目 次
第1章 抗精神病薬の歴史 <中村 純>
A.第I期:クロルプロマジン(CP)以前(有史以前から18世紀まで)
B.第II期:クロルプロマジン(CP)の発見
C.第III期:CP発見以降
D.第IV期:第三世代抗精神病薬アリピプラゾール(ARP)開発以降
第2章 抗精神病薬の適応となる疾患 <中野和歌子>
A.抗精神病薬が保険適応に該当する疾患
1 統合失調症
2 双極性障害
3 うつ病,うつ状態
4 その他
B.保険適応外であるが臨床上で使用される疾患
1 適応外使用について
2 双極性障害
3 うつ病
4 認知症(behavioral and psychological symptoms of dementia)に対して
5 せん妄
6 その他
第3章 抗精神病薬の種類と基本的な作用 <水野裕也,渡邊衡一郎>
A.抗精神病薬の作用機序
1 ドーパミンD2受容体と抗精神病効果
B.抗精神病薬の種類
1 定型抗精神病薬
2 非定型抗精神病薬
3 抗精神病薬の持効性注射剤
C.抗精神病薬の基本的な使い方
1 薬剤選択
2 原則として単剤で使用
4 身体的なモニタリング
D.抗精神病薬の限界
〈コラム〉抗精神病薬の併用療法および大量療法とその是正について
第4章 定型抗精神病薬 <新開隆弘,吉村玲児>
A.日本の抗精神病薬処方の現状
B.定型抗精神病薬の種類と特徴
C.定型抗精神病薬で認められる重篤な副作用
1 遅発性ジスキネジア
2 悪性症候群
3 水中毒
D.アドヒアランス
第5章 非定型抗精神病薬 <吉村玲児>
A.定 義
B.薬理学的プロファイル
1 リスペリドン
2 オランザピン
3 クエチアピン
4 ペロスピロン
5 アリピプラゾール
6 ブロナンセリン
第6章 クロザピン <櫻井 修,黒木俊秀>
A.薬理学的特徴
B.治療抵抗性統合失調症の定義
C.Clozaril Patient Monitoring Service(CPMS)
D.クロザピン使用の実際
1 適応に関する検討と禁忌
2 同意と導入
3 前治療薬からの切りかえ
4 投与開始後
5 CPMSによるモニタリング
E.クロザピンの有効性と限界
F.副作用とその対処
G.クロザピン抵抗性統合失調症の治療
第7章 抗精神病薬の代謝と相互作用 <三原一雄,中村明文,近藤 毅>
A.薬物動態学的相互作用−薬物の体内動態
B.薬力学的相互作用
第8章 抗精神病薬使用時に注意すべきこと <長嶺敬彦>
A.至適最小用量を考えよう
B.抗精神病薬の副作用
C.錐体外路症状と脳内D2受容体占拠率
D.悪性症候群
E.過鎮静
F.心突然死(QT延長)
G.便秘とイレウス
H.急性腹症
I.誤嚥性肺炎
J.高プロラクチン血症と低プロラクチン血症
K.代謝に関する副作用は,受容体プロフィールで予測できる
L.離脱やリバウンド現象
M.急性期の血液検査データの特徴
第9章 双極性障害の薬物療法─非定型抗精神病薬も含めて <帆秋伸彦,寺尾 岳>
A.気分安定薬
1 リチウム
2 バルプロ酸,カルバマゼピン,ラモトリギン
B.非定型抗精神病薬
日本うつ病学会の双極性障害の治療ガイドライン
第10章 抗精神病薬選択のエビデンス <嶽北佳輝,加藤正樹>
A.薬剤選択
1 統合失調症に最適な薬物療法とは?
2 CLZについて
3 抗精神病薬の多剤併用療法
B.剤型選択
1 液剤
2 口腔内崩壊錠
3 持効性注射製剤
第11章 統合失調症の治療ガイドライン <岸 太郎>
A.継続してAPを服用することは,再発予防に有効か?
B.SGA vs FGA
C.SGA vs SGA
D.ブロナンセリン
E.初発統合失調症
F.SGA vs SGA: 副作用(体重増加と抗パーキンソン病薬の使用頻度)
G.デポ剤の有効性
H.治療抵抗性統合失調症
I.抗うつ薬は統合失調症の陰性症状に有効か?
J.結語
索引