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書籍詳細

腫瘍免疫学

腫瘍免疫学

藤原大美 著

B5判 286頁

定価8,800円(本体8,000円 + 税)

ISBN978-4-498-00649-2

2003年11月発行

在庫なし

●近年の腫瘍免疫研究の進展はめざましい.
●5年前に刊行され好評を得た「腫瘍免疫学」の記述を全面的に見なおし,特にT細胞系の基礎免疫学に関する記載を充実させた.
●腫瘍に対する免疫機構から腫瘍への免疫療法までをダイナミックに解説した書.

目 次

本書で用いられる略語

第1章 T細胞系の基礎免疫学
 A.免疫システムにおける免疫担当細胞の役割
  1.単球,マクロファージ系の細胞
  2.樹状細胞
  3.T細胞とB細胞
  4.γδ型T細胞
  5.ナチュラルキラー(NK)細胞
  6.NK1.1陽性T細胞
  7.その他の免疫系細胞
 B.T細胞の活性化様式
  1.ヘルパーT細胞の抗原認識と活性化
  2.エフェクターT細胞の抗原認識と活性化
 C.T細胞活性化における抗原提示機構
  1.クラスII MHC拘束性抗原提示機構
  2.クラスI MHC拘束性抗原提示機構
  3.「Cross-presentation」経路
   a.Cross-presentationの概念
   b.Cross-presentationを行うAPC
   c.APC/DCのCD8+T細胞へのcross-priming/cross-presentationに
     おけるCD4+T細胞ヘルプの役割
 D.T細胞活性化と副刺激(補助)シグナル
  1.副刺激受容体としてのCD28分子の特殊性
  2.CD28分子の機能
   a.免疫シナプス形成におけるCD28の役割
   b.TCRとlipid raft凝集(集合)におけるCD28の役割
  3.CD28分子のシグナル伝達
   a.TCRを介した情報伝達
   b.CD28によるシグナル伝達機構
   c.CD28シグナルによるmRNA転写後制御機構
  4.副刺激不在下でのTCR刺激により誘導される負の応答
   a.アナージーの誘導
   b.Costimulatory シグナル欠如下でのTCR刺激に基づく
     アポトーシスの誘導
 E.T細胞の機能分化
  1.ThおよびTcの機能的多様性
   a.Th1細胞とTh2細胞
   b.Tc1細胞とTc2細胞
  2.Th1/Th2への分化の制御
   a.サイトカインによるTh1/Th2分化の制御
   b.IL-12/IFN-γとIL-4によるTh分化制御の分子機構
   c.Th1 vs Th2分化誘導とDCの多様性
   d.Th1/Th2分化に影響を及ぼす他の因子
 F.T細胞・樹状細胞の生体内移動
  1.接着分子
   a.リンパ細胞と血管内皮細胞の相互作用
   b.セレクチンファミリー
   c.インテグリンファミリー
   d.接着分子の発現制御と機能調節
  2.ケモカイン
   a.ケモカインの産生
   b.ケモカインの機能
  3.ケモカインレセプター
   a.Th1特異的ケモカインレセプターの発現誘導機構
   b.CCR5の発現誘導機構
   c.CXCR3の発現誘導機構
   d.CCR4の発現または応答性誘導機構
  4.接着分子とケモカインシステムの相互作用
  5.接着分子またはケモカイン受容体機能阻害によるT細胞浸潤と
    炎症病態の制御
  6.DCの生体内移動
 G.免疫応答のエフェクター相
 H.T細胞とアポトーシス
  1.細胞傷害性T細胞によるアポトーシス誘導
  2.TCR刺激による活性化途上のT細胞におけるアポトーシス誘導
  3.活性化T細胞におけるアポトーシスの誘導
   a.activation-induced cell death(AICD)
   b.AICDの分子機構
  4.アポトーシスのシグナル伝達
   a.Fasからのアポトーシスへのシグナル伝達
   b.増殖因子欠如により誘導されるアポトーシスのシグナル伝達
    (ミトコンドリア経路)
  5.成熟T細胞におけるアポトーシスの生理学的意義

第2章 腫瘍抗原(癌抗原)
 A.腫瘍(癌)抗原存在の古典的な証明
 B.自然発生動物腫瘍からヒト腫瘍への考察
 C.ヒト腫瘍における癌抗原の存在
  1.癌抗原遺伝子の同定
  2.現在までに同定されたヒト癌抗原遺伝子
   a.腫瘍と精巣に選択的に発現する抗原(腫瘍/精巣抗原)
   b.組織特異的発現抗原
   c.腫瘍特異的癌抗原
   d.分化関連蛋白
   e.ウイルス関連蛋白
   f.癌(原)遺伝子・癌抑制遺伝子産物
   g.その他の腫瘍抗原
 D.T細胞が認識する癌抗原遺伝子の単離法の進歩
 E.ヒト腫瘍における癌抗原ペプチド
  1.癌抗原の細胞内局在
  2.癌抗原由来ペプチドの腫瘍細胞表面発現
  3.これまでに報告された腫瘍抗原ペプチドの種類
  4.クラスI MHC結合ペプチドモチーフ
 F.CD8+T細胞とCD4+T細胞を刺激する癌抗原ペプチド
  1.マウスモデルにおけるCD8+およびCD4+T細胞認識エピトープ
  2.ヒトCD4+T細胞に認識される腫瘍抗原
 G.癌抗原ペプチドによる免疫誘導に関する免疫生物学的考察
  1.癌抗原に対するT細胞レパートリー
  2.抗腫瘍T細胞の頻度
  3.腫瘍細胞における癌抗原発現の変化
  4.ペプチドワクチンの予想外の効果

第3章 T細胞の腫瘍抗原認識および活性化機構
 A.クラスI MHC拘束性CD8+CTLによる腫瘍抗原認識
 B.クラスII MHC拘束性CD4+T細胞の腫瘍抗原認識と活性化
 C.Cross-presentation経路による抗腫瘍CD8+CTL前駆細胞の活性化
  1.APCの役割
  2.CD4+Thの役割
  3.CD8+CTL-p活性化におけるCD4+Th機能の概念の変遷
  4.CD4+Thとの相互作用により活性化されるAPCの機能
 D.CD8+CTL活性化におけるIL-4の関与
  1.IL-4は抗腫瘍免疫に有害かまたは有用か?
  2.タイプ2 T細胞(IL-4産生型)による抗腫瘍免疫
   a.Th2細胞による抗腫瘍免疫
   b.Tc2細胞による抗腫瘍免疫
  3.抗腫瘍CD8+CTLの活性化におけるIL-4の役割
  4.CD8+CTL活性化におけるIL-4要求性の普遍性
 E.CD4+Th−APC−CD8+CTL-p相互作用によるTc1/Tc2 活性化のまとめ
 F.APCによるin vivo抗腫瘍T細胞の活性化誘導
  1.腫瘍抗原パルスAPC/DCによる抗腫瘍免疫の誘導
  2.腫瘍抗原パルスDCのT細胞活性化における免疫学的課題
   a.DCの調製の問題
   b.パルスする腫瘍抗原の問題

第4章 抗腫瘍エフェクター機構
 A.抗腫瘍エフェクター細胞の種類
 B.NK細胞とNKT細胞
  1.NK細胞
   a.NK細胞の分化
   b.NK細胞の標的識別機構
   c.NK細胞の標的識別機構の生物学的意義
  2.NKT細胞
   a.NKT細胞亜集団
   b.NKT細胞の分化
   c.NKT細胞の抗原認識機構
   d.NKT細胞の機能
 C.抗腫瘍エフェクター細胞の活性化機構
  1.CD8+CTL の活性化
  2.NK(NK1.1+CD3−)細胞の活性化
  3.NKT(NK1.1+CD3+)細胞の活性化
  4.マクロファージの活性化
 D.腫瘍細胞傷害の分子機構
  1.キラー細胞(CD8+CTLおよびNK/NKT)による傷害
   a.パーフォリン/グランザイム経路
   b.Fas経路
   c.TRAIL経路
   d.各経路の重要性比較
  2.マクロファージ(Mφ)による傷害
   a.TNF-αによる傷害機構
   b.NOによる傷害機構
   c.TWEAKによる傷害機構
  3.CD4+Th細胞による傷害
  4.主なエフェクター機構のまとめ
 E.腫瘍塊におけるin vivo腫瘍拒絶機構
  1.腫瘍特異的T細胞の腫瘍塊への浸潤
  2.in vivoにおける腫瘍細胞排除機構

第5章 腫瘍免疫の炎症的側面
 A.抗腫瘍T細胞感作における樹状細胞の役割
  1.腫瘍塊におけるDCの浸潤
  2.腫瘍抗原を取り込んだDCがリンパ臓器に存在することの証明
  3.T細胞の生体内移動とIL-12
 B.腫瘍免疫のproinflammatoryサイトカインとしてのIL-12とその生物学
  1.IL-12の分子的特徴
  2.IL-12受容体
  3.IL-12の産生
  4.IL-12の生物活性
   a.細胞傷害性(キラー)細胞への効果
   b.リンパ系細胞増殖への効果
   c.サイトカイン産生への作用
   d.Th1細胞分化誘導への作用
   e.Th1細胞関連サイトカイン受容体,ケモカイン受容体誘導作用
 C.IL-12の抗腫瘍効果
  1.IL-12の全身的投与による固型腫瘍の拒絶
  2.IL-12投与による転移の阻止
  3.IL-12による原発固型腫瘍の拒絶機構
   a.拒絶機構の概略
   b.IL-12によるT細胞の腫瘍局所浸潤増強機構
  4.担癌宿主T細胞の腫瘍局所浸潤能
   a.T細胞の腫瘍局所への浸潤能のアッセイ系
   b.IL-12によるT細胞腫瘍塊浸潤能増強メカニズム
   c.T細胞腫瘍塊浸潤におけるT細胞特異性と浸潤局所特異性
  5.IL-12投与中の担癌マウスにおける腫瘍塊内免疫応答
   a.CD8+CTLによる抗腫瘍経路
   b.Mφによる抗腫瘍経路
   c.CD4+T細胞による抗腫瘍経路
   d.サイトカインによる抗腫瘍経路
  6.IL-12の腫瘍拒絶効果におけるIFN-γの役割
   a.T細胞浸潤における必要性
   b.腫瘍局所におけるIFN-γ媒介性抗腫瘍効果の抑制
  7.IL-12奏効性,非奏効性腫瘍系の存在
 D.腫瘍塊へのT細胞浸潤の誘導を規定する条件・因子
  1.種々の腫瘍系におけるT細胞自身の腫瘍塊浸潤能
  2.T細胞浸潤における腫瘍塊のT細胞acceptability
   a.腫瘍関連ストローマ組織
   b.腫瘍辺縁ストローマの機能的特殊性
   c.種々の腫瘍系における腫瘍辺縁ストローマ発達の差異
 E.腫瘍の細胞生物学的側面との接点

第6章 担癌宿主の免疫動態と免疫抑制機構
 A.担癌宿主における抗腫瘍T細胞の感作
  1.腫瘍塊におけるDCの存在
  2.リンパ臓器における腫瘍抗原提示APCの存在
  3.リンパ臓器における抗腫瘍T細胞の感作
  4.抗腫瘍T細胞の腫瘍局所への動員
   a.末梢血中における抗腫瘍T細胞の検出
   b.腫瘍塊における抗腫瘍T細胞の存在
 B.担癌状態の免疫抑制のoverview
 C.T細胞活性化抑制の標的細胞と標的分子
  1.T細胞の種々の受容体またはシグナル伝達分子の発現変化と機能修飾
   a.T細胞受容体(TCR)の構造的または機能的異常
   b.T細胞シグナル伝達分子の発現低下
   c.T細胞に負の副刺激受容体が発現することによる免疫抑制
   d.T細胞におけるNK受容体発現制御によるT細胞機能の修飾
  2.T細胞活性化抑制の標的細胞としてのAPC/DC
  3.担癌宿主T細胞機能障害の可逆性
 D.宿主免疫系細胞またはその産物による抗腫瘍免疫の制御
  1.B細胞による抗腫瘍サイトカインIL-2/IFN-γ産生の制御
  2.Th2タイプのサイトカインによるTh1免疫応答(IL-12/IFN-γ産生)の制御
  3.CD4+CD25+制御性T細胞(Treg)による抗腫瘍免疫の制御
   a.自己免疫の制御細胞としてのTregサブセットの同定
   b.Tregの活性化および作用機構
   c.腫瘍免疫制御における制御性T細胞(Treg)
  4.CTLによる抗原提示DCの除去
  5.ミエロイド系細胞(Gr-1+,Mac-1+)によるT細胞活性化の抑制
 E.腫瘍細胞自身の変化による抗腫瘍免疫応答の減弱機構
  1.腫瘍細胞におけるクラスI MHC発現の低下
   a.β2ミクログロブリン(β2M)の消失
   b.proteosome蛋白処理機構およびペプチドトランスポーターの異常
   c.腫瘍細胞のクラスI MHC発現レベルと細胞傷害性エフェクターに対する感受性
  2.腫瘍抗原の発現低下
  3.腫瘍細胞のFas/TRAILR発現量の低下とFas/TRAILRシグナリングの欠陥
 F.腫瘍由来因子による抗腫瘍免疫応答の制御
  1.transforming growth factor-β(TGF-β)
   a.腫瘍由来免疫抑制因子としてのTGF-β
   b.TGF-β受容体のシグナル伝達機構
   c.TGF-βの生物活性: 細胞増殖抑制作用
   d.TGF-βの生物活性: 細胞外マトリックス産生誘導
   e.TGF-βの生物活性: 免疫系における作用
   f.TGF-βによる抗腫瘍免疫応答の抑制
   g.TGF-βの活性型変換
  2.IL-10とIL-6
  3.VEGF(vascular endothelial growth factor)
  4.prostaglandin E2(PGE2)  225
  5.腫瘍細胞が発現するFas ligandによる免疫抑制
 G.腫瘍免疫におけるジレンマ
  1.腫瘍細胞のselection
  2.抗腫瘍T細胞におけるAICD

第7章 抗腫瘍免疫の誘導増強と腫瘍の免疫療法
 A.腫瘍の免疫療法のoverview
 B.癌抗原感作による免疫増強と免疫療法
  1.担癌状態で抑制されるT細胞機能の回復
  2.動物腫瘍モデルでの腫瘍抗原投与による免疫療法
   a.抗原修飾腫瘍細胞を用いた免疫療法
   b.動物腫瘍系における癌抗原ペプチドを用いた特異的免疫療法
   c.ヒト腫瘍における癌抗原ペプチド療法
   d.癌抗原免疫療法改善への考察
   e.DNAワクチン療法
  3.樹状細胞療法(DC療法)
   a.樹状細胞の調整
   b.ヒトDC療法の現状
 C.サイトカインによる抗腫瘍免疫増強と免疫療法
  1.IL-2
  2.IL-12
   a.ヒトIL-12の免疫療法
   b.IL-12免疫療法の問題点
   c.IL-12生物活性の再考察
   d.IL-12免疫療法の再検討
  3.タイプI IFNによる腫瘍の治療
   a.Biological Response Modifier(BRM)
   b.タイプI IFNの抗腫瘍効果
   c.タイプI IFNの直接的腫瘍細胞障害効果
   d.タイプI IFNの間接的抗腫瘍効果
 D.副刺激制御に基づく免疫療法
  1.CTLA-4分子の阻害による免疫療法
  2.B7遺伝子導入腫瘍細胞を用いた抗腫瘍免疫の増強,免疫療法
   a.B7遺伝子導入細胞移入による効果
   b.B7遺伝子導入腫瘍細胞による抗腫瘍免疫増強機構に関する考察
  3.可溶化B7蛋白を用いた免疫療法
   a.可溶化B7-Igキメラ蛋白投与による腫瘍拒絶の誘導
   b.B7-Ig誘導腫瘍拒絶のメカニズム
   c.Tc1とTc2による腫瘍拒絶機構の差異
 E.受動的腫瘍免疫療法
  1.抗腫瘍抗体を用いる方法
  2.LAK療法
  3.腫瘍特異的CTL移入による免疫療法

初版のあとがき
第2版のあとがき
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