取り巻く環境〈黒崎雅子〉
1.患者が置かれた立場
2.医療の形態
3.介護の形態
B.暮らしのかたち〈黒崎雅子〉
1.患者の意思決定を支える
2.最期のとき
C.質の高い生活を実現するための疼痛緩和
C-1.在宅での疼痛管理のポイント〈村井邦彦〉
C-2.持続注入ポンプを用いた鎮痛〈服部政治〉
1.在宅での疼痛管理
2.皮下・静脈内投与に使用する注射薬
3.投与方法の選択
4.薬液調整
5.持続注入ポンプ
6.PCA(patient controlled analgesia)とは
C-3.硬膜外鎮痛法,くも膜下鎮痛法〈村井邦彦〉
C-4.神経ブロックの位置づけ〈井上荘一郎〉
1.神経ブロックをいつ始めるのか?
2.硬膜外ブロック
3.神経破壊薬によるブロック(永久ブロック)を受ける際の手順の例
4.その他の神経ブロックと在宅療養
5.神経根ブロック,末梢神経ブロック
6.トリガーポイントブロック(圧痛点注射)
C-5.放射線治療の位置づけ〈吉村亮一〉
1.在宅患者が短期入院しても放射線治療を行うべき病態
2.緩和ケア病棟における照射の費用
D.相補代替医療〈鶴岡浩樹〉
1.分類
2.がん患者におけるCAM 利用の実態
3.医師はCAM とどのように向き合えばよいか
4.CAMの情報源
5.CAMのエビデンス
6.その他CAM を利用する際の注意点
E.精神的苦痛の緩和〈首藤真理子〉
1.患者に対する精神支援
2.がん患者にみられる精神疾患
3.家族に対する精神面の支援
F.症状の緩和〈首藤真理子〉
1.全身の症状
2.消化器系の症状
3.呼吸器系の症状
4.睡眠障害(不眠を中心に)
5.皮膚の症状
G.輸液・セデーションにおける医療的判断〈首藤真理子〉
1.終末期における輸液
2.終末期におけるセデーション
H.在宅・通所リハビリテーションのかかわり〈染谷卓志〉
1.緩和ケアにおけるリハビリテーションの定義
2.緩和ケアにおけるリハビリテーションの内容
3.緩和ケアにおける通所・在宅リハビリテーションの実際
4.リハビリテーション実施にあたっての注意点
5.在宅・通所リハビリテーションの診療報酬,介護報酬について
6.在宅・通所リハビリテーション提供施設の探し方
第8章 最期のとき
A.大切な時間〈鶴岡優子〉
1.患者本人にとって
2.家族にとって
3.医療スタッフにとって
B.死亡診断と診断書の記載〈鶴岡優子〉
1.別れのとき
2.死亡診断
3.死亡診断書の作成
4.死亡診断書記入に関わるよくある質問
5.死後の大切なとき
C.グリーフケア〈首藤真理子〉
第9章 在宅緩和ケアにかかわる薬剤の管理〈疋田大賀〉
A.薬剤の処方
1.麻薬施用者免許
2.麻薬処方せん
3.麻薬処方せんの確認
4.麻薬管理者
5.ファクシミリで薬局へ依頼することの解釈
B.薬剤の譲渡と指導
1.在宅で行う薬剤指導
2.麻薬管理指導加算
3.本人以外が薬剤を受け取る場合の解釈(特に麻薬)
4.薬局間の譲渡
C.在宅での管理
1.管理方法
2.残った薬の回収,その後の処理
3.紛失,盗難,誤用など,もしもの場合の対応
D.海外旅行前の手続き
1.日本から携帯できる向精神薬の上限
2.日本からの麻薬の輸出,輸入の手続き
3.他国への薬剤の持ち込み
4.処方できる日数(14日から30日)
第10章 在宅医療廃棄物の処理方法〈村井邦彦〉
第11章 患者の声
(1)3度の手術の体験から〜生きることは愉しい〜〈加藤玲子〉
(2)「医療者からがん経験者」となって〈平林かおる〉
附)巻末資料: 福祉用具〈村井邦彦,寺脇立子〉
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