健診・人間ドックハンドブック
日野原重明 監
A5判 518頁
定価5,720円(本体5,200円 + 税)
ISBN978-4-498-01214-1
2013年05月発行
在庫なし
健診・人間ドックハンドブック
日野原重明 監
A5判 518頁
定価5,720円(本体5,200円 + 税)
ISBN978-4-498-01214-1
2013年05月発行
在庫なし
健診・人間ドックに必須の知識を凝縮したハンドブックの最新版.前回改訂以降の2年間の動きを織り込んで内容を大幅にブラッシュアップした.各種検査所見解釈のコツや対応のノウハウ,指導法などについて,各分野のエキスパートが,それぞれのポイントを実践的にわかりやすく解説する.医師,看護師,保健師,労働安全衛生管理者など,健診・人間ドックに携わる,すべての医療者必携の一冊である.
改訂5版の序
2004年2月に初版を出し,10年間に4回の版を改めました,世界に類をみないスピードで高齢化するわが国において,虚血性心疾患,脳血管障害の増加が予想されています.最近動脈硬化性疾患の予防ガイドラインが改訂されました.これらを反映して改修が要望されていました.
また健診・人間ドックにおける問診,診察,判定,面談,事後指導,保健指導,フォローアップにおける医師の役割が重要視されております.
本書はこれらの要請により,さらに読者の皆様方,執筆の先生方,中外医学社編集部の方々のお力によりここまで育てられてまいりました.深く感謝いたしております.
2013年3月
編者 識
目 次
1 健康増進と健診の意義
1.生活習慣病と健康日本21 〈高久史麿〉
A.健康日本21計画
B.たばこ
C.アルコール
D.栄養・食生活
E.身体活動・運動
F.生活習慣病と健康寿命
G.健康日本21の改正
2.高齢社会に求められる健康政策
「家庭力と地域力」を活かして健康づくり 〈佐原五大 黒川 清〉
A.医療政策から健康政策へ
B.世代間の知恵と協力が築く健康コミュニティ
C.「自分たちの健康は自分たちで守る」意識を育てる
3.特定健康診査および特定保健指導について 〈津下一代〉
A.生活習慣病の現状と医療制度改革
B.特定健診・保健指導の概要
C.後期高齢者支援金の加算・減算
D.市町村などにおいて実施されるポピュレーション
アプローチとの連動
4.がん対策推進協議会 〈垣添忠生〉
A.がん対策基本法
B.がん対策推進協議会
5.健診概論 〈田村政紀〉
A.健診・人間ドックの歴史
B.健診・人間ドックが必要な理由
C.生活習慣病への取り組み
D.良い健診・人間ドックとは
E.優良総合健診施設とは
F.健診成績の判定は個人の継続データによって行う
2 生活習慣の改善
1.特定保健指導 〈津下一代〉
A.保健指導の目的と基本的なスタンス
B.特定保健指導の流れ
C.保健指導の具体的な内容
D.保健指導の評価
2.酒 〈樋口 進〉
A.酒に関する基本事項
B.アルコールによる健康影響
C.アルコールによる社会的影響
D.アルコール依存症
E.飲酒習慣の改善指導
3.たばこ 〈山口直人〉
A.喫煙の健康影響
B.受動喫煙
C.禁煙支援
D.総合的なたばこ対策の推進に向けて
4.ストレス 〈大野 裕〉
A.ストレス因子: ユーストレスとディストレス
B.ストレス反応の個人差
C.ストレス反応
D.ストレス対処の基本
5.栄養・食生活 〈三好美紀 吉池信男〉
A.特定保健指導において求められる栄養・食生活の
専門知識
B.食生活指導のための食事調査
C.食生活指導の方法
D.食生活指導における留意点
E.自己チェック,モニタリング
F.食生活指導後の評価
6.運 動 〈勝川史憲〉
A.運動開始前の心血管リスクの管理
B.従来の有酸素運動の運動プログラム
C.肥満や動脈硬化性疾患の運動療法
D.健康づくりのための運動指針2006
E.レジスタンス運動(筋力トレーニング)
7.がん予防のための生活習慣改善指導 〈津金昌一郎〉
A.科学的根拠に基づくがん予防
B.発がんにかかわるリスク・予防要因の因果関係評価の国際的現状
C.日本人のエビデンスに基づいた因果関係評価の現状
D.日本人のためのがん予防法
E.がん予防法:その他の注意点
3 健診所見の読み方と対応
1.肥満・やせの評価と対応 〈勝川史憲〉
A.肥満の評価
B.肥満の対応
C.やせの評価と対応
2.高血圧と低血圧の評価と対応 〈猿田享男〉
A.健診時における血圧の測定法
B.血圧の測定値の評価と対応
3.血液検査 〈小川哲平〉
A.赤血球数(RBC),ヘモグロビン量(Hb),
へマトクリット(Ht)
B.白血球
C.血小板
D.赤血球沈降速度(赤沈)
E.CRP(C反応性蛋白)
4.脂質異常症(高脂血症) 〈中村治雄〉
A.判定基準の原則と応用
B.生活指導・経過観察のポイント
5.動脈硬化検査 〈中村治雄〉
A.頸動脈エコー
B.脈波速度
C.眼底検査
6.糖代謝異常と対応 〈河盛隆造〉
A.糖尿病の診断基準
B.“糖のながれ”を考えよう
C.2型糖尿病の病態をふまえた治療のあり方は
D.経口糖尿病薬による治療効果
E.HbA1cとグリコアルブミンの差異
7.尿酸値の異常と対応 〈大野岩男 細谷龍男〉
A.高尿酸血値,低尿酸血値の定義
B.血清尿酸値と心血管障害
C.高尿酸血症に対する対策
8.肝機能異常と対応 〈板倉 勝〉
A.肝疾患スクリーニングとしての検査の分類
B.疾患・病態からみた健診所見と対応
9.ウイルス肝炎検査 〈西崎泰弘〉
A.健診・人間ドックにおける肝炎ウイルス検査とは
B.肝炎ウイルス検査陽性時の着眼点
C.B型肝炎ウイルスについて
D.C型肝炎ウイルスについて
10.電解質異常と対応 〈遠藤正之〉
A.ナトリウム濃度の異常
B.カリウム濃度の異常
C.カルシウム・リン濃度の異常
11.尿所見の異常と対応 〈田内一民〉
A.健診での異常出現率
B.健診での検査項目と結果の解釈
C.健診の問題点
D.対 応
E.腎専門医への紹介
12.心電図異常と対応 〈山根禎一〉
A.Normal variant
B.ST−T変化
C.左室肥大
D.不整脈
13.負荷心電図,心エコー,その他 〈?橋敦彦 久代登志男〉
A.負荷心電図
B.ホルターHolter心電図
C.心エコー(心臓超音波検査)
D.その他の検査
14.肺機能の異常と対応 〈海老原明典 桑平一郎〉
A.スパイロメトリーで測定される基本的肺気量
B.フローボリューム曲線の生理学的意義と病態
C.換気障害の分類と異常値への対応
D.スパイロメトリーによるCOPD重症度分類
E.喫煙の肺機能への影響
15.腹部超音波検査異常と対応 〈桑島 章〉
A.健診における腹部超音波検査の意義と特徴
B.腹部超音波検査所見と事後指導
C.健診で遭遇しやすい肝・胆道疾患の診断上のポイント
D.健診で遭遇しやすい膵と脾所見の診断上のポイント
E.健診で遭遇しやすい尿路と後腹膜所見の診断上のポイント
16.便潜血反応陽性と対応 〈清島啓治郎〉
A.勧めたい検査法と結果の読み方
B.課題は二次検査受検率
C.新しい精査適応決定法
D.連続性重視の精査適応決定法
E.適応決定法考案の背景−1
F.適応決定法考案の背景−2
G.便潜血を通してみえているもの
H.便潜血への向き合い方
I.痔疾と便潜血検査
17.上部消化管検査 〈杉野吉則〉
A.健診における上部消化管検査と対象疾患
B.X線検査
C.内視鏡検査
D.ペプシノーゲン法およびヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)検査
18.胸部X線写真・胸部CT検査異常とその対応 〈江口研二〉
A.肺がんの位置づけ
B.肺がんのリスク因子と注意すべき症状
C.胸部X線写真と胸部CT像
D.血清腫瘍マーカー
E.異常時の精査のポイント
F.低線量CTによる検診
19.乳房健診 〈馬場紀行〉
A.乳房健診の目標
B.乳がん検診の実績
C.乳房健診の着眼点
D.乳房健診の問題点と対策
E.乳房健診の展望
20.脳ドック 〈高橋若生 篠原幸人〉
A.脳ドックでみつかる主な疾患
B.脳ドックでみつかる所見の対応
21.骨密度検査の異常と対応 〈萎沢利行〉
A.骨粗鬆症検診に必要な項目
B.骨密度検査の異常と対応
C.骨粗鬆症性骨折の予防
22.婦人科検診 〈長谷川寿彦〉
A.婦人科検診の範囲
B.婦人科腫瘍検診
23.泌尿器科健診 〈松下一男〉
A.検尿の異常
B.エコーでみつかる泌尿器疾患
C.PSAの異常値
D.さらに一歩進んだ泌尿器科健診
24.眼科検診 〈小口芳久〉
A.視力検査
B.眼圧検査
C.眼底検査
25.耳鼻科健診(難聴,耳鳴) 〈小川 郁〉
A.選別聴力検査
B.純音聴力検査
C.難聴と耳鳴
26.ヘリコバクターピロリ菌検査 〈西崎泰弘〉
A.健診・人間ドックにおけるヘリコバクターピロリ菌検査の意義
B.ヘリコバクターピロリ菌の検出方法とその特徴
C.ヘリコバクターピロリ菌陽性時の対策と問題点
27.腫瘍マーカー異常と対応 〈宮地勇人〉
A.検診項目としての腫瘍マーカー検査
B.検査所見の解釈と対応
28.PET検診 〈安田聖栄〉
A.PET検査とは
B.PETによるがんの診断
C.PET検診の特徴
D.PET検診の現状
E.PET検診の課題
F.被 曝
29.総合健診における判定基準 〈菅野剛史〉
A.基準範囲(reference interval)と正常値(normal value)
B.臨床検査の測定値は
C.トレーサビリティ連鎖の概念
D.総合的判定基準
30.基準範囲 〈菅野剛史〉
A.基準範囲とは
B.健常人とは
C.水準の高い標準物質の出現
D.病態識別値の概念
31.健診データの信頼性と精度管理 〈福武勝幸〉
A.優良総合健診施設/更新基準(臨床検査にかかわる部分を中心に)
B.外部精度管理調査の管理成績の見方
C.総合健診の信頼性
32.特定健診での精度管理 〈菅野剛史〉
A.精度管理
B.健常人での基準範囲とは
C.水準の高い標準物質の出現
D.病態識別値の概念
E.健診での基準範囲の利用法
33.健診時の薬剤服用の注意―薬剤による検査値への影響― 〈小池 亨 尾崎由基男〉
A.検査値に対する直接妨害と間接妨害
B.薬剤による副作用
34.健診と医療安全 〈光宗皇彦〉
A.プライバシー保護
B.精度管理
C.感染予防
D.医療事故
E.機器の安全管理
F.防災対策
4 サプリメントと食品添加物
1.サプリメントの基礎知識 〈槇 孝雄〉
A.サプリメント利用の現状
B.「食品」と「医薬品」
C.サプリメントの範囲
D.その他のサプリメント
E.サプリメントの品質と安全
F.サプリメントの選択と利用
G.医薬品との相互作用(Drug Interactions)
H.サプリメントの今後
2.食品添加物の基礎知識 〈槇 孝雄〉
A.添加物の定義
B.添加物の範囲と指定
C.添加物の規格および基準
D.食品添加物の摂取状況
5 総合健診に必要な関連法規
総合健診に必要な関連法規 〈吉田勝美〉
A.わが国の健康増進の歴史
B.特定健診特定保健指導
C.産業保健
D.健康日本21(第2次)
E.健診と個人情報保護
F.健診機関の医師として
復習問題
解答・解説
索 引
執筆者一覧
日野原重明 聖路加国際病院理事長 監
小川哲平 相模原中央病院顧問 編
猿田享男 慶応義塾大学名誉教授 編
田村政紀 PL東京健康管理センター 編
高久史麿 日本医学会会長
佐原五大 NPO 法人日本医療政策機構
黒川 清 NPO 法人日本医療政策機構
高城 亮 厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室
垣添忠生 公益財団法人日本対がん協会会長
田村政紀 PL 東京健康管理センター所長
津下一代 あいち健康の森健康科学総合センターセンター長
樋口 進 国立病院機構久里浜医療センター院長
山口直人 東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学第二講座教授
大野 裕 国立精神・神経医療研究センター,認知行動療法センターセンター長
三好美紀 国立健康・栄養研究所国際産学連携センター
吉池信男 青森県立保健大学健康科学部栄養学科教授
勝川史憲 慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授
津金昌一郎 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部長
猿田享男 慶應義塾大学名誉教授,日本臨床内科医会会長,医療研修推進財団理事長
小川哲平 相模原中央病院顧問
中村治雄 三越厚生事業団顧問,防衛医科大学校名誉教授
河盛隆造 順天堂大学特任教授・大学院スポートロジーセンターセンター長
大野岩男 東京慈恵会医科大学総合診療内科教授
細谷龍男 東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科教授
板倉 勝 駿河台診療所院長,東海大学医学部非常勤教授
西崎泰弘 東海大学医学部付属東京病院副院長・健診センター長
遠藤正之 東海大学医学部腎内分泌代謝内科教授
田内一民 順天堂大学医学部特任教授
山根禎一 東京慈恵会医科大学循環器内科准教授
高橋敦彦 日本大学医学部総合健診センター医長
久代登志男 日本大学医学部総合健診センター所長,日本大学教授
海老原明典 東海大学医学部付属東京病院呼吸器内科学講師医長
桑平一郎 東海大学医学部付属東京病院呼吸・循環器センター長,呼吸器内科学教授
桑島 章 PL 東京健康管理センター診療部長
清島啓治郎 宝生会PL 病院健康管理科部長
杉野吉則 慶應義塾大学病院予防医療センターセンター長(医学部教授)
江口研二 帝京大学医学部内科学講座腫瘍内科教授
馬場紀行 東京共済病院乳腺科部長
高橋若生 東海大学医学部神経内科准教授
篠原幸人 国家公務員共済組合連合会立川病院病院長
萎沢利行 藤和会藤間病院理事長
長谷川寿彦 公益財団法人東京都予防医学協会常任学術顧問
松下一男 東海大学医学部付属東京病院非常勤教授
小口芳久 慶應義塾大学名誉教授
小川 郁 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科教授
宮地勇人 東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学教授
安田聖栄 東海大学医学部消化器外科教授
那須政司 東海大学医学部基盤診療学系画像診断学
菅野剛史 三菱化学メディエンス(株),中央総合ラボラトリー顧問
福武勝幸 東京医科大学臨床検査医学主任教授
小池 亨 山梨大学医学部附属病院検査部臨床検査技師長
尾崎由基男 山梨大学医学部附属病院検査部教授
光宗皇彦 (財)淳風会健康管理センター名誉センター長
槇 孝雄 NPO 法人食品保健科学情報交流協議会顧問
吉田勝美 医療法人社団進興会学術顧問,産業医科大学産業衛生教授
株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722
Copyright (C) CHUGAI-IGAKUSHA. All rights reserved.