リハビリテーション栄養Q&A
若林秀隆 編著
B5判 138頁
定価3,520円(本体3,200円 + 税)
ISBN978-4-498-06714-1
2013年10月発行
在庫あり
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リハビリテーション栄養Q&A
若林秀隆 編著
B5判 138頁
定価3,520円(本体3,200円 + 税)
ISBN978-4-498-06714-1
2013年10月発行
在庫あり
近年需要の高まりを見せる「リハビリテーション栄養」に関して,現場での疑問点をQ&A形式で解決.章を入門編,知識編,実践編の3つに分け,入門編ではリハ栄養の実践に欠かせな最低限の知識を,知識編ではサルコペニアを中心に重要な疾患・障害を紹介.実践編では臨床現場で実際に困る状況に答えを出している.自分の知識レベルを踏まえて,必要なところから読み進めることができる.とても使い勝手の良い一冊である.
序
『リハビリテーション栄養Q&A』という書籍を中外医学社から出版させていただくことになりました.リハ栄養の言葉やコンセプトは,この数年でリハや栄養の世界では,それなりに普及してきたと思います.一方,リハ栄養の臨床現場での実践は,まだまだ普及していません.その理由の1つに,臨床現場でどのようにリハ栄養を実践すればよいのかに関する知見が少ないことがあります.そこでQ&A形式で,臨床現場での疑問を1つずつ解決できる書籍にしたいと考えました.
内容は入門編,知識編,実践編の3つに分かれています.入門編は,リハ栄養の実践に欠かせない最低限の考え方・知識・実践に関するQ&Aとしました.知識編は,サルコペニアを中心に,リハ栄養で重要な疾患・障害に関するQ&Aとしました.一部,難易度が高く読みごたえのあるQ&Aも含まれています.実践編は,臨床現場で実際に困ることが多い状況に関するQ&Aとしました.リハ栄養の実践に役立つ内容になっていると考えます.
今回,日本リハビリテーション栄養研究会の世話人に執筆を依頼しました(研究会ホームページhttps://sites.google.com/site/rehabnutrition/).日本リハ栄養研究会とは,リハ栄養を多職種で,考え,学び,実践していく研究会として,2011年に立ち上げました.2013年8月時点での会員数は,約2700人です.年に1回の学術集会や合宿の他,全国各地でリハ栄養セミナーとリハ栄養フォーラムを開催しています.この書籍を読んでリハ栄養に関心を持った医療人の方は,ぜひ入会していただきたいと思います.入会方法は研究会のホームページを参照してください.日本リハ栄養研究会の会員でなくても学術集会とリハ栄養フォーラムには参加できますので,リハ栄養に興味のある方はこれらの研修会にご参加いただければと思います.今回,執筆を引き受けてくださった日本リハ栄養研究会世話人の皆様に感謝いたします.
障害者や高齢者には低栄養を認めることが多いため,最適な栄養管理のもとでリハを実施しなければ,最高のパフォーマンスを引き出すことは困難です.不適切な栄養管理のまま,栄養を考慮せずに機能訓練のみ実施すれば,機能改善が難しいのは当然です.低栄養が機能障害の一因となっていることもよくあります.「栄養ケアなくしてリハなし」「栄養はリハのバイタルサイン」「リハと栄養はベストカップル」です.リハ栄養の実践には,多職種によるチーム医療が必要不可欠です.この書籍が,臨床現場におけるリハ栄養とチーム医療の実践の推進となれば幸いです.
最後に中外医学社の上村裕也さんと鈴木真美子さんには,執筆や編集で大変お世話になりました.心よりお礼申し上げます.
2013年8月
若林秀隆
目次
I 入門編
Q1 リハ栄養とはなんですか.なぜリハで栄養が重要なのですか. [若林秀隆]
Q2 リハをしている人には低栄養が多いのですか. [吉村芳弘]
Q3 低栄養の原因はなんですか. [建宮実和]
Q4 低栄養はどのように評価したらよいですか. [建宮実和]
Q5 低栄養の対処方法は原因によって違うのですか. [建宮実和]
Q6 PT・OTですが,NSTで何をしたらよいですか.PT・OTの役割を教えてください. [石川 淳,宮崎慎二郎]
Q7 リハNSTとはなんですか. [若林秀隆]
Q8 どうやって職場の仲間にリハ栄養の考え方を広めたらよいですか. [建宮実和]
Q9 リハ栄養に興味があります.研究会はありますか. [若林秀隆]
Q10 低栄養の時にレジスタンストレーニングは禁忌ですか. [若林秀隆]
II 知識編
Q11 侵襲の異化期と同化期とはなんですか.なにが違うのですか. [建宮実和]
Q12 悪液質=ターミナルではないのですか.悪液質のステージ分類を教えてください. [荒金英樹]
Q13 在宅で検査ができません.それでも栄養状態を評価できますか. [佐藤千秋]
Q14 肥満のためにリハが進みにくいことはありますか. [藤原 大]
Q15 肥満パラドックス(obesity paradox)とはなんですか. [吉田貞夫]
Q16 リハをしている人のエネルギー必要量はどのように考えればよいですか. [藤原 大]
Q17 リハをしている人の蛋白必要量はどのように考えればよいですか. [藤原 大]
Q18 メッツ(METs)とはなんですか. [鈴木 恵]
Q19 PT・OTの運動強度がメッツでどのくらいなのかわかりません.何か目安はありませんか. [鈴木 恵]
Q20 Frailty(フレイルティ,虚弱)とはなんですか. [鈴木 恵]
Q21 サルコペニア,ダイナペニア,ミオペニアはどう違うのですか. [西谷 淳]
Q22 サルコペニアの診断基準を教えてください. [西谷 淳]
Q23 サルコペニアにはどう対処したらよいですか. [西谷 淳]
Q24 サルコペニアには分岐鎖アミノ酸がよいのですか. [西谷 淳]
Q25 サルコペニアにはビタミンDは有効ですか. [吉田貞夫]
Q26 サルコペニアと骨粗鬆症は合併しやすいのですか. [西谷 淳]
Q27 サルコペニアにカロリー制限は有用ですか. [西谷 淳]
Q28 サルコペニア肥満とはなんですか.どう対処したらよいですか. [西谷 淳]
Q29 サルコペニアで嚥下障害になることがあるのですか. [森 隆志]
Q30 サルコペニアでは呼吸筋も障害されるのですか.また,呼吸筋トレーニングは有効なのですか. [宮崎慎二郎]
Q31 大腿骨近位部骨折の後に嚥下障害になることがあるのはなぜですか. [高橋浩平]
Q32 Presbyphagia(老嚥)とはなんですか. [金久弥生]
Q33 口腔機能は低栄養の時に低下するのですか. [森 隆志]
Q34 持久力低下の原因はなんですか. [黄 啓徳]
Q35 全身持久力低下にはどう対処したらよいですか. [黄 啓徳]
Q36 ICUAWとはなんですか.廃用症候群とは違うのですか. [高橋浩平]
Q37 Muscle qualityとはなんですか.改善できますか. [高橋浩平]
Q38 ERAS,ESSENSEとはなんですか. [宮田 剛]
Q39 Prehabilitationとはなんですか. [高橋浩平]
Q40 ロコモティブシンドロームで栄養は重要ですか. [若林秀隆]
Q41 回復期リハ病棟での栄養管理は,急性期や維持期と違いますか. [吉村芳弘]
Q42 筋緊張が高い人や不随意運動を認める人はやせやすいのですか. [植木昭彦]
Q43 運動療法には抗炎症作用があるのですか. [宮崎慎二郎]
Q44 EPAとはなんですか.悪液質にはよいのですか. [荒金英樹]
Q45 知的障害の人には肥満やサルコペニアが多いのですか. [山川 治]
Q46 重度心身障害者で痩せている人が多いのはなぜですか. [山川 治]
Q47 廃用症候群の患者には低栄養が多いのですか. [若林秀隆]
Q48 脳血管疾患の人には低栄養が多いのですか. [金久弥生]
Q49 大腿骨近位部骨折の人には低栄養が多いのですか. [高橋浩平]
Q50 低ナトリウムなどの電解質異常とリハの効果は関連がありますか. [佐藤千秋]
Q51 インスリン抵抗性に対するリハと栄養のエビデンスはありますか. [吉田貞夫]
Q52 食事摂取困難ですが,アルブミン値3.4だから栄養状態は悪くないといわれました.積極的なリハを行って大丈夫でしょうか. [園田明子]
Q53 リハ室まで歩ける患者ですが,栄養状態が悪いから筋トレできないといわれました.食事は十分摂れているのですが,なぜでしょうか. [園田明子]
Q54 下肢切断後の体重評価,栄養必要量の設定はどう考えればよいでしょうか. [吉田貞夫]
Q55 管理栄養士です.リハカンファレンスに参加したいのですが,どうしたらよいですか. [吉村由梨,吉田貞夫]
Q56 PT・OTです.NSTに参加したいのですが,上司が21単位(1単位=20分)やってから参加しなさいといいます.どうしたらよいですか. [石川 淳,宮崎慎二郎]
Q57 歯科医師・歯科衛生士です.リハ栄養カンファレンスで自分たちの専門性
をどういかしていけばよいですか. [山川 治]
III 実践編
Q58 低栄養の時はどの程度活動すればよいのですか. [若林秀隆]
Q59 嚥下リハで経口摂取可能になりましたが,1日エネルギー必要量に届かない時はどうしますか. [森 隆志]
Q60 サルコペニアでも慢性腎臓病(CKD)の場合には低蛋白食にするべき
ですか. [黄 啓徳]
Q61 低栄養でも糖尿病の場合にはエネルギー制限食にすべきでしょうか. [吉田貞夫]
Q62 リハ栄養で有用な検査項目はなんですか.検査値の見方を教えてください. [佐藤千秋]
Q63 リハ栄養で注意したほうがよい薬剤はありますか. [藤原 大]
Q64 サルコペニアでも肝硬変の場合には安静にすべきですか. [若林秀隆]
Q65 機能訓練中〜直後に栄養剤を飲むメリットはなんですか. [植木昭彦]
Q66 機能訓練中〜直後に栄養剤を飲ませたいのですが,コストはどうしたらよいですか. [植木昭彦]
Q67 どんな人に機能訓練中に栄養剤を飲んでもらうのがよいですか. [植木昭彦]
Q68 がんの人があまり食事を摂取できないのはなぜですか.どうしたらよいですか. [荒金英樹]
Q69 がんの人には積極的に運動を行った方がよいですか. [高橋浩平]
Q70 がんのrefractory cachexia(不応性悪液質)のリハ栄養管理はどうしたらよいですか. [荒金英樹]
Q71 重度心身障害者の偏食・拒食にどう対処したらよいですか. [山川 治]
Q72 重度心身障害者の麻痺の違いによるリハ栄養管理の注意点はありますか. [山川 治]
Q73 認知症の方が食事を食べてくれません.どうしたらよいですか. [吉田貞夫]
Q74 誤嚥性肺炎を発症した場合のリハ栄養管理はどうしたらよいですか. [吉村由梨,吉田貞夫]
Q75 誤嚥性肺炎患者の急性期の栄養管理(栄養ルート,エネルギー量)はどうしたらよいですか. [吉村由梨,吉田貞夫]
Q76 小脳出血で嘔気・嘔吐があり,食事が進まない患者のリハ・栄養ケアはどうしたらよいですか. [若林秀隆]
Q77 脳卒中後にうつを合併しやすいのですか.どう対応したらよいですか. [藤原 大]
Q78 栄養モニタリングはどの指標を,どんな間隔で再評価したらよいですか. [佐藤千秋]
Q79 レジスタンストレーニングにおける蛋白質の摂取方法として,効率のよい内容と量とタイミングはありますか. [宮崎慎二郎]
Q80 有酸素運動と筋トレのうまい組み合わせ方はありますか. [黄 啓徳]
Q81 腎機能低下(軽度〜中等度)のあるサルコペニアの方のリハ栄養管理はどうしたらよいですか. [黄 啓徳]
Q82 気管切開があり,機能訓練をしている患者の水分管理はどう考えたらよいですか. [吉田貞夫]
Q83 経管栄養で胃内容物が逆流・残留する場合の栄養管理はどうしたらよいですか. [吉田貞夫]
Q84 リハの効果を高めるにはどのような経管栄養剤や補助食品がよいですか. [植木昭彦]
Q85 イレウス(腸閉塞)の症例のリハ栄養管理はどうしたらよいですか. [吉田貞夫]
Q86 COPDの人工呼吸器離脱に難渋しています.栄養ルートの選択とリハプランはどうしたらよいですか. [高橋浩平]
Q87 COPDで体重減少が著しく,いくら食べても体重が増加しません.どうしたらよいですか. [高橋浩平]
Q88 末梢静脈栄養で1日300kcalしか投与していませんが,口腔・嚥下の筋トレはやっても大丈夫ですか. [若林秀隆]
Q89 回復期リハ病棟を退院後に低栄養,低ADLで再入院される方がいます.在宅でのリハ栄養をどうしたらよいですか. [吉村芳弘]
Q90 リハをしている糖尿病の方の食事単位は,どのように決めたらよいですか. [吉村由梨,吉田貞夫]
Q91 ゼリー訓練中の誤嚥性肺炎患者ですが,認知症もあり,経鼻経管チューブを自己抜去しました(胃ろうは家族が拒否).あと2〜4週間くらいリハをしたら代替栄養なくミキサー食を食べられそうなのですが,その間どう栄養管理をしたらよいですか. [園田明子]
Q92 浸出液の多い褥瘡や熱傷の方のリハ栄養管理はどうしたらよいですか. [吉村芳弘]
Q93 入院中に急性感染症に罹患して隔離対策となった方へのリハ栄養で,注意すべき点はありますか. [吉田貞夫]
Q94 誤嚥性肺炎をくり返すため経静脈栄養のみとしましたが,肺炎は再発し,リハの中断が続いています.どう対処すればよいでしょうか. [熊谷直子]
Q95 高齢者の肥満(25≦BMI<35)の患者も,若い人と同じように積極的に減量した方がよいのでしょうか. [熊谷直子]
Q96 減量時のNPC/Nの設定方法と,その評価法の目安があったら教えてください. [熊谷直子]
Q97 回復期リハ病棟であるため,血液検査をなかなかオーダーしてくれません.血液検査以外にリハ栄養を評価する指標を教えてください. [吉村芳弘]
Q98 リハ栄養アセスメントとして身体測定を実施,評価する上で,注意しなければならない点はありますか. [熊谷直子]
Q99 食事の時は義歯を装着していますが,日常生活やリハ実施時は義歯をつけていなくても支障ありませんか. [金久弥生]
Q100 高度栄養障害患者に対して栄養療法を開始する場合,注意すべき点はありますか. [熊谷直子]
索引
執筆者一覧
若林秀隆 横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科 編著
吉村芳弘 熊本リハビリテーション病院リハビリテーション科
建宮実和 育会浅草病院看護部
石川 淳 KKR 高松病院リハビリテーションセンター
宮崎慎二郎 KKR 高松病院リハビリテーションセンター
荒金英樹 愛生会山科病院消化器外科
佐藤千秋 昭和大学藤が丘病院臨床病理検査部
藤原 大 宮城厚生協会坂総合病院リハビリテーション科
吉田貞夫 沖縄リハビリテーションセンター病院内科
鈴木 恵 箕面市立病院リハビリテーション部
西谷 淳 済生会小樽病院リハビリテーション室
森隆志一 般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院口腔外科
高橋浩平 戸田中央リハクリニック
金久弥生 九州歯科大学歯学部口腔保健学科
黄 啓徳 千里中央病院リハビリテーション科/京都大学大学院人間・環境学研究科応用生理学研究室博士課程
宮田 剛 東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座先進外科学分野
植木昭彦 香川医療生活協同組合高松協同病院リハビリテーション科
山川 治 甲斐歯科医院
園田明子 総合上飯田第一病院リハビリテーション科
吉村由梨 刀圭会協立病院栄養課
熊谷直子 横浜市立脳血管医療センター栄養部
株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722
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