日常診療の疑問を解決
耳鼻咽喉科・頭頸部外科Q&A
岡本美孝 編著
B5判 300頁
定価9,460円(本体8,600円 + 税)
ISBN978-4-498-06260-3
2013年06月発行
在庫なし
トップページ > 耳鼻咽頭科・頭頸部外科 > 耳鼻咽喉科・頭頸部外科Q&A
日常診療の疑問を解決
耳鼻咽喉科・頭頸部外科Q&A
岡本美孝 編著
B5判 300頁
定価9,460円(本体8,600円 + 税)
ISBN978-4-498-06260-3
2013年06月発行
在庫なし
日常診療において多種多様な疾患に遭遇する耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域において,日ごろ疑問に感じること,確認しておきたいこと,診療に際して注意すべき事柄などを取り上げ,鼻領域,耳領域,口腔・咽頭領域,喉頭・気管領域,甲状腺領域,あわせて約100問のQ&Aとして構成した.若い読者のみならず,多くの耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師にとっても疑問解決や知識の整理に役立つ有益な情報が満載.
序
耳鼻咽喉科・頭頸部外科で扱う内容は多岐に渡っている.日常の診療ではさまざまな疾患に遭遇するが,疑問に思うことや他の医師にも伝えておかなければならない注意点を感じることも少なくない.そこで,Q&A形式で診療のコツを伝えるプラクティカルな書籍を企画した.
質問項目については,まず日頃疑問に思うこと,確認しておきたいことを当科の若手の医師らに,そして診療に際して注意しなければならないと思うことを助教以上の中堅の医師に思いつく限り挙げてもらった.そこから,鼻領域27問,耳領域21問,口腔・咽頭領域31問,喉頭・気管領域13問,甲状腺領域6問の計98問を選択して質問形式で問題を作成した.そのうえで,それぞれの質問に関連した領域で検討,研究を行っている,あるいは治療経験が豊富な先生方にお願いをして回答を作成していただいた.
各回答は2000〜3000字とコンパクトな記載をお願いしたが,さすがに内容は新鮮で充実している.日常診療でよく遭遇する疾患に対する質問と回答というスタイルからは,単なる若手の医師向けの解説書を想像してしまうがそうではない.最新の情報も取り入れられ,知識の整理に適した内容になっている.研修医や若手の医師のみならず,多くの耳鼻咽喉科・頭頸部外科医にとっても非常に有益な臨床書と自信を持って推奨したい.診察室に置いて活用していただければ幸いである.
2013年4月
岡本美孝
目次
§1.鼻領域
Q1 鼻腔の呼吸抵抗は口呼吸と比較して元来高いといわれています.鼻呼吸障害はなぜ苦しいのでしょうか.
また,どのような弊害があるのでしょうか. 〈安藤裕史,千葉伸太郎〉
Q2 東京在住の30歳代の方が3月にくしゃみ,水性鼻漏を訴えて来院しました.
昨年も同時期に同様な症状がみられたとのことでした.
スギ花粉症と診断,治療を開始して問題はないでしょうか. 〈米倉修二〉
Q3 くしゃみ,鼻漏を主訴に来院した33歳男性に,通年性アレルギー性鼻炎の診断で
第二世代抗ヒスタミン薬を2週間投与しましたが,期待した改善効果が認められないとのことです.
どのように対応したらよいでしょうか.第一世代抗ヒスタミン薬を併用することも勧められますか.
〈後藤 穣〉
Q4 6歳男児.くしゃみが多く,口呼吸がよくあるとのことですが,粘性鼻漏が強くみられるとのことです.
小児のアレルギー性鼻炎の診断,治療に際して注意する点を教えてください. 〈増田佐和子〉
Q5 東京在住の母親が「1歳6カ月の子どもが3月になってくしゃみ,
鼻漏がひどく,また眼のかゆみも訴えている.スギ花粉症ではないか」と
来院しました.どう対応すればよいでしょうか. 〈遠藤朝彦〉
Q6 東京在住の26歳女性が
「毎年鼻閉,くしゃみなど重度のスギ花粉症で悩んでいるが,妊娠2カ月と婦人科でいわれた」と
1月末に受診しました.
本年のスギ花粉症に対してどのように指導,治療すべきか具体的に教えてください. 〈吉川 衛〉
Q7 喘息を合併している場合,アレルギー性鼻炎の治療は喘息症状の改善にもつながるのでしょうか.
〈上條 篤〉
Q8 急性鼻副鼻腔炎診療ガイドラインが2010年に発刊されていますが,
どのように利用すればよいのでしょうか. 〈宇野芳史〉
Q9 鼻内に多発性ポリープを有する51歳の男性が受診しました.喘息の合併もあるとのことです.
どのような疾患を考え検査を進めればよいでしょうか. 〈石戸谷淳一,佐久間康徳,塩野 理〉
Q10 右鼻腔内に多発性のポリープと非常に粘稠な鼻汁を認める26歳女性が受診しました.
花粉症もあるとのことですが,左鼻腔は特別な所見は認めません.
どのような疾患を考え検査を進めればよいでしょうか. 〈松脇由典〉
Q11 45歳男性に慢性副鼻腔炎の診断で3カ月マクロライド療法を行っています.
症状は非常によく改善していますが,先日のCT検査では副鼻腔の陰影は残存しています.
治療はどうすべきでしょうか. 〈金井憲一〉
Q12 副鼻腔炎の治療は呼吸器疾患を改善するのでしょうか. 〈瀬尾友佳子,野中 学〉
Q13 45歳男性が鼻閉を訴えて来院しました.
アスピリン喘息の既往があります.治療に際しての注意点を教えてください. 〈出島健司〉
Q14 強い嗅覚障害を訴えて40歳の女性が来院しました.アリナミンテストでは反応がありませんでした.
改善する可能性はないのでしょうか.他の検査,治療はどのようにすべきでしょうか. 〈小林正佳〉
Q15 50歳の女性が鼻背部の痛み,鼻閉を主訴として来院しました.
鼻内に潰瘍と痂皮を伴った肉芽病変を認めます.診断はどのように進めればよいでしょうか.
〈高原 幹〉
Q16 左側の眼瞼腫脹を主訴に小児科から紹介となった生後10カ月の女児です.
CT所見で左上顎洞に陰影を認めます.
外科的処置の必要性とタイミングについて教えてください. 〈花澤豊行〉
Q17 頭痛を主訴に小児科から紹介となった5歳の男児です.CT所見で左側の蝶形骨洞に陰影を認めます.
頭痛の原因として追究するためには,どのようなアプローチが必要でしょうか. 〈花澤豊行〉
Q18 精神科から紹介になった45歳の男性です.うつ病の治療を受けています.
CT所見で両側の前頭洞に陰影があり,慢性的な頭痛を訴えています.
どのように対処すべきでしょうか. 〈藤倉輝道〉
Q19 腎機能の低下がある65歳男性です.右上顎洞に単純X線で陰影があり,
精査目的で紹介となりました.
造影剤の検査ができないとの指示を受けています.
腫瘍性病変の可能性も含めて,どのような検査を行えばよいでしょうか. 〈堀越琢郎〉
Q20 Osler病の診断で内科から習慣性鼻出血と貧血を主訴に紹介となった50歳の女性です.
手術適応の有無と術式について教えてください. 〈市村恵一〉
Q21 右鼻腔の後方に拍動を伴う暗赤色の腫瘤を確認しました.腫瘍として診断するための生検の是非,
タイミングと準備について教えてください. 〈本田耕平〉
Q22 左上顎扁平上皮癌とのことで他院耳鼻咽喉科より紹介となった65歳の男性です.
腫瘍は蝶形骨洞の前壁まで浸潤しています.
上顎癌が頭蓋底浸潤をきたした際の手術適応について教えてください.
〈大月直樹,土井清司,丹生健一〉
Q23 18歳の男性が,野球ボールが当たった後に複視を訴えて救急で受診しました.眼窩底骨折の診断ですが,
手術適応と手術時期について教えてください. 〈鴻 信義〉
Q24 20歳代男性が顔面打撲後に左視力障害(手動弁)を訴えて眼科を受診し,
ただちに耳鼻科に紹介になりました.必要な検査と治療について教えてください. 〈岡本美孝〉
Q25 交通事故での上顎骨折で35歳の男性が受診し,
上顎洞前壁・後壁,前頭突起,頬骨弓に骨折がみられました.
軽度の内転変位なので経過観察でもよいでしょうか.治療上の注意点を教えてください.
〈黒木知明,吉本信也〉
Q26 交通事故で搬送された25歳の男性.顔面腫脹,鼻出血,咬合不全で当日紹介になりました.
意識は清明ですが,救急部で撮影された搬送時の単純CT検査では頭蓋内病変は明らかではないものの,
上顎複雑骨折(Le FortII型)を認めます.鼻出血はすでに止血されていました.
修復手術の時期,それまでの対応はどのようにすればよいでしょうか.〈黒野祐一〉
Q27 7歳の男児です.体育の授業中に友達の膝が右眼にあたり受傷しました.右眼窩底線状骨折を認め,
骨の変位は軽微ですが,眼球の上転障害は著明です.手術アプローチについて教えてください.
〈柳 清〉
§2.耳領域
Q1 急性中耳炎に罹患した2歳女児が受診しました.
小児急性中耳炎診療ガイドラインが2006年に発刊されていますが,
どのように利用すればよいでしょうか. 〈工藤典代〉
Q2 伝音再建後の術後聴力成績判定基準2010年案があります.
2000年案と比べてどのように異なっていますか. 〈根本俊光〉
Q3 「真珠腫に対する術式選択や術後成績を論じる際に明確にすべき最低限の症例情報」として,
中耳真珠腫進展度分類が2008年に報告され,さらに2010年に改定案が報告されています.
どのような内容で,どのように活用すればよいでしょうか. 〈馬場俊吉〉
Q4 鼓室形成術での再建材料が改良されています.特徴も含め教えてください. 〈杉本 晃〉
Q5 60歳代女性.両側の感音難聴あり,補聴器装用を検討しているとのことです.
診察,検査手順について教えてください. 〈和田哲郎,原 晃〉
Q6 両側小耳症の20歳代女性.
BAHA(bone anchored hearing aid: 植込型骨導補聴器)を検討したいとのことです.
BAHAの適応と課題について教えてください. 〈福島邦博〉
Q7 遺伝性難聴を疑う方への対応について必要な検査や,遺伝カウンセリングについて教えてください.
〈佐野 肇〉
Q8 20歳代男性.もともと右耳は突発性難聴の既往があります.
バイクの事故で左耳も聞こえなくなりました.補聴器は効果なく,
まったく聞こえず不便な思いをしています.どのように対応したらよいでしょうか. 〈岩崎 聡〉
Q9 以前より高度の耳鳴がある方が,
耳鳴の治療方法としてTRT(耳鳴り再訓練療法: tinnitus retraining therapy)を希望しています.
TRTの現状について教えてください. 〈宮下武憲,福田信二郎〉
Q10 50歳代女性.良性発作性頭位めまい症(BPPV)を何度か起こしています.
BPPVに対する運動療法について教えてください. 〈山本昌彦,吉田友英〉
Q11 50歳代男性.めまいが2週間続いています.水平回旋混合性眼振がみられます.聴力の低下はありません.
どのような疾患を考え検査をすすめればよいでしょうか. 〈石川和夫〉
Q12 60歳代女性.回転性めまい発作の反復があり,片側性の感音難聴も徐々に進行しています.
どのような疾患を考えて検査を進めればよいでしょうか. 〈池園哲郎〉
Q13 60歳代女性.内科で処方を受けてからめまいが出現します.薬剤性めまいについて,
誘発しやすい薬剤,診療上の注意点について教えてください.… 〈工田昌也〉
Q14 脳梗塞の既往があり循環器内科通院中の75歳の男性が,
頸部を伸ばすとめまいがすると訴えて受診しました.
どのように診断を進めていけばよいでしょうか. 〈吉田友英,池宮城芙由子〉
Q15 40歳代男性が,中等度の顔面神経麻痺を発症して受診しました.
障害部位の診断はどのように進めていけばよいですか. 〈杉本 晃〉
Q16 Hunt症候群でのステロイドの使用量について教えてください. 〈山田武千代〉
Q17 Bell麻痺の診断で約4週間ステロイドを含む薬物治療を受けたが改善しないとのことで,
25歳女性が受診しました.6/40点で完全麻痺です.
顔面神経減荷術の適応について教えてください. 〈村上信五,勝見さち代〉
Q18 顔面神経麻痺後の病的共同運動の予防法や治療法に関して教えてください. 〈飴矢美里,羽藤直人〉
Q19 76歳男性.右鼓膜に大きな穿孔を認め,ときどき耳漏がみられます.左鼓膜は問題ありません.
手術の適応についてどのように考えればよいか教えてください. 〈白馬伸洋〉
Q20 60歳男性.15年前に右突発性難聴の既往があります.2年前から左がときどき聴こえにくいときや,
めまいを感じるときがあります.耳鼻咽喉科受診し遅発性内リンパ水腫を指摘されました.
遅発性内リンパ水腫の特徴と診断基準を教えてください. 〈柿木章伸〉
Q21 30歳女性.10年前から徐々に両側の感音難聴が進行しています.家族,親戚に難聴者はいません.
耳鼻咽喉科で特発性感音難聴(特難)を指摘され治療法はないといわれました.
今後どのような対応をしたらよいでしょうか.
また,急に難聴が進行したときにはどうしたらよいでしょうか. 〈野口佳裕〉
§3.口腔・咽頭領域
Q1 口腔内の乾燥を訴えて65歳の男性が受診しました.どんな原因を考えればよいでしょうか. 〈櫻井大樹〉
Q2 45歳女性が2年来の耳下部腫脹を主訴に来院しました.いくらか増大しているとのことですが,
顔面神経麻痺や頸部リンパ節腫脹は認めません.MRI検査ではどこまで質的診断が可能でしょうか.
〈本折 健〉
Q3 唾液腺腫瘍の良悪性の質的診断にPET検査は有用でしょうか. 〈堀越琢郎〉
Q4 45歳の女性が反復する耳下腺腫脹を訴えて来院しました.口腔の乾燥も訴えています.
どのような疾患を考え,どのように治療しますか. 〈今野昭義〉
Q5 70歳男性が右耳下部の腫脹を主訴に受診しました.顔面神経の不全麻痺を認めます.
悪性腫瘍と断定して構わないでしょうか.他にどんな疾患を考慮する必要があるのでしょうか.
〈鈴木賢二〉
Q6 37歳の女性が2週間来の両側耳下腺,
涙腺部の腫脹を訴えて受診しました.最近寝汗も多いとのことです.
どのように検査を進めていくべきでしょうか. 〈関 伸彦,氷見徹夫〉
Q7 唾液腺腫瘍の超音波検査ではどこまで質的診断が可能ですか. 〈茶薗英明〉
Q8 反復性の右耳下腺腫脹と唾液に白い塊が出るとのことで受診した72歳の女性です.
どのような検査と治療が必要でしょうか. 〈櫻井大樹〉
Q9 両側の耳下腺腫瘤を主訴に受診した55歳男性です.
MRI所見では,Warthin腫瘍を疑うとのコメントを放射線科医より得ました.
手術方針の立て方について教えてください. 〈河田 了〉
Q10 右耳下腺腫瘍とのことで小児科から紹介となった9歳の女児です.顔面神経麻痺は認めませんが,
増大傾向を認めます.診断方法と治療について教えてください. 〈茶薗英明〉
Q11 38歳女性,左舌から口腔底にかけて痛みを伴う小水疱を複数認めます.まずはステロイド剤の塗布を行い,
経過をみるべきでしょうか. 〈牛来茂樹〉
Q12 60歳男性,右口腔底から舌にかけて30 mm×35 mmの広い範囲に白斑病変を認めます.
どのように対処すべきでしょうか. 〈三橋敏雄〉
Q13 25歳男性,口腔内Wharton管内の唾石を切開して摘出しました.
切開したWharton管はどのように処理すべきでしょうか. 〈本田耕平〉
Q14 70歳男性,口腔底に大きな腫瘍があり下顎骨に固着しています.骨への浸潤の有無,
程度はどのように評価を進めるか教えてください. 〈久家圭太,篠原祐樹,小川敏英〉
Q15 反復して出現する口腔潰瘍を主訴に受診した40歳の女性です.
どのような検査と診療を進めればよいでしょうか. 〈飯塚桂司〉
Q16 舌痛を主訴に受診した70歳の女性です.問診上の注意点と診断・治療について教えてください.
〈本田耕平〉
Q17 7歳男児がオトガイから左顎下の柔らかい腫脹を訴えて来院しました.
ガマ腫とリンパ管腫の鑑別方法について教えてください. 〈太田伸男〉
Q18 35歳の女性が,年に4?5回高熱を伴う扁桃炎を繰り返しているとのことで
口蓋扁桃摘出術の適応について相談に来院しました.
どのように対応したらよいでしょうか. 〈松谷幸子〉
Q19 掌蹠膿疱症の診断で,皮膚科からの紹介で45歳の男性が受診しました.扁桃病巣疾患の診断,
対応はどのように行うべきか教えてください. 〈原渕保明,上田征吾,高原 幹〉
Q20 2歳の男児がいびきと口呼吸で受診しました.
両側の口蓋扁桃が3度近く腫大していますがアデノイドは中等度の腫大です.どう対応すべきか,
扁桃の摘出は問題ないか教えてください. 〈笹村佳美〉
Q21 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療目的にて
両側の口蓋扁桃摘出術とアデノイド切除術を予定している5歳の男児がいます.
漏斗胸を伴っているのですが,これに関してはどのように対応すべきでしょうか.
〈鈴木雅明,堅田浩司〉
Q22 IgA腎症にて内科から紹介を受けた30歳の男性に対する口蓋扁桃摘出術の適応について教えてください.
〈赤木博文〉
Q23 原発不明頸部リンパ節癌のため,片側の頸部郭清術を予定している患者がいます.
原発は不明のままですが,口蓋扁桃摘出術の適応があるでしょうか.
その場合,患側だけですか,両側ですか. 〈加藤久幸,油井健宏,櫻井一生〉
Q24 高度の肥満を認める40歳男性です.睡眠時無呼吸症候群のため,口蓋扁桃摘出術を予定しています.
術後管理上の留意点について教えてください.… 〈中田誠一〉
Q25 上咽頭癌の治療後のEBウイルスに対するIgA抗体の測定は定期的に行うべきでしょうか. 〈吉崎智一〉
Q26 中咽頭癌ではヒトパピローマウイルスがどの程度検出されますか.地域の違いはあるのでしょうか.
〈藤井正人〉
Q27 なぜ咽頭の炎症や腫瘍が耳痛を引き起こすのでしょうか. 〈鈴木猛司〉
Q28 50歳男性.食物が飲み込みにくい感じがするといった咽喉頭異常感を訴えて受診しました.
咽喉頭内視鏡所見では特記すべき所見がみられません.
すでに他院で2週間消炎酵素剤投与による治療を受けていますが改善ありません.
どのような検査,治療を進めていけばよいでしょうか. 〈初鹿恭介,上條 篤〉
Q29 82歳の男性が2カ月来の咽頭痛を主訴に来院しました.咽頭後壁に浅い潰瘍を伴った肉芽がみられ,
他院で腫瘍を疑われて組織検査を行ったところ炎症細胞のみで腫瘍細胞は認められず,
抗生剤,消炎鎮痛薬の投与を受けたが改善がみられなかったとのことで受診しました.
微熱も続いているとのことでした.どのような検査,診療を進めていけばよいですか. 〈鈴木賢二〉
Q30 下咽頭癌T3N0M0に対して放射線化学療法(60 Gy)を施行され,CRが得られた症例です.
退院後の経過観察における評価方法と留意点について教えてください. 〈林 隆一,濱本隆夫〉
Q31 下咽頭癌にて下咽頭悪性腫瘍手術,遊離空腸による再建術を施行した患者です.
術後半年くらいから食道と遊離空腸の吻合部に狭窄が出現してきました.対応について教えてください.
〈栗田智之,吉野邦俊,藤井 隆〉
§4.喉頭・気管領域
Q1 喉頭癌症例の照射後局所再発に対する喉頭亜全摘手術の適応を教えてください. 〈小川徹也,池田篤彦〉
Q2 嗄声を主訴に来院された70歳の男性に,声帯麻痺を認めました.どのような検査が必要でしょうか.
〈小川 洋〉
Q3 70歳の男性が食物を飲みこみにくい,むせやすいという主訴で来院しました.
喉頭ファイバーでの診察のポイントについて教えてください. 〈安達一雄,梅埼俊郎〉
Q4 嗄声と軽度の吸気時の呼吸困難を主訴に70歳の男性が受診しました.喉頭に浮腫を認めます.
発熱や痛みといった訴えはありませんでした.診断にあたっての注意点について教えてください.
〈上條 篤〉
Q5 昨夜からの咽頭痛,嗄声を主訴に35歳の男性が受診しました.喉頭蓋から披裂部に軽度の浮腫を認めます.
対応と注意点について教えてください. 〈小柏靖直,甲能直幸〉
Q6 75歳男性が声門扁平上皮癌T2N0M0の診断で,外来通院により照射治療を受けることになりました.
注意点について教えてください.化学療法は併用すべきでしょうか. 〈磯部公一〉
Q7 胃癌で2週間前に胃全摘術を受けた57歳の男性が,
術後から嗄声が出現し改善がないとのことで受診されました.
左披裂部に腫脹があり,左声帯の可動性が制限されています.どのように対応すればよいでしょうか.
〈梅野博仁〉
Q8 小児の気管切開の注意点とカニューレの選択について教えてください. 〈仲野敦子〉
Q9 喉頭に血管腫を認めるとのことで内科より紹介となりました.
喉頭血管腫の手術適応について教えてください. 〈唐帆健浩〉
Q10 喉頭癌T1で3年前に放射線治療70 Gyを施行された65歳の男性です.
最近になり両側声帯の可動制限が出現し,
CT所見にて腫瘍性病変は明らかではありませんが,
甲状軟骨の溶解像を認めます.喉頭の壊死を疑っていますが,
診断方法と対応について教えてください. 〈戎本浩史,大上研二〉
Q11 90歳の男性が喉頭癌T3N0M0とのことで紹介となりました.
全身状態は良好で,呼吸障害と摂食障害は認めません.
治療法の選択について教えてください. 〈横島一彦,中溝宗永〉
Q12 神経内科より筋萎縮性側索硬化症(ALS)による誤嚥を主訴に紹介となりました.
喉頭気管分離術の適応について教えてください. 〈後藤一貴,平林秀樹〉
Q13 声帯結節にて手術を施行した30歳の女性です.職業は小学校の教師です.
術後治療と留意点について教えてください. 〈米倉修二〉
§5.甲状腺領域
Q1 55歳の女性が甲状腺右葉の甲状腺乳頭癌の診断で紹介になりました.
右頸部にリンパ節転移も2つ疑われています.治療法について教えてください.
また日本と欧米の対応の違いについても教えてください. 〈山崎愛語,北野博也〉
Q2 甲状腺癌の診断,術後の経過観察で血中サイログロブリン測定の意義について教えてください.
〈櫻井一生〉
Q3 頸部腫脹で来院した60歳女性が,甲状腺腫瘍がみられ細胞診を行ったところクラス5の結果でした.
CT検査で肺に多発性の小陰影を認め肺転移が強く疑われました.
ヨード治療の意義とデメリットについて教えてください. 〈鈴木 誉〉
Q4 甲状腺癌の術後に再発抑制のため甲状腺剤を投与する意義について教えてください. 〈久保田 彰〉
Q5 腎結石にて泌尿器科に通院中の60歳男性です.
副甲状腺ホルモン値の上昇とCT所見で
甲状腺右葉の背側に1 cm程度の腫瘤があるとのことで紹介となりました.診断法と治療について教えてください.
〈鈴木正志,川野利明〉
Q6 縦隔に進展する巨大な腺腫様甲状腺腫との診断で甲状腺片葉切除予定の患者がいます.
反回神経同定のコツについて教えてください. 〈菅澤 正〉
索引
執筆者一覧
岡本美孝 千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学教授 編著
安藤裕史 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学
千葉伸太郎 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学講師
米倉修二 千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
後藤 穣 日本医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授
増田佐和子 国立病院機構三重病院耳鼻咽喉科医長
遠藤朝彦 遠藤耳鼻咽喉科・アレルギークリニック院長
吉川 衛 東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科准教授
上條 篤 埼玉医科大学耳鼻咽喉科・アレルギーセンター講師
宇野芳史 宇野耳鼻咽喉科クリニック院長
石戸谷淳一 横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科教授
佐久間康徳 横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科講師
塩野 理 横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
松脇由典 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学講師
金井憲一 昭和大学藤が丘病院耳鼻咽喉科准教授
瀬尾友佳子 東京女子医科大学耳鼻咽喉科
野中 学 東京女子医科大学耳鼻咽喉科臨床教授
出島健司 京都第二赤十字病院耳鼻咽喉科部長
小林正佳 三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学准教授
高原 幹 旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講師
花澤豊行 千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学准教授
藤倉輝道 日本医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授
堀越琢郎 千葉大学医学部附属病院放射線科
市村恵一 自治医科大学医学部耳鼻咽喉科学教授
本田耕平 秋田大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学准教授
大月 樹 神戸大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科学准教授
土井清司 神戸大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科学
丹生健一 神戸大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科学教授
鴻 信義 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学准教授
黒木 明 昭和大学医学部形成外科学講師
吉本信也 昭和大学医学部形成外科学教授
黒野祐一 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授
柳 清 聖路加国際病院耳鼻咽喉科部長
工藤典代 千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科教授
根本俊光 成田赤十字病院耳鼻咽喉科部長
馬場俊吉 日本医科大学千葉北総病院耳鼻咽喉科教授
杉本 晃 千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
和田哲郎 筑波大学医学医療系耳鼻咽喉科准教授
原 晃 筑波大学医学医療系耳鼻咽喉科教授
福島邦博 岡山大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科講師
佐野 肇 北里大学医学部耳鼻咽喉科学准教授
岩崎 聡 信州大学医学部人工聴覚器学教授
宮下武憲 香川大学医学部耳鼻咽喉科学
福田信二郎 香川大学医学部耳鼻咽喉科学
山本昌彦 東邦大学名誉教授
吉田友英 東邦大学医療センター佐倉病院耳鼻咽喉科准教授
石川和夫 秋田大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授
池園哲郎 埼玉医科大学耳鼻咽喉科教授
工田昌也 広島大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療准教授
池宮城芙由子 東邦大学医療センター佐倉病院耳鼻咽喉科
山田武千代 福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講師
村上信五 名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学教授
勝見さち代 名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
飴矢美里 愛媛大学医学部耳鼻咽喉科
羽藤直人 愛媛大学医学部耳鼻咽喉科准教授
白馬伸洋 愛媛大学医学部耳鼻咽喉科講師
柿木章伸 東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科講師
野口佳裕 東京医科歯科大学医学部耳鼻咽喉科講師
櫻井大樹 千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学講師
本折 健 千葉大学大学院医学研究院画像診断・放射線腫瘍学講師
今野昭義 一財)脳神経疾患研究所附属総合南東北病院アレルギー・頭頸部センター所長
鈴木賢二 藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科主任教授
関 伸彦 札幌医科大学耳鼻咽喉科学
氷見徹夫 札幌医科大学耳鼻咽喉科学教授
茶薗英明 千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
河田 了 大阪医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授
牛来茂 樹 いわき市立総合磐城共立病院耳鼻咽喉科主任科長
三橋敏雄 がん・感染症センター都立駒込病院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍科部長
久家圭太 鳥取大学医学部病態解析医学講座医用放射線学分野
篠原祐樹 鳥取大学医学部病態解析医学講座医用放射線学分野
小川敏英 鳥取大学医学部病態解析医学講座医用放射線学分野教授
飯塚桂司 市立釧路総合病院副院長
太田伸男 山形大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学講師
松谷幸子 東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科言語聴覚学専攻教授
原渕保明 旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授
上田征吾 旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
笹村佳美 自治医科大学とちぎ子ども医療センター耳鼻咽喉科学講師
鈴木雅明 帝京大学ちば総合医療センター耳鼻咽喉科学教授
堅田浩司 千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
赤木博文 国立病院機構南岡山医療センター耳鼻咽喉科医長
加藤久幸 藤田保健衛生大学医学部耳鼻咽喉科学准教授
油井健宏 藤田保健衛生大学医学部耳鼻咽喉科学
櫻井一生 藤田保健衛生大学医学部耳鼻咽喉科学教授
中田誠一 藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院耳鼻咽喉科准教授
吉崎智一 金沢大学附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授
藤井正人 国立病院機構東京医療センター臨床研究センター聴覚平衡覚研究部部長
鈴木猛司 千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
初鹿恭介 山梨大学大学院医学工学総合研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
林 隆一 国立がん研究センター東病院頭頸部外科長
濱本隆夫 国立がん研究センター東病院頭頸部外科
栗田智之 大阪府立成人病センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科副部長
吉野邦俊 大阪府立成人病センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科主任部長
藤井 隆 大阪府立成人病センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科副部長
小川徹也 愛知医科大学耳鼻咽喉科学教授
池田篤彦 愛知医科大学耳鼻咽喉科学
小川 洋 福島県立医科大学会津医療センター準備室教授
安達一雄 九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科
梅崎俊郎 九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科診療准教授
小柏靖直 杏林大学医学部耳鼻咽喉科学講師
甲能直幸 杏林大学医学部耳鼻咽喉科学教授
磯部公一 千葉大学医学部附属病院放射線科講師
梅野博仁 久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学准教授
仲野敦子 千葉県こども病院耳鼻咽喉科部長
唐帆健浩 杏林大学医学部耳鼻咽喉科学准教授
戎本浩史 東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍センター
大上研二 東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍センター教授
横島一彦 日本医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授
中溝宗永 日本医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授
後藤一貴 獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学講師
平林秀樹 獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学教授
山崎愛語 鳥取大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学
北野博也 鳥取大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学教授
鈴木 誉 国立病院機構千葉医療センター頭頸部外科・耳鼻咽喉科
久保田彰 神奈川県立がんセンター頭頸部外科部長
鈴木正志 大分大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授
川野利明 大分大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
菅澤 正 埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科教授
株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722
Copyright (C) CHUGAI-IGAKUSHA. All rights reserved.