目 次
序
読者の皆さんへ
症例 1 「まったく眠れない」というお年寄り
「全然眠れない」,そのわけは?
【症例 74歳,男性,退職者】
24時間をどう過ごしているのか
起きたい時間から7を引く
ご家族にもお越しいただく
症例 2 「明け方まで眠れない」という若者
年齢によって異なる睡眠パターン
【症例 15歳,男性,中学3年生】
小児科で「起立性調節障害」の診断
起立性調節障害は生活習慣病
起立性調節障害の陰に睡眠相後退あり
若者は東回りの時差ぼけ
症例 3 「3 4時間しか寝なくても大丈夫」と言う体調不良の働き盛り男性
日本人は睡眠に怠惰
【症例 40歳,男性,銀行員】
ビジネスマンのナポレオン幻想
メンタルヘルスに最良の睡眠時間は7時間前後
睡眠を減らして得られるのはぼんやりした時間だけ
症例 4 ため息をつきながら,身体の不調を訴えるお酒好きの50歳男性
精神科中華思想について
精神科医のふりをするなかれ
【症例 50歳,男性,新聞記者】
習慣飲酒者に抗うつ薬を出してはならない
アルコールは睡眠の質を悪くする
習慣飲酒者には週3日の休肝日を!
治療契約には自己保健義務が含まれる
症例 5 職場でパワハラを受けたとおっしゃる住宅資材メーカー31歳男性
医者は口が堅い
パワーハラスメントは精神医学の問題ではないはずだが…
【症例 31歳,男性,住宅資材メーカー勤務】
「パワハラを受けています!」
医者はパワハラを立証できない
パワハラ問題の前に療養指導を
症例 6 不安発作頻発の37歳キャリア・ウーマン
精神科医にも難しい産業精神保健
【症例 37歳,女性,放送局勤務】
背景事情に踏み込み過ぎると収拾がつかなくなる
症状が何であれ「たった一つのこと」を
「心身のコンディショニング」を意識づける
症例 7 退職後ひきこもって昼間から酒を飲んでいる初老男性
ストレスは少なすぎてもよくない
【症例 62歳,男性,退職者】
医師危うきに近寄らず
成否のカギは,習慣の問題を発見できるかどうか
日中の活動が少なすぎて眠れない
「睡眠日誌」をつけさせる
初診時に3点のみ.言いすぎると次回来ない
退職者のメンタルヘルス
症例 8 「復職が不安だ」と言う若手女性教師
診断に伴う社会的責務の免除
責任免除は期間限定
「不安だ」と言っても,すべてがビョーキというわけではない
【症例 28歳,女性,中学教員】
「復職して,もし何かあったらどうするのか」
教育の現場は特別?
休職は病気ゆえなのか,学校の都合ゆえなのか
「ドクターストップとは言えません」
症例 9 帰省中に被災した男性看護師
症例 10 PTSDを心配した教師に連れてこられた被災者少年
症例 11 やさしい精神科医に多剤併用を受けていた22歳女性
症例 12 セカンド・オピニオンをもとめて来院した26歳OL
症例 13 眠たいのに心理カウンセリングを受けさせられていた11歳女児
症例 14 元気の出る薬を執拗に要求するネット依存の若者
症例 15 本人の代わりにPTSDの診断書を求めて内縁の夫が来院した29歳女性
精神医学の本をどう読んでいくか
精神科臨床はどう学んでいくか
精神科のカルテはどう書くか
学会『ガイドライン』をどう考えるか?
療養指導のエビデンスプライマリケア精神医学,私の経験
初出一覧
あとがき
索引